絶対に感動するものが山形にはあるっ!|旅人:井門宗之
2016-06-10
こんにちは、井門宗之です!39歳になったばかりです!
趣味は感動する事です!!(©小林千鶴)
え~、毎度バカバカしい旅日記にお付き合い頂いている皆さん、
今週も山形編でございますよ。山形のリスナーさん、先週は反響を有り難うございました!
さて感動大好き、井門宗之が(待て)お送りする山形編の第2弾とは何か!?
それがこれだ!!
絶対に感動するものが、山形にはあるっ!!
*サッカーの有名なBGMを脳内再生してください。
山形と言えば、かつて冷んやりの旅でも随分と感動させられました。
あの旅は確かに「冷やし」がテーマでしたが、
行く先々で一行は人知れず感動させられていたのです。
井門P「いやぁ、あの怪談話には随分冷んやりさせられてね…。感動すら覚えたもの。
もちろん、覚えているよね?ミラクルさん?」
ミラクル「へへへ、もちろん…。」
井門P「もちろん?」
ミラクル「…覚えてないでゲス。」
井門P「覚えてないんかーい。」
(ごめん、ベタな事をして)
ええっと…とにもかくにも、山形に思い入れの深い一行(説得力に欠ける)。
湯の浜海岸で「サーフィン発祥の地」の像を拝んでから、旅のスタートであります。
まず最初の感動は…鶴岡市立加茂水族館。
僕はそれこそ10年以上前にこの水族館にお邪魔した事がありました。
当時はクラゲで有名になりつつあった頃で、
水族館自体も古くて(ごめんなさい)、ラボも小さかったのを記憶しているのですが…。
な・な・な・な・なんて綺麗になってるんでしょう!!
しかも駐車場も車でいっぱいになっている!!
あの時の小さなラボや展示が嘘の様に、
現在はクラゲドリーム館として大人気の施設になっているのです!
クラゲドゥリ~ム…(長渕さんのステイドリーム風に)
取材日も朝早くから家族連れ、カップル、御年輩の方など幅広いお客さんがいらっしゃり、
館内に展示された幻想的なクラゲの水槽を前に溜め息をつかれていました。
僕がかつてお話しを伺ったのは前館長の村上さんだったのですが、
今回お話しをお伺いしたのは現館長の奥泉和也さんです。
いやぁ、この奥泉さんのお話しが面白いのなんの(笑)
奥泉さんは農業高校を卒業し水族館に入った経歴をお持ちの方。
農業高校時代は大型の動物の飼育をやられていたそうで、
であればアザラシも大丈夫だろう、と(笑)
そんな風にして加茂水族館での仕事が始まったそうです。
奥泉「当時は10名程のスタッフしかいませんでした。
本当の社員は6名程度だったんじゃないかなぁ。
どんどん営業的にも厳しくなっていって、色んな企画を考えたんです。」
井門P「例えばどんな事をやられたのですか?」
奥泉「当時は“ラッコ神話”ってのがあってね。
ラッコさえ展示すれば水族館に人が入ってくるっていう。
なのでウチもラッコを入れたんだけど、入館者は落ちた。」
井門P「ラッコ神話があったにも関わらず?」
奥泉「えぇ、落ちました。
今度は特別展をやってみたんだけど、お客さんが来なかった。
次は熱帯魚の展示を始めてみたんだけど、お客さんは来なくて…。
しかも近くのホームセンターの方が熱帯魚の種類が豊富になっちゃった(笑)」
井門P「上手なオチにしか聞こえませんよ!!」
経営状態も状況も厳しい中で加茂水族館に起死回生の奇跡が起きたのは、偶然だった。
ある日サンゴの水槽に眼をやると、何やら小さな生き物が浮遊している。
知り合いの水族館に聞いてみると、どうもサカサクラゲだと。
どうやらサンゴにサカサクラゲの種が付いていて、それが偶然成長したらしい。
そしてこのふわふわと浮遊する小さな生き物を展示した所、
入館者の数が増えていったのだという。
奥泉「綺麗でふわふわしていて、この世でこんな美しい生き物はいないでしょ。
仕事じゃなくても、私はクラゲの水槽を観に来てしまいます。」
クラゲの展示を始めてから、加茂水族館の入館者は増えていった。
そして2014年6月1日、クラゲドリーム館が完成した。
奥泉「クラゲでは負けない様にしよう、
面白い展示にしよう、と村上前館長からは言われています。」
ユニークな展示方法の一つとして、
巨大水槽の前に中にいる魚の旬と美味しい食べ方のレシピが展示してある場所がある。
生きる為に食べる…そのシンプルな事を改めて考える事で、
大人にも子供にも良い影響があると館長は話してくださいました。
そして案内は館内に展示された様々なクラゲの水槽へ…。
世界にはおよそ3000種程のクラゲがいるそうですが、
こちらの水族館には50種類以上のクラゲがいるとか。
そしてその60~70%がこの水族館で繁殖されたクラゲだそうです。
奥泉「このクラゲは海を知らないクラゲですね。
あぁ、このクラゲは僕が繁殖に成功したものです。」
事も無げにそう語る、奥泉館長。
水族館の中には繁殖の為のラボがあるのだが、
そこで日々クラゲの研究が続けられているのだ。
奥泉「飼育と繁殖はほぼイコールですからね。」
素晴らしい展示の裏には加茂水族館の努力が詰まっている。
だからこそ、訪れた方はその美しさに惹き込まれてしまうのだ。
最後に着いた部屋。
そこにはこの水族館で最も大きな水槽の中に、無数のクラゲが浮遊していた。
光の中でゆらゆらと優雅に“たゆたう”クラゲ。
水槽を見上げながら、時間の流れがクラゲの水槽の中に溶けていった。
日々の仕事のこと、悩んでいること、自分そのもの。
その全てに“大丈夫だよ”と言われている様な気がして、動けなくなった。
井門P「あんまり安易に言いたくはないのですが…感動しましたっ!」
奥泉「ははは、また是非いらしてくださいね(笑)」
ミラクル「山形と言えば…映画なのは知ってるかな?」
井門P「あれですよね!“蝉しぐれ”とか“おくりびと”とか。」
ミラクル「あぁ、そう、知ってるんだ…。へぇ…。」
喋り手に先回りされて撃沈するミラクル氏(KIKI-TABIあるある)。
マホカンタで呪文が跳ね返されたかの様である。
そんな一行(勇者:井門、踊り子:横山、僧侶:K、遊び人:ミラクル)が向かったのが、
庄内映画村資料館。
松ヶ岡開墾場に残る大蚕室(お蚕さんを飼っていた建物)を映画の資料館とした施設がここ。
実際に使われた映画のセットなども展示される、映画ファンには堪らない場所なのです。
こちらを御案内頂いたのが代表の宇生雅明さん。
縁あってこの地に映画の資料館を建てる事になった方であります。
まずはこの広大な松ヶ岡開墾場について教えてくださいました。
宇生「江戸時代から明治にかけて、庄内藩という藩はいわゆる政敵とされました。
新政府軍に刃向かった藩という事で…。
庄内藩のお侍からすればそんな屈辱的な事はありません。
自分達は当然の様に幕府への忠義を尽くしただけなのですから。
しかし新政府の目は冷たいまま。」
井門P「なんとも理不尽というか、悔しかったでしょうねぇ。」
宇生「実は当時、世界中で蚕の養殖が盛んに行われていました。
ところが伝染病で世界中の蚕が死んでしまった。
ところがです、日本は鎖国をしていた為に伝染病が入らず蚕は元気だった。
そこで一気に蚕の需要が増えたのです。」
井門P「この資料館も元は蚕を飼っていた場所なんでしたっけ?」
宇生「そうです。3階建、長さ40m程の巨大な蚕室です。
旧庄内藩の武士達は自分達に反目の意志がない事を表す為に、
刀を鍬に持ち替えてこの広大な土地を開墾したのです!」
その時の旧庄内藩の武士の数、およそ3000名。
たったそれだけの人数でこの地にあった600本の松の木を58日間で切り倒したという。
そして松ヶ岡の土地をボランティアで10年かけて開墾し、
それが終わるとそれぞれ散り散りに去っていったという…。
井門P「格好良過ぎやしませんか!!」
もうそのエピソードだけで映画が1本作れそうな勢いなのだが、
主役はそのお話しではないので早速資料館の中へ…。
宇生さん曰く『映画の資料に関して言えば、その数は東北一』というだけあって、
山形で撮影された映画の資料だけではなく、雑誌「スクリーン」のバックナンバーや、
映画のフライヤー、ロビーカードなどがズラリと並びます。
宇生「ロビーカードなんてご存知ないかな?
昔はこういった映画のワンカットの写真が館内に貼られていたんですよ。」
また館内には『スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ』の舞台セットや、
『おしん』のセットが展示されていて、映画の臨場感を体感する事も出来る。
宇生「この藁靴の中を見てみてください。なんせ冬の撮影でしたから、
主役のここねちゃんに風邪をひかすわけにはいきません!」
井門P「あっ!!藁靴の中にゴム長靴が仕込んである(笑)」
宇生「でも映画の為にここねちゃん、撮影中は実際に親御さんと離れて撮影したんです。
すると段々とこう…女優の顔になっていくって言うのかなぁ。素晴らしかったですよ!」
他にも映画にまつわるエピソードが宇生さんから出てくる出てくる(笑)
例えば『座頭市 THE LUST』の撮影時、
主演の香取慎吾さんはリハーサルの時も眼を閉じて殺陣に臨んだとか、
『おくりびと』がアカデミー賞を受賞した時は、
昼間っから飲みながら受賞の報を待ってたとか(まさか受賞すると思っていなかったので)。
井門P「おっ、男はつらいよのポスターなんかも展示してあるんですね!」
宇生「いやぁ、御年輩の方で仰ってくる方が多いんですよ~。
“男はつらいよ”はないの?って(笑)
あっ、あとこちらは“おくりびと”で出てきた棺ですね。
生きてる内に棺桶に入ると長生きするっていうので、小山薫堂さんも入られました(笑)」
1階は資料展示、2階は映画のセット展示になっているのだが、
この蚕室は3階建てであります。実は本来であれば危険な為に登れないのですが、
今回は取材という事で特別に登らせて頂きました。
この3階部分からの眺めが抜群に綺麗なんです!
映画にどっぷり囲まれて、宇生さんも楽しそうだったなぁ…。
改めて山形と映画の関わりをたっぷり知る事が出来ました!
宇生さん、あまり安易には言いたくないのですが、感動しましたっ!
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そして一行は実際に映画の撮影に使われている、
スタジオセディック庄内オープンセットへ!
社長の丸山典由喜さんにお話しを伺いつつ、
逸る気持ちを抑えながら(あんまり抑えてない)広大な敷地へとGO!!
いやぁ…なんせ広い!88ヘクタール(26万4千坪)の敷地に、
漁村・農村・戦国大手門・宿場町・山間集落のセットが展開しているのですが、
ここで撮影された映画は錚々たるものばかり。
『るろうに剣心 京都大火編』、『超高速!参勤交代』、『おしん』、『十三人の刺客』、
ドラマも『信長協奏曲』、『勇者ヨシヒコ』などなど多岐に渡っているんです!
映画のセットで使われた家などは、実際に中を覗く事も可能で、
ついつい三文芝居をやりたくなってしまうKIKI-TABI陣。
でもここに来れば必ずそうなりますって(笑)
井門P「おぉっ、あそこに何やら曲者がおるぞ!!
大砲を放て~~!!(ドーンッ!!!!!!←心のSE 」
ミラクル「や…やめるでゲスよぉ~!キャッキャッ」
そんなこんなでオープンセットを満喫した一行。
どうやらこの庄内の雰囲気は演じる役者さんの心にも作用するようで、
丸山社長曰く「俳優さんも、このセットに入るにつれ気持ちが入っていくようです」との事。
映画好きな井門P、ここでもやっぱり感動しましたっ!!
ミラクル「さて次は月山に登るでゲスよ!!」
横山「ガッさん(がってん)でぃ!!」
愛されて業界歴30年以上の仏に言われたら、笑顔になるしかない。
この旅が初めての地方ロケであるKは、心からそう思ったと後に語った。
山形と言えば、月山である。
毎年4月10日にオープンし、7月いっぱいまで営業するスキー場。
そのコースの難しさから、プロスキーヤー達がこのシーズン練習に来る事でも有名だ。
我々は営業所長の浜広人さんにお話しを伺った…、
というか一緒にリフトで上まで登った。
リフトで登りながら山に広がる高山植物のお話しを色々と伺う。
月山スキー場はスキーのシーズンが終わると、今度は高山植物が美しいシーズンになる。
その季節が過ぎると夏山、そして秋の紅葉のシーズン。
では肝心の雪の季節になるとどうなるかというと…。
浜「ここは冬になると雪が多くて入れなくなるんです。」
だからこそ、このシーズンにオープンするのだという。
そしてこの標高でこれだけ雪の量が多いのも月山スキー場の特徴だとか。
浜「リフトを降りると標高1500mなんですけど、
この標高でこれだけの雪の量は3000m級の山と比べても遜色ないと思います。」
浜さんは大学時代スキー部に所属し、就職してからはずっとここで働いているという。
御自身も月山に魅了された多くのスキーヤーの一人なのだ。
リフトを降りたところでスキーヤーの方々にもお話しを伺った。
中には東京から来ていて、しかもこの前来たのがGWだというツワモノ(中2週?)も。
スキーヤーだけではなくスノーボーダーも数多く、
難コースに四苦八苦している方も多い。
浜「あの方々も通常のスキー場であれば輝くほど上手でしょう。」
井門P「やはりかなり難しいのですか?」
浜「コブの斜面で400mあります。
最初に挫折して、次のシーズンはリベンジにやって来る方も多いですよ。」
井門P「改めて浜さんにとっての月山の魅力ってなんですか?」
浜「ここに雪があるからですかね…。」
深い…浜さん、深過ぎる…。
でもこの時期にこれだけの雪、そしてここからの景色、
やっぱり安易には言いたくないけど、感動しましたっ!!
因みに帰りはリフトのある場所から雪道をスニーカーで滑って降りた一行。
キャンパス地のスニーカーをぐちゃぐちゃにしながらも、
おっさん達はキャッキャッしたとさ(笑)
絶対に感動するものが、山形にはあるっ!
その旅もそろそろ終わりを迎えようとしている。
そしてこの旅の最後をカラフルに飾るのが…さくらんぼであります!
お伺いしたのは天童市の王将果樹園。
なんと取材日の前日に店舗スペースがオープンしたばかり!
店内は真新しい木の匂いに包まれ、さくらんぼにまつわる商品が溢れている。
代表の矢萩美智さんにお話しを伺いました。
ここで一番のこだわりの場所だと言う2階へ通された一行。
窓際に並んだ椅子に腰かけて、大きく取られた窓から見える景色に息を飲んだ。
矢萩「ここからの景色を見て欲しくて、ここにスペースを作ったくらいですから(笑)
目の前が果樹園で、リンゴとかさくらんぼとか、今も作業してますね…、
で、そのずっと先に見えるのが月山です!」
自然の恵みの果実の先に、山形の誇りである月山を望む。
なんとも大らかな気持ちになってくるのです。
しかし広い!王将果樹園のその広さが凄い!聞けば6haの広さがあるとか。
井門P「そもそも山形は何故に果物が美味しいのですか?」
矢萩「山形は盆地なんですよ。夏は暑くて冬は寒い。
恐らくはその寒暖差が果物を美味しくしたんじゃないでしょうか。」
そんな中でも山形県民の至宝、さくらんぼ。
そしてそのさくらんぼの中でもKING OF さくらんぼと言えば…佐藤錦。
矢萩「佐藤さんが品種改良で作り出したんですけど、
いま20種類位の品種があるんですけど、70%が佐藤錦です。
しかも100年間変わらずに佐藤錦が1番なんです。」
井門P「何が特徴なんでしょう?」
矢萩「甘さだけじゃないんですよね、
甘みもあって酸もある。そのバランスが素晴らしいんです。」
王将果樹園さんでは「さくらんぼ狩り」も出来るので、早速ハウスへと移動した一行。
因みにさくらんぼの収穫時期は梅雨の頃だという。
矢萩「でもさくらんぼって水や湿気に弱いんです。
湿気のせいで割れたりもしてしまうくらい。
佐藤錦がこれだけ流通したのは、雨除けのハウスが出来てからでしょう。
そこから劇的に変わりました。」
ちょうどOAの頃は梅雨で、
果樹園の皆さんもさくらんぼを雨から守る為にお忙しい頃でしょう。
でも皆さんの努力があればこそ、山形の至宝は生まれるのです!
通常のさくらんぼ狩りは30分間。
矢萩さん曰く、30分も食べ続ければお腹が一杯になるとの事ですが、
ルビー色に輝くさくらんぼの綺麗なこと…。こんな風にさくらんぼって生るんですね~。
ちょ、ミラクルさん、あんたなに勝手に食べまくってんのよ!
ミラクル「いやぁ…、流石に美味しいでゲスなぁ…。」
美味しいだけじゃない、佐藤錦は高級品としても有名。
果樹園で販売していた500gの佐藤錦のお値段は5000円でした!!
ついつい童心に帰ってしまうさくらんぼ狩り。
お休みの日に、皆さんもぜひ!!
佐藤錦の色、味、安易に言いたくはないけど、感動しましたっ!!
山形は訪れる度に新しい何かをくれる。
前は「冷んやり」、そして今回は「感動」であります(同列にすな)。
まぁ、ある意味月山スキー場では雪に囲まれて冷んやりしたんだけど…。
それはさておき、どこもかしこも感動だらけで、
何ならOAしてないけど御飯もお酒も美味しくて感動したし、
銀山温泉の足湯は気持ち良かったし、河北町で食べた冷やし肉そばも美味しかったし…。
きっと今回の旅は僕ら全員何回も「うわ~!」って叫んでいたと思うのです。
(仏の横山Dがホテルのルームキーを返すのを忘れて、2時間かけてホテルに戻った時も…)
次に山形に来た時は、いったいどんな表情を見せてくれるんだろう。
今度は秋に芋煮も良いよね!あとワイナリーも巡りたい!温泉も入りたい!
やりたい事だらけの山形へ、また帰ってきますからね~~!!
そして山形の仲間達よ!また飲もうぜ~!!!