東京・大森でノリノリめぐり|旅人:本幸拓真
2016-11-10
どうも、旅人の本幸拓真です。
久々の旅でやってきたのは東京都大田区大森です。
大森には、かつて日本で一番のものがあったんです。
それはなにかといいますと、海苔なんです!
この大森という街はかつて、日本一の海苔の生産地だったんです。
現在は、養殖・生産は行われていませんが、
たくさんの海苔問屋があって“まさに海苔の街”なんです。
ということで今回の旅は、「東京・大森でノリノリめぐり」
海苔の街・大森をめぐります!
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ところで皆さんは、海苔のシーズンがいつなのかご存知ですか?
いつも食卓に上がってるから「一年中でしょ?」と思っていませんか?
実は海苔にもシーズンがあって、気温が下がってくるこれからが海苔の季節なんです!
知りませんでしたよね?
でも大丈夫!
大森には海苔についてのアレコレが分かる場所があるんです。
それが、全国で唯一だという海苔の博物館『大森 海苔のふるさと館』。
案内しをてくれたのは、舟越寿尚さんです。
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館内には、実際に使われていた舟や道具が展示されていて、
海苔の歴史や文化を知ることができます。
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船越さんが、海苔の作り方を説明してくれたのですが、
ひとつ驚いたことがあります。
それは、「海苔を育てるためには牡蠣殻が必要だった」という事!
海苔の種にあたる胞子が、春から秋にかけて牡蠣の殻の中で成長。
その胞子が海藻のように育ち、冬に収穫されるそうです。
だから冬が、海苔のシーズンだったいわれているんですね。
、、、納得です。
ということは、この大森の海沿いにも牡蠣がいたってことだから、
漁師の皆さんは牡蠣も食べてたのでしょうかね???
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『大森 海苔のふるさと館』では定期的にイベントを開催していて、
この日も「海苔と浜辺のガイドツアー」が行われるということなので、
僕たちも参加させてもらいました。
ガイドは、『大森 海苔のふるさと館』の舟越寿尚さんと五十嵐麻子さん。
参加者の方と一緒に『大森 海苔のふるさと館』をスタートです。
最初に到着したのは「大森ふるさとの浜辺公園」。
砂浜が広がる公園は、まるでリゾート地のようで、
地元の人達の憩いの場になっています。
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「大森ふるさとの浜辺公園」では、
大森海苔の生産をしていた田中正一さんが、当時の話をしてくれました。
海苔のシーズンは冬で、
風が吹いても雪が降っても海の上での作業の手は止めません。
なので、腕が潮焼けで真っ黒になるそうです。
それぐらい過酷な状況で海苔が作られていたんですね。
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大森の街が、いかに海苔と密接な関係があったのか、
五十嵐さんの説明を聞きながら歩いていきます。
そして、次にやってきたのは「貴舩神社」。
創建は鎌倉時代で、氏子の多くが海苔の生産者という神社で、
境内には海苔の生産にかかわる碑が多く残っていました。
ひときわ大きい「漁業納畢(のうひつ)の碑」は、
東京港港湾整備に伴う埋め立て工事のため、
昭和37年に漁業権放棄の受け入れをした際に建てられたものです。
記念碑には、江戸・明治・昭和にわたり営んできた、
大森の海苔生産の歴史が刻まれています。
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まだまだツアーは続きますが、みなさんとはここでお別れ、、、
キキタビ一行は向かったのが、海苔問屋の守矢武夫商店。
2代目店主の守矢義衛さんに、お話を伺いました。
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大森には組合に所属している問屋さんが57社あって、
それぞれが卸しや小売りをしているそうです。
「海がない長野の人がなぜ?」っておもいましたが、理由を聞いて納得。
昭和22年に創業された守矢武夫商店ですが、
先代は信州の諏訪出身とのこと。
毎年、農作業が休みなる冬の時期に大森へ出稼ぎにやってきて、
海苔づくりに携わる仕事をしていたそうです。
なので大森の海苔問屋には、
信州の諏訪地方に関連のある方たちが多いんだそうです。
大森の海苔問屋さんが取り扱う海苔! 気になります。
試食OKということだったので、焼き海苔を三枚食べさせてもらうことに、、、
見た目には三枚とも同じでしたが、
値段が高くなるにつれて口当たりが変わってきて、
一番高価な海苔は口の中でふわぁっと溶けてしまうほど、、、
磯の香りが口全体に広がるのがわかりました。
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守矢義衛さんに一番好きな海苔料理を聞いたら
「おにぎり!」と答えてくれました。 ←なんか納得。
中の具はおかかを醤油で和えたものを入れるのが一番だそうです。
昔は焼きのりの上に巻きずしをつくるように、
ご飯を広げておかかをのせて巻き込んだ「大森巻き」という食べ方があって
漁の合間に食べていたそうです。
話を聞いているだけでよだれがでてきます、、、
最後は、海苔のスイーツを食べることが出来るという御菓子処。
4代目の池田栄彦さんに、お話を伺いました。
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「大黒屋」で食べることが出来る海苔のスイーツは、
3代目が今から約30年前に考案したという「のり大福」。
見た目はきれいな緑色でよもぎもちと見間違えそうになりますが、
食べるとモチモチの生地、生地から香る磯の風味と中のあんこが合わさって
甘しょっぱくてとてもおいしいかったです。
口に入れると、しゃりしゃりと独特の触感を感じます。
実はこれ、青のりの繊維なんです、この歯触りも海苔ならではの触感なんですね。
販売当初は全然売れなかったそうですが、売れなかったのが本当に不思議!
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そして4代目の栄彦さんが開発したスイーツは、
海苔を使った焼きドーナツ「美原どーなつ海苔味」。
このドーナツには、青のりのほかに焼きのりも入っていて、
表面をみると黒い海苔が見えるんですね。
味はどうだろうと一口パクリ!
口の中にガツンとくる海苔の風味!
のり大福に比べると2種類の海苔を使っているので、
より海苔の存在を感じることができます!
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4代目の気合いが伝わってくるドーナツです。
大森にお越しの際はぜひ行ってみてくださいね。
今回の旅では、普段何気なくたべている海苔のことを
たくさん知ることができました。
大森が日本一の海苔の街っていうのも知らなかったし、
海苔の作り方やシーズンなんて気にしたことなかったですしね。
これから海苔を食べるときは勉強したうんちくをいろんなところで披露します(笑)
料理では名脇役の海苔。
一番気になったのは、ここ大森で作られていた海苔は
「いったい、どんな味だったんだろう」ということです。
きっと、おにぎりにしたら美味いんだろうなぁ。
大森巻きで食べてみたいなぁ。
そんなことを思いながら家路に着きました。
またお会いしましょう。 旅人の本幸拓真でした。
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