あれから一年 ~がまだす熊本!阿蘇編|旅人:村田綾
2017-04-20
すっかり熊本の魅力にハマってしまった・・・旅人の村田綾です。
昨年の4月に起きた熊本地震から一年がたち、実際に熊本に行ってわかった事は、場所によって地震による被害が大幅に違うという事。
それぞれの場所で、それぞれの生活がある中、
どこに行っても、素敵な景色、美味しい食べ物、温かい地元の人達が迎えてくれる熊本。
もっともっと、熊本の事を知る為!知っていただく為に!
再び熊本の旅をお届けします♪
今回の旅のテーマは「あれから一年 ~がまだす熊本!阿蘇編」
熊本市編に続いて、家族旅行も続行です。
お父さんの永尾さん♪
お母さんの河合さん♪
弟の橋本くん♪
と、朝一に車で立ち寄ったのは・・・
山田さんちの牧場。
美味しい牛乳が飲みたいね♪と吸い込まれるように寄り道。
ミルクの里と書かれたログハウスの近くには、ヤギさんと豚さんが放し飼いに!!
柵まで近寄ってみると、遠くにいたはずのヤギさんと豚さんが、ダッシュで私の元へ駆け寄ってきました。
しかも、豚さん!みんなお肌が真っ黒!!!
人生で、こんなに多くの豚さんに囲まれた事ないんですけど!
と興奮して写真を撮りまくっていたら・・・
この人は餌をくれないんだ。とわかった瞬間に離れていく動物達。
人気者になれたのは、一瞬でした。(笑)
私が豚さんに興奮している間に、永尾さんが家族の分の牛乳を買ってくれていました♪
さすが!お父さん♡
早速!いただきまぁ~す。
採れたてで、牛乳の味はしっかりしているのに飲みやすく、朝の一杯には最適♪
いい一日のスタートになりました。
さぁ、そして!
まずは、トロッコ列車に乗るために南阿蘇鉄道へ!!
南阿蘇鉄道は熊本地震による甚大な被害を受けていて、地震発生当初は全線で運転見合わせをし、昨年の7月に一部で運転再開。
現在は「高森駅」から4つ目の駅「中松駅」までのおよそ7キロを運行しています。
さっそく!高森駅に到着した私達。
阿蘇の山々が見渡せて物凄く絵になるロケーション。
駅前では、昔懐かしい機関車も近くで見る事が出来て!
写真を撮っている方が、沢山いらっしゃいました♪
駅舎の中に入ると、お土産が置いてあるスペースがあり、
その一角に「南阿蘇鉄道 応援メッセージボード」を発見!
私もメッセージを書かせていただきました。
もし行く機会があったら、探してみてくださいね♪
さぁ!いよいよ、トロッコ列車に乗車。
まるで遊園地の中を走っているトロッコみたいに、可愛らしい雰囲気があり♪
車内はBOX席になっていて、窓も大きいから景色が一望できる素敵な空間。
そろそろ動くよ~動くよ~
というタイミングで、橋本くんが外からカメラを回していて
本気で乗り遅れるんじゃないかとヒヤヒヤしましたが、無事に乗車。
汽笛の音と共に出発進行!!
ワクワクするのは、大人になっても一緒ですね♪
走り出すと、車掌さんが窓から見える景色を一つ一つ説明しながら、ゆっくりと走行。
阿蘇の山々はもちろん!
線路に沿って広がる田んぼや、畑、花や木。
畑で作業をしている地元の方が、手を振ってくれている姿。
トロッコから見える景色は、映画のワンシーンのようにのどかに広がっていて
日常の嫌な事を忘れさせてくれる・・・
えっ?
ん?嫌な事?
そんな物を抱えてるつもりは無かったんですが・・・
なんだかそんな気がしたのは、それほど癒されたという事ですね。
一緒に乗っていた、お子様連れのご家族も!とっても楽しそうでした。
もちろん!私達家族もね♪(笑)
トロッコでの癒しの時間を過ごした後は・・・
長陽駅の木造の駅舎をそのまま利用した駅舎カフェ「久永屋」さんへ。
駅の中に入ると、甘くていい香りが漂い・・・
黒板にメニューが書かれていたり、トウモロコシや麦わら帽子が吊るしてあったりと、夏休みにおばあちゃん家に帰ってきた感じのレトロな雰囲気が、とっても可愛らしいカフェ。
しかも、駅の中だけではなく!
駅のホームがテラス席になっているんです。
ここにも木で作った机と椅子が並べられ、席の目の前にはトロッコが走る線路が!
残念ながら、熊本地震が起きてから長陽駅はトロッコの運転を見合わせていますが、いつかまた走り出す時がくるはず。
今も線路を挟んだ向こう側には、田んぼや美しい木々、阿蘇の山々が広がっていて、鳥のさえずりも聞こえ、四季折々の景色を楽しむ事が出来るそうです。
そんな素敵なカフェで、お話をお伺いしたのは!
長陽駅の駅カフェ「久永屋」の久永操さん。
地震が起きた時のお話や、震災から1か月でお店を再出発させた時のお話など、詳しく教えてくださいました。
お話を伺いながら、ご自身のお店はもちろん!南阿蘇の事を本当に愛していらっしゃるんだなぁ・・・と感じる、とても温かいお人柄。
インタビューの最中にも、近くに住む小学生の男の子が一人で久永さんの元を訪ねてきました。
地元の方々にも愛されている「久永屋」さんで、人気があるのがシフォンケーキ。
その男の子にも、久永さんが「シフォンケーキ食べるか~?」と一言。
彼はいつも、シフォンケーキを食べに来ている常連さんみたいです♪
なので、私も美味しいと噂のシフォンケーキを頂きました。
生クリームと果物がたっぷり乗って、盛り付けも可愛らしく見てるだけでも笑顔になれちゃう。
口に入れると、ふわふわで柔らかい触感に卵の香りがフワッと広がって!
味わい始めると、しっとり優しいシフォンケーキ。
これは、食べにくるわ!!!と一同納得。
もちろん!グルメの永尾さんは、ワンホールお持ち帰りしましたよ。
今は、土日、祝日限定でオープンしていますので!
是非とも!営業日にお出かけになってみてください。
美味しいシフォンケーキと、珈琲を飲みながら見る南阿蘇の景色は最高ですよ♪
久永屋さんと、シフォンケーキが大好きな男の子と別れを告げ
次に向かった場所は、白川水源。
白川水源は、水の神様をまつる白川吉見神社の境内の森の中にあり「名水百選」にも選ばれている神聖な場所。
ここでお話をお伺いしたのは!
白川水源管理組合組合長の興梠高人さん。
興梠さんに、湧水が出ているところまで案内していただいてビックリ!!
今までに見た事もないほどに透き通った水が、目の前に広がっていて
その奥では、まるで地面から生き物が這い上がってきているかのように
地底の砂が勢いよく動いていました。
この場所では、毎分60トンの湧水が出ているとの事。
確かに!そんなに大量の湧水ならば、これだけ砂が動くのをわかる気がする。
それにしても・・・綺麗。本当に美しい場所。
でも興梠さんが幼かった頃は、まだ「名水百選」にも選ばれていなくて
とっても綺麗な水の中に入って、水遊びをしていた時期もあったみたいです。
今考えたら、なんていう贅沢♪
ちなみに、もともと熊本は日本でも湧水が豊富な地域ですが、地震の影響で湧水が出なくなってしまった所もあり
そんな中、変わらずに穏やかで美しい水を生み出してくれている白川水源。
ここでは、湧水を飲んだり!持ち帰ったりする事も出来るんです。
せっかくだから、私も湧水いただいちゃいました。
ひんやりと冷たくて、とっても柔らかくまろやかな味わい。
おいしいお水とは、この事!!!
近くのカフェでは、このお水で作った珈琲を飲む事を出来るみたいです。
飲まなくったって美味しいという事が想像できるぐらい、お水そのものが美味しすぎました。
湧水の近くにあるお土産屋さんでは、湧水のお持ち帰り用ペットボトルの他に!
永尾さんが自宅から取り寄せまでして使っているという、吸収力抜群の手ぬぐいが売っていて「もの凄くいいから!買った方がいいよ!」の声につられ・・・
私と河合さんは素直に購入。
永尾さんのセールストークが抜群すぎて、3枚も買ってしまった。(笑)
美しい湧水に癒されて、お買い物で心も満たされて・・・
次に向かったのは!
阿蘇内牧温泉のほぼ中央に位置する老舗の大衆食堂「いまきん食堂」さん。
明治43年創業の、とても歴史のあるお店です。
こちらでお話をお伺いしたのは、いまきん食堂4代目の今村聡さん。
今村さんは、身長も高くて体もガッチリしてるんだけど!
その強そうな雰囲気は、どこいっちゃったの?(笑)っていうぐらい、優しくてお茶目な方なんです。
お話をお伺いしながら、なんだかニコニコ笑顔になれちゃう素敵な人。
そんな今村さんが作った人気メニューが、いまきん食堂にはあるんです。
その名も「あか牛丼」!!
あか牛丼は、柔らかいヒレ肉は使用せず!しっかりとした歯ごたえのもも肉(赤身)が、とろとろレアーでご飯の上にのって出てきます。
お肉がどんぶりの周りに花びらのように敷き詰められ、その真ん中には温泉卵。
お肉の間には、自家製の肉みそとワサビも添えられて!
見た目だけでも、充分に美味しいという事が想像できるんですが・・・
ここは、事前にリサーチをしてきた私。
熊本で一番食べたかったのは、あか牛丼。
それはそれは、期待に胸を躍らせ「いただきまぁ~す♪」
もうね・・・美味しすぎて何も言えない。
期待以上のあか牛丼。
お肉は噛めば噛むほど、しっかりと旨味を感じられるし!
ご飯にしみ込んだタレだけでも、おかわり出来るんじゃないかって言うぐらい
全てが美味しかったです。
美味しいって何度言っても足りないぐらい。
普段は、ランチタイムのみの営業で大勢のお客様が訪れる為、2、3時間待っていただくのが通常のようです。
多い時は、5時間待ちの時もあるとか。
一日500食も出ているあか牛丼!
それだけ待っても食べる価値ありだと思います。
ですが・・・やはり、あか牛の畜産農家などへの熊本地震の被害もあり
最近では、あか牛が少なくなってきている現状も確か。
それでも、地域の皆さんの為に、あか牛丼を食べにくるお客さんの為にと、頑張る!
いまきん食堂の皆さんの思いに胸が熱くなりました。
ちなみに・・・
あか牛丼を食べておきながら、いまきん食堂さんで昔から出している「チャンポン」も美味しいと言われて注文したんですが、このチャンポンが、またまた絶品で!
お出汁がとんこつじゃないんです。
あと味さっぱりなのに、味わいは深くて、今まで食べたチャンポンの中で一番美味しかったです。
もう、あか牛丼といい!チャンポンといい!大満足。
私が生きている内に、必ず!もう一度行きたいお店になりました。
お腹も満たされたところで、最後に向かったのは・・・
阿蘇草千里乗馬クラブ。
阿蘇の火口から3キロの場所にある草千里ヶ浜の乗馬クラブなんですが、地震によって、草千里に通じる道路は各所で崩れて通行止めになっていた為!
今回、乗馬クラブへ向かう最中にも大きな被害の跡を目の当たりにし、
当時の地震の大きさを、改めて感じる事となりました。
山は崩れて、草原にもひびが入り、道路のコンクリートは盛り上がっていて
復旧には、多くの時間を要する事が見て取れました。
そんな環境の中でも、地面には強くたくましくタンポポが咲き!
近くで放し飼いになっている牛たちが、のんびり歩いている姿が可愛くてほっこり。
自然と動物の力は、本当に偉大だなぁ。と感じながら・・・
阿蘇草千里乗馬クラブに到着。
ここでお話をお伺いしたのは!
阿蘇草千里乗馬クラブの末藤吉一さん。
熊本地震が起きた時、被害が大きくて道路が使えなかった為に、乗馬クラブも休業を余儀なくされた時の事。
その後、お馬さんと共に非難をし、慣れない環境でのお馬さんの様子や、当時の心境を詳しく教えてくださいました。
お話を聞いていると、とても大変な思いをされた事が伺えましたが
末藤さんを始め、スタッフの皆さんが、とっても明るくて!お馬さんの事が大好き♡
早く復旧して、多くの方々に乗馬体験を楽しんで欲しいという思いが伝わってきました。
私も、お父さん(永尾さん)と、お母さん(河合さん)も一緒に、鳥帽子岳の中腹に広がる草原の中を!お馬さんに乗ってグルリと一周させてもらいました。
大自然の中を、気持ちいい風を受けながら優雅にお散歩が出来るのが最高に贅沢な時間だなぁ・・・と思っていると!
お馬さんが急に立ち止まったと思ったら・・・
まさかの、お尻の方から勢いよく!ボトボトボト。
そんな時もあるよね。生きているんだもの。(笑)
皆さんからは「持ってるねぇ~♪」と言われながら、あっという間に乗馬体験が終了。
地震が起きる前は、コースが3つあり!
それぞれ乗馬が出来る時間も違ったそうですが、今現在はお馬さんの様子も見ながら短めのコースを皆さんに楽しんでいただいているそうです。
乗馬クラブの方々も、早く復旧が進んで沢山の方に遊びに来て欲しい!
と仰っていましたが、私も本当にそう思う。
とっても素敵な景色が広がっていて、自然の中でのびのびと育った、可愛い動物たちに会う事が出来るこの場所を、一度は、見に来て欲しい。
今回は、阿蘇エリアを散策しましたが・・・
同じ熊本でも、熊本地震の被害はもちろん、目の前に広がる景色が、全く違っていて驚く事が多々ありました。
田舎という表現とは、また違った、のんびりとした空間。
トロッコ列車に乗車した時から、最後の乗馬まで!
本当に癒しの旅となりました。
まだまだ、復興には時間がかかりそうですが
大変な環境の中でも、大切なものを頑張って守ろうとしている地元の方々がいます。
この旅を通して、皆さんから私自身がパワーを沢山もらいました。
熊本を訪れた事で、なんだか人生観が変わったような気がするとまで思えている今日この頃。
是非!皆さんにも、熊本の阿蘇エリアを訪れて欲しい!!
その時は、今回の名所の数々♪
参考にしてくださいね。
またすぐにでも、熊本に行きたい!旅人の村田綾でした。