外国人がガチで行く 東京クチコミ観光|旅人:井門宗之

2017-05-25

朝の歌舞伎町。土曜日の8時半。

街のあちこちから聞こえてくる「うぇ~~い!!」の酔声。

不景気なんてなんのその、飲食店の看板にはイケメンホストの顔、顔、顔。

『職業、イケメン』『年収1億円突破』…こ、この国の景気はどうなってるんだっけ?

そんな事を感じながら井門Pは歌舞伎町を歩いていた。

それもかなりディープなエリアだ。

こんなディープゾーンは龍が如くでしか見た事がない(そんな事はない)。

エリアで言えば新宿駅よりも新大久保駅の方が近いだろうか。


飲食店と雑居ビルが建ち並ぶそこに、あの人が待っていた!!



親分「お早う!今日は歌舞伎町アレしちゃうよ。」




全身からデンジャラスな雰囲気を出しているこの男。

歌舞伎町の裏側を取材して20年のルポライター、デンジャラス小林だ。

これまでの取材人数は1万人以上、風俗嬢、ホスト、夜の危険なお仕事の方々etc.

彼の筆が紡ぐのは、取材対象者の人生そのもの。

時にスリリングに、時に感動的に、読み手を物語に誘う手腕は一級品だ。

そんなデンジャラス氏が今回選んだ対象者は…(ゴンッ!!!


痛っ!痛い、痛い!!

嘘、嘘ですよ!違う違う、デンジャラス小林は架空の人物です!

デンジャラスなのは雰囲気だけ!温厚で小動物に優しい親分が今回の担当作家。

そんな親分とロケをする今回のテーマは『外国人がガチで行く、東京クチコミ観光』。

いや、最近東京はどこに行っても外国人観光客の姿が目立ちます。

2020年に向けて観光立国を目指す日本。

でも本当に彼らが巡っている場所はどこなのか?



有名な観光地以外で彼らが楽しんでいる場所はどこなのか?

クチコミで人気が出ている場所を中心に東京を巡ってみよう!というのが今回の企画。

 

 

 

 

 

 

 

 

新宿南口に昨年出来た施設、バスタ新宿を出発し、まず向かったのが歌舞伎町なわけです。

新宿歌舞伎町と言えば最近はゴジラのビルも有名ですが、

やはり何と言ってもここは日本一の歓楽街。

夜の歌舞伎町と言えばもういつの時代も大変な賑わいなのですが、

我々が待ち合わせをしたのはまさかの『朝の歌舞伎町』。

どっちかと言えばまだ『昨夜が終わっていない時間帯』(笑)

そんな歌舞伎町にあるのが…



親分「忍者屋敷なんだよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

雑居ビルの4階には確かに忍者屋敷の看板。


そこには『手裏剣道場 新宿 忍者からくり屋敷』文字が!



親分「このビルに入ってるから。しかもエレベーター無いから、階段で登るよ。」



ひと一人通れるくらいの幅の階段を4階まで登っていく一行。

3階は雀荘でいかにも歌舞伎町の雑居ビルという風情だ。

しかしそこから上に進んでいくと様相が一変する!



井門「うわっ!なんですかこの鳥居の数は!?

まるで京都の伏見稲荷じゃないですか(笑)」

 

 

 

 

 

 

 

 

奥に進むと岩に刺さった日本刀…。


井門P「これを抜けば勇者になれるのかな!?」


ゴル「(失笑)」



店に入った瞬間に「○○ごっこ」がしたくなる場所、それがこちらのお店なのだ。


お話しは忍者…ではなく代表の湯本智之さん

随分と歌舞伎町の奥の方にお店はありますが、皆さん迷わずに来れるのだろうか…?



湯本「外国人の方はまず間違いなくいらっしゃいますよ(笑)

逆に日本人の方が途中で電話してこられます。」



去年の7月にOPENしたというお店は営業時間になると外国人で賑わうという。



湯本「大体、外国人と日本人の半々ですけどね。

アメリカ、カナダ、シンガポールなど様々な国の方がいらっしゃいますよ!」



まずは鳥居に驚いて、ザ・日本の雰囲気を味わってから、

忍者にまつわる動画などを見て気持ちを高めて行くのだと言います。

更に内装にも相当こだわり、部屋の中には仕掛がいっぱい!

そりゃ外国人のテンションも上がりますよ!忍者、好きだもんねぇ(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

湯本「部屋が二つあって、隣の部屋で抜刀術の体験や手裏剣投げが出来るんです!」


井門P「(目をキラキラさせながら)湯本さん!やってみたいです!」


湯本「勿論です!では刀を腰に差していただいて…。(隣の部屋に移動)」


湯本「まず日本刀と忍者刀の違いって、ご存知ですか?」


井門P「違い…はて、なんでしょう??」


親分「日本刀は反っているけど忍者刀って直刀なんですよね?」


湯本「よくご存知ですね!その通りです!

またが四角だったり、鞘も先が尖っていたり。

これは壁を超える時に足を掛ける為だったと言われていますし、

腰に差すのではなく背中に背負う事によって、

走り易くしたり、背中への攻撃を防いだとも言われています。」


井門P&ゴル「なるほどぉ~…。

(親分、なんで知ってんだよ…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湯本さんの優しい指導の元、抜刀術を体験する井門P。

当然だが明らかに腰が入っていない。

更に手裏剣投げでは的にほとんど当たらない(笑)

この人、伊賀上野でも忍者体験したのに…。きっと忍びが向いていないんだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

井門P「いやぁ、実際に体験する事でちゃんと忍者の気分になりますね!

これは夢中になる人も多いだろうし、子供にやらせてあげたいなぁ。」


湯本「休日はお子さん連れも多いですよ!

元々自分が子供の頃に地元に忍者屋敷があったんです。

それがとても楽しい場所だったんですけど、もう無くなってしまって。

大人になってもう一度…と思って、

無いなら自分で作っちゃえ!と(笑)」



本気で忍術を、とか歴史的に忍者がどうしたって事よりも、

エンターテイメントとして忍者を楽しんで欲しい。

そんな湯本さんの想いが詰まったのが、このお店なんですね。

まさに忍者のアミューズメント施設!

外国人の方はクチコミやSNSでこのお店を目指してくるそうで、

ここに来れば忍者と外国人とどちらとも笑顔でコミュニケーションとれること間違いなし!

皆さんも手裏剣投げて「WAOOO!!!」と叫んでみませんか?

 

 

 

 

 

 

 

 

朝の新宿歌舞伎町を抜けてアルタの方へ進むと既に空気が違う。

新宿はエリアによって流れる空気感が全く違うのも特徴。

東京にいらっしゃった際はこの辺りも是非味わっていただきたい。

そのままJR新宿駅に入り、総武線に乗ってお次は秋葉原へ。

小雨もパラつく中、こちらも午前中とは言うものの大勢の方で賑わっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴル「秋葉原はしょっちゅう買い物に来ますねぇ。」


親分「俺なんかは地元だからなぁ。」


井門P「そう言えばYAJIKITAでの親分のデビュー作って、

山手線ぶらりの秋葉原~神田編だったもんね。」



ちょっと調べたら2012年の5月23日放送回でした。

今からほぼ5年前で写真を見るとまぁ、若い若い(笑)

あの頃の秋葉原とはまた雰囲気が変わっているけど、

ゴルちゃん曰く「もうPCの街って訳でもないみたいですしねぇ」とのこと。


しかしあの頃から…というよりも昔から秋葉原で変わらない光景と言えば外国人の姿。

昔は家電製品と言えば日本製がNO.1で(それは今でも変わらないんだろうけど)、

外国人観光客は自国へのお土産にと、ここ秋葉原で家電を買っていったもの。

時代は変わっても外国人の多さは変わらない秋葉原で、

では今の時代に彼らは一体どこに向かうのか??

取材時は丁度、神田祭と重なり人出も多かったのですが…。



親分「ほら、そこのビルに入ってるよ。」


ゴル「えぇ!ここのお隣のお店、ついこの前にも来たばかりだけど、

こんな所に外国人が大勢来る場所があったなんて…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

スーパーポテト秋葉原店。


こちらのお店こそ、世界中からゲームマニアが集まる聖地!

しかもただのゲームじゃありません!


日本が世界に誇る、初代ファミコンなどのレトロゲームの専門店なのです!

お忙しい時間帯という事もあって、我々は店内をぐるっと見せて頂いたのですが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

井門P「うわ~!懐かしい!!ツインファミコンじゃん!

ほれ、ファミコンとディスクシステムが一緒になってるやつ!」


親分「魔界村、これが難しかったんだよなぁ…。」


ゴル「そうそう、コンティニューが出来なくてねぇ(笑)

あっ、スーファミのゴエモンだ!懐かしいなぁ。」


井門P「僕がファミコンを買った時はとにかく大人気でね。

おもちゃ屋さんで手に入らなかったから問屋さんから買ったんだよ。

最初に買ったカセットが“マッピー”で…うわっ、懐かしい!あるんだなぁ…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

お店は3階~5階にあるのだけど、3階はファミコンのソフト、

4階は少し時代が新しくなってプレステ(初代)やプレステ2などのソフトや本体。

そして5階がレトロゲームの筐体と駄菓子屋が併設されていて、

なんと懐かしのゲームに興じる事が出来るのだぁ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

もうね、お店に向かうエレベーターの中で外国人と一緒になったり、

どの階にもやっぱり外国人の姿が目立つのですよ。

そして5階ではゲームに興じる方々を動画で撮影する外国人の方も!

どこから来たのか聞くとアメリカだと教えてくれました。

このお店を知ったきっかけはYoutubeだとか。

そう、やはりインターネットで知って来る方がほとんどなのであります。

今はもう昔の様にガイドブックではないのかもしれませんね。

忍者屋敷にしてもスーパーポテトにしても、

雑居ビルの中に入ってるお店に観光で来るっていうのは、相当旅慣れてるよなぁ。


そんな外国人の方に交じって、私もひっさびさにゼビウスやりました!(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

井門P「いやぁ、久々にゲームやったけど楽しいねぇ!」


ゴル「意外と上手かったですね(笑)」


井門P「僕の世代はファミコンから始まってディスクシステムとかさ、PCエンジンとかさ、

プレステとかゲームのハードの進化と共に歩んでいるからねぇ。(ドヤァ←謎のドヤ」


親分「次はここだよ、このビルに入っているカフェ。」


井門「秋葉原でカフェって言ったら…メイドカフェ??猫カフェ??」


親分「今はね、猫カフェとかメイドカフェじゃないんですよ。

今から向かうのは、大人気のふくろうカフェ!

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな親分に案内されて入っていったのは、やはりビルの中。

猫カフェとかメイドカフェじゃないとか言ってた親分だけどね、

エレベーターで一緒になった小悪魔カフェの女の子に「高いの?」とか絡んでたからな!

…それはさておき、ふくろうカフェであります。


フクロウカフェ アウルの森。


店内に入ると驚くのはその内装!

まさに「森」をイメージした緑の多い店内は照明も落とし気味で、

気付くとすぐ近くに当たり前の様にフクロウがこっちを見ていたりする(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

お話しは中村祐佳さん

こちらもやはりお客さんの4割が外国人だそうで。


中村「中国、韓国、台湾の方が多いでしょうか。

2015年にオープンして今は都内に3店舗あるんですけど、

お客様の4割は外国のお客様ですよ!」


秋葉原が1号店、他の2店舗は浅草だそうで、その辺りも外国人狙いなのかな。

いやぁ、それにしても店内は至る所にフクロウが(笑)


中村「全部で大体50羽以上はいます。

人に慣れているので、触っても大丈夫ですよ~!」


ほ…本当かなぁ、確かに可愛い顔してるけど、

俺は知ってるんだぞ、君達の主食が肉であることを!(笑)

ほら、奥の子を撫でようとしたら、

なんで上で羽を休めているキミが片方の足をシャーってするの!?シャーって!!



中村「大丈夫ですよ(笑)手の甲で首の後ろから背中を優しく撫でてあげるんです。」


井門P「本当にぃ?どれどれ(超ビクビクしながら)

あっ、あっ…あーっ、これはなかなか気持ち良いですね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ところでこちらのお店には皆さんどうやって来るんでしょ?



中村「はい、フクロウをお店から連れ出してお散歩するんです(笑)」


井門P「じゃ、それを見た方が“おっ!あれはなんだ!?”となって?」


中村「お店にいらっしゃるんです(笑)」


井門P「ハーメルンの笛吹きみたいですね(笑)」



こちらを取材中にも欧米の方やアジア系の外国人観光客の姿が。

決して広くは無い店内はなかなかの盛況ぶり。



中村「日曜日や祝日はもっと凄いですよ~!

混雑する時は時間制で営業していますが、

通常はフリータイムで890円(ワンドリンク付き)です。」


井門P「よく見るとパネルにフクロウの値段も書いてありますが、

こちらで買う事も出来るんですか!?」


中村「はい、小型から大型まで大丈夫です!」


井門P「おぉ!!大型は50万円~120万円もするんですね!

小型の自動車並じゃないですか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらのお店でも店内にいらっしゃったカナダ人観光客にお話しを伺ってみました。

自国にはこういったお店はないらしく、とても感動していましたよ!



中村「お客さまの中には“秋葉原に来たら絶対に行く!”って方もいます!」



いつの間にかオタクの聖地から外国人観光客の聖地になりつつるのか…??

やはり秋葉原の変化のスピードにも目を見張るものがあるようです。

電気の街が電子の街になり、オタクの街からフクロウの街へ!?(笑)

いやぁ、しばし秋葉原に居る事を忘れてしまう様な空間、堪能しました!

 

 

 

 

 

 

 

 

自分がこれから外国に行く時、

ひょっとしたら“まずはガイドブック”じゃなくなるのかなぁと思った今回の旅。

東京を遊ぶ外国人観光客の皆さんは、僕らの想像以上にこの国を軽やかに楽しんでいました。

そしてよく見ると皆さん良い笑顔をしているんですよね。

なんか普段外国人の方を多く見かけるだけに、その表情まではよく見てなかった。

僕らだって外国に行くと“そこにいる”ってだけでテンション上がりますもんね。

そして旅の記憶は何よりも“その国で親切にされたこと”が残る事が多い。


こんなに日本を楽しんでくれている外国人の皆さんです。

折角ですから、更に良い思い出をお土産にしてもらう為に、

何か困っていたら気軽に声をかけてみてはいかがでしょう?

きっと初めての場所で、分からない事も多いはず。


袖触れ合うは多生の縁。


諺には沢山のヒントが詰まっています。

僕らの国をもっともっと好きになって貰う為に、

一人一人がお・も・て・な・し、おもてなし!でいきましょう。

ちょっと古い?いやいや、そこはレトロっことで(笑)