第90回 宮本亜門さん②

2017-06-18

ゲストは、演出家の宮本亜門さんです。

この週末は、父の日。
宮本さんのお父様のお話から始まりました。

「現在90歳で、元気です!
説明するには、なかなか面白い人でね(笑)」
おじいさまの経営する鉄鋼会社に勤めていたお父様は、
ふぐ料理屋の女将だったお母様と駆け落ち。
2人で新橋演舞場の前に喫茶店を開き、亜門さんを授かります。
「もうね、とにかく面白い奴で、人間味溢れていて!
お金と女性にルーズで、、、粋なおやじですね(笑)
まぁ、可愛い人で優しいから、モテますね。
会話よりも、感嘆詞が多くて。すごい感動家なんです!」

そんなお父様は、演出家として悩んでいた亜門さんの
背中を押す言葉をかける優しさもお持ちだとか。
「アドバイスをくれても、僕が聞く耳を持たなかった時があって。
そしたら、こっそり紙に何かを書いていて、
その紙を僕が出かける時に渡してくれたんです。
そしたら、"人生深く悩むには短すぎる、今を楽しく生きなさい" 
って書いてあったです。それでグッときて。
自分は生きてるんだなって教えてくれるのは、親父なんですよね。」

新橋演舞場の目の前の喫茶店で生まれ育ち、
お母様は松竹歌劇団のダンサーだったため、
子供の頃から、舞台をよく見てた宮本さん。
その後、役者の裏での苦労、スタッフの努力などを
見ているのが好きになり、演出家の道へと進まれることになります。

「単純に最初は、出たいと思ったのかな。
子供の時、歌舞伎の連獅子を真似たくて、
ハタキの柄の部分を背中に刺して、
頭を回してて(笑) それを母親が見て、
日舞を習わせてくれましたね、すごく貴重な経験でした。」

今日の選曲は、槇原敬之さんの『Circle of Rainbow』でした。

宮本さんと言いますと、愛犬家としても知られ、
殺処分を無くす TOKYO ZERO という活動もされています。
現在飼っている愛犬ビートも、保護犬でした。
「海外では、犬を飼う時にはショップではなくて、
ブリーダーが飼い主の環境をチェックするんです。
ペットも、人と同じ命なんです。僕は、日本人って、
命を重んじている人たちだと思っているので、
まず東京から殺処分をゼロにしようと思っています。」
震災後、被災地のペットたちにも注目が集まり、
命の重み、大切さが年々広まっているように感じます。

宮本さんの愛犬ビートは、現在2代目。
1代目は、映画『BEAT』を撮影していた沖縄県で
偶然藪の中で出会いました。
「全身に針金を巻かれていて、石で開かないようにされた
かごの中にいたんですね。痩せていて、、、すごく驚きました。
吠えない子だったので、撮影中監督席の横にずっと居ました。
2代目は、保護センターで引き取りました」
INSTAGRAMでは、愛犬ビートとの素敵な日常の写真を
楽しむことができます!

「違う目線で物を見ているし、無条件の愛があるんですよ。
僕は日の出と共に、散歩をしているんです。
そうすると、本当に、太陽って毎日上がってくるんだな、とか、
四季で自然がどんどん変わって美しいなとか。
僕の元気の源は、"自然" かな。 大きな視点で生きてる、
生きていることは奇跡だって実感させてくれるからですね。」

2週にわたり、ありがとうございました!