第103回 石川直樹さん①

2017-09-17

ゲストは、写真家、冒険家の石川直樹さん。


石川さんは、1977年東京生まれ。
東京芸術大学大学院・美術研究科博士 後期課程を修了され、
世界各国の辺境から都市まで旅しながら、 
作品を発表し続けていらっしゃいます。
写真集『CORONA』で、土門拳賞を受賞。
 著書『最後の冒険家』は、開高健ノンフィクション賞を受賞されています。

さらに、冒険家としても、
2000年に、北極から南極まで人力で踏破するPole to Poleプロジェクトに参加。
翌年23歳で、世界七大陸最高峰登頂に成功し、最年少記録を塗りかえています。
その後も、何度も高山や極地に行かれていて、
昨年6月には、標高6190メートルの北アメリカの最高峰・デナリに2度目の登頂!

「ま、写真を撮るのが僕の仕事ですけど、
冒険もよくしてますよ、っていう感じですね。
デナリは、アラスカで1番高い山で、もともとマッキンリーと呼ばれてました。
緯度が高いので、気象状況も厳しい山ですね。」

1回目は、石川さんが20歳の時。
今回は、単独での登頂で、"苦しくもあり楽しい"登山だったそう。

「18年ぶりに上ると、自分の経験が
登山の技術を成長させてくれてたんだなって実感しました。
体力だけあってもダメで、何よりも順応力が大切ですよね。
旅慣れしている人の方が山に向いてますよ。」

8000m以上の山に
フィルムカメラを持って登るという石川さん。
なんども捨てようと思うほど、登山は厳しいそう。

「命がけで撮っているといっても間違いではないですよね。
でも、ここで撮れるのは、自分だけだっていう思いもあるし、
自分だけが撮るんだっていう気持ちですよね。
撮ってる時の苦しさは映らないけど、写真の情報量が膨大で、
景色や色味を改めて見ると、気づきや発見があるのですよ。
だから僕は、写真が好きなんです。」

今週の1曲は、"ヒマラヤ遠征のときに山小屋で聞いた"という
前野健太さんの ”トーキョードリフター”でした。

2015年には、新潟の自然を撮影した写真集
『潟と里山』を発売されました。
こちらは、昔川だった場所などを人工的にせき止め
池や沼にしている"潟"を通って撮影したものです。

「新潟市で、水と土の芸術祭に招待していただいて、
その時新潟で撮影していたら、”潟”って特徴的な場所だし、
その後ろにある、人と共にある小さな山を
テーマにしようと思ったんです。ぼくは全て標準レンズで
撮っているので目線がそのままあるかもしれないですね」

新潟ならではの、”人と関わりのある自然”や、
デナリ、北極南極、南太平洋の島々など、
石川さんのいままでの写真が400点以上集まる写真展が 
現在開催されています!

来週も石川直樹さんにお話伺います。