第104回 石川直樹さん②

2017-09-24

ゲストは、写真家、冒険家の石川直樹さん。


石川さんは、"本が大好き"なお子さんでした。
「電車に乗って通学してたので、
電車の中では、ずっと本を読んでいました。
特に探検や冒険の本をたくさん読んでいて、
その世界を”自分でも体で体験したい”という思いが強くて、
旅に憧れるようになっていきましたね。」
旅の原点は、中学生の時は四国。その次は、
高校2年生で訪れた、1ヶ月間のインドとネパール1人旅でした。

「当たり前のことですけど、
自分の常識は、多くの常識の中の1つであって、
世界はいろいろなもので溢れているって感じましたね。
その頃から、将来は会社に入るんじゃなくて、
旅を続けながら出来る、写真家か物書きの仕事かなって」

20代前半では、ミクロネシアの航海士に弟子入りするなど、
"道の世界"を旅し続けている 石川さん。
エベレスト登頂は、22歳、33歳と2回も登頂されています。

「あんまり居ないんですけど、エベレスト好きなんですよ。
ルートを変えて、ネパール側とチベット側で登りました。
全然違いましたよ!登り方も、体力勝負と、テクニカルでした。」

石川さんは、東日本大震災当時、
"現地を見て思ったことを口にするべきだ"と考え、
3日後には物資を持ち、2週間被災地を訪れました。
「青山から南下していきました。
インターネットで見える現地とは違って、
被災者の方の生き方みたいなものの、端っこを見せて頂いて。
カメラは持って写真も撮ったんですけど、現実のが大きかったです」

今週の1曲は、Ornette Coleman の ”Lonely Woman”でした。
この楽曲は、石川さんも講師として関わる
 ”チャレンジふくしまパフォーミングアーツプロジェクト”を
一緒に行う、作曲家:大友良英さんがライブで必ず演奏する1曲。

「中高生を対象にしていて、最終的に演劇を作ります。
僕は、写真とか映像の分野で関わっているブロジェクトです。
中高生の通学風景や、一緒に過ごした時間で撮影したものを
素の舞台に投影しています。
今3年目の稽古に入って、来年3月ごろに本番があります。
日々、10代の中高生は劇的に変わっていきますから、
貴重な日常に寄り添えているということが、僕は嬉しいです」

中高生とは、授業や部活、登下校の時間など、
まさに "日常を共に過ごす" 体験をしている石川さん。
昨年は、高松に社団法人フォトアーキペラゴ写真学校を
立ち上げていらっしゃいます。

「東京だと、機会や選択肢ってたくさんあるんですけど、
高松、北海道の知床では写真に触れる機会って
そこまで多くないと思うし、何よりも僕自身がそこで
地方に行って、人と関わりたい、土地を知りたい、という思いが
すごく強いので、色んな場所で活動しています。
世界各地行って今は、日本にもまだ未知や驚きとの出会いがある
と常々かんじています。」

現在は、奥能登国際芸術祭2017にも参加され、
国内外で活躍される石川さんの”元気の源”は、、、
「未知との出会いじゃないですかね。
知らないもの、新しい世界との出会いが、
僕の活動のエネルギーですね。今行きたいのは、
1度断念した、世界で2番目に高い山、K2の頂上で
写真を撮りたいですね。」

2週にわたり、有難うございました!