井門ごきげん「酒蔵の町」兵庫県西宮市|旅人:井門宗之

2017-10-05

 

親分「今回のロケはレンタカーを使いません!」

 

皆「使いません!」

 

親分「皆で酒どころ、西宮の酒蔵を巡ります!」

 

皆「巡ります!」

 

親分「普段はドライバーの佐々木くんも

今回は飲めますっ!

 

ゴル「の・の・の・飲めま酒っ(しゅ)!!(感涙)」

 

 

という訳で始まった酒バカ達(?)の今回のロケ、

兵庫県西宮市をぶらり巡る旅なのですが、

そう、西宮と言えば灘五郷のひとつであります。

全国でも屈指の酒どころで、ここをぶらりするのは楽しみでしかない!

かつてこの番組がYAJIKITA ON THE  ROADと呼ばれていた時、

神戸ロケでお邪魔したのも『沢の鶴』さんでした。

確か沢の鶴さんでも『宮水』という言葉が出てきたのですが、

灘五郷の酒はこの宮水のお陰で旨くなる!と。

まずはそんな宮水の秘密から探るべく、福男選びでもお馴染み西宮神社へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

井門P「駅前はしかし“えびす”の文字だらけだったねぇ。」

 

ゴル「パチンコ屋さんもEBISUでしたし、駅ビルはEBISTAでしたからね。」

 

親分「なんせ西宮神社はえびす様をお祀りする神社の総本社だからね。」

 

井門P「そして久々に西宮神社に来ましたけど、

こ・こ・こんなに広かったでしたっけ??」

 

堀川「広さは約4万2千平方メートル

甲子園球場とほぼ同じ大きさになります!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その笑顔はさすが神様にお仕えする神々しさ(言い過ぎ)、

お話しは西宮神社権禰宜の堀川利弘さんです。

 

 

井門P「西宮市と言えば甲子園球場ですが、

この西宮神社も同じ大きさなんですか!?」

 

堀川「えぇ、そうなんです(笑)」

 

井門P「今回は西宮のお酒を色々と探る旅なんですけど、

灘五郷のお酒に宮水が使われていると聞いた事がありまして。」

 

堀川「はい、西宮神社の地下を通っている“えびす伏流水”という地下水がございます。

その地下水が更に伏流と合わさって地上に湧き出ているんですが、

それを各酒造会社さんが汲み上げてそれぞれの『宮水』として使っているんです。」

 

 

西宮神社の地下水が全てのルーツ、だからこそ宮水と呼ばれるのです。

後で街をぶらりして思い知ったのですが、

本当に至る所に酒造会社の宮水の井戸があるんですよね。

そしてそれは大切に守られている。

なんてったって自分のところの酒の味を決める大事な水ですもの、特別な訳です。

 

 

堀川「私も酒造会社さんの宮水の井戸には、宮水祭りの時にしか入った事がないですから。」

 

井門P「因みに西宮で酒造りが始まったのはいつ頃からなんですか?」

 

堀川「さだかでは無いんですが、

室町時代には西宮の旨酒と言われていたので、

恐らくはそれ以前からではないかと…。」

 

 

えびす様の御利益のある歴史あるお水、それを使って仕込まれる旨酒。

しかも西宮神社は全国のえびす様の総本社な訳ですから、なんだか特別な気分にもなります。

あ、因みにえびす様をお祀りする神社って全国にどれくらいあるんですか?

 

 

堀川「およそ3500社です。」

 

 

元々えびす信仰は民間から生まれた信仰と言われています。

えびす様のお姿を見ると釣り竿と鯛を抱えている事から分かる様に、

そもそも漁師の守り神だったんですね。

それが海上の安全や大漁の神様と言われる様になり、

徐々に商売繁盛や豊作の神様にもなっていった。そう、まさに福の神なんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

井門P「西宮神社と言えば福男選びですけど、

あれはいつごろから始まったんですか?」

 

堀川「あの風習がいつからか、実は分からないんです(笑)

原形は鎌倉時代の御祭りだったそうですが。

かつて1月10日(福男選びの日)の前日に身を清めて、

翌日の朝一番に人々が当神社に御参りに来るという風習がありました。

競って神社の開門を待っていたわけです。

それが変化して今の形になったのでは…とも言われております。」

 

 

今年の福男選びにはおよそ5000人が参加したそうで、

朝6時に赤門が開くと本殿までの230mを参加者が疾走するのだ。

 

 

堀川「福男は1番福~3番福まで選ばれますけど、

1番福になった人は集まった福をただ自分の為のものと思ってはいけないのです。

その福を他の人に分ける気持ち、それが大切なんですね。」

 

 

そう、なんせここは福の神の総本社。

人は分け合えば余るし、奪い合えば足りないのであります(?)

堀川さんのお話しを聞いてからしっかりとえびす様に御参りをした一行。

頭の中はこの後の口福への願いでいっぱい、

そして趣味の競馬で勝つ事でいっぱい…だったとか(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

井門P「さぁ!宮水の謎も分かったで酒(しゅ)し、

えべっさんの御利益も受けられそうで酒(しゅ)し、

酒蔵へ向かうで酒(しゅ)!!」

 

皆「エイ!エイ!酔~ぅ!!

 

 

勢いよくぶらりを始めた一行でしたが、

やはり町の至る所に酒造メーカーの工場があって、至るところに宮水の井戸があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

中には『宮水発祥之地』の碑まで。

 

 

 

 

 

 

 

 

井門P「いやぁ、宮水をこれだけ大切にしている訳でしょ?

お水自体も相当に美味しいんだろうなぁ…これで仕込む酒もそれはそれは…(ジュルリ)」

 

親分「まずは白鷹です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

白鷹禄水苑は銘酒白鷹を味わう事が出来る『蔵BAR』をはじめ、

白鷹の歴史を知る事が出来る資料館やレストラン、茶室なども備える複合施設。

そしてこちらの『蔵BAR』ではここでしか飲めない飲み比べセットが!

 

 

井門P「シックなカウンターに当たり前の様に座ってますけど(笑)

こちらで白鷹のお酒を飲み比べする事が出来るんですよね?」

 

高沢「はい、白鷹でも選りすぐったもので、ここでしか飲めません!」

 

 

 

 

 

 

 

 

お話しは店長の高沢佐知子さんです。

 

 

高沢「灘のお酒は灘の男酒なんて言いますけど、

その特徴はキリッと辛口なところでしょうかね。」

 

井門P「飲み比べは何種類あるんですか?」

 

高沢「季節によって変わりますが、3種類に酒肴が付いてます。

こちらが冷やおろし、味吟醸(純米吟醸)、醇味緑酒(大吟醸)です。」

 

井門P「こちらでお幾ら…??」

 

高沢「1000円です!

 

井門P「安いっ!!

 

 

 

 


醇味緑酒(大吟醸)、味吟醸(純米吟醸)、冷やおろし

 

 

 

 

えぇ、えぇ、いただきましたとも。

スタッフ3人の『早く飲め、俺達にも飲ませろオーラ』をびしびし感じながら(笑)

 

 

井門P「まずは“冷やおろし”を…(クイッ)

あ~~、辛口ですけど、なんと言うか酒を飲んでる!って感じですよね。

THE SAKEといった感じで誤魔化しが一切ない。

 

続いては“味吟醸”、こちらは純米吟醸なんですね…(クイッ)

こちらは少しまろやかさが増しますね!ふんわりと、良いお酒だなぁ…。

 

そして最後に純米大吟醸の醇味緑酒を…(クイッ)

あっ、これは旨いわ。さすが純米大吟醸、華やかなお酒ですね!」

 

 

この日の酒肴はホタルイカの沖漬けで、これも白鷹にぴったり。

飲み比べなのにスイスイと進んでいく…すると!

 

 

おじさん「これも食べてよ!この昆布〆が最高だからさ!」

 

 

なんとカウンターの奥に座ってらっしゃった地元のお父さんが、

御自分で召し上がっていた小鯛の昆布〆御裾分けしてくれたのです!ビバ!お父さん!

聞けばこちらの蔵BARにはよくいらっしゃるという事で、

我々の収録を酒の肴に(笑)にこやかにお酒を楽しんでいらっしゃいました。

そしてそのお父さんから頂いた小鯛の昆布〆がまた旨いのなんの。

ホタルイカの沖漬けも最高の一品でしたけど、

飲み比べセット、このクオリティーで1000円は破格です!

高沢さん、お父さん、御馳走様でした!

 

 

 

 

 

 

 

 

井門P「いやぁ、最初から間違いないお酒でしたな!」

 

ゴル「美味しかったなぁ…」

 

親分「次はね、♪にほんさかりは良いおさけ~♪の日本盛だよ!」

 

 

ちょっとお酒も入って気持ち良く歌なんかも出ちゃってね(笑)

天気も良くてぶらりするには最高ですし、

しかも我々が歩いている通りの名前がなんと『酒蔵通り』ってんだもの。

町のあちこちに酒蔵があるって事を、通りの名前が表しているんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

酒蔵通りに面したお洒落な煉瓦造りの建物。

それが日本盛酒蔵通り煉瓦館です。

館内には日本盛の商品を展開するショップの他、

レストラン、利き酒コーナー、ガラス工房までを併設する複合施設。

入口すぐ隣のショップには所狭しと日本盛の美味しそうなお酒たちが。

支配人の吉岡秀孝さんの日本盛愛に溢れるお話しを聞きつつ、

酒バカ井門は角にある利き酒コーナーが気になって仕方ない(笑)

 

 

吉岡「こちらでは日本盛の原酒を4種類お試し頂く事が出来ます。

そして今は特別に宮内庁御用酒、純米吟醸“惣花”も飲む事が出来るんです。」

 

井門「宮内庁御用酒ですか!?」

 

吉岡「はい、ウチの看板商品で幕末からあるんですよ。」

 

 

ちょうどロケの時が秋篠宮眞子さまと小室圭さんの婚約のタイミング。

宮内庁御用酒を試飲出来たのも何かのご縁!そしてなんかめでたい!(笑)

そんなワクワクしている酒好きのおじさん達に、

お酒の解説をしてくださったのはスタッフの若山明美さん

 

 

 

 


純米吟醸「惣花」

 

 

 

 

若山「4種類の原酒を順番に召し上がっていただきますが、

どれも原酒で味が濃いので、まずは“惣花”からお召し上がりください。」

 

 

酒門P「では…(クイ)

あぁ…これは香りの良い、ふくよかな味の広がる良いお酒…

日本盛は良いお酒~♪ですね!」

 

若山「では続いて…」

 

 

 

 


サーバーから直接注いでくれます

 

 

 

 

と、まあ立て続けに頂いたのが純米原酒、吟醸原酒、大吟醸原酒、しぼりたて原酒。

どれも割り水をする前ですのでアルコール度数は高めなんですが、

やはり灘の男酒、そこに一切の迷い無し!!

利き酒を終えた後も吉岡さんの計らいで様々な銘柄を頂くKIKI-TABI一行、

いやさ今回の旅はKIKI-SAKE一行。

えぇ、今回は敢えて言わせてください。

 

KIKI-SAKE~2 Thousand Miles~

 

 

 

 

 

 

 

 

因みに利き酒コーナーでの試飲はなんと無料!

 

 

吉岡「当店に置いてある日本盛のお酒は全て試飲可能です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

親分「日本盛は良いお酒ぇ~♪ってかぁ!」

 

酒門P「あっ、気持ち良くなってる!

良いお酒のお陰ですっかり親分が気持ち良くなってる!」

 

 

かつてこの酒バカPと親分は下北沢の居酒屋で、

リストにあった10種類ほどの日本酒を上から下まで全て飲み、

それでも足りないからもう一巡したツワモノ達である。

このままじゃエンジンが掛って酒ロケが止まらなくなる!!

 

 

ゴルっ酒「大丈夫です!最後は大関が手掛けるスイーツのお店です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

大関と言えば言わずもがなの老舗酒造メーカー、その歴史は江戸時代まで遡ります。

その大関が酒造りの過程で出た酒粕などの副産物を再利用し、様々なスイーツを作り上げました。

まさに酒イーツ!!(ごめん勝手に名付けた)

その酒イーツ(気に入った)の数々を味わう事が出来るのが関寿庵なのです。

我々はオーゼキ・エフ・アンド・シー株式会社、

取締役副社長:脇本公康さんにお話しを伺いました。

 

 

脇本「我々が作る商品には大関大吟醸の原酒を使っています。

ウチの酒饅頭はあんこを原酒と一緒に炊いて作るんです。

ですから炊きたては酔っ払いますよ(笑)」

 

井門P「それだけ濃いんでしょうね~!」

 

脇本「よく酒(さか)饅頭って言いますけど、

ウチのは間違いなく酒(さけ)饅頭ですから(笑)」

 

 

関寿庵のメインの酒イーツは酒カステラであります。

大関の吟醸酒を生地に沁み込ませて作り上げた逸品。

酒好きは左党なんて言いましてね、あまり甘い物を食べないと言われますが、

性質の悪いことに井門、甘い物も大好きなんでゲス、へへへ。

脇本さんに御用意頂きまして、まずは酒カステラを。

 

 

井門P「あ~~!!これは美味しいっ!

物凄くしっとりしていて…確かにふんわりと良いお酒の香りがしますねぇ。

和風のブランデーケーキを食べているかのようです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして立て続けに酒フィナンシェ、そして特製酒まんソフト(酒饅頭入りソフトクリーム)も!

 

 

 

 

 

 

 

 

脇本さんのお話しを伺いながら、カフェに併設される原酒量り売りのコーナーを眺めていると、

ここでも(取材とは別に)大関の旨いお酒を試飲させていただきましてね…へへへ。

 

 

 

 

 

 

 

 

すっかり良い気分になって、エンディングの今津駅前まで歩いたわけですけど(笑)

流石、西宮駅前の地図に「酒蔵エリア」と書かれたエリアを有する西宮。

町をゆっくりと(レンタカー無くて良かったね、ゴルちゃん)歩いて巡ると、

もちろんお酒の香りはしてはきませんが、目線を上げると有名な銘柄の看板にぶつかって。

宮水の井戸が町のそこかしこにあり、その歴史を伝える碑が当たり前の様に存在し、

地のお酒を手軽に楽しめるお店が沢山あるわけです。

そんなに広くはないエリアでありながら、これだけ多くの酒蔵を有する西宮。

地元の方にとってはとんでもなく自慢なんだろうなぁ…。

あっ、そうそう、白鷹禄水苑の『蔵BAR』店長高沢さんが仰ってました。

 

 

高沢「実は西宮には“かんぱい条例”って条例がありましてね。

市長が決めたんですけど、乾杯は必ず日本酒でやるんです(笑)」

 

 

この感じがなんとも良いなぁ。

町全体でこの日本酒の町を愛して、楽しんで、守っていこうという気概。

いや、酒飲みにそんな堅苦しい言葉は似合わないか。

酒を飲むなら楽しく呑もうや!という気持ちが、そんな条例を作るのかもしれません。

今がまさに日本酒の美味しい季節。

西宮に行った気分を出す為に、みんなでやりましょうよ!

せ~のっ、日本酒で、かんぱ~い!!