昭和レトロな“せんべろ”の町、京成立石|旅人:藤原恵子

2019-04-10

こんにちは! 
藤原恵子(ケイティ)です♪ 


暖かくなり、お散歩にベストなシーズン到来ですね。 


 

今週のKIKI-TABI、舞台は東京都葛飾区の京成立石。
「飲んべぇの聖地」「せんべろの街」と言われる、
昭和な街並みと安くて美味しい居酒屋さんがたくさんある「立石」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

ここに降り立ったからには、そして私が旅人であるからには~! 
飲んで!飲んで!呑みまくり~~!!な旅になるかと期待したら。。 
いただいた台本には「お酒のロケはありません」のひと言。 


ウソでしょーー!!と、わたし涙目。。。(泣) 
聞けば今回は「お酒抜きでも!」楽しめる、立石の魅力を発見する旅なのだそう。 
だってだって、旅のテーマは『昭和レトロな”せんべろ”の町、京成立石』って 
書いてあるじゃないのさーー(号泣) 


ごるっちD:「あ、でもロケ終わったら飲めるから」


なんと心強いひと言!
急にテンションUP、無事に、笑顔でロケがスタートです。笑


では、いざディープな立石ワールドへ! 
そう、立石といえばやはり駅前商店街の気軽に安く楽しめる居酒屋さんのイメージ。 
下町情緒溢れる街並みは、戦後から発展したのだとか。


ただ時代の流れとともに立石の街は今大きく変わりつつあり、 
家屋の老朽化や倒壊の危険性から、
「駅前高層化計画」が進められているエリアなのです。 


確かに駅前の一帯はもうすでに更地になっている場所もあり、 
平成の終わりとともに、時代が移り変わっていく様子が垣間見えます。
ちょっと寂しいなぁ~ 


ロケをスタートした京成立石駅前には、駅を出てすぐに線路&電車が走る姿が! 
こんなに線路すれすれまで近づける場所って最近はもうないですよね~ 


駅前の踏みきり目の前には「立石仲見世商店街」 
かわいらしいピンクの文字で書かれています。 

 

 

 

 

 

 

 

 

道幅の広い近代的な明るい雰囲気の商店街で、
自転車に乗ったおばさまや学生さん達が行き交う姿が。


そしてそのすぐ隣にあるのが「立石仲見世商店街」 
こちらは一気に昭和の世界にタイムスリップしてしまったような不思議な感覚に陥る、 
古き良き趣がある商店街です! 
脳内には『ALWAYS 三丁目の夕日』のテーマソングが流れてきたよ・・・!


まず入り口にはいきなりお惣菜屋さん。 
その向かいはお魚屋さん。 
そして餃子屋さんに、ビニールのかかった赤ちょうちんの飲み屋さん。 
チェーン店なんてひとつもなく、全てが個人店ばかり、
ギュギュっとひしめき合っています。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャッターが降りているお店もたくさんあり、 
果たして時間が早いから開いていないだけなのか?? 
はたまたもうすでに閉店してしまっているのでしょうか・・・?? 
ローカル感たっぷりで、歩いている方もお年を召した方が多い印象。 


今や新元号「令和」に沸いている最中ですが、 
ひとつ隣の商店街に入っただけで一気に時代が巻き戻ってしまうなんて、
不思議な感覚です! 


さて一本横に曲がってみると現れたのが「舟和」の文字。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舟和、というととても有名な浅草の老舗和菓子屋さんで、
芋ようかんが有名ですが、なぜ立石に? 


しかもガラスショーケースの中には、なぜか焼きそばやきしめんが!笑 


ここは和菓子屋さんなのか喫茶店なのか、はたまた居酒屋さんなのか。。 
気になって入ってみると、中には椅子とテーブルがあり、
団体客のおばあちゃま達が談笑している
微笑ましい姿。 


そして壁には「舟和 居酒屋」の文字も。
和菓子屋さんでもお酒も出すのが、なんとも立石らしいです。笑


出迎えてくださった「立石舟和」の福田希衣子さんは、
チャキチャキの江戸っ子看板娘風な明るいお姉さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

福田さんのお祖父さまが浅草の舟和で修行されていたそうで、
こちらは唯一の暖簾分けをされているお店なのだとか。


そして驚くのはメニューの豊富さ!!
芋ようかん、あんこ玉のほかに、スイーツ、パフェ、きしめん、カレーなど、
なーーんでも揃っちゃってるのです! 
このフトコロの深さもまた、立石らしいな~。 

 

 

 

 

 

 

 

 

試食させていただいたのは名物「舟和セット」 
芋ようかんにあんこ玉、上品なお抹茶も一緒でワンコインです。 
芋ようかんは素材が持つ純粋な甘みが活かされていて、
やっぱりこれだよね~というホッとする美味しさ。


そして驚きの組み合わせは、
芋ようかんの上にリッチなホイップクリームが乗った、 
和洋折衷の「立石 舟和オリジナルスイーツ」!!


この意外な組み合わせが本当に美味しくて、
これを食べるためにまた立石に行きたいぐらい。笑 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてまたまた駅前に戻り、今度は踏切を渡って南側へテクテク。 
そう、商店街は線路をはさんで続いているのです。 
こちらは駅前なだけあり人通りも多く、飲食店やコンビニなどが軒を連ねています。 


良いな~この辺りは生活しやすそうだな~なんて思いながら歩いていると、 
「鳥房」という看板が。 
ここはどうやら、立石を代表する有名な酒場のひとつで、
半身(!)の鳥のから揚げが名物なのだそうです。 
食べたかったけど、なんとこの日は定休日!あぁ残念~ 


この「鳥房」の角を曲がるとすぐに現れるのが、
ディープなスポット「呑んべ横丁」!! 
これぞ!立石の真骨頂です。 

 

 

 

 

 

 

 

 

「呑んべ横丁」という力強いフォントが輝く看板も、昭和レトロ感たっぷりです。 
少しドキドキしながら足を踏み入れてみると・・・ 


まだ真昼間だというのにどこか薄暗い路地裏で、
トタン屋根のプチアーケードになっています。 


大人が両腕をめいっぱい伸ばしたらなんとか触れるかも??ぐらいに細~い路地で、 
両側には古き良きスナックがひしめき合っています。 
中にはTVの企画かなにかでマツコ・デラックス姐さんが訪れたお店もあるようで、
お店のママとの写真が貼ってあったり。笑 


なんだか映画のセットのようで圧倒されてしまうんですが、 
人工的に作りだしてもこうはいかないよなぁ~…という感じの、 
歴史が色濃くむき出しになった「混沌」がそこにありました。 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが…あと少しで取り残されてしまうなんてーーー!! 
歴史博物館とかにそのままの形で所有されれば良いのになぁ。 
もったいないなぁ。 
なーんて、妄想もふくらみます。。 


「呑んべ横丁」をぶらりした後は、またまた駅通り商店街に戻ってきました。 
あれ?さっきまで居たのは昭和だったのに、 
一気に現代にタイムスリップしたような不思議な感覚にまたも襲われます。笑 


少し歩くと「揚げだんご」と書かれた気になる看板が出現! 
揚げまんじゅうはよくあるけど、揚げ団子って珍しいですよね。 
「味処 わかば」というお店に入ってみましょう~
店先にはお赤飯やお惣菜とともに、
みたらし団子のようなルックスの揚げだんごがショーケースに。


1本いただいてみると、
表面がカリカリに揚げられて香ばしくて中はモッチモチ。 
そこにとろっと絡む甘じょっぱい醤油ダレ~❤
病みつきになりそうな美味しさです。 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして手軽にリーズナブルに食べ歩きができるのも、下町の魅力ですよね。 
さらに先に進むとすぐに見えてきたのが、
ちょっとメルヘンちっくなかわいらしいお店「ちーずどっぐ屋さん」
まだ新しそうなキレイな店構えです。 


ご主人の秋元俊之さんが、物腰やわらかく丁寧にお話ししてくれました。 
この少し懐かしいレトロなチーズドッグ、
もとは昭和38年から日本橋高島屋で販売されていたレシピなのだそう。 
ただ平成16年には惜しまれながら販売を終了したそうですが、
この味を失くしてしまうのはあまりにももったいない。。
それならば!と決意した秋元さん。 


地元・立石でこの「ちーずどっぐ屋さん」をオープンさせ、 
伝統の美味しさをそのまま引き継いでいるという、
素敵なストーリーが背景にあるそうです。 
わざわざ遠方からも当時の味を懐かしんでお客さんがいらっしゃるとか! 


私も試食させていただきました! 
中のチーズがとろ~~っととろけて、ほのかな塩味も心地よく、 
外のワッフル生地の優しい甘みとベストマッチ~!! 
羽根つきでパリパリしているのも魅力的です♪ 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご主人いわく、かつての立石は映画館が3館もあり、 
ものすごーーーく賑わっていた大人気のエリアだったそうです。 
週末はぎゅうぎゅうで、歩くのも大変だったとか! 
今でいう原宿の竹下通りのような賑わいだったのかな~?? 
今は今で下町風情が残る味わい深いエリアですが、
昔は東京の最先端スポットだったのですね。 


さてさてお腹も満たされてきたところで、続いて向かったのは! 
御朱印ガールを自負している私、お楽しみな場所! 
「證願寺」(しょうがんじ)です!! 


こちらとってもユニークなお寺でして、 
外の塀には猫ちゃんやクジラのイラストが描かれていています。 
そして本堂前に鎮座していたのは、狛犬の代わりに・・・ 
ライオンの石像! そして恐竜~!!笑 
一体なぜ!?? 


さらに、敷地内にはプラネタリウムまであるというちょっと不思議なお寺なのです。 
住職の春日了さんにお話をお聞きしました。 


壁面の猫ちゃんは、
遣唐使船のネズミが書物をかじってしまうのを防いだというお話から、
描かれたのだとか。 


恐竜のオブジェは譲り受けられたものだそうですが、 
みんなご利益を求めてツノをなでていくので、ツノだけピカピカでした。笑 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして気になるプラネタリウム、「プラネターリアム銀河座」のお話! 
私、実は西洋占星術を勉強している占い師のタマゴ、なんです。 
なので宇宙や星のお話が大好物!プラネタリウム、気になります!! 


実際にプラネタリウムの中に入らせていただき、リクライニングシートに腰をかけ、 
天井全体に映る美しい宇宙の姿を見せていただきました。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこに小気味良い解説を入れてくださるのが、なんと春日住職ご本人! 
実は春日さんはもともとプロのアナウンサーさんでいらっしゃったそうで、 
現在はこちらのお寺を継いでいらっしゃるそうです。 
さすが、お話がお上手で流暢なので、プラネタリウムも眠くなるどころか、 
ワクワクするお話ばかりで全く飽きません! 
宇宙空間にフワフワ~っと浮遊しているような心地よさで、 
春日さんの惑星や人工衛星などのお話をお聞きしました。 

 

 

 

 

 

 

 

 

このプラネタリウム、
もともとは檀家さんに「しっかり仏教のお話を聞いてほしい」 
という春日さんの思いからスタートしたそう。 


また、子どもの頃から宇宙が大好きで、天文学者になりたかったそうです。 
少し変わった形で夢を叶えていらっしゃるのですね~ 
エンターテイメントいっぱいの「證願寺」のプラネタリウム、オススメです♪ 

 


さて、続いてはまた少し歩いて向かった「立石熊野神社」 
こちらは葛飾区内で最も古い神社とされ、 
あの!和歌山の陰陽師!安倍晴明ゆかりの神社なのだそうです。 
まず大きくて立派な、朱色の神門が出迎えてくれます。 


手水舎には撫で牛の姿が。 
そう、この敷地内には天満宮と、浅間神社もあるのです。 
浅間神社といえば富士信仰なので、富士塚もありました! 
私もちゃっかり登って、富士登山気分♪ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらの宮司、千島俊司さんにお話を伺いました。 


安倍晴明がこのエリアに熊野神社を創建したのは、
すぐ近くを流れる中川の水害を封じるため。 
陰陽五行説(木火土金水)にのっとり、ちょうど五角形の結界を張りめぐらせ、 
境内をつくったのだそうです。 


さすが、清らかな気持ちのいい空気が流れています・・・・! 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、新月と満月の夜には「夜参り」という祈願をされているとのことです。 


新月には新たなスタートを切る、清々しい気持ちで手を合わせ。 
満月には満たされた気持ちで、力強いエネルギーと共にまた手を合わせ。 
月と陰陽師のパワーで、神秘的な夜を過ごせそうですよね。 
この神社のすぐお隣には幼稚園があり、子供たちがワイワイ遊ぶ声も聴こえてきます。


敷地内では、なんと2頭のポニーちゃんも飼われているんです! 
私たちがお邪魔した時はちょうどポニーお散歩タイム。


幼稚園児たちのアイドル的存在のようで、
子供たちも騒ぎながら、庭を駆け回るポニーを見守っていたり。 
こんな風に地域に密着した神社って暖かくていいな~ 


そしてありがたい御朱印も頂戴しました! 

 

 

 

 

 

 

 

 

サッカー日本代表のエンブレムにもデザインされている「八咫烏」(ヤタガラス)が、
まさに陰陽五行の正五角形の中に描かれています。 


カッコいい!! 
すごいパワーとご利益をいただけたようで、
厳かな気持ちで熊野神社を後にしました。 


さーーて。 
立石ロケも終盤、いよいよ駅前に戻ってきました~ 


ディープなせんべろの街・立石」で、まさかの!お酒抜きのロケ(涙) 
それでもマニアックな「仲見世」や怪しい雰囲気の「呑んべ横丁」をめぐり、 
美味しい食べ歩きも楽しみました。


ユニークな「證願寺」に、地域に根付いた「熊野神社」にお邪魔し・・・ 
って、あれ??お酒がなくても、なんだか心もお腹も満たされてる・・・!!! 
立石は今、大きな変化を遂げようとしています。


この変わりゆく街が完全に近代化して、下町情緒が消えてしまうその前に! 
新元号と共に新たな時代がスタートしますが、 
ぜひ昭和の香りをそこかしこから感じ取っていただくと、 
忘れかけた何かを取り戻せるかもしれません!! 


さーさーエンディングのワンカットも録り終えてオールアップしたあと、 
ロケ終わりのお楽しみ♪ 


夜はここからだ! 
せんべろですYO!!!!
やって来たのは「江戸っ子」 
「江戸の関所」と看板に記されているということは、
立石に来たからにはここを避けて通れぬ! 


ということでKIKI-TABI一行はそのまま吸い込まれていき、
華麗なるスピードで名物モツ煮込みとレモンサワーを注文し、 


カンパーーイ!!と長~い夜を過ごしたとさ。 
初めて電気ブランも呑んだよ。 
めでたしめでたし!