TELEVISION “マーキームーン”特集
2011-11-20
『NYパンクの大傑作:
TELEVISION“MARQUEE MOON”特集』。
M. SEE NO EVIL / TELEVISION
1曲目にお送りしたのは、1977年のテレヴィジョンのアルバム
『MARQUEE MOON』から、アルバムの1曲目「SEE NO EVIL」
です。
BPMが早いわけじゃないのに、このスリルとグルーヴ。
2つのギターが時に美しく、時にR&Rに絡む繊細なアレンジ。
後のロンドンパンクにはない、知的で芸術的なパンクがここには
ありますよね。
M.FRICTION / TELEVISION
さて、次にお送りしたのは、1977年のテレヴィジョンのアルバム
『MARQUEE MOON』から、アルバムの1曲目「FRICTION」です。
このスリリングなアレンジ。おどろおどろしいギターフレーズ。
フェンダーのストラトとジャズマスターかな?
切れ味鋭い2本のギターが絡むこのカッコよさ!!!
35年近く前とは到底思えません。
さてさて、TELEVISON。
リーダーでボーカル&ギターのトム・ヴァーレインが中心人物です。
とっても背が高くて、ガリガリに痩せていて、首が長――い、
本当に文科系!で美しいルックスを持った男性です。
1968年に、地元のニュージャージーから、ロックスターを目指して
NYに出てきたトム・ヴァーレインは、1971年にTELEVISONの
原型となるバンド:ネオン・ボーイズを結成。
その後、ベースに元ブロンディのフレッド・スミスを迎えて、
1974年にTELEVISONを結成します。
当時、トム・ヴァーレインが付き合っていたのは、あの!
NYパンク、アンダーグラウンドシーンの女王:パティ・スミス!
パティ・スミスの歴史的なデビューアルバムにギターで参加したり
することで、トムも、様々なジャーナリストから注目されて、TELEVISION”はNYで一番有名なアマチュア・バンドとなります。
M.VENUS / TELEVISION
ほんと、人の神経を逆なでするようなボーカル。
メロディもよく分からないし、これが歌なのか?
とも思いますが、とにかくカッコいい!
ヴォーカルも含め、全ての楽器がテレビジョンサウンドの構成要素で、
どれか1つが欠けてもTELEVISIONにはなりえない、本当に
ギリギリな雰囲気が満ちている、スリリングなバンドサウンドですよね。
さて、さっきの話の続き、です。
1974年に結成されたTELEVISIONは、トム・ヴァーレインが
パティ・スミスの彼氏だったこともあって、あっという間に
アングラシーンの大注目株になります。
そして、RAMONESやそのパティ・スミスの大活躍もあって、
NYパンクシーン人気は沸騰寸前。
NYの様々なクラブも、そういったバンドたちをどんどん
ブッキングすることで、シーンはより活性化していきました。
<ちなみに、それまでカントリー専門のクラブだったCBGBを強く
説得して、NYパンクの聖地という存在にまで仕立て上げた張本人が、
だったそうで・・・、クールなようで努力家、なんでしょうね。>
さて、そんな中、満を持して1977年にTELEVISIONは
アルバム【MARQUEE MOON】でデビューしました。
それまでの数多のレコード会社からデビューの誘いがあったそうですが、
トム・ヴァーレインは、“DOORSがいたエレクトラレコードから
デビューしたい!!”
と半ば逆指名のようなことをしていて、その念願叶ってのデビューと
なりました。
そして、そのアルバムはアメリカ・イギリスの音楽誌、評論家たちに
大絶賛されて、まさにNYパンクブームの遅れてきた本命!となりま
M.ELEVATION / TELEVISION
さてさて、そんな名盤【MARQUEE MOON】。
現代のストロークス、SONIC YOUTHなんかにも通じるような、
まさにNYのガレージロックの象徴のようなサウンドです。
芸術的で、繊細なアレンジ。2本のギターの見事な絡み。
知的で文学的な歌詞。力の入っていないボーカル。
これが合わさったときに、ヒリヒリするようなスリルと、
都会的な冷たさを感じる、新たなロックが出来上がるんですね。
さて、特集の最後にお送りするのはアルバムのタイトルトラックです。
本当に長い曲ですが、飽きさせない展開で本当に引き込まれます。
拍の取り方が特殊なイントロのギターリフは、
あのチャットモンチーが“恋の煙”という曲でパロってましたよね!!
テレヴィジョンなんか聞いてるのか!この3人!とビックリしたのを
覚えています!テレヴィジョン【マーキー・ムーン】です。
M.MARQUEE MOON / TELEVISION