とにかく行きたくなる!瀬戸内国際芸術祭…豊島編。|旅人:井門宗之

2019-04-26

 

BGM(瀬戸内の潮騒)C.I- 


前回の旅日記でもご紹介した森島丈洋さんが今回の旅の主役であります。
森島さんは瀬戸内の島の一つ、豊島で株式会社テシマサイトを運営する方。
瀬戸内を愛し、瀬戸内に愛された男、それが森島さんなのです。

 

 

森島「僕が豊島に最初に来たのは勉強の為だったんです。
20年近く前、この島は産廃の島と呼ばれていた時代があって。
その問題を学ぶために初めて来たのがその頃でした。」

 

 

産廃の島と呼ばれた原因などについて、気になった方は調べて欲しいのですが、
とにもかくにもその頃から豊島と関わりを持つようになった森島さん。
本格的に豊島に移住してきたのは13年前だと言います。

 

 

森島「13年前というと瀬戸内国際芸術祭が開かれる前でした。
そこから瀬戸芸が開かれる様になって、また島は変貌を遂げたんです。
豊島には様々な呼び名があります。
それこそネガティブな“産廃の島”と呼ばれた時代もあれば、
“ミルクの島”“福祉の島”とも呼ばれました。
豊島はですから、お米も作れるし、オリーブの栽培も行われています。
因みに国産オリーブのほとんどが小豆島と豊島で作られているんです。
また柑橘類ではレモンも採れます、イチゴも有名です。
勿論、瀬戸内の魚やオリーブ牛もそうです。水も綺麗ですし。
この島に大きな財をもたらした“豊島石”の存在も外せません。
ですから豊島は“豊かな島”と書くんです!」 


BGM(瀬戸内の潮騒)~F.O

 

 

瀬戸内を愛し、瀬戸内に愛された男、それが森島丈洋さん。
優しくも力強いその視線の先にあるのは、瀬戸内の豊かな未来。
豊島の皆さんの目下の話題はそんな森島さんに良い御縁が来ないだろうか…である。
気になった方は、是非株式会社テシマサイトのホームペー…(ゴンッ!!!
あっ、ちょっ、森島さん、物は、物は投げないで!!
そっ、そしてリスナーさん、まだ旅日記始まったばっかりだから、
ブラウザを閉じないで!!違う、違う、そうじゃ、そうじゃない。
森島さんと島の皆さんがあまりにも素敵な方々だったので、
旅日記の冒頭からフォーカスしちゃっただけ!
今回の旅が物凄く素敵な旅になったのも、森島さんと島の方々のお陰なんです!
もうね、最初から書きますけど、
俺は必ずプライベートでも行くぜ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

高松港から朝イチの船に乗り35分。
豊島の家浦港に着いた我々を迎えてくれたのが森島さんでした。
1日5便の船には外国人観光客の姿が目立ちます。

 

 

森島「ここ数年で外国人の方は本当に増えました。
観光客の皆さんがメインで使用するのは電動自転車です。
自転車に乗って島を巡られるんですね。
ですので島でもレンタル専門の店が増えました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

井門「島の大きさはどれくらいなんですか?」

 

森島「およそ14.5㎢です。
島の中学生の行事で“せんげんタイムマラソン”というのがあるんですけど。」

 

井門「せんげんタイムマラソン?」

 

森島「島を一周するマラソンなんですけど、
生徒が予め自分で“タイムを宣言”するんです。
それにどれだけ近付けたかを競うという内容で。」

 

井門「あぁ、その“宣言”でしたか!(笑)
でもなんだかいいですねぇ。」

 

 

森島さんの運転で我々は壇山を登っていきます。
壇山は登ると山頂から豊島の絶景を望むことが出来る島のシンボル。
その標高はおよそ340m。
取材の時は桜がもう満開に近い時期。緑も元気でところどころ菜の花も咲いていて。
頂上に到着すると、少し調子っぱずれな春の声がします。

 

 

永尾「あっ、ウグイスが鳴いてるけどまだ下手くそだね(笑)」

 

森島「鳴き始めのウグイスは下手なんですよね。
でも徐々に上手になっていって。」

 

井門「いやぁ、しかし絶景だな…。」

 

森島「今日はちょうど春霞でガスが出てますけどねぇ。」

 

井門「これでも十分綺麗ですよ!」

 

 

壇山の頂上には『壇山頂上展望台』という手作りの展望台が作られています。
これは壇山から切り出した木を使って作った展望台。
ここからの眺めがまた素晴らしいのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

井門「あぁ、もうこれは…。」

 

森島「もう少し温かくなったら、
ここにコーヒーを持ってきてゆっくり景色を眺めるんです。
そうすると何時間でも見てられるんですよ。」

 

井門「なんだろうな、俺、もう泣きそうだもん…。」

 

森島「大体忙しい方にかぎってここにお連れすると、井門さんの様にそう仰います。
そういうツアーも良いのかなって思いますけどね(笑)」

 

井門「もうアレですよ、心のデトックスツアーで!(笑)」

 

 

続いては展望台とは反対側の岡崎公園へ。
ここの景色も素晴らしいと森下さんは仰るのですが…。

 

 

井門「いやぁ、さっきの展望台も素晴らしかったから。
そんな簡単にはあの感動は…。(景色見た)
ヤベェ、泣きそうだ!!

 

森島「(笑)ここから男木島や女木島を見る事が出来ますし、
晴れた日だと高松空港の飛行機も見る事が出来るんですよ。」

 

井門「あの手前の丘?山にあるのはオリーブ畑ですか?」

 

森島「そうなんです!先程もお話しした通り、
国産オリーブのほとんどが小豆島と豊島で作られているんです。
油で言えば、まぁこれは小豆島の話しになっちゃいますけど、
小豆島にはごま油で有名なカドヤさんがありまして、
へんな話しなんですけど色々な気候条件がぴったりはまると、
小豆島からフワッとごま油の香りがする事があるんですよ(笑)」

 

井門「僕らも小豆島で手延べそうめん作りを体験したねぇ。」

 

ミラクル「したした!出来たてを釜あげそうめんで食べたね。」

 

井門「小豆島のそうめんはごま油を使うから、
茹でたてはごま油の良い香りがしてねぇ…(遠い目)」

 

景色がいいとついつい長居してしまうもの。
そりゃ、この山と海のコントラストを見ちゃうとねぇ。

 

 

ミラクル「あっ、おれ後からついていくから、先行ってて!」

 

井門「バカ言ってんじゃないよ!(笑)」

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて連れて行って貰ったのは唐櫃の清水。
ここは「残したい香川の水環境50選」にも選ばれた、
この辺りの集落の方にとってのだいじな、だいじな湧き水です。

 

 

 

 

 

 

 

 

森島「ここは弘法大師ゆかりの湧き水とも呼ばれています。
この水は山から沁み出して、樋を通ってここに流れます。
集落の人達にとっては水道水として、
また田畑を潤す用水としてもなくてはならない湧き水なんです。」

 

井門「ちゃんと飲み水場と、手を洗う場所が分かれているのも良いですよね。
ちゃんと使われているんだなぁって思いますもん。
せっかくなので飲んでみても良いですか?」

 

森島「もちろんどうぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言えばこの清水の隣には何やらアートな作品が展示してあるけれど??

 

 

森島「これは2010年の作品ですね。
青木野枝さんの“空の粒子”という作品です。」

 

井門「なんだかとても大きいんですけど、
周りの緑の景色と同化していて分からなかったです(笑)」

 

森島「瀬戸内国際芸術祭のコンセプトの中に、
瀬戸内の自然との調和というのも大切にされていますから、
井門さんのその感想はアーティストにとって褒め言葉なんですよ。」

 

井門「でもこれ、女性が一人で作るのは大変だったでしょうね。」

 

森島「なのでアーティストが一人で作っている時に、
近所の鉄工所のおじさんが“大変そうだな、手伝ってやろうか”って(笑)」

 

井門「なんすか、ちょっと楽しそうじゃないですか!(笑)」

 

 

 

 

 

 

 

 

森島「瀬戸芸の良いところは、
こえび隊も含めて島の方々の日常に寄り添ってるんですよね。
島の人も瀬戸芸のシーズンになると観光客を案内してあげたり、
瀬戸内国際芸術祭で島の雰囲気も随分変わりました。」

 

井門「島へ移住される方も増えてるんですか?」

 

森島「島の人口自体は現在800人強です。
でもここ1~2年はお子さんがいる御夫婦が移住してまして、
豊島には保育園から中学まであるんですよ!
高校は島には無いので、隣の小豆島になりますが。」

 

 

そんな移住者の中で、
映像と音楽のパフォーマンスユニットを御夫婦でやられている方がいらっしゃるとか!
やっぱりそのパフォーマンスも瀬戸芸と関係が??

 

 

森島「いえ、関係はないんです(笑)
経歴も面白い御夫婦なんですけど、何よりもお二人のキャラというか。
誰にも好かれる、素敵な御夫婦なんですよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ガレージ風の建物の入口には『usaginingen』の看板。
うさぎにんげん??兎人間?ラビットマン?
ガレージの中に入ると正面にはスクリーン、
左右には不思議な楽器なのか何かの道具なのか、
木で作られた何かしらの何かが!(笑)

お客さんは僕らの他にも子供を連れた家族や、外国人のカップルが2組、
一人旅の外国人も見に来ています。
しばらくするとパーフォーマーの御夫婦が現れ、左右の何かしらの何かに座り…。
始まりました…。

 

 

 

 

 

 

 

 

会場の雰囲気、音楽、映像が織り成すインスタレーションの世界に、
いつの間にかぐいぐいと引き込まれていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

一つだけ気になっているのは、
奥様が赤ちゃんをおんぶしながらパフォーマンスしていることだ(笑)
なんとも愛らしく、それでいて全く生活感が出ていない。むしろおしゃれ。
そして赤ちゃん、泣く。
よしよしよし、おさまる、また泣く、よしよしよし、
展開していくなんとも不思議なアートの世界、ワンダーランド、泣く、よしよしよし。
ドラム叩く、映像回る、泣く、よしよしよし、おさまる。
弦鳴らす、映像回る、ドラム叩く、泣く、よしよしよし、おさまる。

 

 

平井「本日は皆さん、有り難うございました!」

 

観客「(拍手)」

 

平井「ウチの子、実は今日初めてパフォーマンス中に泣きました!」

 

観客「(笑)」

 

 

なんとも和やかで、それでいて格好良いパフォーマンスは終了しました。
終演後にお時間を頂いてお話しを伺ったのですが、
やはりこのご夫婦は素敵です。
平井伸一さんと絵美さん御夫妻は元々東京でサラリーマンをされていました。
奥様の絵美さんはグラフィックデザインのお仕事だったのですが、
旦那さんの伸一さんは…というと?

 

 

平井「はい、診療放射線技師です。
検査課で技師として働いていました!」

 

 

御夫婦は豊島に移住する前はドイツのベルリンでアーティスト活動をされていて、
ベルリンでの生活もおよそ6年。

 

 

平井「一生に一度は海外に住んでみたいね?
そうだね、住んでみたいね?
ドイツいこうか?うんいこうか?
みたいなノリでしたね。」

 

 

元々奥様の絵美さんはデザインの仕事をしていたので、
旦那さんは絵美さんの営業をしていたそうで、
有る時に音楽をやっている人にライブで一緒にパフォーマンスしないかと誘われ、
そこからインスタレーションを始める様になったとか。
で、旦那さんはそんな奥さんの姿を見ていて途中で自分もやりたくなっちゃった(笑)

 

 

井門「途中でusaginingenになっちゃったんだ?」

 

平井「そうなんですー、
途中でうさぎにんげんになったんですー(笑)」

 

井門「この人ふざけるな(笑)」

 

 

そんな平井さんは御実家が香川で、2016年に豊島に移住してきます。
土に近い暮らしがしたくて…と仰る平井さん。
豊島の暮らしの良さを聞くと…。

 

 

平井「理想の生活を軽く飛び越える生活が、
ここにありますね。

 

井門「最高ですね!」

 

平井「最高ですよ!

 

 

平井さん御夫妻のこの自然体の素敵さは、なんて表現したらいいんだろう?
もちろん島の雰囲気そのままで、
この場所でインタビューしているからこそなのかもしれない。
けど人の心を決して強張らせない天性の何かが、
このご夫妻にはあるような気がしてならないのです。

 

外国人観光客も多く訪れる劇場
パフォーマンスが終わったあとは楽器を自由にさわっていいよと、
英語で色々と丁寧に解説する平井さん。

 

そうそう、今日は息子ちゃんがステージで初泣きだった事について。

 

 

平井「途中で泣いた時にモリシーが来てくれると思ったもんなー!」

 

森島「いや、俺も行こうと思ったんだけど、
でもパフォーマンスの邪魔しちゃいけないと思って…。」

 

平井「いや、むしろあそこは来るでしょ!
なんで来ないのモリシー!(笑)」

 

このやり取りもなんとも楽しい
森島さん、島の人達に愛されてるんだなぁ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

平井家の長男くんと永尾Dのおじいちゃんと孫の写真を撮り終えた一行、
島を散策しながら森島さんに色んなお話しを聞かせて貰いました。

 

 

井門「2019の瀬戸芸で豊島にはどんな作品が作られるんですか?」

 

森島「“転がる公園”という公園がまさに製作途中でして。
出来上がった公園で子供が遊ぶことで完成する作品になるみたいです。
これを言っちゃ身も蓋もないですけど、
アートはある意味で自由なんですよね!
物であったり仕組みであったり。
自由に感じて頂ければいいのかなと思います。」

 

 

 

 

 

 

 

 

因みに豊島には美味しい料理が味わえるレストランやカフェも。
アート作品の一つでもある“島キッチン”は、
島のおばちゃん、こえび隊、東京の丸の内ホテルのシェフの協力を得て、
島の食材を使って五感をフルに楽しませる事が出来るレストラン。
路地を歩いているだけなのに、不意にお洒落なお店が出てきて、
なんとも面白い。そして路地が狭いので、すれ違う人にも気軽に挨拶が出来ちゃう。
これが東京だったら、挨拶なんて絶対にしていないのにね。
なんだか不思議だし勿体ない話しだよなぁ。

 

 

井門「森島さん、何やら海に面したアートな建物がありますけど?」

 

森島「これが瀬戸内を眺めながら島の食材を頂けるレストラン、 

海のレストランです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ご案内頂いたのは広報ご担当の菊地優里さん。
テラス席をご用意頂き、そこに腰を下ろすと。

 

 

井門「あぁ…これは良いわ…。だって波音がBGMだもの。
横を向いたら凪いだ瀬戸内の海、まさにオーシャンビューですよ。
もうね、帰りたくない。っていうか仕事したくない(笑)」

 

菊地「(笑)こちらのコンセプトは、海を眺めながら本格的な和食が召しあがれるレストランです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

そうか、瀬戸内の豊かな食材はプロの料理人も憧れる逸品ばかり。
その素晴らしい食材を素晴らしい料理にして、
最高のロケーションで食べさせてくれるのが「海のレストラン」なのですよ。

 

 

井門「観光客の方がやはり多いんですか?」

 

菊地「観光客や海外からの方もいらっしゃいますけど、
地元の方の利用も増えています。レストランは2013年にオープンしたんですけど、
島の人達にも定着してきてます。」

 

井門「良いですね、やはり島の人に愛されないと!」

 

菊地「ご家族連れでご利用になられる方も多いです。
ディナーは5500円~10500円のコース料理になりますので、
記念日にいらっしゃる方も多いんです。」

 

井門「ちなみにランチもやってるんですか?」

 

菊地「もちろん!
瀬戸内のお魚や豊島のお野菜、讃岐オリーブビーフが乗った、
瀬戸内ボウルをお出ししています。」

 

井門「ではもうお腹空いちゃったので、みんなでそれ頂きます!」

 

一行「お~!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして瀬戸内の美味しさをぎゅっと詰め込んだ瀬戸内ボウルを頂き、
今度は菊地さんの御案内で海のレストランと同じ会社が運営する、ある御宿へ…。

 

 

井門「海のレストランの敷地内には畑もあるんですね?」

 

菊地「はい、家庭菜園のようでありますが、上手に育てられた時はレストランで
お出ししております。」

 

井門「なんだか楽しく育ててる感じはとても伝わります!」

 

菊地「はい、楽しいです(笑)」

 

 

左手に海岸を眺めながら歩くとすぐに雰囲気のある日本家屋が。

 

菊地「こちらが昨年オープンした滞在できる宿、ウミトタです。

 

 

 

 

 

 

 

 

一棟貸しの宿、ウミトタ。
1人~6人までが宿泊可能なこちらの宿は、一見すると普通の日本家屋(でもないのだけど)。
でも中に入ってみると、様々なところに感動の仕掛けがいっぱいなのです。

 

 

井門「入口から中に入ると…おぉ~広いですねぇ…。
リビングダイニングは天井が高く、しかもリビングは一段低いソファがぐるりと備えられている。」

 

菊地「こちらにお泊り頂く際は、朝夕食事付きのプランもありますが、
自炊も可能なキッチンも備わっているんです。」

 

井門「なるほど、で食事付きの場合はどこで食べるんですか?」

 

菊地「夜は隣の海のレストランにお越し頂いて、
朝はスタッフがこちらまで御食事をお持ち致します。
そこに扉があるのがお分かりですか?」

 

井門「はい、あの金庫みたいな大きめの扉ですよね?」

 

菊地「ご希望の時間に、スタッフがそちらに朝食を運び入れます。
外の扉を開けてお料理をお入れしますので、
朝の時間帯に宿のスタッフと顔を合わせることもなくのんびりして頂けます。」

 

井門「確かに朝って一番無防備だもんね(笑)
その配慮は有り難いなぁ。」

 

菊地「よろければそちらの低くなっているソファーにお座りください。」

 

井門「はい、よいしょ。
あぁ、ちょうど海岸が見えますね。」

 

菊地「そうなんです。
そしてそのまま後ろをご覧ください。」

 

井門「はい…おぉ、田んぼですか!?」

 

菊地「そうなんです。ここに座ると、
目線の先にちょうど『海』と『田んぼ』を見る事が出来ます。
瀬戸内の豊かな海と、豊島の豊かな自然。
海と田んぼの間にある宿なので『ウミトタ』という名前なんです。」

 

一行「あぁ~、なるほど!!」

 

 

他にもキッチン、ライブラリースペースの暖炉、
和室の目線の先にある海岸線、2階から眺める瀬戸内海…。
僕は何度も“ここに泊まろう”“家族を連れて来よう”と思ったよ。
だってスタッフに『そろそろ行くよ』って言われなかったら、ずっといたもん(笑)
ここに泊まれば忘れられない経験になるだろうなぁ…。
夏場に来たら森島さんも遊んでくれるって言うし(笑)
1棟貸しの御宿かぁ…室料50,000円で大人1名15,000円(夕朝食込み)かぁ。

 

 

永尾「これはお父さん頑張るしかないでしょう?」

 

ミラクル「連れてきたら一生ものだね?」

 

橋本「井門さんなら連れてきますよね?」

 

 

すみません、即答出来ませんでした!!(笑)

即答出来ぬまま外に出てみると、
何やら建物の外壁がキラキラしております。

 

 

菊地「実は外壁にアワビの貝殻を約一万枚貼り付けてあるんです。」

 

井門「一万枚ですって!?」

 

菊地「1枚1枚を島の方たちと一緒に貼り付けたので、
島民の方は“あそこは俺が”“あそこは私が”と仰ってくださいます(笑)
ちょうど夕陽が沈むと、貝殻に夕陽の光が反射して建物全体がキラキラと輝くんです。」

 

井門「それは本当に綺麗でしょうねぇ…。」

 

菊地「はい、ですからウミトタは島の方にとっても大切な場所となって欲しい、
宿泊施設なんです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

瀬戸芸の作品として豊島で忘れてはいけないのが、
2016年の瀬戸内伊国際芸術祭の作品『檸檬ホテル』であります。
築90年の古民家を再構築した泊まれるアート作品、檸檬ホテル。

 

 

 

 

 

 

 

 

永尾「いやぁ、ここは未体験の井門君に行って欲しいなぁ。」

 

井門「えっ?なんで?」

 

永尾「俺は前に取材で○○○○○(トップモデル)さんと来たんだけど、
はぁ…頬レモンがなぁ…悔しいなぁ…。」

 

井門「何を悔しがってるんですか!(笑)」

 

永尾「いいから、とにかく井門君と吉武さんのおじさん二人で行ってきな!」

 

 

そう促され、おじさん二人は美術館にある様なイヤホンガイドを装着。
一つのガイド本体にイヤホンを二人分差しこむ、意外と密着する。
以下、ネタバレを避ける為に文字だけでお楽しみください。

 

 

ミラクル「ほら、ぴょーんってぴょーん!(キャッキャッキャッ)」

 

井門「そこ覗いてみてくださいよ…(キャッキャッキャッ)」

 

ミラクル「そんな重いの持てるかって!(キャッキャッ)」

 

井門「目を閉じて…」

 

ミラクル「目を閉じて…」

 

井門「え~、これやんの~!?」

 

ミラクル「まぁ、でもここまできたらねぇ。」

 

井門「やってみる?」

 

二人「せ~のっ!」

 

二人「キャッキャッ」

 

 

という訳でした(伝わるかーい!)

色んな仕掛けを堪能してから支配人の酒井啓介さんにお話しを。

 

 

酒井「あの時を思い出す様な、檸檬ホテルの世界観にどっぷり浸ってください。
ここはある意味、単純にばかをやれる場所なので(笑)」

 

 

そしてゴールにある喫茶スペースにある檸檬スカッシュの美味しいことといったら
これは飲まなきゃ、そしてみんなで頬レモンしなきゃ!
なんで俺はミラクルと頬レモンしなきゃならなかったんだーー!
ま、楽しかったからいっか!

 

 

ミラクル「へへへ(照)」

 

井門「照れんなよ!」

 

ミラクル「へへ(照)」

 

 

行った人と必ず仲良くなれる場所、檸檬ホテルの謎を解きにぜひ!

 

 

 

 

 

 

 

 

森島「井門さん、檸檬の次はイチゴです!(笑)」

 

 

我々が今回の旅の最後にお邪魔したのは、
港からすぐ近くにあるいちご家さんであります。

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらの御主人の多田初さん、本当に熱きいちご生産者で、
さらに言うとご家族で僕のラジオを聞いてくださっているという…。

 

 

井門「あー!!レジ横にステッカー貼ってくださってるじゃないですか!」

 

多田「はい、あの数日前に番組宛にメッセージを送って…。
あの娘が今年の春で○○で○○なもので、夫婦で久々に○○だなぁって(笑)」

 

井門「めっちゃ覚えてます!おれ読んだもの、そのメッセージ!」

 

多田「今回取材で井門さんが来るって、
うちの奥さん朝から気合い入っちゃって!(笑)」

 

井門「奥様、有り難うございます!!」

 

奥様「いや、こちらこそ来て頂いて!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

店内にはイートインスペースもあり、壁には沢山のメニューが貼られています。
そのどれもが写真付きでまぁ、美味しそうなことこの上ない!(笑)

 

 

永尾「えー、なに食べる??」

 

ミラクル「俺はこの“生いちごいっぱいクレープ”が良いなぁ。」

 

森島「いちごのぜいたくスムージーも本当に美味しいですよ!」

 

永尾「あぁ、おれそれもいっちゃいたいなぁ。」

 

橋本「僕もスムージー良いなぁ、いや、クレープかなぁ…。」

 

井門「おっさん全部で5人いて、可愛いメニューで悩み続けるんじゃないの!
すみません、おすすめはなんですか?」

 

娘さん「はい、このソフトクリームの乗った生いちごプレミアムクレープです!」

 

井門「それください!」

 

 

 

 

 

 

 

 

もうね、いちごのソースも中のいちごも絶品!

都内で小さいいちごで有り難がって食ってるクレープがバカバカしくなる。
このボリュームで780円だもの!これは…。
僕は普段あまり甘いものは食べないんですけど、これはペロっといけました。
そして取材中もひっきり無しに注文が入る店内。
飛び交う言葉を聞くと中国の方も相当多いみたいです。

 

 

多田「中国人の方は本当に増えました。
僕は喋れないんだけど、カミさんが中国語喋れるので任せてます(笑)」

 

井門「中国の方もいちごを買っていかれるんですか?」

 

多田「そうなんですよ、パックのいちごを買って。
どうするのかなぁ、と思ったら船の中で食べるんですって。
あと、ウチでは大粒のいちごを3粒セットで販売もしているんですけど、
フラッと島を散策する外国人の方が来てそれ買ってね、
ポッケに入れて散策しながら食べるみたいです。」

 

 

お話しはお店の作業場でお伺いする事が出来たのですが、
周りが美味しそうないちごに溢れていて…もうなんとも幸せな気分。

 

 

井門「ウチの子供達、いちごが好き過ぎるくらい好きなので、
ここにいたら興奮して大変だと思います(笑)
それにしてもいちごのサイズも大きいですね?」

 

多田「実はここで扱っている品種は女蜂になります。」

 

井門「なんだか女蜂って久々に聞きました。」

 

多田「そうなんですよね。昔は東の女蜂に西のとよのかと呼ばれる程だったんですが、
今は色んな品種が出てきて。
女蜂の生産量は全体の0.1%くらいになりました。
作っているのももう香川県だけになりましたね。」

 

井門「でもここにある女蜂、物凄く大きいですよね??」

 

多田「ちょっとコレなんか測ってみましょうか?
どれどれ…あっ、57gですね。」

 

井門「えっ!かなり大きいですよね??」

 

多田「いやいや、あまおうなんかは一粒で100g超えるのありますから(笑)」

 

井門「100gを超えるいちご??ステーキ並じゃないですか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

でも正直瀬戸内の島でこうしていちごが盛んに作られているのは知らなかったなぁ。
こんなに美しくて、こんなに美味しいいちごだもん。
そりゃ森島さんが最初に特産品の一つにいちごを挙げるわけだ。
あっ、因みに森島さんも数年前までいちごの農家をされていて、
実は多田さんは森島さんのイチゴ作りのお師匠さんでもあるそうな。

 

 

多田「豊島では1999年からいちごを始めました。
かつて呼ばれた産廃の島のイメージを払しょくする為に、
何か目玉になる産業はないだろうかって。
その時に始めた産業の旗頭が、いちごなんですよね。」

 

 

それから20年。
港のすぐそばにあるいちご家さんのドアを開ける観光客は後を絶たない。
もちろん多田さんのところだけでなく、
豊島には他にもいちご農家の方はいらっしゃいます。

 

 

多田「だから僕は多田農園のいちごじゃなくて、
“豊島いちご”で売っていきたいんですよ。
豊島に行けば美味しい豊島いちごがある。
いちご食べに豊島に行こうよ!って思ってくれたら最高ですよね。
いちご農家を巡る、“いちごロード”が出来たらなって思います。」

 

 

多田さんのいちごを語る熱量は凄い。
「いちごは一番の特産品だと思っています」も頂きました。
多田さん、美味しいいちごと熱いお話しを本当に有り難うございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

この回がOAされる頃は既に瀬戸内国際芸術祭が開幕している訳で、
いったい今回訪れた豊島の様子はどんな風になっているんだろう…。
想像するだけでワクワクしてしまいます。

 

第1回が開かれてから9年。
瀬戸芸が島の様子を変え、島の人々を変えたのは間違いありません。
そしてその変化は恐らくプラスの方向へと向かっているのだと思います。
今回お世話になった森島さんは、
2016年からの3年間が最も変化があったと話していました。
その変化を経ての今年のお祭りです。
またここから島は大きなうねりを見せるのかもしれません。
ただし、あくまでもこのお祭りの主演は島の方々。
島という舞台の中で舞台装置となる現代アートと主演の島民の方々が、
どんな空気を作りだしているのか。
そしてそんな舞台である島を見て、あなたは何を感じるのか。

 

森島さんの言葉を借りるなら、アートは自由!
目の前に展開する豊かな自然と、そこに調和する現代アートを見て、
あなたの五感を開放するのです!
さぁ、そしてゆっくりと目を閉じて…。閉じましたね?
なにが見えてきますか?
そうです、あの頃の甘酸っぱい青春を思い出しなさい。
そして、頬レモンするのです…(違)

 

瀬戸内国際芸術祭2019、
『ふれあう春』は5月26日(日)まで開催されます!
是非みなさんも、3年に1度の現代アートの祭典を現地で味わってみてください!
最後に一言、森島さんに良い御縁を~~!!
じゃない、森島さん!本当にお世話になりました!
必ず豊島に遊びに来ますからね~!!

 

BGM(瀬戸内の潮騒)F.O~