KISS!地獄のロック・ファイアー

2010-07-03


kiss!

今日は、その橘高文彦さん登壇記念!、ということで、
その橘高さんが、生まれて初めて買った、
というロックのレコードを特集しました!

チープで、下品で、シンプルで、ストレートで、楽観的で、
とにかく楽しい70年代アメリカン・ロックの代表作です!

KISS “地獄のロックファイアー”特集』。

 
1976年リリース。ダブルプラチナを記録したKISS
5枚目のスタジオアルバム
ROCK AND ROLL OVER」。
邦題は、地獄のロックファイアー。

このアルバムを引っさげた来日公演をキッカケに、
KISS
ここ日本で、爆発的な人気を得ることになります。

               
M        Ladies Room     /    KISS   


 
1曲目にお送りしたのは、1976年リリースのそのアルバムから、
ベースのジーン・シモンズがVoをとる“Ladies Room”です。
女子更衣室でHなことをしようぜ!という、かなり低俗な、
深みも何もない歌ですが、まぁ。R&Rなんてそんなもんです。
楽器のアレンジもシンプルで、テクニック的にも難しいことは何もやって
ません。
でも、それが大事なんですね!

“これなら、俺にもできる!”と、楽器を持ったティーネイジャーは、
世界中、何人いるかわかりません。橘高さんもその一人ですよね!

 
M  Makin’ Love    /    KISS     

 


                      
番組2曲目にお送りしたのは、ギターのポール・スタンレーが歌う
“果てしなきロック・ファイヤー”です。
邦題は、男気のあるカッコいいタイトルですが、原題は、“Makin Love”。
まぁ、セックスのことですね。一晩中、セックスしようぜ!と歌うのみの曲
です。
う~ん。本当にバカっぽい。
KISSは、もちろんあの歌舞伎メイクの4人組ですから、
ルックスもかなりイロモノ、というかバカっぽいですし、
もーーー、
それが最大の欠点でもあり、魅力でもありますね。

まぁ、でも、本人たちは、本当に頭のいい人物ですよね。
ジーンなんて、もともと先生ですし。
ビジネスセンスも素晴らしい!そこもKISSの凄みのひとつです。


さて、KISS1973年にニューヨークで結成されたバンドです。
メンバーは、ギター:ポール・スタンレー、ベース:ジーン・シモンズ、
リードギター:エース・フレイリー、ドラム:ピーター・クリスの4人。
ボーカルは、4人全員が取れます。

そもそも、彼らがやりたかったのは『へヴィーなロックをやるビートルズ』。

だから4人とも歌うんですよね。
そして、ビートルズのように4人のキャラクターを個性豊かなものにするために、彼らは、それぞれに白塗りのメイクをするようになりました。

悪魔キャラ、愛の戦士キャラ、宇宙人キャラ、猫の怪人キャラ、という
まるでアメリカン・コミックのようなキャラ設定で、
ハードなロックをやる4人組は、
1974年のデビューから、案の定、
評論家やラジオDJには『ドン引き』されました。

雑誌のレコ評は最悪。
ラジオでも流れない。

まぁ、これじゃ売れないですよね。

ただ、様々なバンドの前座としてのLIVEの評価はうなぎのぼりに
なってきました。
ギターやドラムはブチ壊す。
ベーシストは、火を噴いて、血を吐く。
リードギタリストのギターからは、マグネシウムの光線が出る、と。

まるでサーカスのようなパフォーマンスに、ノリノリのシンプルな
ハードロック。

徐々にKISSの噂が、口こみで全米中に広がっていきました。
 


M
.  Calling Dr.Love    /    KISS       

“悪魔のドクターラヴ”を3曲目にお送りしました。
ベースのジーンシモンズが歌う、彼の代表曲ですよね。
長い舌をベロベロしながら歌う姿は、『不謹慎』の代名詞。
アメリカのPTAでは、当時とにかく大問題。
KISSLIVEにいくことを禁止する学校も続出しました。

このエピソードは映画にもなりましたよね!

さて、
泣かず飛ばずの時期を越えて、徐々に口こみで、
彼らのLIVEの噂が広まってきた
1975年.
彼らは、当時比較的知名度の高かったデトロイトで単独公演を行って、
その音源を2枚組のLIVEアルバム『アライヴ』としてリリースします。

当時、彼らKISSの営業的な失敗と、余りに金のかかるツアーのせいで、
所属レコード会社は倒産寸前。2枚組のLIVEアルバムをリリースするなんて、
正気の沙汰じゃない!と言われていましたが、、、これが大爆発。

とにかくアメリカ中で、このアルバムは売れに売れて、
KISSは、アメリカで最もチケットの取れない人気アーティストへと
成長していきます!

 

M  HARD LUCK WOMAN     /    KISS    



続いてお送りしたのは、シングルヒットとなった“ハードラックウーマン”。
ポールスタンレーが書いて、ドラムのピーターが歌った大名曲ですよね。
ラジオで聴いた人が、ほぼロッド・スチュワートの新曲だと勘違いした、
という嘘のような話も残っています。

さて、1975年のLIVEアルバム『アライヴ』がメガヒットしたKISS

そんなKISSの歴史の中で、名盤!と名高いのが・・・
その『アライヴ』。
そして、アライヴの次の作品で、名プロデューサー:ボブ・エズリンを迎えて、
オーケストラや、多重録音を駆使して作られた『地獄の軍団:DESTROYER』。1977年に、予約の段階で100万枚突破。
結局アメリカだけで400万枚以上を売り上げた最大のヒット作
LOVE GUN』。

3枚ですよね。

ただ、
ここ日本でも、アメリカでも隠れファンが多い、
裏の名盤が
今日特集している“地獄のロックファイアー”!

オリジナル・アルバムとしては、まさにDESTROYERLOVE GUN
挟まれた作品ですが、これが実にいい。
オーヴァープロデュースもなく、シンプルに録音されたR&Rナンバーは
とてもタイトで、レコーディングスタジオではなく、
シアターを借り切って録音されたことで、LIVE感があふれています。


M
  I WANT YOU     /    KISS   

 さて、このアルバムを引っさげて19773月に
日本武道館で行われたKISSの初来日公演。
いまだに、日本のファンの中では、伝説になっていますよね。
そして、何とそのLIVEは、映像収録されて、当時、
NHKのヤングミュージックショーというTV番組で全国放送されました。

ROLLY
さんや橘高さんなんかにきくと、その放送翌日は、学校は
凄いことになったみたいですね。

学校ではKISSの話題で持ちきり。
エレキギターを弾く人は、一夜にして学校のスターになったそうです。
それまでは、フォークギターでアリス!が定番だったのにね。

そして、当時のKISSの最新アルバムが『地獄のロックファイアー』

ALIVE
でも、DESTROYERでも、LOVE GUNでもなく
日本で、『R&R OVER:地獄のロックファイアー』のファンが多いのは、
それも、大きな要因のひとつでしょうね。

これがなければ、それこそ、筋肉少女帯も、セイキマツも、
イエローモンキーも、すかんちも、この世には無かったかもしれません。

M    LOVE’EM AND LEAVE’EM    /    KISS