James Taylor 「Sweet Baby James」特集!

2010-12-05


JT

『シンガーソングライターブームの火付け役!
     James TaylorSweet Baby James”特集』。

美しいアコースティックギターのサウンドとやさしい歌声。
このアルバムをキッカケに世界中の若者たちが、ギターを手にしました。
M    Country Road  /  JAMES TAYLOR  

1曲目にお送りしたのは、1970年にリリースされたアルバム
Sweet Baby James』から、
彼のLIVEでの定番曲:カントリーロードです。

シンプルに聞こえますが、実はギターのアレンジなんかは実に
凝っていて、
結構難しいんですよねー。
JTは、あったりまえのように簡単に弾きながら、
やさしく歌うんですけどね。

M
  Sweet Baby James  /  JAMES TAYLOR 

                   

さて、次にお送りしたのは、1970年のそのアルバム
Sweet Baby James』のタイトルトラック“Sweet Baby James”です。

これは生まれたばかりの彼の甥っ子のために書いた子守唄!
やはりアメリカ人!子守唄は、カントリーなんですね。

そして、何を思ったか、その甥っ子の名前は、James Taylor
おんなじ名前付けるなよ!って感じですが、
そんなわけで、この子守唄は、甥っ子のためでもあるし、
また、自分自身へのメッセージでもあるんだそうです。


さてさて、James Taylor
いわずと知れた、アメリカを代表するシンガーソングライターです。
1948年ボストン生まれ、ですから、現在62歳ですね。

有名な話ですが、彼の一家は有名な音楽好き一家。
なんと、5人の兄弟全員がプロの歌手になった、というくらいですから、
その両親のDNAは凄かったんですね。

もちろん、JTも気が付いたらギターを持って歌っていたそうで、
彼にとって
音楽を奏でることは、話すことと同じくらい自然なこと
だったみたいですね。
だからこそ、あんなにナチュラルな歌が歌えるんですね!

18歳の時にはプロミュージシャンを目指してNYへ!
時代は60年代後半。折からのロックブームに便乗してロックバンド:
フライングマシーンを結成しますが、泣かず飛ばず。
そのストレスからか、クスリにおぼれて、
まだ10代ながらボロボロに
なっていきます。


M
Steamroller   /  JAMES TAYLOR   

次にお送りしたのは、アルバムから異色ナンバー:
スチームローラー”です。

ビッグバンドアレンジの中で、ブルージーな歌とエレキギターを
聞かせてくれています。

さてさて、さっきの話の続きです。

60
年代後半。
NYでロックバンド:フライングマシーンの一員として活動するJTですが、
その活動が暗礁に乗り上げたことでストレスを抱えて、
ひどいヘロイン中毒となってしまいます。

そんな悲惨な状況を少しでも変えるために、JTはイギリスに渡ります。
なぜ、イギリスか?理由は簡単です。JTは熱狂的なビートルズファン。
その憧れのビートルズの生まれた場所で、
人生をやり直したかったんでしょうね。

そんな中、彼のデモテープを聴いて彼の稀有な才能に気づいたのは、
誰あろう、アップルレコードのプロデューサー:ピーター・アッシャー
(ビーター&ゴードンでヒットを飛ばしていたピーター・アッシャーその人!)
とビートルズたちでした。

JT
は、あっという間にアップルレコードとの契約を手に入れて、
デビューアルバム「James Taylor」で1968年にソロデビュー
することになります。

しかし、この番組でも、ビートルズ、バッドフィンガーの時にお話した通り、
アップルレコードは、ビジネスの素人、そしてビートルズの取り巻きの塊!
会社は火の車でした。

もちろん、ちゃんとした宣伝をされることもなく、
JTのアルバムは埋もれていきます。
そして、アップルは倒産。

失意のJTは、またもクスリに手を出して、結局は極度のノイローゼで入院。
しかも、バイク事故で両腕を怪我。と、末期的な状況になります。

ただ、彼の才能はそんな事では尽きませんでした。

アメリカに戻った彼は、ワーナー・レコードと新たに契約を結んで、
再びレコードを制作します。プロデューサーは、彼を発掘して、
彼と共にアップルレコードを解雇となったピーター・アッシャー。

2
人は、それまでの自分たちの人生を振り返るような私小説的な
アルバムを制作します。
リリースは、1970年です。

ジャニス、ジミヘンが死んで、“LOVE &PEACE”を唱えた
ヒッピー文化が泡と消えた1970年。
夢を失った若者の心に、
JTの音楽は深く響きました。

 

M Fire and Rain  /  JAMES TAYLOR   

次にお送りしたのは、問答無用の名曲“Fire and Rain”ですね。

自殺した親友の思い出と、自分自身のヘロイン中毒やノイローゼで
苦しんだ過去を
「僕は火も雨も見てきた」と切なく歌う曲が、
1970年当時のアメリカ社会の虚無感ともリンクして、
JTにとって初のトップ3ヒットとなります。

ちなみに、それまでシンガーソングライターの音楽、というのは、
とにかく地味な存在で、一般受けする類のものではありませんでした。

しかし、1970年。JTの登場くらいから、その存在感は増していきます。
二―ル・ヤング、ジョニ・ミッチェル、ランディー・ニューマン、
そして、このJTのアルバムにも参加しているキャロル・キングなど
沢山のシンガーソングライターがヒットチャートに登場するようになります。

特に、1971年にリリースされたキャロル・キングの「つづれおり」と、
1970年のこのJTのアルバム“Fire and Rain”は、
シンガーソングライターブームを象徴する2枚として、よく語られています。

ちなみに、JTは、1971年にキャロル・キングのペンによる
YOUVE GOT A FRIEND:君の友だち」で全米1位を記録。

まさに、世界中に“シンガーソングライターブーム”
が巻き起こった時代でした。


M
Anywhere like heaven  /  JAMES TAYLOR  

次にお送りしたのは、フィドルやスティール・ギターが美しい!
カントリー・ロックなナンバー:Anywhere like heavenです。

さて、このアルバムで一気にスーパースターとなったJT
ジョニ・ミッチェルと付き合ったり、カーリー・サイモンと結婚したり、
と羨ましいプライベートなんかも話題になりました。

1976
年には、巨額の契約金でCBSに移籍。
その後も、コンスタントにアルバムを制作して、コンサートなども行っています。

グラミー賞も数多く受賞して、またロックの殿堂、
ソングライターの殿堂にも
迎えられるなど、多くのミュージシャン、
音楽ファンからリスペクトされています。

そんなJTのルーツ。「Sweet Baby James」。
是非、チェックしてみてくださいね!


M
SUITE FOR 20G  /  JAMES TAYLOR