PANTERA 『俗悪』特集!

2011-01-02


pantera

PANTERA 俗悪
 “VULGAR DISPLAY OF POWER ”特集』。

BON JOVI
MOTLEY CRUE、デフレパードなど、
世の中がハードロックブームだった1980年代後半。
それを経て、1991年あのスラッシュメタルの代表:METALLICA
ブラックアルバムをリリースして大ブレイクしてから、
世の中は『よりへヴィーなもの』、
『よりグルーヴィーなもの』
を求めるようになっていきました。

その中、時代を制覇したのがPANTERAです。

変なイコライザーをかけたような極端なドンシャリサウンド。
そして、叫ぶような独特なボーカル。
それまで誰も聴いたことのないようなウルトラへヴィーな音楽で
世界中のロックファンをノックアウトしました。

M
   Rise  /  PANTERA  

1曲目にお送りしたのは、1992年にリリースされたアルバム
俗悪:VULGAR DISPLAY OF POWER』から、Riseです。

<高速スラッシュメタルから、急にスローでグルーヴィーな
 リフに変わったり・・・、
本当に変な曲。
 そして、このドンシャリサウンド。
ステレオが壊れたんじゃないか?と当時は思ってしまうほど、
新鮮なサウンドでした。>

M
Walk  /  PANTERA  

さて、次にお送りしたのは、
1992年のそのアルバムから
Walk”です。

まるで壁のようなダイムバック・ダレルのギターサウンド。
そして、トリガーを使ってかなりアタッキーなヴィニー・ポールの
ドラム。
今聴いても、やっぱり新鮮で独特なサウンドですよね。

<これだけ極端な音楽がよく売れたなぁ・・・>

さて、今日の主役パンテラですが、その歴史は1981年にスタート
します。
ギター:ダイムバック・ダレルとドラム:ヴィニー・ポールの
兄弟ユニットから
始まったんですね。

そもそも、彼らのお父さんはテキサスでカントリーミュージックの
作曲家だった、
ということで、幼い頃から多くのミュージシャンの
演奏を聴いていて
自然に楽器を手にするようになったそうです。

そして2人とも、あっという間にレベルアップ!

16歳の時には、余りにもコンテストで優勝してしまうので、
出場を禁止されて、審査員になったほど、ですからその実力は
飛びぬけていたんですね。

ちなみに、ギターのダイムバック・ダレルがずーーっと愛用していたDEANのギターや
ランドールのアンプなんかは、
その数々のコンテストの優勝賞品だったんだそうです。

1983年には、父親のプロデュースで、そして父親のスタジオで
インディー1stアルバムを制作。そして、セカンド、サードと
リリースしますが、
当時の音楽は代わり映えのしないハードロック。
もちろん、全く売れませんでした。

まぁ、親のスネかじって作ったような音楽ですから、
まだまだ未熟だったんですね。

そんな中、世の中にはMETTALICAANTHRAX、スレイヤー、MEGADETHなど
スラッシュメタルという新たな音楽が出てきました。
バンドはそれに心酔。
PANTERAは自分たちの進む道をついに決めたんですね。


M  Mouth For War  /  PANTERA               

次にお送りしたのは、1992年のそのアルバムから、
アルバムのトップを飾るMOUTH FOR WAR”です。

ヘヴィーでグルーヴィーなリフに、アクセントのように出てくる
ハーモニクス。このギターに当時は私ものめりこんでしまいました。
このサウンドが出せる!なんていう謳い文句で”METAL ZONE
なんていう
エフェクターも買った記憶がありますね。


さてさて、さっきの話の続きですが、
まったく泣かず飛ばずのバンドの運命が変わったのが、1987年でした。
スラッシュメタルという新たな音楽に可能性を見出したバンドは、

新たにフィリップ・アンセルモというパワフルなボーカルをバンドに迎え入れて、

これまでの活動を封印して、全く新たなバンド像を作り上げます。

 

ヘヴィーで、マッチョなPANTERAですね。

 

その甲斐あって1989年には、ついにメジャー契約をGET

1990年に、実質的なデビュー作『COWBOYS FROM HELL』を

リリースすることになります。


その音楽性の変化と成長は圧倒的で、それまでバンドを酷評してきた

ラジオ局や評論家たちが、手のひらを返したように絶賛しました。

 
が、

 

実は当初は、そんな周りの期待に反して大して売れませんでした。

ただ、そんな中、意外なところから火がつきます。

同業者のミュージシャンたちが、こぞってPANTERAを絶賛し始めたんですね。

 
SKID ROWMOTLEY CRUEJUDAS PRIESTなど

大物たちがみな、PANTERAのアルバムを愛聴盤にあげて、

自らのツアーのOPアクトに起用しました。

 

じわりじわり、PANTERAの時代が近づいてきたんですね。        

M
  THIS LOVE  /  PANTERA              

次にお送りしたのは、そのアルバムから、
THIS LOVE”です。

かなり、メタリカのバラード的なギターリフからスタートしますが、
サビになると一気にハードコアのようになる!というビックリな展開。
この特異性がPANTERAの魅力ですね。

さてさて、様々な人気バンドのOPアクトを務めて名前を売ったPANTERA
いやおうなしに、次回作品への期待が高まっていきました。

そんな中、1992年にリリースされたのが
今日特集している『俗悪“VULGAR DISPLAY OF POWER
です。

”グルーヴ・メタル”
”パワーグルーヴ”

とよばれたあたらなサウンドは、一気に若者の心をつかんで、
バンドは一躍スーパースターになります。
その後は、1994年のアルバム『悩殺』を全米1位とするなど、
人気は過熱の一途を辿りますが、
90年代後半からは、ボーカルもフィリップ・アンセルモの薬物中毒が悪化。
バンドメンバーとも溝ができ始め、結局2003年にバンドは解散しました。

そして、翌年2004年12月8日。

ジョン・レノンの命日に、ギタリストのダイムバック・ダレルが
熱狂的なファンに射殺され命を落としました。

享年38歳、でした。

彼がKISSのエース・フレイリーやエディー・VAN HALENに大きな影響を
受けて
バンドを始めたのと同じように、今でも彼をアイドルと呼ぶギタリスト
たちが
数多く活躍しています。

M Hollow  /  PANTERA