ピンク・フロイド “狂気”特集!

2011-04-18

kyouki

『音の宇宙! ピンク・フロイド“狂気” 特集』。

 
M.      BRAIN DAMAGE   /  PINK FLOYD   

1曲目にお送りしているのは、1973年のそのアルバムから、
Brain Damageです。

人間の中に潜む“狂気”を描き出したこの作品。
だから“The Dark Side of The Moon”。
こんなにマニアックなのに、4500万枚以上を売上げて、
15年以上チャートイン!という、
すごい成績!
ちょっと信じられません・・・

M
  Money   /  PINK FLOYD 


さて、お送りしているのは、アルバムからのシングルヒット!
“マネー”です。これ、アメリカのみでシングルカットされて、
本国ではシングルになってません。
これは、アメリカのレコード会社が、勝手にカットしたものらしく、
本人たちは怒りまくったそうですが、そのおかげで、
この難解なアルバムは、アメリカで飛ぶように売れ始めるわけですから、
レコード会社のビジネスとしての判断は正しかったんですね。

そして、この曲の一番特徴的なのは、お金の音とレジの音を
サンプリングして、リズムとして聞かせている点ですよね。
これ、現代では、R&BでもHIP HOPでも、フツ―――に使われる手法ですが、
当時は1973年。

プロトゥールスもなければ、サンプラーもない。
コピー録音したテープを、均等な間隔で貼っていく、というとんでもなく
アナログな手法でこのサウンドを作ったそうです。
ちなみに、このマネーのレジの音を完成させるだけで30日!
もかかったそうです。

今だったら、コピペ・コピペであっという間にできますよね。

そういった、ちょっと“過度な完璧主義”が満載なのがこのアルバム。
しかも、全曲が“人間の裏に潜む狂気”というテーマで貫かれて、
全ての楽曲が繋がっていて、10曲中インストナンバーが3曲!

哲学的で実験的。

これを、4500万人の人々がみんな理解したんでしょうか?
ちょっとすごいですよね。

M
  Breathe ~ On The Run   /  PINK FLOYD  

次にお送りしたのは、1973年のそのアルバムから“生命の息吹き”、
On the run”です。
シンセベースがウニョウニョしてますねーー。

さて、ピンク・フロイド。

もともとは、シド・バレットというハンサムな
天才ボーカリスト&ギタリスト&ソングライターを中心にした4人組の
イギリスのサイケデリック・ロックバンドでした。
1967年に、レコード会社各社の争奪戦の末、EMIからデビュー。

デビュー直後からシングルヒットを連発して、
同じアビーロードスタジオでレコーディングしていたビートルズが
“あいつらの演奏はヤバい!”というほどに、大注目のバンドとなりました。

ただ・・・

その後、中心メンバーのシド・バレットがおかしくなってしまいます。
過度のドラッグ中毒、そして業界になじめないことでのストレスで
精神を病んでしまい、
まともな活動ができなくなります。

そんな中、仕方なくシド・バレットは脱退。
代わりにデヴィッド・ギルモアを迎えて、新たなサウンドを構築し始めます。

超理科系っぽい、完全に構築された楽曲、歌詞、サウンド。
難解で実験的なものにシフトしていくんですね。

そして後にこれが、プログレッシブ・ロック“先進的なロック”なんて、
いわれるようになります。

1970
年には、1つの到達点ともいえるアルバム『原子心母』をリリース。
圧倒的な支持を得て、1971年には『おせっかい』というアルバムで
サウンドを更にバージョンアップ。

そんな中でリリースされたのが、1973年の『狂気』です。

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  Us And Them   /  PINK FLOYD 

次に送りしたのは、1973年のそのアルバムから
Us And Them”です。

さて、1973年に『狂気』がリリースされると、
アメリカ、イギリス、日本、他世界各国で、売れに売れます。
でも、なぜなんでしょう・・・?

15
年近くチャートインして、カタログチャートでは30年以上、
4500万枚以上売れた・・・にしては余りにも、難解で哲学的で、
ポピュラリティーがない、
圧倒的にマニアックな作品のような気がしますよね。

でも、売れ続けている。

現代でも、売れ続けている。

まさに、このアルバムは時代を超えた究極のBGMなんじゃないでしょうか?
ロックでもない、クラシックでもない、本当に不思議な音宇宙に浸りながら、
ふと・・・The Dark Side of The Moon
自分もしらなかった自分に気づくきっかけをくれる。
自分も知らない、自分の中の“狂気”に驚く。

そういった“気づき”を与えてくれるアルバムなんじゃないかな、と思います。

M
Time   /  PINK FLOYD