BORN TO RUN!

2011-04-10

borntorun

【KING OF ROCK!
 ブルース・スプリングスティーン “明日なき暴走”特集】

1975年。
“ロックンロールの未来を見た”というキャッチフレーズで
一気にスターダムを駆け上がったブルース・スプリングスティーン。
アルバムは、まさにセンセーションでした。

M. NIGHT / BRUCE SPRINGSTEEN

1曲目にお送りしたのは、“夜に叫ぶ”。

昼間はボスに怒られながら懸命に働いて、真夜中に愛車を飛ばすことだけが
生きがいのニュージャージーの労働者の若者の歌。
まさに、BON JOVIの世界観と一緒ですよね。

そうなんです。同郷の後輩:JON BON JOVIは、ブルースの熱狂的な信者です。
今でもニュージャージーでは、本当に神のような存在なんですよね。

そして、そのブルースがそういった存在になったのは、
まさにこのアルバム“明日なき暴走”があったから!

M. THUNDER ROAD  / BRUCE SPRINGSTEEN

次におおくりしたのは、アルバムのOPナンバー“涙のサンダーロード”。

【救世主をいつまで待ってても無駄だ。
 夢を求めて、勝利を求めて、この街から逃げ出さないといけない!】

とアツく歌う人気のナンバーです。
アレンジや歌唱法には、ロイ・オービソンへの愛も詰まっていますよね。

さてさて、アメリカロック界の生きる伝説:ブルース・スプリングスティーン。
もちろん、アメリカ:ニュージャージー生まれです。
エルヴィスに憧れてギターを持った彼は、10代の半ばから地元で様々な
アマチュア・バンドに参加。その後、セミプロバンドの一員として国内をツアー
するほど精力的に活動しますが、なかなか芽が出ません。

食えない日々が続いて、バンドも解散して、失意のままソロ活動をしていました。
そんな中、23歳の時に、マイク・アペルという若いマネージャーも・ど・き、
みたいな男がブルースの才能に心底惚れてしまいます。

【俺がマネージャーをやる!レコード会社も絶対見つけてくる!】

と猛烈に走り出して、その宣言通りCBSレコードとのメジャー契約を取り付けます。
若さ、ってすごいですよね。

1973年。ついにボスが世に出ます。

M. BORN TO RUN  / BRUCE SPRINGSTEEN

さて、次にお送りしたのは・・・問答無用の名曲“BORN TO RUN:明日なき暴走”です。
まさに彼の代名詞!

とにかく人生を走り抜けるために生まれてきた!
と歌う、本当に男気あふれる、ストレートなナンバーですが、
実はアレンジは本当に緻密です。
ブルースが、フィル・スペクター風のサウンドにしよう!
と試行錯誤しながら作り上げた音ですが、R&R、モータウン、ロカビリー、
ブリティッシュなビートバンドなど様々な要素がごった煮になりながら、
しっかりと咀嚼されて、シングアロングできるメロディーと共に、
青春のメッセージが爆発している・・・という本当にKING OF ROCK!
にふさわしい名曲です。

佐野元春さんをはじめ、80年代の日本のロックに与えた影響も計り知れません。

さてさて、さっきの話の続き・・・

1973年にデビューしたブルース。
“ボブ・ディランの再来!”なんて見当違いなキャッチフレーズで一部に
もてはやされますが、全然売れません。
セカンドもダメ。

レコード会社からは、契約解除の話も出る始末・・・。
と、危機的な状況になります。

そんな中、年間100本ものLIVEを行っていたブルースのパフォーマンスが
口コミで広がっていきます。

そして、運命の人がブルースのLIVEを見に来るんですね。

ジョン・ランドウです。

【ローリング・ストーン】誌のレコード評を担当していて、最も影響力のある男だった彼が
ブルースの音楽に酔いしれます。

「僕は大変なものを見た。R&Rの未来を見たのだ」
というコラムで、彼はブルースを絶賛。
アメリカで、最も注目される新人アーティストとなりました。

M. Backstreets  / BRUCE SPRINGSTEEN

そんないい流れの中、そのジョン・ランドウを制作チームに迎えて
制作されたのが、この“明日なき暴走”。

緻密でありながら、荒々しいEストリートバンドの演奏。
まるでLIVEのような生き生きしたボーカル。バンドグルーヴ。
それまで、LIVEのダイナミズムをレコードに刻めなかった弱点を
完璧に解決しています。

革ジャンにテレキャスターというモノクロジャケットも最高ですよね。

1975年。この新しいR&Rは、一気にアメリカの、世界の音楽ファンを
惹きつけました。
そして、「TIME」、「Newsweek」という2大雑誌の表紙を同時に飾る、
という物凄い注目度、人気となりました。

そこから35年以上、アメリカンロックのBOSSとして君臨し続けています。

M. JUNGLELAND  / BRUCE SPRINGSTEEN