THE JAM “IN THE CITY”

2011-06-12


the jam

『ポール・ウェラーの原点
   THE JAM IN THE CITY” 特集』

 

M.      ART SCHOOL   /  THE JAM  

1曲目にお送りしたのは、1977年のそのアルバムから、
アルバムの
オープニングを飾るナンバーART SCHOOLです。
独特のリッケンバッカーのギターサウンド。
まさに、60年代中盤のピート・タウンゼントの音ですよね!
そして、突っ走るロック、独特のドラムフィルはまさに
当時のロンドンパンクサウンド!
そうです。THE JAMはパンクバンドとしてデビューしてきたんですね。 

M
    BAT MAN   /  THE JAM 
M    SLOW DOWN   /  THE JAM 

さて、お送りしたのは、1977年のそのアルバムから、
カヴァー2曲。“バットマンのテーマ”と、
ビートルズのカバーでも有名な
(オリジナルはアメリカの黒人シンガー:
ラリー・ウィリアムス)
の“SLOW DOWN”でした。

当時、ギター&ボーカルのポール・ウェラーはまだ18歳。
その若さがいい意味で出ていますよね。
アレンジも実にシンプルで、それが逆に凄味を感じます。

歌も“若いけど、無理して大人っぽい声を出そうとしてる”
感じが、生き急いでる感じでロック!ですよね。

さてさて、THE JAM
1970年代前半に結成されたイギリスのバンドです。

メンバーは3人。

ボーカル&ギターは、ポール・ウェラー
ベースのブルース・フォクストン
ドラムのリック・バックラー

という面々です。

高校の友達同士でジャムしながらスタートしたバンドだからTHE JAM
その後は、様々なパーティーやクラブで演奏しながら実力をつけていきます。
同時に、当時のパンクブームの影響もモロに受けて、
演奏スピードはどんどんどんどん早くなっていきます!!!

ただ、

元々3人が好きなのは、THE BEATLES、モータウンのR&BTHE WHO
そのカバーなんかを高速でやりながら、
徐々にオリジナルも手掛けていきますが・・・。

まぁ、オリジナルというより、パロディ?パクリ?
と言えなくもないほど、愛にあふれています。
次の曲なんて、ほぼTHE WHOです。

M
  AWAY FROM THE NUMBERS   /  THE JAM  

次にお送りしたのは、1977年のそのアルバムから、
AWAY FROM THE NUMBERS”です。

このサウンド。完全にTOMMY以前のTHE WHOサウンド。
まさしくモッズだったころのTHE WHOです。
I CAN SEE FOR MILES”と“PICTURES OF LILY”を
ごった煮にしたような、パクリサウンドです。

そうなんですよね。

THE JAM
は、モッズスタイルが大好き!
短髪でタイトなスーツに身を包んでリッケンバッカー片手に
クールに演奏する姿は、まさに60年代のTHE WHOとか、
SMALL FACESとかの世界観でした。

つい10年前のブームを再現したことが、逆に新しかったんでしょうか?

彼らはデビューと同時に、ワーキング・クラスの若者の心をとらえて
“モッズ・リヴァイバル”というブームの牽引者となります。

M
  IN THE CITY   /  THE JAM   

次にお送りしたのは、1977年のそのアルバムから、
彼らのデビューシングル
IN THE CITY”です。
作詞作曲は、ポール・ウェラーですが・・・
THE WHOの同名曲にそっくり!!!
そしてベースラインは逆に、この後リリースされたSEX PISTOLS
Holidays in the sunにそっくり!!!

という、不思議な楽曲です。

当時のイギリスのシーンは、比較的そういったパロディ文化、
サンプリング文化だったんでしょうかね?
いいものは使っちゃえ!音楽はみんなのもんだ!
という感覚だったんでしょうね。

そして歌詞は、“モッズ賛歌”です。

そして、これがモッズ・リヴァイバルのスタート地点だったんですね。

M
     TIME FOR TRUTH   /  THE JAM  

アルバム『IN THE CITY』から、“TIME FOR TRUTH”を
お送りしました。

さて、この『IN THE CITY』で、一気に若手注目株、
“モッズのリーダー”になるTHE JAMですが、
このアルバム以降、その活躍は更に大きくなっていきます。

サードアルバム「オール・モッド・コンズ」など、
パンクの枠をはるかに超えた、クオリティの高い楽曲、
サウンドを詰め込んで、バンドはどんどん進化。

雑誌の投票では常に人気が1位!となるほど、
イギリスで活躍し続けました。

多くのパンクバンドが、デビューを頂点に徐々に萎んでいくのと違って、
THE JAMはその才能がどんどん花開いていったんですね。

そして、バンドは絶頂の中1982年に解散。

以降、ポール・ウェラーはロックという枠まで飛び越えて
スタイル・カウンシルで更なる高みへ登っていくわけです。

そんなポール・ウェラーの原点が、このデビュー作『IN THE CITY』。

スティーブ・マリオットのような声も出ないし、
キース・ムーンのようなドラマーもいない、
ピート・タウンゼントのような知性とユーモアもない。

でも、若さと勢いと、ちょっとしたセンスだけで
若者のリーダーとなった奇跡がここにはつまっています。

M
    I GOT BY IN TIME   /  THE JAM   
M    I’VE CHANGED MY ADDRESS   /  THE JAM