祝60周年!レス・ポール特集!

2012-01-15


『祝60歳!ギター界のストラディバリ!
 Gibson Les Paul特集!』。

 

M.  テネシー・ワルツ   /  Les Paul  & メリー・フォー

お送りしているのは、20098月に94歳でこの世を去った
レス・ポール本人の演奏。
1951年のヒット曲で、テネシー・ワルツです。
カントリーナンバーですね。

そう。ギターの名器:Gibson Les Paulは元々、
レス・ポールさん、というアーティストのシグニチャーモデル、だったんですね!
アルフィー高見沢モデル!とかと意味合いは同じです!

それがここまでの存在になった、というのも本当に驚き・・・

M
      ROCK AND ROLL       /  Led Zeppelin 

さて、今お送りしたのは、レス・ポールといえばこの人!
ジミー・ペイジ率いるLED ZEPPELINで“ROCK AND ROLL”でした。

さて、今日は『ギブソン・レス・ポール特集』。
今年で発表から60年が経った、という歴史的なギター!のサウンドを
特集しています。

でも、レス・ポール、と聞いて見た目が浮かばない人も
もしかしたらいるかも??

アニメの「けいおん」で主人公が持っているギター!
もしくは、漫画「BECK」で、あの銃弾が撃ち込まれたギター!

といえば、分かりますかね??

1952
年。太平洋戦争が終わってわずか7年しか経過してない頃のギターが
未だに一番の名器!というのが、なんか凄い!

さて、そもそものその歴史ですが・・・

1915
年にアメリカで生まれたレス・ポール氏は、
1930年ごろからバンド活動を開始します。
いろんなライブハウスで演奏しますが、いつもギターの演奏には苦労
していました。

なぜなら、当時のエレキギターはホロウボディ:つまり中が空洞の
アコースティックギターのようなものにピックアップがついたものだったので、
ライブハウスで大音量で演奏すると、アンプの音が共振して
とんでもないハウリングを起こす代物でした。

“こんなんじゃ演奏に集中できない!”

ということで、偉大な発明家でもあったレスポールさんは、
ソリッドボディ:つまり中が空洞ではないエレキギターを考案します。
ところが、どのギター会社も、そのアイデアを一蹴。
それに憤慨してレスは、自力でソリッドボディのエレキギターを作って
しまいます。

すると、そのアイデアを拝借したギターがフェンダーから発売されて
好セールスをあげます。
それに危機感を覚えたライバル会社;ギブソン社がレスポールと共同開発した
ソリッドボディーのギターがギブソン・レスポール、だったんですね。

当時の呼び名は、“ソリッドボディ・エレクトリック・スパニッシュ・ギター”。
そう。もちろんロック用に作られたギターではありませんでした。

 

 

M While my guitar gently weeps  /   THE BEATLES  

エリック・クラプトンによるソロ。
チェリーレッドに塗装し直されたオリジナル・レス・ポールで弾いています。
その後、このギターはジョージ・ハリソンの手に渡って“ルーシー”と
名付けられました。

さて、さっきの話の続きです。

1952
年.今から60年前に発売されたレス・ポール。
もちろん、レス・ポール本人も愛用して、ジャズシーン、カントリー、
そしてブルースギタリストに愛用されるようになりました。

1958
年には、現在では3000万円を超える値段で取引されている
“バースト”と呼ばれるレス・ポールギターの完成形も発売スタート!

フェンダーのストラトキャスターと並んで、一気に、
エレキギターのスタンダード!となるハズでした。

が、ギブソン社がとんでもないモデルチェンジをしたり、
レス・ポールさんとの契約が切れたりして、1960年代前半に
あっという間にレスポールの生産は終わってしまいました。

そんな“終わった”ギターを、宝物!にしたのが、エリック・クラプトンですね。

ギターの神、と言われた彼が、ヤードバーズ、そしてブルースブレイカーズの頃に
使っていたのがレスポール。そして、マーシャルアンプ。
その素晴らしいギタートーンは、ロックファンを魅了して、
レスポールは、本来作られた使用目的とは違う“ロック”のフィールドで
一躍ナンバー1のギターとなりました。

M
 STATESBORO BLUES
  
 /  THE ALLMAN BROTHERS BAND
 

デュアン・オールマンのレスポールのスライドプレイ。
対するディッキー・ベッツもレスポール!
というレスポール好き2人の応酬、たまりませんね。

さて、さっきの話の続きです。

1960
年代中盤。発売中止にも関わらず、大人気となったギター:レスポール。
中古楽器屋さんからはレスポールが消え。
新聞の“売りますコーナー”では、高値で取引されるようになっていきました。

ギブソン社も、やっとレスポールさんと再契約して、
1968年に遂に再生産が始まります。

そこからずーっと、GIBSONレスポールはロックギターの代名詞!
全てのギタリストの憧れ、なんですよね。

60
年代~70年代だけでも、使用しているアーティストをあげていくと・・・

エリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベックの3大ギタリスト。
ジョー・ペリー&ブラッド・ウィットフォードのエアロスミス組。
ロバート・フリップにポール・コゾフにピーター・フランプトンに、
ピーター・グリーン。
ジョー・ウォルシュにゲイリーム-ア、ジョン・フォガティにトム・ショルツ、
マーク・ボラン、エース・フレーリー・・・

もー、ハッキリ言って数え切れません。

ラウドで激しく、かつ甘く繊細で、そして見た目が美し過ぎる。
ギター界のストラディバリ、ギター界のキャデラック
なんて言われるのも納得。です。


M
HOTEL CALIFORNIA   /  THE EAGLES 

イーグルスのホテル・カリフォルニアをお送りしましたが、
まさにこの曲のエンディングの素晴らしく構成されたジョー・ウォルシュの
ギターソロがオリジナルのサンバーストレスポールのサウンドですね!

同じ70年代は、KISSのエース・フレーリーの影響で、
やっぱりレスポールは
フェンダー・ストラトキャスターと並んで
キッズの人気ナンバー1!

そういえば、その頃はTHE WHOのピート・タウンゼントまでも
レスポール派でした。

レスポール・デラックス、という不人気なギターを愛用して、
その不人気の元になった、固いサウンドを逆に利用して、ピート・タウンゼント
らしい
アタッキーでパーカッシブなギターを聴かせていましたね。

M
WHO ARE YOU  /  THE WHO  

さてさて、そんなギター:Gibsonレスポールですが、
1980年代は不遇の時代でした。
メタル/ハードロックのブームで、
とにかく時代の人気は、アームのついたストラトタイプのギター!!

同時に、とんでもなく品質の良くて安い日本製のギターが大量に流通!!

Gibson
はほとんど売れなくなる。工場は続々と閉鎖。
倒産寸前でオーナーもどんどん変わる。
ボーナスは出ない。
いい職人はやめちゃう。
もちろん、品質も悪くなる・・・という悪循環。

実はホントに、1980年代初期~中盤のギブソン製品は、
質の悪い、音の悪いものが実に多いです。

そんな危機的状況を救ったのが、あの!アーティストです。
GIBSONは、この人達のおかげで、また息を吹き返すんですね。

M
SWEET CHILD O’ MINE  /  GUNS’N’ROSES 

1987
年のメガヒットアルバム『Appetite For Destruction』からGUNSNROSESで、“SWEET CHILD O MINE”をお送りしています。

さて、ギタリスト:レスポールの発明から誕生したギブソン:レスポール。

誕生から60年。還暦が過ぎた現在でも、その形をほぼ変えずに
未だに、ナンバー1エレキギターとして君臨している。

コンピューターがどんなに発達しても、
シュミレーションがどんなに発展しても、未だに、あの1950年代のレスポールの音を再現するために
ミュージシャン&エンジニアは必死になっている。

それが音楽の奥深さであり、楽器の素晴らしさであり、
人間の耳の不思議なところですよね。

0か1か、というデジタル世界では計れないアナログで感覚的な音楽。

その素晴らしさを、レスポールはいつも教えてくれます!

M
20th CENTURY BOY  /  T.REX