秋田美人の秘密を探る旅~横手・発酵文化~|旅人:吉木由美

2013-05-30

 

YAJIKITA ON THE ROADリポーターの吉木由美です。
今回のYAJIKITAは、前回に引き続き秋田美人の秘密を探るべく秋田県へ(^。^)y-.。o○
前回の旅で、秋田県出身の美女たちは、外見の美しさだけではなく、内面から輝く美しさを持っている事に気付かされた私たち。
「内面から…」という事は、ここはシンプルに「食べ物を調べてみよう!!!」という事で、やってきたのは、「かまくら」の町で知られる「横手」。
横手は米どころであることから、全国的に見ても、麹を中心とした食文化によって活性化してきた歴史のある町の一つなんだそうです。

 

まずは、浮ついた吉木由美の気持ちを引き締めるべく(?)、マイナス10℃のかまくらの中でオープニングをとる事に!!!
「横手ふれあいセンターかまくら館」では、一年中かまくら体験ができるんですよ。生まれて初めてのかまくらに歳を忘れて、はしゃぐはしゃぐはしゃぐ~(^。^)y-.。o○
結果、より一層、浮足立ったまま吉木由美になったまま、今回の旅もスタート!!!

 

 

 


季節感なしですが 佐々木D・吉武(作家)・井門P(同行)・てつや(カメ)と一緒に。

 

 

やってきたのは、横手の発酵文化の歴史について伺うべく、「こうじ庵」さんへ。
あたたか~い笑顔で迎えてくれたのは、よこて発酵文化研究所事務局の松下大佑さん。
横手の商業を代表するような造りのこちらの建物は、明治30年代に建てられた建物で、当時は佐々木麹店として地域の人々に親しまれてきたんだそうですが、平成13年、建物が横手市に寄贈された事を機に、平成15年2月に顧客利便施設として生まれ変わったとの事。

 

 

 


「こうじ庵」前にて…松下大佑さんと

 

 

 

今、「麹」つまり「発酵食品」は様々な分野において注目されていますが、横手は昔から麹文化が盛んで、麹漬けなどの漬物をはじめ、味噌・醤油の醸造や甘酒などの麹を活かした産業が発達し、昭和32年には114軒もの麹製造所があったそうです。
そこで、よこて発酵文化研究所は、地域の伝統、文化、技術である「発酵」をキーワードに、住民のみなさんが安心して夢と希望を持って暮らせるためのまちづくりを目指す事を目的に活動しているそうです。

 

その発酵食品のもつパワーを吸収しつくしている横手を調べると、「秋田美人の秘密が解明される」と、過信が、確信に変わった私たちは、松下さんから教わった「いぶりがっこ」
「味噌・醤油」「日本酒」のキーワードをヒントに取材を続けることに…

 

「いぶりがっこ」の事は、発祥の地で伺いましょう…という事で、やってきたのは横手市「山内地域」。
横手市山内地域局の川越斉さんにお話を伺う事に…
「いぶりがっこ」とは、大根などを囲炉裏の上でつるして燻製にし、米糠と塩でつけこんだもの。
なぜ、山内地域では、降雪の時期が早く、秋に採れた大根などの野菜を天日で干す事ができなかったため、囲炉裏の火の熱と煙で干したのが始まりなんだそう。
ちなみに、「がっこ」とは秋田弁で「漬物」という意味なんだそうです。

 

 

 


横手市山内地域局の川越斉さんと…。

 

 

 

そして、なんとこちらでは、山内いぶりがっこの生産者のみなさんの技術向上を目的としてはじめられた「いぶりがっこ」の出来栄えを競う「いぶりんぴっく」が開催されているんだそうです。その第7回の金賞に輝いたのは、ご夫婦でいぶりがっこを作っていらっしゃる松井チエさん。

 

 

 


金賞の樽と一緒に松井さんご夫婦と…。

 

 

 

いぶりがっこの漬け込みは幼い頃から携わっていて、50年以上のキャリアがあるとか。
「ではそのこだわりのお話を伺ってみましょう~」とお隣をみると、「チエさんが、い、いない!?」…と思った瞬間、後ろから「お茶も出さずに、ごめんなさいね~。どうぞ~」と一人一人にお茶を振る舞ってくれるんです。
そのチエさんの絶妙なタイミングとペースに、一瞬にして思わず心が和んでしまいました。


その後も、チエさんの神がかったタイミングは止まりません~
「金賞をとられた時のお気持ちは、いかがでしたか~??」と伺うと、「これがその時のいぶりがっこでね~」と、またまた一人一人に爪楊枝でさしたいぶりがっこを振る舞ってくれるんです。松井さんの作られたいぶりがっこはとてもジューシーで美味しくて、いぶりがっこの大合唱を奏でちゃいました(^^♪
インタビュー後、ロールケーキまで振る舞ってくれ、お土産にみかんまでくださったチエさん!!!
包み込んでくれるような優しい笑顔が、今でも忘れられません~。。。

 

 

続いて、、麹づくりの代行をする専門店としておよそ100年の歴史を持つ「羽場こうじ店」さんへ。

 

 

 


羽場こうじ店の社長、佐々木喜一さん

 

 

 

優しさが溢れ出ている笑顔が印象的なこの方が、羽場こうじ店の社長、佐々木喜一さん。
「米を洗い、蒸し、雑菌を入れて作る…手作業の麹づくり。麹は、最初の工程が特に肝心なんです。というのも、麹菌は温度や水分などの環境の変化に影響を受けやすいので、いかに麹にとってのいい環境をつくり、のびのび育ってもらえるかなんです。自然と寄り添い、季節の変化を感じながら、麹を見守ってあげる事…これが、難しいんですよね。」と。
お話を聞いていると、まるで我が子を育てるように麹を育てていらっしゃるんだという事がひしひしと伝わってきました。

 

 

 

 

 

 

麹は、味噌にもたくさん使います。大豆1に対して麹3の割合で仕込む味噌は三重麹味噌と呼ばれているんだそうです。国産米、国産大豆、天然塩と自然水のみを使ったお味噌。
味見させて頂きましたが、口に入れた瞬間の香りがとても華やかでびっくりしてしまうほど豊かな香味のお味噌でした。
「麹」からつくられた物を頂くと「あぁ~日本人で良かったな~」と感じるのは、麹そのものにたくさんの愛情が込められているからかもしれませんね。

 

 

 


ちなみに社長の娘さんも秋田美人でした~。

 

 

 

続いては、ん~待ってました!!!「お酒」「お酒」「お酒」です。
創業元禄2年、300年以上の歴史ある造り酒屋「日の丸醸造株式会社」へお邪魔しました。
日の丸醸造の佐藤譲治社長に、酒蔵を案内して頂きました。

 

 

 


力入りすぎ…。

 

 

お米を炊き上げる大きな釜や、冬でも室温30度以上の麹室、その酒蔵の味を決めるといわれる酒母室に、昔ながらの風景だけど今は温度管理も厳密にコントロールできるようにしているという仕込み蔵…。どこをみても、何だか身が引きしまるような神聖な空気がありました。

 

 

 


日の丸醸造の佐藤譲治社長

 

 

 

中でも驚いたのは、立派な内蔵。音の響きも良く、めちゃめちゃ素敵な空間なんですよ。

 

一般にも公開されていて、落語などのイベントにも利用されているそうです。

 

「日の丸醸造」さんといえば、秋田県で代表銘柄のお酒「まんさくの花」を造っていらっしゃる酒蔵さん。
まんさくの花は、昭和56年NHKのあさの連続ドラマ「まんさくの花」が、当時横手地方を舞台に放映されたのを機に新発売されたお酒。偶然にも昭和56年生まれの私としては強い縁を感じ、これは飲まずにはいられない、……あっはい、頂きたかっただけです。ということで、試飲をさせて頂く事に…。


一杯目~二杯目~三杯目……、おいしいお米と水に恵まれ、寒い冬に秋田の極寒の地で生み出されてきた味。
日の丸醸造さんのお酒を愛する気持ちを噛みしめながら、しだいにいい気持ちになっていった吉木でした。
ちなみに「帰りの新幹線の中で皆さんで飲んでください」と佐藤社長からお土産に頂いたおいしい日本酒、帰りのスーパーこまちで井門Pと吉木でほとんど飲んでしまったことはここだけの秘密です…(―_―)!!

 

 

 

 

 

 

そしてそして、最後にお邪魔したのは「よこて発酵文化研究所」のアンテナショップとしてオープンしたレストラン「蔵ら」さん。
こちらは発酵食品を提供してくれるユニークなレストランです。

 

 

 

 



 

 

 

明治時代の古い米蔵を利用した店内は、もの凄く落ち着くいい雰囲気~。
お話を伺ったのは、ホテルなどで30年以上シェフを務めたという料理長の小川晴資さん。
「古くから受け継がれてきた、伝統の食には知恵や技があります。そこからいろんな事を学んで、そして新しいものを加えながら、ここでしか味わえないもの…この土地にあるものを使った料理を多くの人に食べてもらいたい。ただそれだけですね~。」
「発酵」を用いた蔵らさんオススメのフルコース頂いちゃいました。

 

 

 


カラダにやさしい。発酵フルコース!


料理長の小川晴資さん

 

 

 

とくに感動したのは、杜氏焼き。杜氏焼きというのは「味噌・野菜・りんご・梨・ヨーグルト・酒粕」で作った漬け床に漬け込んだ魚や肉をその場で焼いて食べるというお料理。
この日はお肉は、牛モモ肉と鶏肉だったのですが、お肉の筋が一切感じられないほどのやわらかで、しなやかな食感。お肉大好きな私はいままで、数々のお肉を頂いてきましたが、あの食感は初体験でした。発酵されているからこその酸味のある深い旨みが加わって、本当においしかったです~。
小川料理長の意欲あふれるお料理は、どれも素晴らしかったです。ご馳走様でした。

 

 

秋田美人の秘密を探るべく、発酵食品の町、横手を旅してきました。
雪が多く、良質な水とお米に恵まれた土地であることから、主に麹を利用した発酵技術が発達した横手。発酵食品の健康パワーを存分に感じられたのはもちろんですが、何といっても豊かな自然に育まれた魅力あふれる「人」のパワーがありました。「感動」という名の心の栄養剤がたっぷり詰まっている場所だから、「美しい人」=「美人」があふれているんだと感じました。郷土愛とか、家族愛とか、真心のこもった色々な「愛」の形を感じる事ができた素晴らしい旅でした。


ここまでの旅人は、吉木由美でした。

 

 

 

 

ご覧の通り酒好きのお二人…。CMに使いたい方はどちらですか?