今が旬!らっきょう三昧の旅|旅人:中田美香

2013-06-14

 

早朝6時過ぎ・・・・・@羽田空港
サリー:「なんか気分がノラねぇーなー。鳥取県って砂丘くらいしかねーだろー」
テツヤ:「・・・・そ、そんなことないっすよ」
サリー:「どーせなら、島根県の出雲大社にまで足伸ばしたかったぜ」
テツヤ:「・・・・・」

 

いつものように、じゃれあいからスタートした今回のやじきたの旅。
今回の旅先は、鳥取県。
そう、我らがYAJIKITAのカメラマン、テツヤの出身地でもある。
どちらかというと寡黙な(他のスタッフがうるさすぎというウワサも・・・)テツヤだが、今回は会議で自ら志願し、鳥取の旅が決定したらしい。

 

 

 



 

 

 

最初に訪れたのは、まずはやっぱりココでしょ。鳥取のシンボルである鳥取砂丘だ。
南北に2km、東西に16kmに広がる日本一のこの大砂丘は、実際に訪れてみると圧倒されるほどの広大なスケールを誇る。
まさに、ディス・イズ・ダイナミック!!!
果てしなく、雄大なのである!!!

 

 

 



 

 

 

早速、今回の私にとっての一番の楽しみでもあるラクダ遊覧にトライ。
ラクダ乗り場では、つぶらな瞳がなんとも愛らしく可愛いラクダたちがゴロンゴロンとリラックスムード。
それぞれ可愛らしい布を背中にかけているが、今回お世話になったのは、ブルーに黒のドット柄が可愛いモモちゃんだ。
脚立を3段くらいのぼり、そこからヨイッショって腰を持ち上げて、モモちゃんの背中に乗せて頂く。
想像以上にラクダの背からの視界は高くて、砂丘全体の景観もさらに豪快に映る。
こりゃ、サイコー!!!

 

モモちゃんとともに砂丘をしばし遊覧。
気分はすっかりアラブの女王様なりー。

 

 

 

 

 

 

続いて、砂丘散策。
まずは、“馬の背”と呼ばれる急勾配を登ってみる。
すんなり登れそうにみえて、これが実に歩き難い。
足がすっぽりと埋まってしまって、なかなか前に進みにくいのだ。勾配もかなり急だし。
ハァハァ。ゼェゼェー。まだまだ頂上は遠い。
ふと、周りに目をやると、「マジ、キモチイイー」と満面の笑みで叫びながらハシャいでいる輩が・・・。
まさかの・・・・サリーである!
オーイ!さっきまでのテンションの低さは何処へ?
すっかり童心にかえり、すっかり私の声を録ることも忘れ?馬の背を駆け上がり、今度は一番高いところからノンストップで駆け下る。砂丘をとことん遊び尽くしてルっ!

 

 

 

 

 

 

私はというと、ゼェゼェー。なんとかテッペンにたどり着いた。
そこからの景色は、茶色い砂、青い海、青空のコントラストがなんとも美しい。
「マジ、キモチイイーーー」
サリーの真似をして大声で叫んでみる。
するとカラダ全体から、すっーーーと、ストレスとか、疲れとかが抜けていく感じがした。まさに、デトックス!

 

 

 

 

 

 

この鳥取砂丘では、実は砂を利用したらっきょう畑があるという。
しかも、ちょうど出荷がはじまったばかり。まさに今が旬なのだそうだ。
そこで、JA鳥取いなば福部支店の藪根彰人支店長を訪ねた。

 

 

 


JA鳥取いなば福部支店 藪根彰人支店長と…。

 

 

 

鳥取砂丘で作られたらっきょうは、砂丘らっきょうと呼ばれるそうだ。大玉で細長い形状の「らくだ系」と言われる品種のブランド!シャキシャキとした食感が特徴だという。
実物を見てみた~~い。いてもたってもいられなくなり、実際にらっきょうを生産していらっしゃる香川佐江子さんの畑にお邪魔した。

 

 

 


一面の…らっきょう畑

 

 

「こんにちは~」。
周囲を一気に明るく照らすような元気で明るい佐江子さんの笑顔に、瞬時にココロ惹かれた。
「夏は砂丘での体感温度が40度以上になるのよ~。そんな中、全て手作業でらっきょうを植えたり、草むしりを行ったり・・・でもこの作業が楽しいの。毎日毎日、嬉しくって」
大変なご苦労さえも、明るく笑い飛ばしてしまうステキな人柄だ。
この明るさのもと、愛情をいっぱい受けてすくすくと育ったらっきょうたちは、格別に決まっている。

 

 

 


底抜けに明るい!香川さん!

 

 

 

佐江子さんが、目の前のらっきょうを何本か収穫してくださった。
砂丘地で栽培された砂丘らっきょうは、他のそれと比較しても、きめが細かく、歯切れが良く、色が白い。
まさに、目の前のらっきょうは、もち肌で、ぷっくらとしていて、美人ちゃんだ。正直、こんならっきょうには初めてお目にかかった!
さらに、目の前で砂をパタパタっとはたいてくださる。
収穫したてのらっきょうを生のままクチに運んでみる。
シャリッシャリ。
シャキシャキ!良い音が響き渡る。
「う~。瑞々しくて、ちょっと苦い。まさに大人の味」

 

 

 

 

 

 

らっきょう畑は、鳥取砂丘から山を一つ越えた場所に位置している。
つまり、らっきょう畑とはいっても、そこにあるのはサラサラっとした砂なのだ。砂浜のような場所にタマネギの葉にも似た緑がキチンと整列して顔を出している。見慣れない、なんとも不思議な光景だ。

 

 

佐江子さんが「らっきょう料理を食べさせてあげる」と声を懸けて下さる。
実は佐江子さんは、らっきょうの生産者であると同時に、らっきょう料理の名人でもあるという。

 

さまざまな料理と言われても・・・・う~む。正直らっきょう料理って、酢漬けくらいしか思い浮かばないのですが・・・・。
そんな私のらっきょうに対する概念を次々と覆していくように、目の前で佐江子さんが、ちゃっちゃっとらっきょう料理を作って下さる。

 

まずはヘルシーに油をひかず、そのままらっきょうを焼き、お手製のタレを付けて頂く焼きらっきょう。
さっと衣をつけて揚げるらっきょう天ぷら。
これがまた、らっきょうなのにニンニクのような甘さが加わり、食感も驚くほど変わる。
さらには酢漬けされたらっきょうに豆板醤を付け、地元産の豚肉に包んで揚げたらっきょうカツや、らっきょうのみじん切りとお肉などを炒めて白いご飯にドバッと乗せて頂く料理などなど、驚愕のらっきょう料理の数々だ。

 

 

 

 



 

 

 

どれも初体験ながら、驚くほどの美味しさであると同時に、時短料理なのだ!
佐江子さん曰く、家族の健康が第一。でも日々急がしいから、いかに短い時間の中で健康で安心できる料理が作れるかが勝負!なのだそうだ。
あ~素敵すぎる。まさしく主婦の大先輩である。
思わず、
私:「佐江子さんの娘に加えてくださ~い」。
佐江子さん:「もーこれ以上はいらないわ(笑)。でも鳥取に遊びにくる際はいつでもウェルカムだから、声をかならずかけてね」
本当にあったかくて、やさしくて、憧れてしまうほど素敵な女性なのだ。

 

 

続いては、らっきょうをつまみに食べるものということで、「鳥取カレー研究所」なる組織に潜入した。
らっきょうの影響があるのかないのか・・・・。
じつは鳥取県は、かつてカレールウ消費量が日本一だった。
そして、現在でも2位をキープしている。
この「鳥取カレー研究所」は、カレーで町おこしを行い、カレールウ消費量1位奪取計画プロジェクトを行っている。

 

 

 

 

 


所長の池本百代さんは、鳥取発のオリジナルルウ「鳥取カレーの素」やカレースパイスが入ったトマトケチャップ「ゴールデンケチャップ」を開発し、販売していらっしゃる。

 

この「鳥取カレーの素」がスゴい。
鳥取名物の全てが凝縮されているのだ。
中身は以下だ。
二十世紀梨に、松葉がの、砂丘らっきょう。それに天然素材で作ったフレーク状のルウが入る。

 

このルウを使用して、毎月0(レー)のつく日は楽しくカレーを作って美味しくカレーを食べて欲しいというのが、池本さんの願いだ。

 

実際に鳥取では週に何度もカレーを食べる家が多いとのことだ。理由は、共働きが多いということも影響しているのではないかと池本さんはおっしゃる。
そんな池本さんが一番美味しいと感じるカレーは、やはり「お母さんが作る家庭のカレーかな」とのこと。
カレーという響き。何故か食欲がそそられる・・・。

 

 

 


所長の池本百代さん

 

 

 

いま、我が家の冷蔵庫には香川さんから頂いた自家製のらっきょうが入っている。また調味料が入った棚には、鳥取カレーの素やゴールデンケチャップが並んでいる。
眺めているだけでも楽しかった旅のシーンが思い出されて、幸せな気持ちになる。

 

鳥取県の自然と、その自然の中で知恵を活かしながら元気に明るく過ごす人々のあたたかみがココロに沁み、しみじみと癒される旅だった。

 

 

 


砂丘を彷徨う中田美香…。