水、陸、空、埼玉県長瀞を楽しみつくす旅|旅人:工藤彰乃

2013-07-11

 

今回は、東京から日帰りとは思えないほど満喫!
の埼玉県秩父郡長瀞を旅してきました。「水、陸、空が楽しめる」なんて楽しみ満載です。

 

まずは、埼玉県の熊谷駅へ。
ここから、なんとSLに乗れるというのです。
私は、以前からプライベートでもSLに乗ってみたい!と言っていたほど、
興味があったので本当に嬉しい!

 

 

 



 

 

ここ熊谷駅から乗ることの出来る「SLパレオエクスプレス」は、
「C58 363」愛称「シゴハチ」という機関車。
実際に近くで見ると真っ黒の機関車は迫力があって、
円筒から出てくる煙も、日常生活にはない灰色!
石炭の匂いがワクワク感をさらに盛り上げてくれます。

 

 

 



 

 

客車は、外側のボディーもシートもワインレッド系の落ち着いた色。
車内の壁が木目調になっていて、全体的にレトロな雰囲気を出しています。
そして目を引いたのが、車内の棚にぶら下がっている沢山の「てるてる坊主」。
季節にあわせて飾り付けがされるそうですが、
私が乗った6月は小さくてカラフルな「てるてる坊主」たちがいっぱい!
梅雨の時期もいいなぁと思う車内でした。

 

 

 

 

 

さて、出発!!
合図の汽笛は、お腹に響く大きな音。私にとっては初の生汽笛。
この音~、本物だぁ~と、感動しました。走り出した…。
ガタン、ゴトン…。線路を走る音がいつもの電車とは違います。
そして、ここから加速!と思っていたら、スピードはそこまで。

 

なるほど、SLはいつも私たちが乗っている電車とは違って、
動力が石炭だから、そんなにスピードは出ないんだ。
でも、そのゆっくりと流れる景色がまた良くて、
「車窓を楽しむ」というのは、まさにこの事では!と発見し、
通り過ぎるSLの煙と共に車窓を味わいました。

 

それから、走っていく中で景色が開けるところ(特に畑の周りなど)に、
SLパレオエクスプレスの写真を撮りに来ている、
いわゆる撮り鉄さんがたくさんいて驚きました。
私もシゴハチの走っているところを撮ってみたいと思ったのですが、
本当にたくさんの人だったので(私が言うことでもないですが)ひと言。
私有地を荒らしたり、線路に入ったりしないよう、みなさん気をつけてくださいね。

 

車内では、蒸気機関車の歴史や仕組み、種類などアナウンスで説明してくれるので、
聞いているのも楽しいです。
C58のようなC型は横の棒でつながっている車輪が3つ、
D51などD型は4つ。みなさん知ってました?
私は、今回お勉強させていただきました。

 

車内ではお土産も販売していて、シゴハチの玩具やプレートなど、
記念に欲しいモノがいろいろありました。その他にも、
席を順番にまわって希望者には記念写真を撮って降りる駅までに仕上げてくれるなど、
いろいろなサービスがあって、私が乗車していた20分はあっという間でした。
もっと乗っていたかったなぁ。

 

 

 

 

 

長瀞駅に着いたところで、SLパレオエクスプレスについて、
秩父鉄道株式会社の富田行雄さんに伺いました。

 

パレオエクスプレスは、旧国鉄(今のJR)。東北地方などで活躍していた機関車で、
1944年に製造され、1972年に引退後、埼玉県内の小学校に保存されていたのですが、
1988年に開催された「さいたま博」にあわせて、秩父での運転が始まったのだそうです。

 

 

 



 

 

16年のブランクを経て復活!
そして、現在まで走り続けているなんて、改めて驚き感度しました。
でも、もっと驚いたのは、SLの石炭の火が24時間365日管理されているということ。SLの火は消してしまうと、すぐに走ることが出来ないため、
24時間の交代制で運行していない日も毎日、毎日、管理しているということです。
私もスタッフも全員、走る時だけ石炭を燃やして走らせているのだと思っていたので、
本当に衝撃でした。
そんな私たちの知らない苦労があって維持されていたことを知り、
さらに魅力的な乗り物だと実感しました。

 

 

 



 

 

 

土日を中心に運行されていますが、夏休みなどは平日でも運行する日があるようなので、是非ホームページで確認して、ぜひ乗りに行ってみてください!

 

 

駅を出て斜め向かい側には「長瀞観光情報館」があります。
長瀞について、長瀞観光協会の保泉友美さんにお話を伺いました。

 

まずは、「長瀞」という名前の由来。

 

この辺りの荒川の流れは、
緩やかで流れがないくらいの「瀞(とろ)」と呼ばれるところが長いことから、
長瀞とつけられたのだそうです。

 

その荒川を下る「ライン下り」は有名で、岩畳も見所の一つ。
最近では、ラフティングも楽しめるのだそうです。
また、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンにも掲載された宝登山(ほどさん)や、
その宝登山の山頂に登れるロープウェイなど、
長瀞の楽しみ方がたくさんあることを教えていただきました。

 

 

 



 

 

私が知っている長瀞は、天然氷のかき氷。
シロップも手作りで美味しく、頭がキ~ンとならないと聞いていたので、
ぜひ食べてみたかったのですが、この日もすごい行列で食べることが出来ませんでした…。
次回、プライベートで行って並びたいと思います。

 

では、いろいろと教えていただいた中から、まずは宝登山神社へ。
本殿は、豪華な彫刻で色もカラフル。こんなに色鮮やかな彫刻の本殿、私は初めてです。
禰宜の曽根原正宏さんにお話を伺うことが出来ました。

 

 

 



 

 

正面の5頭の竜は、神様をお守りしているのだそうです。
宝登山神社の創立は、約1900年前。宝登山神社は(略しすぎではありますが)
宝登山の山頂を目指した日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が道中で山火事に襲われて、その危機を救ったのが犬たち。
犬たちは神の使いだと信じ、神を祀ったのが起源だということです。
本殿は、江戸建築の技巧である「唐波風権現造り」によって
明治初期に建てられたものですが、
昨年(平成22年)の御鎮座1900年の歳にあわせて改修工事が行われた為、
「特に色が鮮やなのだ」ということでした。

 

 

 



 

 

 

正面と側面では、描いている内容が違った彫刻で、
お話を聞いて見てみると感慨深くなりました。
「一般の参拝で訪れた時も、声をかけていただければ説明しますよ」
とおっしゃってくださったので、興味のある方は直接お話を伺ってみてください。
ただ見るのと、知って拝観するのとは違いますよ。

 

ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンに掲載されてからは、
若い人や外国人が訪れることも多くなったそうです。
宝登山神社と同じ敷地には「玉泉寺」もあります。
神社とお寺が一緒にあるというのも珍しいので、境内をまわってみるのがオススメです。

 

宝登山神社から少し歩くと(途中、坂道が厳しかったですが…苦笑)、
宝登山ロープウェイの山麓駅があります。
私が乗ったゴンドラには「もんきー号」と書かれていて
可愛いニホンザルの絵が書かれていました。
ちなみに、帰りも「もんきー号」でしたが、もう一台は「ばんび号」。
山頂にある宝登山小動物公園の人気者にちなんでつけられた名前です。
5分ほどで、山頂駅までの832mを登るのであっという間でしたが、
ロープウェイからの景色も最高でした。

 

 

 



 

 

 

そして、ロープウェイを降りてから10分ほど歩いて行くと、
宝登山神社の「奥宮」に到着。
つつじ園や、ロウバイ園など、今の季節は緑が眩しい中を進むと、
急に大きな木に囲まれている開けた場所に到着。
始めは正面のお土産物を売っている建物が目に入ったのですが、
すぐ左を見ると、とても小さな建物で大きめの屋根・・・

 

 

 

 

 

あっ!ここが「奥宮」!!
気づくのが遅くなって、申し訳ない気持ちでした。
想像していたよりも小さくて、でも厳かで、とにかく驚きました。
この辺りだけ、空気が違うことも不思議な感じでした。
でも心地良くて、落ち着く雰囲気。
まずは、しっかりお参りして、のんびりラムネを飲んで(これは余分?笑)下山しました。

 

 

 

 

 

続いては、人気の長瀞ライン下りへ。
コースは、親鼻橋~岩畳のAコース、岩畳~高砂橋のBコース、
その両方が楽しめるCコースがあり、私たちはAコースに乗せていただきました。

 

 

長瀞ライン下りのオオサワさんにお話を伺いました。
大正時代から、という歴史のある長瀞ライン下りは
木で造られている和船に乗って川をくだります。
これから暑くなってくると観光客も増え、忙しくなる時期で、
いつも満員なのだそうです。
また、多少の雨なら営業をしてるそうですが、
増水や渇水で見合わせる場合もあるので、
お天気が心配な時は、ぜひお問い合わせください、ということでした。
そうかぁ、天気は重要ですよね。

 

 

 



 

 

さぁ、出発です。
この日もたくさんの人で賑わっていて、私たちが乗せていただいた船も満員。
全員、ライフジャケットの着用を義務づけられているので、
船に乗せてあるライフジャケットを着ました。
船から落ちた人はいないのかなぁ、大丈夫かなぁ。
と思っていたのですが、「途中で、もし落ちたとしても、この辺りは水深が浅いので、
落ち着いて、その場で立てば大丈夫」と聞いて、みんな笑顔でひと安心でした。

 

川から見上げる「親鼻橋」は、煉瓦で造られた橋脚とまっすぐな線路が印象的で、
長さ167m、水面からは20mもあり、
自然の中にそびえ立っているという迫力のある橋。
運がよければ、この親鼻橋を渡るSLに遭遇出来るかもしれません。

 

「亀の子岩」という岩は、名前の通り亀が甲羅から頭を出したような形。
この形が自然の力で出来たというのは驚きです。

 

 

 

 

 

そして「岩畳」。
何層にも重なった地層が、昔、畳を干すために立てかけていた様子に
似ていることから名付けられたそうです。
もちろん畳の目のようにも見えましたが、
岩が何層にも重なっているのが、岩のミルフィーユのようだと思って見ていました。
食べ物で例えるなんて、さすが食いしん坊の私!(笑)

 

 

 



 

 

およそ20分のコースは、本当にあっという間でした。
その間に、流れの早いところがあって水しぶきを浴びたり、
長瀞という名の通り、とても静かで穏やかなところがあったりと、
流れの変化が大きく、不思議な感じがしました。
風を受けて気持ちよく、川から陸を眺めるのも
なかなか味わえない景色なのでオススメです。

 

 

 



 

 

どうですか!長瀞すごくないですか!?
一日、いろいろな経験ができて大満足の旅でした。
水・陸・空が楽しめて、歴史も感じられる長瀞は最高です。楽しいですよ~