恐竜王国で、古代ロマンと出会う旅|旅人:井門宗之

2013-09-19

 

町中に恐竜のオブジェが溢れ、
靄のかかった低い山々からは今すぐにでも恐竜の鳴き声が聞こえてきそうな町。 


それが福井県・勝山市
駅前のロータリーにも既に恐竜のオブジェがお出迎えしてくれ、
この町が恐竜と何らかの関係性を持っている事を語っている…。

 

 

 

 

 

 

実はこちら勝山市、日本一恐竜化石発掘地
恐竜ってだけで男の子はもうテンション上がるでしょう?
我々YAJIKITA一行も、今回のロケはもうテンションが高くて、
思わず前の晩の酒量が進んじゃうほど(いつもだろ、ソレ)
どれだけこの町が恐竜に力を注いでいるかというと、
まぁこれは県立の博物館なんだけど、
福井県立恐竜博物館が勝山に存在する辺りから、もうかなりアレなのであります。 


その福井県立恐竜博物館





 

 

 

もうその規模が凄まじい…。どーーーん!!って感じで大きい(笑)
年間来場者数が50万人を超えるんですよ。
夏休みシーズンだけで20万人超えたとか言ってたよ!
2000年にオープンしたそうですが、
里山を利用した「かつやま恐竜の森」の中にございまして。
この博物館も丘の傾斜を利用した面白い作りになっている。
なので博物館の周りにも面白いオブジェがたくさん。
訪れる人を楽しませる工夫があちこちに散りばめられているのです。

 

 

 

 

 

 

こちらの博物館、設計はあの黒川紀章氏!!
丘の傾斜に沿って建てられた建物…とでも言えば良いんだろうか?
なので駐車場に車を停めて中に入ると、そこは“3階”という表記に。
入ってすぐの所に下に降りるエスカレーターがあって、
それがまた凄い迫力!!一気に一本道で地下1階まで降りていくのだ!
まるで宇宙船の内部に入っていくような感覚で、入口からもう大興奮!!

 

 

 

 

 

 

井門「なんかキューブリックの映画に出てきそうな雰囲気!!」

 

親分「あぁ、確かにそうだね!これは面白い!」

 

 

こちらで恐竜アレコレをお話しくださったのは、 


主任研究員の佐野晋一さん

 

 

 

 

 

 

そうなのです、こちらの博物館では現在進行形で恐竜化石などの研究もされていて、
佐野さんご自身も含め10名程の研究員の方が中で研究をされているんだとか…。
なので、佐野さんの恐竜の説明が物凄く熱があったのです! 


一言で言いましょう!!超面白い!(笑)
例えば…

 

 

井門「物凄く昔から疑問に思っていたのですが…、
恐竜の名前って“○○サウルス”って付くじゃないですか?
この“サウルス”ってどういう意味なんですか??」

 

佐野「“サウルス”ラテン語で、 


“トカゲ”って意味なんですよ。
生物の名前はラテン語で付けるというルールがありましてね。」

 

一行「キ・キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!!!

 

 

例えば…

 

 

佐野「20年前にジュラシックパークが公開されました。
でも20年前には分からなかった事が最近になって分かってきているんです。 


今では一部の恐竜色が分かってきた。」

 

一行「キ・キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!!!

 

 

例えば…

 

 

佐野「恐竜の絶滅にはまだまだ謎が沢山あります。
他の生き物だって絶滅したのと絶滅していないものがいる。 


アンモナイト絶滅したけど、 


オウム貝生き残っていますしね。」

 

一行「キ・キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!!!

 

 

もうね、佐野さんの話にいちいち釘付けだったんです(笑)
でも面白いのはお話しだけじゃあございません。
施設の中も面白い工夫がいーっぱい!
まず迎えてくれるのはアメリカで実際に発見された化石発掘現場を再現したもの。

 

 

 

 

 

 

そして動く大迫力のティラノサウルス!!

 

 

 

 

 

 

恐竜の成長を模型を使って分かり易く説明したものもあって、面白い。
展示されていたのはマイアサウラという恐竜の頭部模型。
生まれて3週から4歳になる過程が展示されているのだが、大きさが違い過ぎる!

 

 

佐野「恐竜は、小さく生まれて大きく育つんです。
草食恐竜が大きいのは肉食恐竜よりも大きくなって、種を守る為とも考えられます。」

 

井門「なるほど!大きな恐竜には流石のティラノサウルスも、
向かっていかないですもんね。」

 

佐野「今の動物界でも一緒ですよね。
余程の空腹で無い限り、ゾウを襲うライオンはいませんから。」

 

 

展示物を見ながら紡がれる佐野さんの解説。
そして驚きの展示物たち。…福井県立恐竜博物館、面白ぇ…。

 

 

佐野「こちらには骨格標本を展示してあります。」

 

井門「こちらの博物館には何体くらいの標本が?」

 

佐野「およそ40体程が展示されています。 


実物大恐竜図鑑ですね(笑)

 

 

 

 

 

 

 

中でも圧巻なのは9割以上が実物化石のカマラサウルス。
丁寧に丁寧になんと4年の歳月をかけて組み上げたのだという。
自前でここまでのものを組み上げたのは国内初だそうだ!
そう話す佐野さんがどことなく誇らしげでもある。

 

 

 

 

 

 

そもそもが何故勝山で恐竜化石が多く発掘されるのだろう?
恐竜化石発掘量の地図を見ても福井がやはり圧倒的に多い。
佐野さんに伺うと、恐竜がいた時代の地形と関係があるそうだ。

 

当時はまだまだ大陸も今の様に細かく分かれていなかったし、
生まれていない陸地もあった。
そんな中で福井はその当時から大陸の一部だったというのだ。
そう、という事はかつて福井には恐竜が暮らしていたと。
日本という土地自体が大陸と徐々に離れていって日本海側から出来上がり、
太平洋側はその頃、姿形も無かったという。
なので北陸から化石が発掘される事が多いのだとか。
なるほどなぁ…。そしてフクイの名前が冠された恐竜たちも!

 

 

 

 

 

 

この化石達も県の事業である「化石発掘調査」の結果出てきたものだという。
化石発掘を県の事業としてやっている時点で、その本気度を感じます。
とは言え世界各国で発掘調査が進む恐竜の世界。 


毎年新種発掘されるそうだ。

 

 

佐野「恐竜という名前が付けられたのは1842年からです。
リチャード・オーウェンが恐竜の名前を提唱しました。
すなわち、ディノサウリア=恐ろしいトカゲです。」

 

井門「それまでは研究とかされて無かったんですか?」

 

佐野「そうですね、ようやく1800年代前半で、
学術的に恐竜がいた事が分かったので、そこからという事になります。」

 

 

なるほどなぁ…。
そこから研究し始めて21世紀の今に至ると。
日本の恐竜研究も随分進んでいるみたいですよ。
かつては恐竜の研究をするならば、やはり海外に行かねばならなかったらしい。
ところが現在は日本の大学でも優れた研究者が多いという。
恐竜や太古の昔の地球を学びたいというそこのアナタ!
今は恵まれた時代だそうですよ!

 

 

 

 

 

 

佐野さんはスロープから恐竜達を眺めながら、
こんなお話しをして下さった。

 

 

佐野「福井県立恐竜博物館はやはりアジアの恐竜にこだわっています。
本来ならば中国やモンゴルからの骨格標本などを展示したい。
ただ中国もモンゴルもなかなか外に恐竜を出さないんです。」

 

井門「それは何故ですか?」

 

佐野「やはり貴重な国の財産だからです。
ですから複製を展示するんですけど、複製の方が価値がある場合もあるんですよ。」

 

井門「本物の方が価値がありそうなのに…。」

 

佐野「そもそもウチは本物・偽物とは言いません(笑)


実物標本・複製標本と言い分けています。
複製の場合、完全な一個体から骨格を取れますが、
実物だと群れの骨格を寄せ集めた標本になる事もあり、
完全な個体の標本とは言えない事もあるんです。
どちらが価値があるかというと、完全な個体の方が価値がある。
なので個体から作られた複製の方が価値がある場合もあるんですよ。」

 

 

佐野さんのお話しは研究員の目線だ。
そこにはこだわりと熱量が詰まってる。本当に熱く、面白い。
その後もジュラ紀と白亜紀のジオラマを見て、佐野さんから… 


水から離れて世界が緑に変わっていく…
などの名言が飛び出したり、
始祖鳥の定義が学術的に最近混乱しているなどのお話を聞いたり(笑)

 

 

 

 

 

 

車で15分ほどの実際の発掘調査現場にも連れていってくださった。

 

 

 

 

 

 

井門「佐野さん、今日は色々有り難うございました!
改めて恐竜に携わるその魅力ってなんでしょうか?」

 

佐野「頑張れば分かるから、面白いんでしょうね。
今年度から福井県の第4次化石調査が始まってますから、
新しい発見があるはずなんです!ご期待ください!(キラーンッ☆)」

 

一行「うぉぉぉおおっ!!佐野さんかっこいぃぃぃいいい!!」

 

 

そうなのだ。
恐竜を語る佐野さんは、もう男のロマンを語る格好良さを備えているのだ。
恐竜はつくづくロマンじゃないか!
そんなロマンに携われるなんて…佐野さん、うらやましい!
そしてまたこの博物館に遊びにきますからね。
佐野さん、有り難うございました。

 

 

 


佐野さん、ありがとうございました

 

 

 

親分「井門くん、井門くん。
せっかくだから化石発掘体験とかさ、体験物したいでしょ?」

 

井門「化石発掘体験ですって!?
そんなのするに決まってるジャマイカ!!!!」

 

 

ってな訳で訪れたのは「かつやま恐竜の森」。
大きな公園でこの中に恐竜博物館もあるのだが、
中にはいくつか広場があってそれぞれの遊びを楽しむ事が出来る。
我々はまず“ティラノサウルス広場”に向かった!

 

 

 

 

 

 

御案内頂いたのはジオ観光部長の伹川弥生さん。

 

 

井門「かつやま恐竜の森は全体の広さはどれくらいあるんですか?」

 

伹川「全体はおよそ80ヘクタールあります。
その中にいくつかの広場があって、それぞれに遊具があったりするんですよ♪」

 

井門「ちなみにこの広場には…?」

 

伹川「ティラノサウルスとアパトサウルスのアスレチック遊具が人気ですね!」

 

 

 

 

 

 

伹川「あとすぐ近くに穴場の、

長~いターザンロープがあるんですよ(笑)」

 

井門「今まで色んな穴場を見てきましたけど、
ターザンロープの穴場って初めて聞きました(笑)」

 

 

 

 

 

 

他にもチャマゴン広場にはスギヤマリュウの長い滑り台があったり、
BBQが出来る場所もあったり、それぞれ芝生なので子供達の遊び場にはうってつけ!
チャマゴン広場で伹川さんとお話しをしていると…

 

 

伹川「この下にチャマゴン茶屋がありまして、 


そこでは恐竜バーガーが食べられるんです!」

 

井門「恐竜バーガー!?
伹川さん…一体そのバーガー、何の肉を使っているんですか?(ソワソワ…)」

 

伹川「えっと…牛肉…かな?

 

一行「普通に牛肉かいっ!

 

 

ってな訳で小腹も空いていた我々一行は、
その恐竜バーガーを食べるべくチャマゴン茶屋に移動した!

 

 

 

 

 

 

しっかりセットを注文して、いざいざ!
茶屋の玉木さんにお話しを伺いながら恐竜バーガーの実食!!

 

 

井門「恐竜バーガーの特徴はなんですか?」

 

玉木「(超良い笑顔で)はい!まずパンに恐竜の足跡の焼き印を付けてます♪
そしてお野菜も地の物をふんだんに使用しておりまして、
パテもこだわり、2種類のソースも全て手作りでこだわってるんですよ。」

 

井門「お肉は…恐竜の肉…ですか?」

 

玉木「えっと…(伹川さんの方を窺いながら)

 

伹川「(無言で頷く)

 

玉木「はいっ!恐竜のお肉です!

 

一行「言いきったー!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

それで肝心の恐竜バーガーのお味なんですけどね、
ちょっとだけ…ほんのちょっとだけ不安だったんですよ最初。
恐竜に寄せて観光客向けに作った食べ物でしょー?
名物になんちゃらって言うじゃない?これもそうなんでしょー?って。 


それで一口食べたら…旨いっ!!
肉とソースの相性も抜群だけど、野菜の旨さも相当際立っている。
ハンバーガーって言うよりはサンドイッチに近い食感なんだけど、
ソースと生野菜もぴったんこなので、いくつでも食べられそうなのだ!

 

 

玉木「そうなんです!
御家族で来られる方が多いんですけど、
野菜嫌いな子供もペロっと1個食べちゃったなんて仰って戴けて(笑)」

 

井門「ええ、それは分かる気がします。
この味なら、子供も野菜がたべられいちゃう。
あとポテトフライの中にあるナゲットは…?」

 

玉木「恐竜の形をしたナゲットです!
これも名物ですから、どうぞ召し上がってください!」

 

 

 

 

 

 

正直恐竜バーガーもナゲットも、ポテトフライも旨かった。
チャマゴン茶屋の恐竜バーガーはこちらに来たらマストなメニューでありましょう!

 

 

伹川「ではいよいよ化石発掘体験、行きましょう!」

 

 

チャマゴン茶屋から階段を降り、道路を渡った所に会場はある。
テントが張られたその場所には小さな石がごろごろと敷き詰められており、
どうやらそれを道具を使って割って、中の化石を発掘するものらしい。
この日は日曜日という事もあって家族連れが本当に多かった。
皆さん真剣に発掘方法の説明を聞いていらっしゃる。

 

 

 

 

 

 

ここで主に見つかる化石は、
恐竜化石、ワニ歯、カメの甲羅、トリゴニオイデス(二枚貝)、ビビパルス(巻貝)、
グレイケニテス(シダの葉)、ポドザミテス(針葉樹の皮)、生物起源のロウだそうだ。
なかなか恐竜の化石は出てこないそうだが…説明をしてくださってる方が、 


夏休みに出てます!」と仰る(笑)子供達の目がキラリと光る☆
若干、一緒に説明を聴いている大人達の目も光っている!!
サリーの心も浮足立つ!!

 

 

サリー「井門さんくらいになると、 


凄いの出しちゃうんだろうなぁ…。」

 

井門「サリーよ、当たり前や!!バチーンッ!(頬を叩く音)
ワシくらいになったらなぁ、石の気持ちが分かるんや!
いや、石の気持ちが見えるゆうても過言ではない。
黙ってワシに付いてこんかい!!」

 

 

というわけで(サラっといったー)伹川さんに道具や軍手、ゴーグルを借りいざ!
会場には発掘調査現場から実際に掘り出された石や岩が撒かれている。
なので本当に発掘体験…ってな感じになるのだが。
黒い石と白い石が点在し、どうやら黒い石の方が柔らかく割り易いらしい。
井門も早速道具を使いカンカンカンカン!!!

 

 

 

 

 

 

伹川「あれ?井門さん、これ化石出てますよ!
割れた石の中に黒い部分があるでしょ? 


これ、植物の化石です!!」

 

一行「えーっ!!!そんな簡単に見つかるんですか?」

 

伹川「いえ、そんな簡単には見つからないはず…」

 

井門「(また違う石を割ってみた)」

 

伹川「えぇ~っ!!また出てきた!!
凄い、井門さん凄いですよ!」

 

井門「もう…俺には…石の声が聴こえる。」

 

テツヤ「井門さん、凄いっす。」

 

伹川「井門さん、この仕事向いてますよ(笑)」

 

 

そんなやり取りがありながら、
時間を忘れてカンカンしてしまう化石発掘体験。
実際に太古の昔の生き物に触れる感覚がなんともたまらない。
こんな体験をさせてくださって、しかも楽しいお話を聞かせてくれた伹川さん!
どうも有り難うございました!!

 

 

 

 

 

 

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今回の旅のテーマは「恐竜王国で、古代ロマンと出会う旅」だった。
その為に勝山に実際に来てみると、
周りは低い山に囲まれて、朝なんかはその緑に霧が立ち込めて…。
本当にそこから恐竜が出てきそうな、そんな雰囲気すらある。
そんな雰囲気の中であんなロマン溢れる体験をしたら…あなた…。
はいはいはい、結論ですっ! 


恐竜はロマンだっ!
そしてそのロマンをこんなに間近で体験させてくれる勝山!
この町もその風情も最高でした。
第4次化石発掘調査からいったい何が出てくるのか!?

 

勝山はこれからも要注目ですよっ!!