東京発どこ行くツアー~スローな空気が漂う町、西荻窪~|旅人:井門宗之

2013-11-15

 

YAJIKITAと散歩の達人の山口さんとは縁が深い。
かなり昔にはなるが伝説の企画「山手線一周ぶらり旅」の恵比寿~渋谷編のロケで、
猛暑の中「アイス食いて~、アイス食いて~」と子供の様に(ry
いやいや、流石の選択眼で東京ディープスポットを御紹介頂いている。
先日ある特番で山口さんと御一緒する機会があり、
改めて聞いてみた。「いま東京で山口さんが注目している街はどこですか?」

 

山口「いま面白いのは西荻窪だと思います。」

 

西荻窪は荻窪と吉祥寺に挟まれるエリアではあるが、
昔からどこかのんびりした雰囲気が漂う。
その空気感を愛した文人も多く、名作がこの街からいくつも生まれているのだ。
――とある会議でのこと。
いつもの様に緊迫した空気が会議室を覆っている…。

 

 

ミラクル「東京発!って言っておきながら、
最近は“東京駅から○○分”ってすっかり言わなくなったでゲスね。へへ。」

 

井門P「言わなきゃバレない事を!!」

 

親分「おいミラクル、そのへらず口をホチキスでパッチンしてやろうか!?」

 

ミラクル「へへ。じょ・冗談でゲスよ。へへへ。」

 

ゴルッチ「ATM…じゃなかった井門P、
最近はどの街が面白いんですか?」

 

井門P「お取り忘れにご注意ください…って言わせるな!! 


最近か…山口さんにお会いしてさ。西荻窪っつってたよ。」

 

テツヤ「あっ、僕(住んでるのが)荻窪なんで地元っす!」

 

一同「よし、今度のどこ行くは西荻窪だ!!」

 

 

とまぁ、完全に山口さんに乗っかった感じでロケ先が決まったのでありますが…。
いや、ここにはちゃんとYAJI魂が乗っかってるんですよ。
作家を担当する事になったミラクル氏も何故かいつも以上に張り切っている。
横山さんは「た~の~し~み~で~す~」と笑顔を絶やさない。
井門Pだって「最近西荻窪に美味しいビストロが増えている」と、
またしても酒バカ発言でテツヤと盛り上がっている。
そう、このオヤジは取材前から取材終わりの事を考えているのだ。
そんなこんなで始まった西荻窪のロケ。
曇り空の下、JR西荻窪駅前からスタート。

 

 

 

 

 

冒頭でも書いたがこの街は、荻窪と吉祥寺という大きな駅に挟まれている。
挟まれていればそこそこ賑やかそうなものだが、
何故かこの街に流れる空気感はとても穏やかだ。
子供連れやお年寄り、多くの学生さんが駅前を行き交い、
大きな道路と接している訳でもないので車の音も気にする程のことはない。

 

 

ミラクル「この街には個性的な個人商店が多いんでゲス。」

 

横山「確かに通りの両脇には面白そうなお店が並ぶね。」

 

井門「本屋さんも多そうだなぁ…。」

 

 

 



 

 

まさに我々が最初に訪れたのが個性溢れる「旅の本屋 のまど」。
鮮やかなブルーの扉がなんだか異国感を期待させてくれる。
もちろん旅に纏わる本が多いんだろうなぁ…と思ったら、
やっぱり入口近くに平積みされている本の中に沢木耕太郎さんの本が!
店内も奥行きがあり左右、真ん中に所狭しと旅の本が並んでいる。

 

 

 



 

 

丁度奥のレジ前に座ってらっしゃったのが店主の川田正和さん
こだわってらっしゃるんだろうな~という佇まい。
雰囲気が人を作るって、本当だな。僕も見習わなきゃ…。
元々旅が大好きで、いつか本屋さんをやりたいと思っていらっしゃった川田さん。
ある時に海外を旅行中に、旅に関する本だけを専門に扱った書店と遭遇。
こういう形の本屋さんを日本でもやりたいと思い立ち、
最初は吉祥寺にお店をオープンしたのだそうだ。
ここ西荻窪に店を移したのは6年前。今や旅の本屋さんとして確立している。

 

 

川田「でもあまりに専門的過ぎるのも…と思って、
その国に興味を持ってもらう様に文化や歴史などの本も取り扱っています。」

 

井門「実際にここで面白い旅の本を見つけて、
それをきっかけにその国へ想いを馳せるって事ですよね。」

 

ミラクル「沢山の本があるからさ、
ちょっと井門Pの気になる本を探しに行きましょうよ!へへ。」

 

 

で、手に取ったのが「野宿野郎」(笑)
野宿のススメみたいな本なのだが、なんと編集長は女性だという!?

 

 

川田「最初売り込みに来た時は“これ売れないだろうな…”と思ったんですが、
少しずつ売れ始めて、今では数少ないウチの主力選手になりつつあります(笑)
とは言え一番新しい号から、既に3年くらい経ってるんですけどね(笑)」

 

 

旅と言うのは「何ものにも縛られないもの」程、より魅力を感じる。
自由に、ただ自分と向き合う旅なんていうのも素敵じゃないですか!
そしてここに来れば、自由な脳内旅行を楽しむ事も出来る。

 

――イタリアの次は…そうだなぁ、アフリカなんかも良いかもしれない。
そこから東南アジアだ!タイの美女と素敵な一夜を楽しんで、
そうだなぁ…日本に帰ってきて野宿にチャレンジしてみようかな…。

 

旅のプランは気の向くまま。
あなたは遊牧民の様に、自由に地球を駆け抜ける。
たまたま手に取った本があなたの運命を大きく変えるかもしれない。
「旅の本屋 のまど」さんにはその鍵がある。
西荻窪に来たら、鮮やかなブルーのドアを目指してみて下さい!

 

 

 



 

 

井門P「ミラクルさん、今回のブッキングかなり良いじゃない?」

 

テツヤ「本当ですよ、ミラクルさんのくせに。」

 

ミラクル「え!?そんな風に褒められると…なんか照れるでゲスな。へへへ。」

 

 

今回の西荻窪ロケは奇跡のブッキングにより訪れる全ての場所が最高でした。
続いてもそんな素敵なお店。
西荻窪も路地裏にお店が多いエリアなのですが、
ここの「路地裏インパクト」も凄いです(笑)
なんせ僕らが取材しようと店の前でスタンバイしてた時、
ちょうどここを目指してきたと思しき女性3人組が店を見つけるなり、
「きゃー!!超お洒落!」
「なんで!?なんでこの場所に!?」
みたいな声を上げてワラワラとお店に入っていくわけですよ。
それを横目におっさん4人…。
ちょうど20代、30代、40代、50代と、
綺麗に4世代に分かれた我々のほんのちょっぴりの居心地の悪さ。
だってこんなに素敵な外観なんですよ!

 

 

 



 

 

雑貨屋&古民家カフェのRe:gendoさん。
なんでも島根県の石見銀山に本社を置く群言堂が、
西荻窪という個性的なお店がたくさん立ち並ぶ場所に、
衣食住をテーマにお店をプロデュースしたのだという。
お店に一歩入ると、もうおっしゃれ…。そしてお客さんの女子率の高さ…。
よし、決めた!そんじょそこらの女子より女子力の高い井門が、
その女子力をいかんなく発揮してやろうじゃない! 


ってな訳でお店の高田芳子さんにお話しを伺いました。

 

 

 



 

 

こちらで人気なのが一汁一穀三菜膳。
素材にこだわり抜いためちゃくちゃ美味しそうなメニュー。

 

 

 





 

わたくし井門も女子力をいかんなく発揮しながら頂きました!
今日のメインは鶏肉のオイスターソース煮。
香ばしく焼き上げた鶏をオイスターソースでさっと煮てある逸品です。
これをご飯の上にパイルダーオンすれば…

 

 

井門「美味し過ぎる!!!!!

 

 

ほらね、こうして僕が食べロケをしていると、
うちのスタッフが「早く食わせろー、早く食わせろー!」って無言のオーラを出すの。
案の定こちらでもそのオーラを出しまくり。
ちょっと待ちなさいよ、いま食べさせてあげるから(笑)

 

 

 



 

 

井門「しかし内装も物凄く素敵ですよね。」

 

高田「有り難うございます!
こちらは内装工事の時にデザイナーさん達が見学に来たほど、
室内もこだわり抜いた作りになっているんですよ。」

 

 

室内も料理も物凄くこだわったお洒落空間。
それが西荻窪の路地裏にはあります。
ぜひ西荻窪散歩でお腹が空いた時は、こちらでランチはいかがでしょうか?

 

 

 



 

 

井門「さて、ミラクルや。
西荻窪っぽさが物凄く出ている今回のロケだけど、
続いてはどこに行くのかえ?」

 

ミラクル「次は…井門Pに乙女になって貰うでゲスよ。へへへ。」

 

 

Mesica

 

 

 



 

路地裏の2階に店を構えるこちらは、
乙女色でいっぱいの雑貨店。
その証拠にミラクルが店に入って店員さんと御挨拶するなり、
店内にいた4~5人の乙女たちがそそくさと出ていってしまったではないか!?

 

 

――「オイラが気持ち悪かったんでゲスな。
当時を振り返りミラクルはそう漏らしたという。

 

 

意を決して我々もポップな店内へGO!!!
Mesicaはロシア語で小熊の意。
その名を表す小熊のキャラクターが本当に可愛い。
迎えてくださったスタッフさんも可愛い。

 

 

 



 

 

井門「お店で一番人気はなんですか?」

 

合田「このクマのキャラクター“クロコフ”が人気ですかね。」

 

井門「うん、確かに…可愛い。キャワタンだ。」

 

 

店内にはお店の愛が詰まっている。
どこもかしこも可愛く彩られたこの場所は、
我々に最も似つかわしくない場所。
はんぺんにチョコレートソースみたいなものだ!
うん…なんか違う例えだね(笑)合田さん、ごめんなさい…。

 

 

 

 

 

とは言え僕らが似合わないだけで、
店内は物凄く可愛くてPOPなんです♪
こういうテイストが好きな方、多いと思うんです!
西荻窪のMesica、ぜひぜひチェックをお忘れなく~!!

 

――店を出てしばらく歩いていると…。

 

なんだか店を出てからミラクルさんの様子がおかしい。
明らかにホクホクしているのだ…。はは~ん、これは…。

 

 

井門「ミラクルさんさ、合田さんの事好きでしょ?」

 

ミラクル「えっ!?な…なに言ってるんでゲスか!?
まぁ…めっちゃタイプでゲスけど。へへへ。」

 

テツヤ「分かります!めっちゃ可愛いっすよね!」

 

ミラクル「ぼくはああいう可愛いタイプの子が好きでゲスよ。 


ウチの嫁もどちらかというと可愛いタイプでゲスな(ドヤァ)」

 

テツヤ「あっ!僕の彼女もです(ドヤァ)」

 

 

…。


最後は西荻窪で最も歴史のあるアンティークショップ「慈光」さん。 


こちらの千原英志さんにお話しを伺いました。
こちらのショップはテーマ別に3店舗があるのですが、そのどれもが楽しい。

 

 

井門「西荻窪ってどんな街なんですか?」

 

千原「そうだねぇ…杉並区の中でも田舎ですよ(笑)」

 

 

暮らしている方からすると、確かにのんびりした雰囲気がそう感じさせるのだろう。
しかも隣は吉祥寺だったりすると余計にそれは感じるのかもしれない。
でも吉祥寺は23区じゃないですからね(何の関係もないけど)
のんびりした空気感のなか、アンティークショップの中をゆったりと覗いてみる。

 

 

 



 

 

 

お店の方にもお話しを聴いたのだけど、
こういうアンティークショップに置いてある商品は、
お家の引っ越しなどで出た時に買い取るのだそうで。
だから中にはその使用用途が不明のものもあるんだとか(笑)
使い方は分からないんだけど、値段を付けて売っちゃう。
売れないでしょ、そんなの!と思いきや、
それを敢えて面白がって買っていく方もいるってんだから…。
世の中の全てに意味なんて持たせちゃ駄目なんだろうね。

 

 

 

 

 

 

 

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西荻窪、かなり個性豊かな街でした。
でもそれがそれぞれ喧嘩することなく、なんだか調和して街を彩っている。
なんでだろう?って思ったんですけど、
きっとそれは各お店がこの街を愛しているからなんじゃないかと。
この街を愛しながら、それでも譲れない部分を守っている。
その絶妙のラインがこの街の雰囲気を作っているような気がするんです。

 

実はこのロケの後、僕らはこの街で飲みました。
まずは4人で駅前の大衆居酒屋さん。
ミラクルさんが抜けて、次に僕がとても行きたかったビストロでワイン。
最後は横山さんが抜けてテツヤと2人でタイ料理屋さん。
井門とテツヤは都合3軒ハシゴ(笑)
でもですね、それぐらいこの街の夜も居心地が良かったんです。
え!?この街の感想ですか?
もう一言に尽きます。

 

住みたい!!(笑)

 

東京発どこ行くツアー、次はどこ行く?