谷中七福神巡り|旅人:井門宗之

2014-01-09

 

ここ最近毎年言ってますが、開運!!

ね?新年最初のロケだもんね!?開運ロケしたいよね??


今年も言いたいでしょ?開け!運気ッキ!ってさ。

 

 

新作家:河合「はぁ?何言っちゃってくれちゃってんの!?
新年最初のロケのブッキングがどんだけ大変か分かってらっしゃる!?」

 

井門「ほら、でもそこを曲げて…ね?
せーの!よろしく~ねっ!!(ゆーとぴあ風に)」

 

 

河合「このポンコツプロデューサーめ…ブツブツブツ…」

 

 

昨年から新メンバーに加わった河合女史と早速暗雲たちこめる中、
それでもしっかりと事前準備を整えてくれた彼女の手腕にアプローズ!!
ってか違うの!!今回はやりたい企画があったんだよぅ。
何を隠そう井門宗之、ここ10年くらい続けている「お参り」があるのです。


それが「江戸最古の七福神巡り」こと谷中七福神巡り
七福神、みなさん馴染みが深い神様かもしれませんね。
全部は言えなくても、例えばそうだなぁ…大黒様とか布袋様はご存知ですよね?
福を7つも神様が持ってきてくれるなんて、なんか贅沢な気になりませんか?
2014年も欲張りなアタクシ、井門宗之!
せっかくなら7つの福が欲しい!!(子供か!?)
という訳で新年最初のロケは「YAJIKITA的七福神巡り」と題しスタートする事に!

 

 

 

 

 

ロケ日は新年明けて1月4日土曜日。
七福神巡り最初のお寺、東覚寺がある田端駅前に8時40分集合。
ってか…すっごい寒い…。新春の東京、すっごい寒い。
それに人が…少ない…。
駅のアナウンスが「七福神巡り最初のお寺、東覚寺は駅のすぐ近くです!」
みたいな事も言ってるのに、巡りそうな人の姿がまだ少ない。

 

 

河合「お寺さんに事前に聞いたら、
“お参りするのに20分くらい並ぶかも”って言われたんですけどねぇ。」

 

井門「いやぁ、僕も何度も来てますけどそんなに並ばないと思いますよ。」

 

 

そんな事をブツブツ言いながらロケスタート。
今回のメンバーはDが地元のゴルッチ、作家が昨年から参加の河合さん(女性)、
カメラマンは橋本君、旅人が私、井門の4人でございます。
この4人で巡る谷中七福神巡りですが、江戸最古と言われているんですね。
始まりはおよそ250年前とも。
3つの区をまたぎ(北区、荒川区、台東区)全て回るとその距離は約5.5km。
ゆっくりお参りして2時間~3時間ってところでしょうか?
新年の最初に七福神を詣でると、その年の運気も上がるなんて言われます。
そんな谷中七福神の御開帳時期は元旦~1月10日までの10日間だけ。
それ以外の時期だと神様の姿を拝めない寺院もある。
いつ詣でるの?今でしょう!?(言っちゃったよ…)


ってな訳で最初の七福神がいらっしゃる東覚寺

先代の御住職の奥様:岩脇孝子さんにお話しを伺いました。
まずこちらの東覚寺、入口に真っ赤な紙が張られた仁王像が2体ある。
知らないで通ると結構びっくりするのだが…

 

 

 

 

 

岩脇「これは“身代わり仁王尊”といってですね、
自分の患部がある場所に赤紙を貼っていくと病が癒えると伝えられているんです。」

 

井門「年が明けても貼りっぱなしなんですか?」

 

岩脇「大晦日も開いてますでしょ?
そうすると大晦日に赤紙を貼る方もいらっしゃいます。
折角お参りをしたのに、明けて元日になったから剥がすって言うのはねぇ。」

 

 

そして仁王像の隣には無数の草鞋が奉納されているのですが…。

 

 

 

 

 

 

岩脇「あれは病気が治った方が納められるものなんです。
仁王様が祈願の為に沢山歩かれるでしょ?その為には草鞋が必要だろう、と。
その思いやりから草鞋を奉納するようになったんです。」

 

 

なんかその思い遣り、良いなぁって思っちゃいました。
祈りが届けばそれをきちんとお返しする。しかもそのお返しが粋じゃないですか。
日常にも役立てたい考え方だな、とちょっぴり。
仁王像の前でお話しを伺っていると、さっきまでの不安はどこへやら。
次から次へと参拝の方がお寺の門をくぐっていかれます。

 

 

 

 

 

こちらの東覚寺は歴史も古く創建は1491年。
最初は今の万世橋の辺りに建立され、現在の場所に移ったのが慶長年間だそう。
非常に歴史のあるお寺なのであります。


そしてこちらにいらっしゃる七福神が福禄寿さま

 

 

岩脇「七福神の中でも“人望”を授けてくださる神様です。
ただ元々あった木像は戦災で焼けてしまったので、
現在の像は割と新しいものになりますが。」

 

 

門をくぐって正面が本堂。
福禄寿さまが祀られているのが左側の建物になります。
早速なかに入ってお参りする事に。

 

 

 

 

 

岩脇「本堂の裏手には、この時期だけしか開放していない庭園もありますよ。
実は小さな七福神を配置してありますので、
ここだけでコンパクトな七福神巡りも出来るんですよ(笑)」

 

 

笑顔の優しい岩脇さんの勧めで本堂脇から裏手に回ると…。
おぉっ!いきなり小さな毘沙門天と寿老人の像がある!
ちょっとした小山になっていて、石段を登ると福禄寿もいらっしゃるじゃないですか!

 

 

 

 

 

井門「ひょっとしたらこれで御利益ついた…かも!?
ここで終了しちゃ…わないよね。メンゴメンゴ。」

 

河合「そうですよ!(プンスカ)
ここから次の恵美寿様まで歩きますよ、ほら早く!」

 

 

境内では地元の有志が参拝客に甘酒を振舞っていた。
冷えた身体に熱々の甘酒がプツプツと沁み渡る。人の温かさと甘酒の温かさ。
お忙しいなか、岩脇さんも有り難うございました!

 

 

 

 

 

谷中七福神巡りの面白さと言えば、そのルートにもあると言っても良い。
なんせお寺が点在しているので、通り道が住宅街なのだ。
3つの区に渡るので、区が変わると少しずつ風景も変化していく。
町の様子を眺めながら、それぞれの場所に目的地のある散歩も面白い。
昔ながらの銭湯を過ぎ、家の屋上にあるラクダのオブジェにツッコミを入れたり。
東覚寺から20分くらいかな。


続いては恵美寿さまが祀られる青雲寺でございます。

 

 

ゴルッチ「森藤恵美寿…なんつってね(キャッキャッ)」

 

井門「もう神様になっちゃったのね(キャッキャッキャッ)」

 

 

それはさておき。


こちらに祀られる恵美寿さまは七福神の中で“正直”を司る!
本堂に安置されている高さ70cm程の木像にお参りを。

 

 

 

 

 

井門「これで“人望”に“正直”が備わったよ!
2014年、なかなか良い感じになってくんじゃないの?」

 

ゴルッチ「ちゃんと正直になったかなぁ。
井門さん、嫌いな人は誰ですか?」

 

井門「ば…ちょっ…それ…そんなこと、言えるわけないじゃないの!?」

 

ゴルッチ「はあ…全然正直じゃないなあ(失望の色を隠せない)」

 

井門「嫌いな人なんていません(キッパリ)」

 

 

ちなみに恵美寿さま、七福神の中では唯一日本の神様なんです。
大国主命の子息である事代主命が恵美寿さまだとか。
とても良いお顔をされていて、手を合わせるだけで幸せな気分に。

 

 

 

 

 

青雲寺を後にした一行、続いての七福神を祀るお寺へ。
とは言え、歩いて5分もしません(笑)ここは近い。


道路を歩いて左手に桜色の壁が見えてきたら、そこが修性院だ。


こちらは“大量”を司る布袋様が祀られているお寺です。
ここを訪れた時点でまだ11時にもなっていなかったんですけど、
参拝する方の数も徐々に増えてきました。若い方の姿もちらほら。


修性院でお話しを伺ったのは執事の戸田教雄さん

 

 

 

 

 

戸田「修性院には布袋尊像が安置されていますが、
七福神の中では福を“大量”に呼び込むと言われており、
唯一実在した人物とも伝えられているんですよ。」

 

井門「実在したんですか!?」

 

戸田「はい。そもそも中国の禅僧で日用品を常に袋に入れて持ち歩いていた事から、
“布袋”という名前が付いたと言われております。」

 

 

戸田さん、流石は御坊さんだけあって声が良い。
しかも説得力が井門なんかとは段違いである…。
YAJIKITAに大量の福が舞い込んでくるように、しっかりお参り。

 

 

 

 

 

ちなみにこの布袋様、高さは1m、重さは200kgもあるんだとか…。
福々しい布袋腹がなんとも言えずめでたい感じがする。
あっ、そうだ!この修性院の脇道は以前YAJIKITAでも取材した「富士見坂」。
煉瓦壁とレトロな街路灯が印象的な坂を登って振り返ると、
天気の良い日には富士山が拝める都内でも数少ない富士山スポットだったのだが…。
なんと!!現在はマンションやらビルやらが建ってしまい、
富士山を眺める事が出来なくなってしまったとか…。
いちおう僕らも登って振り返ったんですけど、やっぱり駄目でした(涙)
なんだか東京を感じた瞬間。

 

 

井門「ねぇねぇ、すぐ近くに谷中銀座があるねぇ♪
商店街寄ろうね~♪後藤の飴を買って、メンチカツで“はふはふっ”てして♪」

 

河合「寄りません。

 

井門「ガ━━━━━━∑(゚□゚*━━━━━━ン!

 

ゴルッチ「前に取材してますからね。」

 

井門「(´Д` |||) ドヨーン

 

 

こうしてスパルタ作家:河合女史の先導で谷中銀座を1ミリも触れる事なく先へ…。
でもね、でもね、このあと美味しいお蕎麦を頂いたんです!


それがそば処「松寿庵」さん。

 

 

 

 

 

お店の入口には「七福神そば」の幟が立っているので、
七福神巡りをする方々も何となく気にしている様子。
お店の中は下町のお蕎麦屋さんの風情で、とても居心地が良い。


女将さんの橋本暁美さんにお話しを伺いました。

 

 

井門「七福神そば、すっごい気になるんですけど…
中身は何が入ってるんですか?」

 

橋本「まぁ…洒落みたいなものなんですけどね(照笑)

 

恵美寿さまはおめでたい「にこにこ」顔のえびでしょ、
大黒さまは福袋をしょってるので、袋茸っていうキノコ、
福禄寿さまは頭が長いので、同じ様に長い筍(笑)
寿老人さまはいつまでも髪が黒々としていたいってんで、黒い海苔。
弁才天さまは彩りも美しいので、紅白かまぼこ、
布袋さまはこれも彩りなんですけど卵。しかもうずらの卵ね。
毘沙門天さまは力強いイメージでお肉。なので鶏肉を入れました。」

 

井門「縁起も良いですけど、バランスも良さそうですね!?
これでお幾らなんですか?」

 

橋本「はい、770円になります。」

 

井門「価格も七福神に寄せてきたなぁ…(笑)
儲けは出るんですか??(邪笑)」

 

橋本「儲けなんて考えたらバチが当たります!(笑)」

 

 

笑いながらお話ししてくださった橋本さん。
七福神巡りのお客さんで毎年大賑わいなんだとか。
中には七福神巡りの時は必ずいらっしゃるお客さんも多いそうで。
折角なので僕らもその七福神そばを頂く事に。

 

 

 

 

 

このお蕎麦が本当に美味しかった。
あったかい汁は出汁が効いてて「東京の味だなぁ…」としみじみ。
柚子の皮も散らされているので、爽やかな香りが食欲をそそる。
お蕎麦の上品な香りと7つの具材の組み合わせが絶妙で、
「はふはふっ、ズルズルズル~!」が止まらない(笑)
七福神巡りは歩きで行うのでお腹も空きます!
そんな時は松寿庵の創業当時からのメニュー「七福神そば」はいかがでしょ?

 

 

 

 

お腹も満たされた我々一行、


続いては“長寿”を司る神様寿老人さまをお参りに。


祀られているのは長安寺
境内に入るとそこは人、人、人。この辺りから随分と混みあってきました。
そして本堂の中にあるのが寿老人の木像。
なんとかの徳川家康公から賜ったもので、等身大の寄木彫刻だとか。
この寿老人、傍らに鹿を従えているんですよね。
三〇〇〇年の長寿を保つと言われる鹿。
我々もこの番組が少しでも長く続くようにと、寿老人さまにお参り。

 

 

 

 

 

長安寺を出て真っすぐ進むと広大な敷地の谷中霊園が出てきます。
この霊園には有名な人物のお墓も数多くあり(徳川慶喜公など)、
春には桜の名所としても有名だったり。しかも都内では珍しい駐在所も!!


そんな谷中霊園の敷地を進むと続いて見えてきたのが天王寺

こちらは“威光”を司る毘沙門天さまが祀られています。
この天王寺、創建が1274年と伝えられる谷中最古の寺院。
江戸時代には、今の宝くじに相当する徳川幕府公認の富くじが興行されて、
目黒不動、湯島天神と共に「江戸の三富」として賑わったそうです。

 

 

井門「毘沙門天はね四天王の一人なんだよ。


四天王として祀られる時は名前を多聞天と呼ぶの。
これはお釈迦様の説法を誰よりもよく聞いた…ということから名付けられたんだ。」

 

ゴル「多聞天は人の話をよく聞く…と。


あっ、ぢゃあ、イモンタンはどうなんですか?」

 

イモンタン「イモンタンはねぇ、人の話をあまり聞かないねぇ。
なんせ去年ゲッターズ飯田さんの占いで、
“この人は人に興味が無いですよ!”って言われたから。」

 

ゴル「イモンタン…」

 

河合「毘沙門天の御利益は“威光”だそうですけど。」

 

井門「じゃあアレだ。
YAJIKITAもここでお参りをすれば、少しは威張って良いって事だ!
なんせ10年続けてる番組なんだからね、胸張って良いんだよ。」

 

 

毘沙門天をお参りする列に並びながらそんな事を話していたので、
果たして御利益はあったのかどうか…(笑)
でもこれで七福神のうち5つの神様へお参りを済ませました!

 

 

 

 

 

 

ここからはテンポアップ!なんせあと神様は2人!


続いてのお寺は大黒天さまを祀る護国院

 

 

 

 

 

護国院の御住職、神田隆順さんにお話しを伺いました。

 

 

 

 

井門「大黒さまはどんな御利益なんですか?」

 

神田「七福神の中では“富財”を司る神様です。
もともとはヒンズー教の神様でマハー・カーラと言ったんですけど、
日本に入ってきて神様と一緒になりましてね。その神様が大国主命です。
マハーというのが大きいという意味で、カーラというのが黒という意味です。
なので大国主命の“大国”と“大きい”“黒い”をかけて“大黒”となりました。」

 

井門「神様も日本に入ってくる過程で変化していくんですね?」

 

神田「えぇ(笑)今はにこやかなお顔をされてますけど、
日本に来る前のお顔はもっと怖い形相だったんですよ。」

 

井門「ちなみに谷中七福神って御開帳中はどれくらいの方がお参りに?」

 

神田「ちゃんと数を数えた事はないのですが、
そうですねぇ…1万5千人から2万人ってところではないでしょうか?」

 

井門「江戸最古の七福神巡りと言われてますけど、
七つのお寺で横の繋がりがしっかり組まれているって事なんでしょうか?」

 

神田「いえ!実はそんな事はないんです(笑)
昔からお寺はそれぞれの仏様を祀っていたのですが、
それを人々がルートを作っていき、
やがて“谷中七福神巡り”と呼ばれるようになったんです。」

 

井門「なんだかけもの道みたいですね(笑)」

 

神田「そうですね(笑)」

 

 

 

元々こちらの護国院は寛永寺の釈迦堂だったお寺。
あの大阪夏の陣・冬の陣の回向をこちらで行ったというんだから、由緒正しき場所なのだ。
“富財”を司る大黒さまにお参りをして、最後の弁天様へ。

 

 

 

 

 

護国院は上野公園の裏手に当たる場所。
近くは上野高校や東京藝大があり、ここから弁天堂までは非常に閑静なエリアであります。
必然、喋ることもなくなってくるのだが…

 

 

ゴル「あっ、上野動物園の裏手に回ってきましたね!」

 

河合「確かに獣の匂いがするわ(笑)」

 

井門「ほらっ!!見て見て!!
ポニーがいるよ!!午年にポニーとか、なんか縁起が良いね!」

 

 

ポニーを見つけて束の間キャッキャする一行。
しかしまた静かなエリアに突入。

 

 

ゴル「さっき我々が見たのはポニー
そしていま我々が歩いているのは、
両側が少し崖っぽくなっている切り通し…。


ちょっと渓谷のようでもありますね。

 

…まさにポニー・キャニオン…なんつってね!キャッキャッキャッ」

 

イモンタン「ちょっとちょっとゴルちゃん、
上手いこと言うじゃないの~!キャッキャッキャッ」

 

ゴル「勝ちでも負けでもない!aikoで!っつってね!キャッキャッキャッ」

 

井門「キャッキャッキャッ」

 

 

…そんな訳で護国院から歩いて20分くらい。


ついに最後の神様、弁天様がいる不忍池弁天堂へ。
さすが上野!この弁天堂が行列でした(笑)
ちなみに不忍池弁財天は、八本の手がある弁天様。
それぞれに剣や弓、刀、斧などを握っている『八臂弁財天』なんですね。
福を授けてくださると同時に、苦しみを取り除いてくれるといわれています。


谷中七福神的に言うと“愛嬌”を授けてくださる♪
芸事の神様でもありますから、しっかりとお参り!!

 

 

 

 

 

 

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今年の初ロケは贅沢にも7人の神様の御利益を頂きました!
もうね、ロケが終わった後のメンバーの後ろ姿が神々しかったもの。
井門Pなんて“早く呑みに行きたい”その一心で歩いているだけなのに、
それでも何だか神々しかったもの(笑)まぁ、おみくじは末吉だったけど。

 

今回は番組の事は勿論ですが、
聴いてくださっているリスナーさんの事もしっかりお参りしてきました!
どうか皆さんの2014年がより良い1年でありますように。
そして今年も「YAJIKITA ON THE ROAD」を何卒、宜しくお願い致します!