東京発どこ行くツアー~プロフェッショナルな町、麻布十番~|旅人:井門宗之

2014-02-21

アザヴジュヴァ~ン!?

 

ウィ!アザヴジュヴァ~ン!

 

という訳で(出た唐突感)今回は東京発!どこ行くツアーの麻布十番編でございます。
麻布十番のロケの日にTwitterで呟いたところやはり上記のリプをした方がいまして。
えぇ、えぇ、分かります。フランス人になりたくなる街No.1でございますもの。
かくいう私だって、ロケのオープニングで言いました。
あんなお洒落な街の入口で、えぇ、えぇ、言いましたとも。

 

 

井門「アザヴジュヴァ~ン!?キャッキャッキャッ」

 

 

麻布十番と言えば高級住宅地でもあり、
地下鉄の駅が出来るまでは独自の文化圏でもあった場所。
何となく不思議な風情を湛えたエリアでもあります。
夜になると芸能人の姿もチラホラ…そんな麻布十番を今回はぶらりします。
ちなみに今回のTeamヤジキタには初参戦のD永尾氏の姿が。

 

 

井門「で、今回は何かテーマがあるんですか?」

 

ミラ「井門の旦那、そう来ると思ったでゲス。
今回は麻布十番にあるこだわりのお店を巡る旅。 


麻布十番のプロフェッショナル達を訪ねるでゲスよ!」

 

 

確かにこのエリアにはいわゆる「専門店」が多い。
ここに暮らす人や訪れる人の性質上、
目の肥えた人の要望に応えられなきゃ商売はやっていけないのだろう。
ミラクルさん、なかなか良い視点で取材先を考えてるじゃないの!?
おっと、あまり褒めるとドヤ顔が過ぎるのでこの辺にしといて、と。

 

 

 

 

 

麻布十番、と言えばの「浪花家総本店」でたい焼きを買い食い。
こちらは「およげたいやきくん」のモデルとなった事でも有名。
焼き立てをハフハフしながら麻布十番の街ぶらりのスタートです~♪

 

 

 

 

 

麻布十番って面白いんですよね。
冒頭でも書きましたが、駅が出来るまでは非常に行きにくい場所だった。
でも六本木も近いので人の流れがある。
けやき坂を下ると「麻布十番商店街」にぶつかる訳ですから。
その流れで自然に隠れ家的な意味合いのお店もどんどん増えてきた。
外界(と言ったら言い過ぎか)の影響をあまり受けずに、独自の文化を形成してきた街なのです。

 

 

永尾「街で言ったらそうですね、三宿に近いかも。
あとここは面白いんだけど、夜のお姉さま達もけっこう住んでて。
麻布十番って野良猫も多いんですけどね、
その夜のお姉さま達が飼えなくなったチンチラが雑種の猫と交配して、
この街の野良猫の中にはチンチラ雑種がけっこういたりするんです。」

 

職場が麻布十番に近いだけあって、この街のうんちくが素晴らしい。
永尾Dは続ける。

 

 

永尾「あ~っ、あそこのカフェが変わっちゃってる。
雰囲気の良いお店だったんですけどねぇ。」

 

井門「おい、ミラクル。
君はこの街に詳しくないのかい?」

 

ミラ「へへへ。あっしだってこの街で遊んだ事くらいあるでゲスよ。」

 

永尾「大使館があったりする関係で、
この街には韓国料理屋と中華料理屋が多いんですよね。」

 

ミラ「そ・そうでゲス!
韓国料理屋と中華料理屋だらけなんでゲスよ!へへへ。」

 

井門「自分の知識みたいに言うんじゃないよ!」

 

ミラ「へへへ、でゲスな!(ドヤァ)

 

 

そんなミラクルを尻目に最初のプロの店に。 


大通りに面したお店の名前は「塩屋麻布十番店」。

その名の通り、塩の専門店なのですが…入ってみると圧巻でした!!




 

 

 

何百種類もの塩、塩、塩…。
こんなに塩ってあるんですね、と思わず溜め息が漏れてしまいます。
同行の永尾Dも「気になってはいたんですが、こんなに凄いとは…」と感嘆。

 

 

仲里「こちらの塩はテイスティングもしていただけますよ!」

 

 

そんな風に笑顔で話してくださったのは、 


「塩屋」のソルトソムリエ・仲里梓さん
社内の試験をクリアして塩のスペシャリストになった方であります。
聞けば「塩屋」とは「まーすやー」と読むそうで。

 

 

井門「そうか、沖縄で塩のことを“まーすー”って言いますもんね?
昔宮古島で食べたグルクンのまーすー煮がはてしなく美味しかったもんなぁ…。」

 

仲里「実はこちらのお店、本店は沖縄にあるんです。
ですから店名も沖縄の言葉になっているんですよ♪」

 

 

そういう経緯もあってお店には沖縄の塩をはじめ世界各国の塩が並ぶ。
面白いのは棚に並んだ塩だけではなく、ちょっと傾斜したカウンターに並ぶ塩。
本体の横に小皿が用意されていて、その上にその塩が置かれている。
テイスティング用なのだ。

 

 

 

 

 

 

井門「この“メルロー”って、赤ワインのメルローですか??」

 

仲里「はい、その通りです!
塩と赤ワインのコラボレーションです。ですから色もこの様に赤いんですよ。」

 

 

岩塩の結晶の様な粒なのだが、確かに…赤い。

 

せっかくなのでペロリ。

 

 

井門「あっ、コクがありますね!
赤ワインの風味というよりも、赤ワインのコクだけが足された塩。
これ、あと引く美味さですよ!」

 

仲里「お肉料理なんかと相性が良いですね。
面白いものですと、こちらはいかがですか?“牡蠣の塩”です。 


原材料はなんと牡蠣のみとなっております。」

 

井門「えぇ!!牡蠣だけで出来てるの!?
それちょっと面白いなぁ。ではひとつ… 


うわぁ、まるっと牡蠣のエキスだ!!!
塩なのでしょっぱいんですけど、全部が牡蠣!濃厚な牡蠣の味がします!」

 

他にも仲里さんのオススメで塩をテイスティング。
さすがソルトソムリエのセレクトは素晴らしい!
取材できたのに、井門も宮古島の海水をそのまま塩にした「雪塩」を購入。
塩のプロ、仲里さん!有り難うございました!

 

 

 

 

 

 

井門「まさか麻布十番に塩のプロがいるとはなぁ。」

 

永尾「腕の良い料理人も数多くいるエリアですからね。
それこそプロも買いにくるでしょうね~。」

 

 

そんな事を話しながら麻布十番を歩いていると、通りの途中に何やら面白いお店。
いや…かなり雰囲気のあるお店が…。
入口には「カレイドスコープ」の文字。
ショーウィンドウには何やら見た事のない道具達が並んでいるのであります。

 

 

 

 

 

お店の中に入るとそれこそ所狭しと並べられた「筒状の物」。
お店の名前から察するにこれは全て「カレイドスコープ」=「万華鏡」ということに?

 

 

石原「そうです。ここにある物は全て万華鏡です。」

 

 

そう教えてくださったのは店長の石原達也さん
並べられているのはアーティストが制作した一点物の万華鏡なのだ。

 

 

井門「様々な形の物がありますが…大小も含めて、全て万華鏡ですか?」

 

石原「そうです。タイプは様々ありますけどね。」

 

 

 

 

 

 

僕が知っている千代紙が筒に貼られていて、
それをくるくる回す玩具のイメージの万華鏡とは一味もふた味も違う。
全てアーティストの作品だけあって、価格も1万円台~数十万円のものまで!!
石原さんに教えて戴いたのですが、
筒の先端が凸レンズ状になっているものは“覗き込んだ景色”が展開していくのだとか。

 

 

井門「ちょっとミラクルさんや。
こっち見てよ(ミラクルに向けて凸レンズ型の万華鏡をくるくるしてみる)。」

 

ミラ「うん?こんな表情が良いのかな?(ちょっとドヤ顔)」

 

井門「気持ち悪い~!!
ミラクルさんがクルクルしてる~!キャッキャッ」

 

ミラ「こんな顔だって出来るぞぅ~!(更なるドヤ顔)
キャッキャッキャッキャッ」

 

永尾「(ヤ…ヤジキタってこんな番組なのか!?)」

 

 

他にもオイルを利用して、より幻想的な画を作り出すカレイドスコープも…。

 

 

石原「これは早く回すのではなく、ゆ~っくり、そ~っと回すんです。
ほら、こうして(手を差し伸べてくれる)」

 

井門「お~!!!凄い、綺麗だ!」

 

 

巨大な万華鏡を覗いた時には…

 

 

石原「これも覗いている所を後ろからペンライトで照らすと…」

 

井門「なんじゃこりゃー!! 


綺麗!ネオンサインみたい!!ダフトパンクみたい!!!

 

 

 

 

 

 

断言しても良い。
日本中探しても、万華鏡の中の景色を「ダフトパンク」と表現するDJはいない、と(笑)
1994年からお店は営業を開始しているそうだが、
今では万華鏡を求めてくるお客さんが増えたとか。
お店の個性は麻布十番の街にあっても決して負けない。
束の間の幻想的な体験、石原さん、有り難うございました!

 

 

 

 

 

 

なんでもあるとは聞いていたけど、まさか万華鏡の専門店があるとは。
麻布十番、やっぱりやりおる。ちょっと暮らしてみたいかも…。

 

 

永尾「おっ、新しいマンションが建設中ですね。
こんなの1Rでも家賃は15万とかするんだろうなぁ。」

 

テツヤ「1Rで、ですか!?」

 

永尾「まぁ、相場じゃないですか?」

 

 

さすがは高級住宅地。
「2DKで70平米くらいの部屋ないかなぁ~」なんてアホ面で聞かなくて良かった。
ドキドキしながら歩いていると…

 

 

永尾「あっ、ここのイタリアンは美味いんですよ。
夜になると芸能人のIさんがよく来てる。
あ~っ、あそこの居酒屋はほぼ毎晩、大御所のSさんが大きな車でいらっしゃいますね。」

 

 

夜の麻布十番もかなり楽しそう。

 

右に左にそれこそ万華鏡の様に楽しげなお店が立ち並ぶ麻布十番。
…って、アレ?こっちは浪花家総本店の方に戻っちゃってるんじゃないの?

 

 

ミラクル「その角に面白いお店があるでゲスよ!」

 

 

 

 

 

 

まだ若いお店ではあるが、なんと「かりんとう」の専門店であります。 


こちらの津久井亜矢子さんにお話しを伺いました。

 

 

 

 

 

 

井門「お店の中がかりんとうで一杯ですけど…。
一体何種類くらいが置いてあるんですか?」

 

津久井「えぇ、大体50種類くらいですね。
きんぴらのかりんと等が人気ですよ!」

 

 

こちらの「かりんと」はいかにも美味しそうなのだが、
そのパッケージも一つ一つが凝っている。
麻布の古地図をモチーフにしたものや、桜の花びらをモチーフにしたものなど、
これはお洒落さも相まってプレゼントに喜ばれそうであります。
それが証拠に取材中もお客さんがひっきりなし。
目の前に浪花家総本店があるので、
たい焼きとかりんとうで街を食べ歩きする人も多いみたい。

 

津久井「もう一つの人気商品がこちらになります! 


その名も“こがし黒蜜かりんとまん”。
毎日お店で揚げてますので、時間にいらっしゃれば揚げ立てをお召し上がり頂けますよ!」

 

井門「かりんとうで、黒蜜でまんじゅうで、香ばしく揚げてて…
もう美味しい要素しかないですやん!いっただっきまーす!! 


うわっ!!美味しいっ!!!

 

 

 

 

 

 

中にこし餡が入っているので、おまんじゅうではあるのですが、
黒蜜を練り込んだ生地と揚げてある香ばしさは、まさにかりんとう!
その不思議な食感が美味しさを無限ループしていきます(笑)
まだ若いお店とは言うものの、お客さんも多くいらっしゃってますし、
しっかり麻布十番の街に溶け込んでいるようでした!

 

最後に訪れたプロが凄かった。 


お店の名前は「レジュイール」。

 

 

 

 

 

 

こちら、ブティックの様な外観でもあり、美容室の様な外観でもある。
しかしその実態は衣類のクリーニングを専門とした、知る人ぞ知るお店なのである! 


代表取締役社長の古田陽祐さんにお話しを伺った。

 

 

 

 

 

 

井門「通常のクリーニングと違う点は…?」

 

古田「とにかくウチは全てが手作業でやってます。
ですから時間も料金も皆さんが普段出していらっしゃるクリーニングに比べると違います。
ただ、ウチに持ってくる衣類はそれだけお客様の思い入れの強いものという事だと思います。」

 

 

古田社長のお話しはまさに目から鱗でした。
諦めかけていた汚れがあるとするでしょう?
その衣類をこちらに持ってくると、奥のアトリエで一度洗浄のテストをするんですって。
汚れの一部分をクリーニングしてみて、
このぐらい綺麗になりますよというのをお客さんに提示するのだそう。
綺麗にしていくというのは生地を傷めるリスクもあるわけで、そのお話しもちゃんとして。
その上で納得をしていただいたらお店に預けるのだとか。
もちろんそうじゃなく、郵送で衣類を送ってくる常連さんも数多くいらっしゃるそう。

 

 

 

 

 

 

 

古田「クリーニングってどんな工程でやっているのか、
皆さんご存知ない事が本当に多いと思うんです。
ドライクリーニングやって、はいはい汚れは落ち切れませんでした、
そんな風にプロだと思っているクリーニング屋さんに言われたら諦めるでしょ?
でも洗い方や作業のやり方で、汚れは極限まで落とす事は出来るんです。 


まだまだ着れる服はあるんですよ!」

 

 

先代のお父様(現会長)からは仕事のやり方、お客様に満足してもらうには、
というマインドをその背中から教わったという古田社長。
お客さんの笑顔を見た時にやはり一番のやりがいを感じるそうだ。

 

 

古田「店頭で衣類をお返しした時に“もう諦めていたのに”と驚きながら、
でも笑顔になってくださるお客様を見た時にやってて良かったって思います。
作業場で働いているスタッフの一人一人にその笑顔を見てもらいたいくらい(笑)
みんな時間をかけて、丁寧に丁寧に作業してますから!」

 

洋服の汚れって、確かに取れなかったら処分って考えてしまいがち。
だってプロのクリーニング屋さんからNOを言われたらそりゃ諦める。
でもそんな衣類を救ってくれるプロが麻布十番にはいるんです。
はっきり言いましょう、料金は高いです。想像する以上に高い。
でも皆さんが思い入れのある衣類ならば、また綺麗になった姿を見たくありませんか?
僕はもっともっと早くこちらのお店を知っていれば…と後悔した衣類がけっこうありました。
古田社長!貴重なお話し、有り難うございました! 

 

 


―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 

 

 


東京都港区麻布十番。
街の雰囲気もそこで働く方々も、なんだか独特でした。
それは東京でも珍しい感じなのかな。
言葉では説明しにくいんですが、こういう街は都内でも珍しいんだと思う。
通常街の雰囲気は暮らしている人が作るか、
外から来た人が作るかの2種類のみのはずなんです。
例え観光地と住宅街が近い街だとしても、暮らしている人の個性が勝ったり、
外から来た人の個性が勝ったりで、バランスが取れる事はほとんどない。
なんだけど、麻布十番は暮らしている人と外から来た人の2種類の人が、
ちゃんとバランスよくこの街の雰囲気を作り上げてきた。
だからこそ何とも言えない独特の雰囲気がこの街にはあるような気がするんです。

 

ロケの最後はこの街の個性を語る上では外せない、 


やきとんの名店「あべちゃん」。
お洒落な街に赤提灯。
でもそれに違和感を覚える事もない。
それがきっとこの街、麻布十番。
色んなものの個性を許容する東京の中でも、とても東京らしい街なのかもしれません。

 

東京発どこ行くツアー、麻布十番編!
次は、どこ行く?