伝統と歴史が息吹く―、薩摩|旅人:吉村民

2014-04-04

幕末好きな私にとって、
薩摩は歴史が深いので、
何度行っても楽しい所!というイメージがあるのですが、
歴史を楽しむと共に、隣に寄り添っているように見えていたのが、
伝統。

薩摩焼酎、薩摩切子、そして新選組さえも逃げたという示現流と、
薩摩の歴史とともに積み上げられてきた伝統には
魅力的なものが沢山あります。

今回のYAJIKITAでは、
今でも受け継がれている薩摩の伝統をご紹介します!
まず、私が訪れたのは
薩摩示現流の東郷道場。

 

 

 

 

 

 

 

 

稽古が始まって。。。
言葉を失い、逃げたくなるほどの恐怖を感じたのは
「きぇーーーーー」という大きな声と
気迫にビックリしたから。


もし、手に持っているものが木ではなく、刀であり、
時代が幕末で、自分が薩摩と敵対している立場の者であるのならば
闘わずして、逃げていたと思います。


実際、幕末の京都では、
人切り集団だと恐れられた新選組でさえ、示現流の使い手に出会ったら、
一の太刀を避けて、逃げろ!と、言われていたといいます。


また、一撃によって相手を倒すという必殺の剣術だったために、
死体の傷跡を見れば、示現流の使い手に切られたことが
すぐにわかったと言われています。


私のそのような幕末好き故の示現流の前情報が本当だった、ということが、
今も受け継がれている示現流によって、証明された気がしました。
新選組の方たちを気の毒だった、とも思うほどの恐ろしさでした。


それを私が実際に感じられたのは
現代でも大事に受け継がれているからこそ。
恐怖と共に、感動を感じられる時間でもありました。

 

続いて訪れたのは
2000万円のお宝、薩摩切子がある指宿白水館 薩摩迎賓館。

 

 

 

 

 

 

 

 

2000万の薩摩切子!
どんなに美しいのか?!とワクワクして行ってみると。。。
透明の両手で持てるくらいのサイズのキラキラした薩摩切子が。

 

 

 

 

 

 

 

今でこそ、ガラスで作られた美しいもの、というのは当たり前かもしれませんが、
この薩摩切子が作られたのは幕末。
鎖国をしていた徳川時代に独自の施設、技術で
この芸術品を作り上げてしまったというのは、
どういうことなのだろうか?と、疑問と尊敬の念で
心はいっぱいに。


薩摩切子の製作に力を入れていた
島津斉彬さんの偉大さを改めて感じられる物でもありました。
また、薩摩迎賓館には
西郷隆盛が所有していて、現在も動くという金時計も展示されていました。
こちらもお値段にするなら2000万円!

 

 

 

 

 

 

しかし、私は西郷さんがとても好きなので、
西郷さんが使用していた時計を実際に見ることができ、
お値段以上に価値があるようにおもいました。
芸術と歴史を共に感じることが出来る薩摩迎賓館。
後世に残していきたい日本の宝物が沢山ある場所でした!

 

 

続いては薩摩切子工場へ。
江戸時代に生まれ、
海外への輸出や幕府や諸大名への贈り物などに使われていたとのこと。
尚古集成館には当時つくられたものが展示されています。
しかし、薩摩切子は戦争などによって、一度途絶えてしまっています。
それを現代によみがえらせたのが、薩摩切子工場です。
当時の伝統を再現し、守りつつも
新しい魅力も取り入れている薩摩切子は
本当に美しかったです。

 

 

 

 

 

 

 

私も欲しいものが沢山!
そして何よりも感動したのが職人さんたちの高度な技術。
とても細かく繊細な作業の結果、美しい薩摩切子が出来上がるのだと知ると
お値段も納得。


今後、日本の伝統として後世まで大切にされていくこと、間違いなし!
薩摩に今も受け継がれている美の伝統にうっとりしてしまう、時間でした。

 

 

 

 

 

 

 

続いては
薩摩焼酎の蔵元、本坊酒造株式会社へ。

 

 

 

 

 

 

本坊社長が本坊酒造の歴史から、オススメの焼酎まで
とても親切に案内してくださいました!
焼酎蔵は、今は焼酎を造る時期ではないのにもかかわらず、
薩摩芋の甘くていい香りに包まれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

実際に造る過程を見られるということなので、
次回は是非、見学をさせていただきたいと思うような
素敵な空間でした。


そして、
ソムリエである本坊社長に様々な焼酎を試飲させていただきました。
お酒は好きなのですが、
焼酎を楽しみながら飲む。というレベルには達していない私。
味わう、ということが出来るのか不安だったのですが、
まず、本坊社長のお話が面白く、薩摩焼酎に興味が深まり、
そして世界最高賞を受賞されたという「あらわざ」を試飲してみると。。。


「美味しい!」「飲みやすい!」と、ビックリ。


これまで、これほど飲みやすい薩摩焼酎には出会ったことがありませんでした。
飲みやすいのに、後味には薩摩芋の風味がほのかに残る、という素敵なお味。
世界の人に向けて作った芋焼酎、ということで、
沢山の方に愛される焼酎になりそうです。


現在、我が家では
毎晩、家族で「あらわざ」を飲ませていただいています、なくならないように、少しずつ(笑)


その他の焼酎も試飲をすることが出来るのですが、
焼酎が好きな大人はこれ!というパンチのある(私には)焼酎から
女性が飲みやすい梅酒やワインまでと、本坊酒造に来たら、自分好みのお酒が見つかる!というほど、
種類が豊富でした。


試飲といえども、美味しすぎるお酒が多かったので、
沢山飲んで、すっかりほろ酔いに。
幸せな時間を過ごせました!


今回のYAJIKITAでは、
薩摩に今も受け継がれている伝統を見させていただきましたが、
薩摩の歴史が濃い分、
伝統も素晴らしいものが残っている、と感じた旅でした。


ここまで、様々な伝統が根付き、
今も大事にされたいるという
土地は
日本、世界を見ても、なかなかないと思います。


幕末から世界を見ていた島津斉彬さん、薩摩藩。
その視野の広さ故に
誇れる伝統というのが、大事にされてきたのかもしれませんね。
大好きな鹿児島が、さらに大好きになってしまいました!


早くまた、鹿児島に行きたいです。

 

YAJIKITA ON THE ROAD
旅人は吉村 民でした!