江戸の涼に触れる旅|旅人:奥山奈々
2014-07-02
今回のヤジキタの旅は「江戸の涼に触れる旅」という事で
江戸の涼を探す旅に私、奥山奈々行ってまいりました。
夏の涼と言えば…打ち水や、目で見て涼しむ金魚とか?
怪談話なども涼になるのかもしれませんね。
私は最近、仕事で浴衣を着る機会が多いのですが、浴衣を着ると着ている自分はそれほど涼しくないのですが鏡を通してみた自分は何となく涼しそうに見えるような。
それも涼になりますでしょうか。
さて、ヤジキタの旅、最初に行ったのは日本橋の橋の上
川の上はやっぱり涼しいですよね。ひんやりした風が時折吹いてきました。
日本橋の麒麟の像、初めてじっくり見ました。
けっこうな迫力。架空の生き物の麒麟。かっこいいです。
この日本橋に今年の春、東京23区に初めて「川床」ができたのです。
橋からみえるその川床は
一瞬、テラス??と思うような感じのお店。
でも川沿いですから涼しそう(^o^)/ちょっと今度いってみようかなと思います。
江戸、東京を代表する日本橋から旅はスタートでーす!
最初に伺ったのは、涼しげな音の涼。
台東区台東にある「篠原まるよし風鈴」
そう!風鈴です。
お店の入り口にもたくさんの色々な柄の風鈴が爽やかな風を感じさせてくれる音を奏でています。
こちらでは、篠原正義さんにお話を伺いました。
篠原まるよし風鈴は江戸風鈴を製作しているお店で、
ひとつひとつ宙吹きで作られたガラスの風鈴を 江戸風鈴と呼びます。
風鈴はその昔、音で魔除けとして使われていたらしく、とてもとても高価なものだったという事です。
そして昔は全体が赤く塗られている風鈴が多かったとのこと。
風水の影響がかなりあったようです。
私の風鈴のイメージは透明に金魚や朝顔かと思っていたのでそのことにもびっくり!
今は、ナマズ、パンダ、スイカなどもあってかわいい風鈴もいっぱい。
最近人気だそうです。絵は裏から描くそうです。難しそう。
この日もたくさん風鈴の絵描き体験の方がいらっしゃっていました。
オリジナル風鈴もいいですね。
それに今は手に入る価格でありますからね。よかったです。
そしてガラスのふちがギザギザになっていて、ひとつひとつ音色が違うとの事。
自分にしっくりくる音色を探して買いたいですよね。
私も金魚の描いてある風鈴をひとつ買いました。これで涼を確保。
夏を涼しく過ごしたいと思います。
続いて訪れたのは、台東区千束にある「田中製廉所」
江戸すだれの老舗です。
お店に入ると目の前に色々な種類のすだれが展示されていました。
田中製廉所は明治初年から続くお店で、手作りのこだわりのすだれや、
すだれの他にもよしずや屏風など様々なものをつくっていらっしゃるんです。
すだれの元になる材料も竹やよしなど色々あって用途によって作ってくださるんですよ!!
こちらは親子2代でお店を守ってらっしゃるのですが
お店に伺った時も田中耕太朗さんがすだれを作っていらっしゃいました。
初めて見ましたが一人前になるには10年はかかるということで職人技です。
2階のショールームがこれまた素敵なんです~!!
すだれ障子があったのですが、向こう側が隙間から見えておしゃれな雰囲気。
これは和室にあったらとっても素敵だな~と日本の技術にうっとりでした。
年数がたって修理が必要になった時も、こちらなら直していただけるという事で
長く使うという意味でもエコですよね。
夏の暑いときも涼しい風を取り入れることができたり、日よけができたりと
涼を感じることができます!
そしてこの文化を守ることがとても大切だなと思いました。
最後にコースターをいただきました。ありがとうございます。
夏に麦茶、そしてこのコースターを使って涼をとりたいと思います。
次に向かったのは、中央区日本橋にある、扇子とうちわの老舗「伊場仙」
夏と言えば扇子欠かせません。暑いときも扇ぐと涼しくなりますよね。
こちらは天正18年創業かなり長い歴史のあるお店です。
創業当時からほとんど場所も変わっていないとのこと。すごいです。
店内にはとっても素敵な扇子やうちわがいっぱいでした。
こちらでは、伊場仙の取締役社長の吉田誠男さんにお話を伺いました。
そもそも、歴史的には扇子よりうちわの方が昔からあったそうです。
そのような歴史の話も吉田さんに伺いました。
あと、江戸うちわと京うちわの違いも知ることができましたよ。
詳しくは聴いてみてくださいね!
伊場仙では浮世絵版元もやっていて、こちらはうちわに浮世絵が描かれているのですが
これがまた、表と裏でつながっている物語があってとても興味深いものでした。
お客様の年齢層も幅広く、日本橋という土地ならではな気がしました。
今まで特に歴史も知らずに扇子やうちわ涼をとる道具として使っていましたが、
こうして歴史を知ると扱いかたも変わってきますね。
最後に訪れたのは
品川区北品川にあります屋形船「船清」
ちょっと敷居が高く見える外観…
沢山の立派な屋形船が川にずらーーー。
それだけでもなんだか感動でした。
中に入るとびしっと着物を着こなしていらっしゃる女将さん登場。
やはり敷居高そう~。
と最初は思いましたが、女将さんがとても素敵な気さくな方で、皆さん敷居がたかいイメージなようですがそんなことはありませんとのこと。
屋形船の女将・伊東陽子さんにインタビューさせていただきました。
船内は掘りごたつでとても座りやすく、実は船酔いをする私は心配だったのですがとても安定していて、最高に楽しい一時でした。
全国からの旅行者はもちろん、最近は海外からのお客様も多いということです。ロシアやメキシコなど本当にグローバル。
女将さんの粋なはからいで品川からお台場を周ってぐるっと船を走らせていただけました。
船から見る景色は陸から見るのと全然違って、貴重な体験でした。
外のデッキはずっと居たいほど気持ち良くて、暑さなんて忘れてしまいます。
解放感、爽快感、最高でした。
観光を船からできるというのは贅沢です。海外のお客様が喜ばれる理由もよくわかります。
乗合いの屋形船もあるということで、みなさんもぜひ一度屋形船乗ってみてください!
さて、エンディングは船清から運河沿いを歩いて10分、シーフォートスクエアです。
ここからは東京湾の花火大会がみえるということで、夏と言えば花火ですよね。
花火大好きです。あの夜空にキラキラする花火を見るとエネルギーがもらえますし
癒されますよね。
今年の夏、光の涼も楽しみたいですね。
江戸の涼に触れる旅と題して回ってみましたが
江戸を細かく見ていくと本当に歴史のある、技術や文化がいっぱいでとても
勉強になりました。
東京は新しい物ももちろんですが、このように歴史のあるものも混在していて改めて面白いところだなと思いました。
涼に触れるところが思っていたよりもたくさんあって、江戸ならではのものを発見できて
伝統を受け継ぐことの大切さを知りました。
新しくできた所だけではなく、もっと過去にさかのぼって触れてみるのも楽しいですね。
江戸の涼、奥深かった。みなさんにも涼を感じていただけたらうれしいです。
旅人・奥山奈々