冬の富山で、うまいもの尽くし!|旅人:井門宗之

2014-12-04

きときと…きときと…

 

私はね、もうその音が聞こえた瞬間
「うわぁ、なんだろうなぁ、なんだろうなぁ」って思いましたよ。
だってそんな音、聴いたこと無いんですから。
でもね、その音がどんどん近付いてくるのが分かるんだ。
さっきまで遠くで響いていた音が、もうすぐそこまで来ている。

 

きときと…きときと…きときと…きときと…

 

「近いなぁ、なんだろうなぁ、なんだろうなぁ…」って思っても振り返る勇気がない。
それでもどんどん近付いてくるんだ、その音が。

 

きときと…きときと…きときと…

 

私はもう勇気を振り絞ってバッと振り返りましたよ!そしたら… 


うわぁっ!!!




 

 

 

いつの間にか富山に着いてたんです!
そう、「きときと」ってのは富山の言葉で「新鮮」という意味(笑)
決して稲川先生の怪談ではございません。
季節はなんてったって冬。
冬はね、食べ物がぐぐっと美味しくなる時期なんですよ。 


そしてこの富山と言えば、富山湾の海の幸!
氷見のブリ!新湊の白エビ!
さぁ、コイ!かかってきなさい!どこをどう食べたって美味しいに決まってる季節!
こんな素敵な季節に富山に来ないなんてウソでしょ!ってな訳で、
今回のYAJIKITAはお腹が空いちゃうこと間違いなしのテーマです。
良いですか?夜中やお腹が空いている時にこの旅日記を読んだらダメですからね!
早速一行が向かったのは富山市内にある「まちの駅」。

 

 

 

 

 

 

富山のお土産と言えば…そうです!「ますの寿し」でございます。
お土産で普通多いのはお菓子だったりしますけど、
富山の方からは「ますの寿し」を戴く事が多い印象があります。
それくらい富山の方のソウルフードって事なんでしょう。(僕も大好物です) 


お伺いしたのはその「ますの寿し」を扱う味の笹義さん

元気で明るい安村徳満さんが今回の僕の先生です。

 

 

 

 

 

 

え?なんで先生かって?
何故ならこちらでは「ますの寿し手作り体験」が出来るんです。
凄いですよ(笑)「ますの寿し」を実際に作る事が出来ちゃうんですから!
体験の前に「ますの寿し」に関する「なるほど!」を教えて戴きました。

 

 

安村「歴史は300年ほど前でしょうか。
薬売りが行商のお弁当として持ち始めたのが始まりと言われています。
最初はますでは無く鮎を使っていたそうですが、
ますになって、それを食した8代将軍吉宗が絶賛。 


それ以来将軍家への献上品になったんですよ!」

 

 

なるほど、あの特有の丸い形の入れ物、
あれにも「丸く収める=縁起をかつぐ」意味が込められていたり、
ますの美しい色もどことなく気品が漂っている様に見えません??僕だけかなぁ…。
「味の笹義」さんは手作りにこだわっていて、だからこそ鱒を捌く事から始めるとか。
創業からおよそ50年の技術を、早速安村先生に教えていただくことに!

 

 

 

 

 

 

 

いやぁ…いつもは食べるだけの「ますの寿し」を手作り出来ちゃうってのも…感動。
37歳にして「3級」の称号も戴きました!
ちなみに翌日自分達で手作りした「ますの寿し」を戴いたんですけど…、 


えっと、自分で言うのもなんなんですが…絶品でした。

 

 

 

 

 

 

安村「地元の人でも作った事があるって人は少ないですからね(笑)
でも手作り体験に何度も来る地元の方もいらっしゃるんですよ!」

 

 

富山の方、どうでしょう?
こんな素敵な手作り体験(本物のパッケージに入った様は感激します)、
やってみない手はないと思いますぜ!

 

 

親分「テツヤ、お前は井門君が作った寿しと、俺が作った寿しのどっちを食うんだよ?」

 

テツヤ「井門さんっす!(即答)

 

親分「お前そんなんじゃ出世しないからな。
ちゃんと大人の回答ってのがあるだろ?ねぇ、横山さん?」

 

仏「ぼくはどっちも頂きます!

 

 

これだ…これこそが業界歴30年以上の貫録。 


すっかり機嫌を良くした親分を連れて続いて向かったのが氷見であります。
氷見と言えば寒ブリ。もうこの構図は全国区ですよね。
物凄いタイミングだったんですが、実は氷見の漁港に取材に行く前の夜。
仰天する程の雷が轟いたんです。しかも何回も。挙句の果てに雹まで降るわで、
驚いてtwitterで呟いたところ地元のリスナーさんから、 


「それは鰤起こしと言って、寒ブリの季節の到来を告げるものなんですよ!」
と教えて頂きました。
YAJIKITA取材中に鰤起こしなんて…やっぱりこの番組のYAJI魂は凄い。
鰤起こしを聞いて興奮覚めやらぬまま、 


僕らは氷見のブリを頂きに食彩居酒屋 灘やさんへ。

 

 

 

 

 

 

御主人の杉木克己さんにお話しを伺いながら、絶品のブリ料理を堪能。
出色は鰤のお刺身、いわゆる大トロ部分。
脂が乗っているのでおろした大根を巻いて食べるのですが、
コクのあるブリの脂を大根おろしがさっぱりと綺麗にしてくれて、
ブリの濃い味がちゃんと余韻になるんです。
お刺身はそれぞれの部位で味わいが違いましたし、勿論それだけじゃない。
ブリしゃぶ、ブリカマ、ブリ大根(味噌仕立て)、
更には豊富な海の幸が次々にテーブルを賑わせます!

 

 

 

 

 

 



 

 

杉木「氷見の海はそれこそ400種類から500種類の魚介が獲れますから!
ブリって言われますけど、その他の海の幸も本当に美味しいです!」

 

ウルメイワシの炙りも最高だったし、生鯖のお刺身も脂が乗って旨かった。
当然、ブリ尽くしの贅沢さ、旨さといったら言葉では表現しきれない。 


でもそれも全て氷見人としての杉木さんの誇りが、料理に反映されているからだろう。
氷見の海に対する愛、そして氷見の海で働く漁師さんへの尊敬が料理に込められている。
この夜は杉木さんともお酒を酌み交わし、
翌日早朝の漁港への取材のモチベーションを十分に高めて貰った。
そして翌朝…。

 

 

 

 

 

 

早朝6時から氷見の漁港は活気に溢れていた。
丁度漁から帰ってきた漁船からその日獲れた魚が水揚げされている。
並べられた魚の種類を見て、改めて前の晩に杉木さんから聞いた種類の豊富さに納得。
この日も豊漁のようだ。

 

 

 

 

 

 


しかもこの日は「氷見寒ブリ宣言」が出されるかもしれない。
我々の他に、このシーズン毎日漁港に取材に訪れる他メディアの皆さんの姿も。
それくらい「氷見寒ブリ宣言」というのは重要なものなのだ。 


氷見観光協会の奥村寿江さんに色々とお話しを伺う。

 

 

 

 

 

 

奥村「ここで働く皆さん、本当に格好良いんです!
皆さん誇りを持って、この海に出ているんです。」

 

 

威勢の良い声が響く氷見漁港。
カメラマンのテツヤと横山さんはセリが行われているすぐ近くまで行く事を許された。
通常はなかなか入れない、聖域であります。

 

 

 

 

 

 

生憎この日は「氷見寒ブリ宣言」が出される事は無かったのだけど、
ここから間違いなく氷見の魚は旨くなるわけです。
それを味わいに、そして海の男の誇りを感じに、氷見へ訪れてみてください。

 

 

まだまだ旨いもの尽くしは止まらない。
続いて向かったのは射水市にある新湊漁港です。 


お邪魔したのは「新湊きっときと市場」。

 

 

 

 

 

 

 

中に入ると並ぶ並ぶ!富山の旨いものだらけでございます。
この時期、ついにきた、ズワイガニも立派なものがずら~っと!
観光客の方々も思わず溜め息を漏らすくらい。 


こちらの支配人瀬戸健司さんにお話しを伺いました。

 

 

 

 

 

 

瀬戸「富山には旨いものが沢山ありますが、
有名なのがブリ、ホタルイカ、白エビです。
中でも白エビって言うのはここでしか獲れない貴重なものなんですよ。
ちょっと前までは白エビのかき揚げが有名でしたけど、
最近は生で食べさせる白エビの丼が人気です。」

 

 

聞いているだけで涎が出そうですが…。
白エビはサイズも小さく、悪くなるのが早いんだとか。
だからこそ富山以外ではなかなか食べる事が出来ない。
でもここに来れば、それが贅沢な丼となっていただくことが出来る!

 

 

瀬戸「ここのお店ではその白エビと紅ズワイを丼に載せた紅白丼を出してます!」

 

井門「白エビと紅ズワイの紅白丼!!?

 

 

 

 

 

 

世の中にこんな贅沢な、そしてこんなに美味しい紅白があっただろうか…。
一口頬張れば、白エビの濃厚な味わいが口をいっぱいにし、
紅ズワイの繊細な甘味もジューシーさと共に広がっていく…。
まさに口の中が富山の海そのものになっていくのです。

 

 

 

 

 

 

YAJIKITAで色んな美食を経験している我々も、
こんなに上品で繊細な海鮮丼は経験した事がないかもしれません。 


これは間違いなく必食です!!

 

 

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この番組のスタッフ:テツヤは最近のほぼ全ての映像を担当している。
故に彼はここ2年程のYAJIKITAに登場したほぼ全ての旨いものを食いつくしている。
その彼が、今回の旅で何度も何度も「最高に旨いっす!」を連発した。
それだけ冬の富山には旨いものが溢れているのだ。
はっきり言って1回じゃ足りない、食べ尽くせない(笑)
もう番組が続く限り、富山旨いもの尽くしはレギュラーで…いやいや。
きっと日本全国、冬という厳しい環境が食べ物を旨くするに違いないのです。

 

この旅はあくまでも入口。
あとは皆さんが地元で冬の旨いものを堪能してください!
そしてそれを皆に紹介してあげてください。

 

そうする事で、きっと自分の地元にもっともっと誇りを持てるはず。
これからの季節、日本中が旨いもので溢れるんだ~!
そんな季節の訪れを喜び、
目いっぱい楽しもうじゃありませんか~!!
富山のみなさん、また必ずきますからね!!
御馳走さまでした~♪