ドッキリ!?棚橋麻衣、女子力アップの旅~真冬の修行編~|旅人:棚橋麻衣
2015-01-16
あーーーーー!!
ったく!!!!!
なんだぁ、この旅番組は!!!!!
どうかしてるぜ、おい!!!!
…あら?(照)
やだーーーー(恥)
オホホ(苦笑)
冒頭からすみませんッッッ、あたしったら、ついつい心の声が漏れちゃいまして♩(テヘペロ)
みなさ~ん!
新年あけましておめでとうございま~す♩
今年も、旅人棚橋麻衣を、どうぞよろしくお願い致しま~す♩
さて、今回の旅人は、私がつとめるわけでして、
この旅の結末は、この旅日記にたどり着いたアナタなら、どんな結末かはご存知なわけですよね。
では、最初にまず一言、私に向かって大きな声で、言ってもらってもいいですか??
せーの!
棚橋!!!!!お疲れ!!!!!!!
…ん??聞こえないよ??もっと大きな声で!
せーの!!
棚橋!!!!!お疲れ!!!!!!!
ふぃーーーー!!!ありがとうーーーーーーー!
そうだよ、そうだよ、クッタクタだよ!
やりきったよ!!
振り絞ったよ!!!!
レポーター歴9年。
これまで数々の現場でロケをしてきた私にとって、2015年最初のレポートが、まさか過去最大の強烈ハードなロケになるなんて、思ってもみなかったわけです。
そりゃ、過去にもハードなロケはありました。
富士山に登りながらの中継。
総距離160キロ自転車をこいでのレポート。
マイナス15℃冬キャンプでのテント泊。(※ちなみに、これ、企画はミラクル吉武!あいつめ!)
激辛企画での顔面アップ。(※ご存知、ヤジキタ)
急勾配の箱根路ダッシュ。(※これも、ヤジキタ)
競泳用水着でスライダー×2本。(※あっ…またヤジキタ)
こんな感じで(ヤジキタ率高いじゃんかよ!)、体当たりでレポートをしてきたわけです。
これまでは、なんとかやってきたのです、なってきたのです。
ただし!
今回ばかりは、初めて、
[なんとかならないかもしれない!!!]
と思いました。
その気持ちは、オンエアの中で皆さんにお聞き頂いたであろう、私の悲鳴~絶望~不安~絶叫へと形を変え、
最後は、覚悟へと変わるのです。
さて、今回の旅日記ですが、旅の内容に行く前に、
まずは少ーしだけ、今回のロケ当日までの流れを、順を追って書かせて頂きますね。
◆①12月某日、マネージャーから連絡◆
マネ「ヤジキタのロケが決まったよ。」
棚橋「ロケ内容は何でしょう?」
マネ「あー、聞いてないな…ただ、井門さんが、[今回も、棚橋さんに喜んでもらえる企画になっているかと思います!]とは言ってたな。よろしくね~」
(また激辛系かスポーツ系だろうな。よし、走り込みでもしとくか!)
◆②ロケ3日前、作家・ミラクルからメール◆
『棚橋様 ロケの台本送ります。スパ取材があるので、水着持参でお願い致します!追伸…当日は、棚橋が思う、最高の勝負服でロケに来てください。』
(また水着かよ!!でも…勝負服??スパ取材??ちょっとイイカモ!!)
ロケ台本を見てみると…そこには、
棚橋女子力アップの旅~第2弾~
の文字が!
(ナニナニ…横浜イルミネーション編!?場所は…みなとみらいの結婚式場からの、カフェからの、スパからの、イルミネーション!?!?!?!?!最高やんけーーーーーー!!!!!)
◆③ロケ2日前、渋谷に買い物◆
ざっくりニットを購入。7980円。
U○Gの新作ブーツも購入。20000円。ずっと欲しかったやつ、この際だから♩
ロケに着ていく勝負服が決まる。
◆④ロケ前日、ミラクルから再度メール◆
『棚橋様 どうやらスパ取材に、バスタオルが必要だそうです。ご持参ください。』
(いまどき、バスタオルを持参するスパなんてあるんだ…へぇ…)
クローゼットの奥底に大事にしまってあるタオルを出す。
結婚祝いに友人からもらった大好きなマリ○ッコのバスタオル。
ここぞ!というときに使おうと思っていた。
この女子力の高いタオルを使うのは…今だな…うししし♡
◆⑤ロケ当日の朝、集合場所にて◆
みなとみらいは日本丸メモリアルパーク付近で待ち合わせ。
「BMWが停まってるから、それを目指して来て!」との指示。
そこには、みなとみらいによく似合う洗練されたBMWの2シリーズ アクティブツアラー!
その側には、今日の私の勝負服を、メイクを、髪型を、何より気合いを、
作家ミラクル、ディレクターN尾さん、映像テツヤくんが笑顔で迎えてくれたのだった。
…と、
ここまでが、ロケ決定の報告を受けてから当日朝までの流れです。
え?何?
ここまでが長いって?早くロケの内容書けよって??
では言いましょう。
皆さん、すでにご存知かと思いますが、
今回のこの旅は、ヤジキタが某大手プロダクションに所属する私に仕掛けた、
ドッキリ企画なのであります!!!!
ということは…今回の旅、ヤジキタスタッフに関して言えば、①のマネージャーへの連絡から始まっていたのです!!!!!!
くそーーーーーーーーー!!!!!!!!
私だけが、てっきりすっかり素直に完全に、[みなとみらいの旅]だと思っていたわけです!!!!
ちきしょーーーーーーー!!!!!!!!
というわけで、私を騙すということに莫大なる時間をかけてくださったスタッフのためにも、ここまでをまずは丁寧に振り返らせて頂きました。
あしからず。
いや~、当日朝の私の姿は、非常に滑稽であったろうよ。
ニセ台本を信じ込み、舞い上がって服を買い、卸したてのお気に入りのタオルを持参し、メイクばっちり、髪は外巻きで登場した私…仕掛人だったら、笑わないはずがない。
今思えば…待ち合わせ時のスタッフ3人の笑顔は…そう!!悪魔の笑みだったのだ!!!!
私が服やブーツにかけたお金は、彼らの笑いを誘うため。ヤジキタスタッフの笑顔のため。プライスレス。
…いやいや、お金返して!!
さて、ここからは、当日の流れにそって日記を進めて参りましょうか。
もちろんドッキリ企画なんてことは露知らずのあたくし、
日本丸メモリアルパークにてテンションMAXのオープニングを収録。
N尾さんとテツヤくんに、
「ワクワクする感じで、元気爆発な感じでお願いします!」
と言われたからね、そうしたよ。
BMWに乗車後は、車内の様子をレポート。
革張りのイスはゆったりと座り心地がよく、ガラスルーフからは太陽の光がサンサンと降り注ぐ明るい車内、自然に会話も弾む。
ミラクル(以下:ミ)「じゃ、ちょっと移動するから、高速乗るよ。」
棚橋(以下:棚)「え?最初のロケ場所の結婚式場って、遠いんですか?」
ミ「新横浜の方だから、少し距離あるんだよ。」
棚「そうなんすね~了解です!」
…あたくし、まだ気づきません(汗)
ミ「じゃぁさ、この時間で今日のファッションのポイントなんか語ってよ!」
棚「いいですよ!」
N尾さん、マイクを準備。
棚「今日は、男性の好きそうなざっくりニットがメインです。髪型は、ちょっと外はねにしてみましたー!誰を意識したでしょう~」
ミ「分かんないなー」
棚「本田翼ちゃんでしたーーーーーー」
N尾さん、機材を止めて、「いーねー!ニットいーねー!」の合いの手。
なんだろうか、BMWの車内は盛り上がりすぎて、完全に場末の飲み屋臭が漂っていた。
ふと時計を見ると…あれ?そうだ、そういえば、30分くらい高速に乗ってるよね?
ミ「そうなんだよ、みなとみらいから新横浜ってわりと遠いんだよな。」
棚「そうなんですね~同じ横浜でも広いんですね~」
…はい、私、ま~だ気づかないんです(汗)(汗)
N尾さん(以下:N)「ミラクルさーん、ちょっとトイレに行きたくなったので、どこか寄ってもらえますかー?」
ミ「いいですよ!じゃ、次のSA寄りますね!」
N「棚橋さんは、トイレは大丈夫ですか?」
棚「…はい。」
これにはさすがの棚橋も……とお思いでしょうが、なんと、まだ気づかないんです(汗)(汗)(汗)
N尾さんとのロケが初めてだった私、
(間もなくロケ現場に着くであろうに、よほどトイレが我慢出来ないんだな。いや、きっとトイレが近い人なのかもしれない。オジさんの頻尿に関しては、そっとしておこう。)
なんて、まさかの気遣いすらみせていたのです!
SAを出発して、20分経過…いよいよ綺麗な丹沢がみえてきて、そのまま進んだ車は、いつの間にかあきる野市へ。
棚「え?東京入っちゃったじゃないですか!!」
ミ「だね~…こっちであってるんだけどな…」
棚「この辺りも、大きく括ったら横浜なんですか?」
N「そうなんだね~」
棚「へ~!やっぱ、横浜って名前のブランド力はすごいんだな!!」
…お分かりかと思いますが…私…まだ気づかないんです(汗)(汗)(汗)(汗)
むしろ、妙に何かを納得してしまっているのです。
そこからさらにBMWは進み、いよいよ檜原村へ。
一本の峠道がクネクネしていて、周りは、山!山!山!
棚「ねぇ…こんなところに、本当に結婚式場なんてあるんですか?」
ミ「あるはずなんだけどね…」
N「通り過ぎてないよね…でもこんなとこにあるなんて、本当信じられないよね。」
棚「ですよね~。でも、逆にこの辺だと敷地が広くとれて、コストは抑えられるから、式場を経営するのに穴場なのかもしれないですよね!!!送迎バスで送り迎えすればいいんだし!!!」
N「…そうだね。」
…はい、皆さん、そろそろ突っ込んでいいですよ!バカか!と。
私も、今、この日記を書いていて、改めてバカか!と思いましたよね。自分を。
でも、人間の信じる気持ちって、本当にすごいです!!!!(開き直り)
峠道沿いの断崖絶壁に建つ大きな施設に、窓をずっと見ていた私はすぐに気がついた。
いくつか幟に混ざって入り口近くには、ここのお寺の名前なのであろうか、漢字がいっぱい書かれた
大きな幟が目立つ。
…こんな場所にあるお寺、一体誰が来るんだろうか…
ミ「ここだ。着いたよ!!」
棚「……へ??…ここ!?!?!え!?え!?え!?!どういうことーーー!?!?!」
N「はい、これ、新しい台本です!そっちのみなとみらいのは捨ててください!」
棚「は?!は?!は?!うそでしょーーーー!?!?」
ミ「なんて書いてある?読んでみて!」
棚「うすき…やま…しんごん…しゅう…てんこうじ…ここは、修行のできるお寺で、今から真の女子力を会得するため、
過酷な修行を体験してもらいます!?!?!はぁぁぁぁぁ!?!?!えええ!??!?!??!」
…自分でいうのもなんですが…ここまで見事にドッキリに引っかかる奴っています?それだけ、心がピュアなのだ!と叫びたいけど、この瞬間の私は、もうパニック!
何が何だか、なんでこうなっているのか、理解不能。ただただ絶叫。そして、動揺。呆然。
ほら!行くぞ!と急かされ、強引に車から引き摺り下ろされた私。正直この先何が起こるか分からない不安でいっぱいだった…
ブツブツ文句も言いながらお寺の入り口を開けると、
「いらっしゃいませーーーー!!」
と大きな声!!
迎えてくださったのは坊主頭の若いお兄さん2人。
修行僧なのであろう、きりっとした顔立ち、ハキハキとした話し方が印象的で、それが私に更なる不安をもたらす。
…こんな本格的な人がいるのーー!勘弁してよーーーー!…
心の叫びが漏れてしまいそうなのを必死に引き攣った笑顔で返し、奥へと案内されるがままに進む。
がらんとした部屋には、大音量のお経が流れていて、綺麗な祭壇があり、その正面にテーブルがポツンと置かれていた。
その上には、修行の申込書と承諾書が2枚。
いわれるがままに申込書と承諾書にサイン…
「お前はもう逃れられない…」とどこからともなく声が聞こえてきそうで、しかも施設内がとても寒くって、身体はガタブル…
BMWを強制的に降ろされてから、わずか10分の間にバババーと状況が変わりすぎて、この光景に恐怖心さえ覚えてしまった。
それを拭いたくて、修行僧の若いお兄さんにおどけてみる。
「私、今日、みなとみらいのロケだって聞かされてたのに、騙されてここに連れてこられたんですよ~てへへへ~」
「あははー、それは大変ですねー」
数秒だけ笑顔をみせてくれたものの、すぐにキリッとした真顔に戻るお兄さん。
…はい、分かりました。降参です。諦めます。
棚橋麻衣(31)、こちらでしっかり修行をさせて頂きます!!
さて、こんな感じで、今回私がお世話になる修行寺[臼杵山 真言宗 天光寺]
場所は、都心から1時間半、西多摩。
スランプに陥ったスポーツ選手や不登校の学生、会社の新人研修から親子連れまで様々な方が訪れ、修行体験をすることができるのだそう。
最近では、女子同士で滝行をしたり、誰もが知っている芸能人なんかもお忍びで来るんだって。
挨拶の作法、読経、腹式呼吸、発声法、お百度参り、滝行などを、日帰りから宿泊まで、それぞれの目的に合わせて選ぶことができる。
今回の私の修行のメインは、何と言っても滝行!!
この日はなんとも不運なことに、日本列島が大寒波が押し寄せ、関東地方にも冷たーい風が吹いていて、気温も急降下。
こうなったら、日の高いうちにとっとと修行を終わらせてしまいたい!!!
…が、そんな思うようにはもちろんいかず…
まずは、発声と挨拶の作法から学ぶことに。
大広間に、修行僧の若いお兄さんと2人、向かい合わせ。
この施設では完全に浮いてしまっているざっくりニットの上から行着を着て、髪の毛が外はねのまま正座で息を整える。
スタッフは、さぞかし面白かっただろうよ!
「では、僕の後に続いて、まずは挨拶からです。」
そういうと、大きく吸い込んだ息を全て私にぶつけてくるかのような勢いで、自己紹介を始めた。
その声の大きいこと!!
私も続く。
「東京都から参りました、棚橋麻衣です!!どうぞよろしくお願い致します!!」
目一杯の声を出すが、なんだかしっくり来ない。
体育大卒の私、声出しには慣れているはずなのに、気持ちよく抜けたような声が出ないのだ。
緊張して強ばっているから?それもあるのだろうけど、やはりお兄さんとの一番の違いは、修行の数、時間、年数。
一筋縄ではいかない…だから積み重ねることが大事なんだな…
ここから30分続く作法や呼吸法、発声法の中で、少しずつ心が落ち着き始めた…いや、現実を受け入れ始めた私だった。
「ご飯をどうぞ!」のお声が掛かる。
待ってました!正直、騒ぎすぎて、驚きすぎて、お腹ぺこぺこ!!!
移動中の車内で、「結婚式場のロケが終わったら、中華街とかいきたーい」なん、わがままタレントのようなことを言っていた、あの私が懐かしい。
もはや今の私は、借りて来た猫のように静かである。
でも猫でも腹は減る!!
というわけで、場所を移動し、住職や一般の参加者の方も交えての食事は、『精進料理』
『精進料理』を辞書で意味を調べると…
野菜,海草など植物性食品を材料とした料理。精進とは,仏教用語で,美食を戒めて粗食をし精神修養をするという意味であったが,仏教では「不殺生戒」を第一とし肉類を用いないことを原則としているところから,肉類を使わない料理のこと
だそうだ。
名前は聞いたことあったけど、食べるのは初めて。
テーブルに並べられた料理は、食材そのものの色彩が鮮やか。一口食べると、身体の中が浄化されていくような優しい味がした。
しかも全てが元料理人だった住職の手作りだというから驚き!!
特に、麻婆豆腐なんて、お肉の代わりに干し椎茸が使われていたんだけど、その歯ごたえやコクに、ご飯もすすんだ。
中華街の麻婆豆腐ももちろんいいけど、これはここでしか食べられない!
ほっこりした時間に、私の緊張もだいぶほぐれてきた。
…が!しかし!
楽しんではいられない!!
滝行へと向かうその時間は、刻々と迫ってきていた。
「では、こちらにお着替えください。」
といって渡されたのは、滝行用の行着。
これまで何人の方がこれを着て身を清めたのだろう、使い古された白い行着からは、たくさんの人の想いが伝わってくるようだった。
ロッカーで、最早ヤジキタで御馴染みとなりつつであろう競泳用水着に着替え、その上から行着を羽織る。
ここで一つ、カミングアウトするが、
実は前回の温泉スライダーのロケで、こともあろうか、私はニップレスを忘れてしまった。
ニップレスを貼らないと、わ~お♡に近いようなことが起こってしまうかもしれない…ヒヤヒヤだった前回を思い出し、
今回は、家からニップレスを貼ってきていたのだ!!
「今日のスパ取材、気持ちいいだろうな~」と思って貼ったニップレス、まさか、こんな形で使うことになるとは。
さらにもう一つ!
当日までの流れの中で書かせて頂いた、バスタオルの件。
お気に入りのマリ○ッコの、ちょーー可愛いピンクのタオル。花柄が大きくプリントされ、都会リゾート感満点である。
スパの取材にいくからこそ、持ってきたのだよ、このタオル!!!
まさかそのタオルを、しかも卸したてを、山の中で滝に打たれたあとに使うことになるとは。
※この件については、ロケ後のとある飲み会でナレーションの英子パイセンに力説した。そしたら、スタジオでフォローしてくれた!ありがとー英子パイセン!!!!!!!!
準備を終えて、次の場所までは車で移動する。
水着にペラペラの行着を羽織っただけの私に、大寒波は非常にキツい。少し風に当たるだけで、「ぎゃーーーーさみーーーーー」と言っているのだよ、このあと滝に打たれるなんて、やっぱり信じらんない!!!!!
車で走ること10分。
到着したのは、天光寺の持つ小さな修行施設。
ここでは、滝行に入る前の『御百度参り』が行われる!!
ふーん、まだ滝には入らないんだ~なんて軽くとらえていた私。
しかーーーし!!!!!この御百度参りが辛かった!!!!!!!!!!
施設を進んだ奥の川沿いに、一部コンクリートが敷かれた場所があり、「南無大師遍昭金剛(なむだいじへんじょうこんごう)」と書かれた石碑が2つ、10メートルくらいの感覚をあけて立っている。
この10メートルの間を「なむだいじ~へんじょう~こんごう~」と唱えてダッシュするのだ!しかも裸足で!!
何度も言うが、この日は日本列島を大寒波が襲っていた。
すでに私の格好は、この日の気温には信じられない有様なのに、さらには裸足だよ!!
よーーーーーーーく冷えたコンクリートは、足の裏から全身へと冷えをもたらす。
指先でちょんちょんとしか歩けないような状況の中でのダッシュなんてありえません!!!こんなん、体育大のダッシュのが余程ラク!!
しかもこのお百度参り、スタッフのお兄さんが「終わりでーす!」というまで続けなきゃならないんですよ!!!!
スタートしてからわずか15秒で、足の裏がコンクリートの冷たさで痛くなる。
落ちている小石や小枝を踏むと、ピキーーンと激痛が走るこの感覚と言ったら!
それでも、「なむだいじ~へんじょう~こんごう~」と大きな声でいいながら、一人黙々と走らなければならない。
こればかりは、ヤジキタスタッフに「音も映像も写真も撮れたでしょ?じゃ、もう終わっていいよね??」というわけにはいかないのだ。なぜなら、これこそが修行だから!!!!
オンエアではお時間の関係上、ほんの一部しか使われていませんが…20分は走っていたかと思います。
この寒さに全く慣れることない20分は、本当に辛かった…。
ヘロヘロになった私を見たミラクルは、「大丈夫か?!おぶるか?!」と言ってくれた程。
思わず、「はい…」と言いそうになるが、その瞬間、お兄さんと目が合い、「おいおい…まさか、自分の足で歩かないと言わないよね…」的な厳しさに、「大丈夫です!」と強がる。
※注:スタッフのお兄さん、すごく優しいひとです。これは、私の勝手な妄想です。
さあ、修行の本当の厳しさを知った私は、いよいよ、本日のメインイベントであります[滝行]へと向かいます。
またまた場所を移すため、車で移動することおよそ15分。
山道の途中で車から降りて、そこからは、なんと10分程の登山!!!
これがまた痺れる10分でして、道無き道をいくのである。
水着と行着、足元はU○Gのブーツ(もっかい言うけど、20000円ね)、こんな登山があるだろうか。
ブーツはあっという間に土にまみれ、聞いてないよ~~~~~~!!!
半泣きで到着したのは、『小天狗滝』
山の中にひっそりと、でも勢いよく流れ落ちるこの滝、修行をするための安全面などにきちんと配慮された場所だという。
滝の方から私の元へ運ばれてくる空気がいっそう冷たく感じられ、同時に、神聖なるこの水の冷たさがいかなるものなのか恐ろしくなる…
「初心者の方は、呼吸が上手く出来なくなってしまうことが多いので、どんなに冷たくても絶対に焦らないでください!そして、息をひたすら吐くことを意識してください!!」
説明を聞く私とスタッフの顔は真剣そのもの。
そう、これは私の身体をはった、私と向き合う、私のための時間なのだ…
笑いをとるとか、映像に可愛く映ろうとか、褒められようとか、そういった邪念は全て捨てよう!!
ダメだったらダメで仕方ないけど、自分に負けるのだけは絶対嫌だ!!!!
静かに誓った私は滝壺へ向かう…
「それでは、足からゆっくり入水してください。」
覚悟は決まった!!行ってきます!!
まずは足先から、ゆっくりと…
ちゃぽん。
うぎゃぁぁぁぁぁぁぁつめたいいいいいいい!!!むりむりむりむり!!!!!!
10秒前の覚悟はどこへやら、焦って騒ぎだす私!!
落ち着け!落ち着け!とは思うが、こんな冷たさで落ち着いてられるかい!!
「そのうち慣れてきますから、ゆっくり入って、滝に向かって行ってくださーい!」
そうだ、さっきの御百度参りの気合いを思い出せ!!
えい!
はっ!
ふ~!
よっ!
やっとの思いで両足を滝壺に入れて、滝に向かって歩き出す。
滝はすぐ目の前なのに、なかなか足が進まない。
ようやく滝に近づいたところで、180度回転し滝に打たれる準備。
1歩1歩と後ろに下がりながら、さらに自分の背中を滝に近づける。
水しぶきが身体に当たり始めた瞬間から、本当に息が出来なくなった。
寒さと冷たさとしぶきの勢いが、身体にどしっと乗っかってきて苦しい。
ふーふーふーふーふー
とにかく息を吐き続ける。
「もうちょっとだ!あと1、2歩、後ろに下がれるか!?」
スタッフの声が聞こえ、重い1歩を踏み出すと、頭の上に勢いよく水がかかってきた。
さっきよりもずっと苦しい。
ふーふーふーふーふーふー
ただただ息を吐き続ける。
無になる…というより、何も考えられない、考える余裕なんてない!
ふーふーふーふーふーふー
「終了でーす!!」
と言われた瞬間、ガタンと全身にのしかかる冷たさにハッとして我に返る。
「棚橋ーいやーよくやったよー!」
「おつかれーやったなー!」
スタッフの温かい声のする方によろよろと歩いていって滝壺から上がると、もう寒いとか冷たいとかじゃなく、身体がよくわからないことになっていた。
「僕がブーツ履かせますね!肩につかまってください!」といってくれたのは、映像テツヤくん!惚れた!
私、やったよ!!やったよ!!自分に勝ったよーーーーーーー!!!!!
ねぇ皆!リスナーの皆、伝わったよねーーーーー!!!!!!!
天光寺に戻り、この修行の締めくくりを住職の高尾さんにして頂く。
「ここに来たときと今じゃ、全く目の輝きが違う!誰が見ても分かりますよ!!」と高尾さん。
そりゃ数時間前に動揺したままここに連行されたわけですからね。でも、すでにそのときの自分が懐かしく感じるのは、このわずかな時間でも成長できたってことなのかな。
高尾さんの言葉は続く。
「自分自身を愛してください。皆が自分を愛しながら変わっていくこと。その中で、自分の本来の姿はなんなのかを知る、それが大事です。」
女子力という言葉、皆さんにもいろんなイメージがあるだろう。
私は、それこそ『流行』とダイレクトに結びついているような気がしている。
そこで「個」を出していくのは、実は結構エネルギーのいることで、とても勇気のいることだとも思っている。
こうやって改めて考えてみると、私の考えていた女子力って、すっごく小さな世界での価値観だった。
己を見つめ直す、鍛え直すことで、本来私たちの持っている泥臭い人間力が高められ、本当の輝きが生まれるのではないか!
その輝きこそ、乙女が永遠に追い続ける女子力そのものの姿ではないのか!!!
泥だらけになったブーツが、愛おしく思えてきた…
あれ…私が着てきたニット…実は全然似合ってなかった?
こんな新たな発見も楽しい帰りのBMW。
「でも、ちょっと残念なんだよな~」とミラクル。
ん?何がですか?
「棚橋さー、実はあんまり滝に当たってないんだよ~」
え?
N尾さんも続く。
「そうそう!本流の横っちょの、チョロチョロ~ていうとこで、やんわーり打たれただけなんだよな~」
へ?
そしてテツヤくん。
「映像的にも…ちょっとですけど…まぁなんとかやってみます!」
おいおいおい!
黙って聞いてれば男どもよ!
打たれてもいないくせに好き勝手なこと言いやがって!
どれどれ、写真みせてごらん!
…あ。ほんとだ…。
写真だと、水しぶきにしか当たってないような弱気なあたし。
この分だと、まだまだ女子力アップへの道は、遠いようです。。。(涙)
ガックシ。