1300年の歴史!世界文化遺産・美濃和紙に出会う旅|旅人:奥山奈々

2015-02-19

 

皆さんこんにちは!旅人の奥山奈々です。

 

今回は初めて関東から離れて、なんと岐阜県まで行きました。

 

今回の旅は「1300年の歴史 世界文化遺産 美濃和紙に出会う旅」です。

 

本美濃紙、石州半紙、細川紙の3手漉き和紙が文化遺産になったことで、今注目されていますよね。

 

手漉き和紙が日本の素晴らしい技術で文化だとはわかっていたものの、
実際、本美濃紙がどのような和紙なのか知らなかったのですが、
今回の旅で、この和紙が文化遺産になった理由がわかりました。

 

まず、最初に向かったのは、本美濃紙保存会 澤村正工房の澤村正さんの所です。

 

澤村正工房に近づくにつれて、景色はどんどんのどかになっていきました。車の通りもあまりない静かな自然に囲まれた所に工房はあります。

 

 

 

 

 

 

 

到着してすぐ目に入ってきたのは、外に立てかけてある、本美濃紙を乾燥させている板の数々でした。

 

 

 

 

 

 

本美濃紙保存会の会長でもある 澤村正さんにお話しを伺うことができました。

 

本美濃紙を漉く工房が廃業していくなか、澤村さんは本美濃紙を絶やさないために
工房を守り続け、今ではいろんな地域から来たお弟子さんを育て、本美濃紙の伝統を引き継いでいらっしゃいます。

 

澤村さんが特別に本美濃紙を漉くところをみせてくださりました。

 

楮の入った漉き船を縦と横に70数回動かして紙が出来上がっていきます。

 

 

 

 

 

 

漉いている澤村さんの動きは、70年近く本美濃紙と向き合ってきた澤村さんでしかできない、自然な動きで、徐々に紙が出来上がっていく様子は何か不思議な奇跡をみているようでした。

 

澤村さんは、見るだけでその紙の厚さもわかるので、自由に紙の厚さも変えられるのです。
澤村さんのように、漉くことを続けてきた方がいるからこそ、この本美濃紙が文化遺産になり、また未来へ引き継がれていくというのは、本当に素晴らしいことだなと思いました。

 

 

 

 

 

 

澤村さんのところで修業をなさっているのは私と同じ年の寺田さん、なんと女性です!
紙が好きで澤村さんのところで修業なさっているとのこと。寺田さんのように本美濃紙を受け継いでいってくださる方がもっと増えるといいなと思いました。
寺田さんが漉いている姿を見たのですがかっこよかった!

 

 

 

 

 

 

使っている水は井戸から引いている水で、その水があって、空気もきれいで
その土地でしかできない和紙ができるというのも納得しました。
水は軟水で、美肌になると教えてもらったので、手だけでも!と思い
手をその水に浸けてみたら、その後も手が乾燥せずにしっとり~!!
家まで引きたいこのお水~~!!最高な水でした。

 

 

 

 

 

 

澤村さんの今までの苦労話や本美濃紙の事、いろいろお話伺ったのでインタビュー聴いてくださいね☆

 

 

続いて向かったのは、本美濃紙を使って衣服を作っている、「みの紙舞」です。

 

店舗の入り口には和紙とは思えない、ウエディングドレス!!

 

 

 

 

 

 

和紙で出来ている洋服はきっとごわごわしているのだろうと思っていたのですが、
どの商品を見ても和紙とは思えない質感。

 

いったいこれはどのように出来ているのか詳しいお話をみの紙舞の 市原慶子さんに伺いました。

 

 

 

 

 

 

まず、これらの商品は和紙を細い糸に加工して作っているとの事でした。
この糸を作るのもかなりのご苦労があったそうです。

 

和紙が紙としてだけではなくこのような商品になるなんて驚きでした。

 

実際に和紙で出来た靴下をはかせていただいたのですが、カラッとしていて、履き心地がいい~!!
それでいて保温性もあるのです!

 

 

 

 

 

 

普通の靴下と同じように洗濯できて、頑丈です!
肌にもやさしいのでこれはおすすめです!

 

世界中から和紙の衣服は注目されているそうです。これからの本美濃紙の可能性を感じました。

 

 

そして続いては…
みの紙舞もある 美濃のうだつの町を美濃和紙に出会うために
旧今井家住宅まえからスタートし歩きました。

 

 

 

 

 

 

うだつ…。うだつという言葉は知っていたのですが見たことはなく…。

 

うだつってこれなんだ!!と初めて知りました。うだつは屋根つけられた防火壁。

 

 

 

 

 

 

美濃市まちなみボランティアガイドの河合徹さんに町を案内していただきながらお話を伺いました。

 

 

 

 

 

 

江戸時代の商人の町だったこの町は、古い町並みが残っていてとても雰囲気が素敵です。

 

その当時繁栄していた商家のうだつは豪華なものであったり、歴史を感じることができました。

 

今、この町では毎年10月に美濃和紙を使用したあかりのオブジェを町全体に飾る、美濃和紙あかりアート展が行われます。

 

そのアートを美濃和紙あかりアート館で10月でなくても見ることができます。
全国から公募した和紙のアートは芸術的で、繊細で豪華なアートばかりで、
美濃和紙から透ける優しいあかりはとても癒されました。

 

このあかりの作品が実際に町に飾られているのを見てみたいなぁと思いました。

 

 

 

 

 

 

次の美濃和紙との出会いは、「米屋藤山」です。
こちらでは、和紙を使った雑貨を沢山あつかっています。

 

米屋…というのは,昔こちらは米屋さんだったという事で、店舗名には米屋という名前を残していらっしゃるそうです。

 

 

 

 

 

 

店内入るとかわいらしい雑貨や、美しい商品がたくさんあって
美濃和紙でつくられた便箋などはもちろん、私が目を奪われたのは「水うちわ」です。
初めて出逢った水うちわ、その美しさにほれぼれしました。

 

店主の藤山千恵さんにお話し伺ったのですが、水うちわは舟遊びのとき、舟の上からうちわを川に浸けて水しぶきを飛ばし、涼をとったともいわれているそうです!
すてき~☆ おしゃれ~☆ 
その使い方にもほれぼれ。

 

店主の藤山さんもとても素敵な方でした。

 

その他にも部屋に飾れる雑貨など、美濃和紙の素敵な商品がいっぱいありました。

 

 

 

 

 

 

 

次に行ったのは「手造 らんたんや」

 

こちらでは美濃和紙で作るらんたん造りを見せていただきました。

 

 

 

 

 

 

お話を伺ったのは、加納英香さん。

 

お店は店舗と工房が一緒になっていて作るところを見学できます。
木型の枠を使って、英香さんが素早く作っていく様子はさすが職人さん!!
本美濃紙の魅力も教えていただきました。
猫やパンダの形のとってもかわいらしい提灯もありました。

 

 

 

 

 

 

本美濃紙は上下に漉き船を前後左右に動かして漉くので繊維が絡み合って丈夫な紙ができるのですが、その本美濃紙だからこそできるらんたんです。
あかりもきれいに透けます。
本美濃紙ってすごい。

 

最後に
町をまわって最後にここに戻ってきました。
旧今井家住宅。
間口はほかの商店と変わらない広さなのに、中に入ると奥行がひろーい!

 

ここは昔、紙問屋で帳場があったり、蔵があったりと江戸を身体で感じます。

 

そして中庭には「日本の音風景100選」にも選ばれた水琴窟があり、

岩に水をかけると水滴が地下の空洞に落ちてとっても琴のような良い音色がするのです!!

 

音色が心地よすぎてついつい何回楽しんでしまいました。
この音、是非聴いてください♪

 

河合さん、ご案内本当に有難うございました。

 

 

「1300年の歴史! 世界文化遺産 美濃和紙に出会う旅」
皆さんは本美濃紙どう感じられましたか?
こんなに歴史ある紙だとしらなかったのですが、実際に漉くところを見させていただき
その素晴らしさを知ることができました。
そして、その和紙が色々な変化をとげて商品になるのをみて、自然の紙がもつ力に驚きました。
紙はもちろんですが、今回出逢った皆さんはとても親切で良い方で、美濃和紙を守ってこれからもこの文化を引き継ごうという強い意志を感じました。

 

1300年の歴史、これからこの年数がさらに、さらに、長くなっていく事でしょう。

 

日本にある素晴らしい文化をもっと知らなくてはいけないと思いましたし、
世界に誇れる文化があることを再認識した旅でした。

 

 

本美濃紙奥が深い。

 

旅人の奥山奈々でした。