古都金沢 金箔文化と現代アート|旅人:多嶋沙弥

2015-09-16

 


こんにちは!

天候の差が激しく不安定な日が続いていますが、
皆様元気にお過ごしでしょうか。

さて、今回YAJIKITA一行が訪れたのは、石川県金沢市。

「古都金沢 金箔文化と現代アート」
ということで、加賀百万石の歴史ある伝統工芸と、
その伝統が育んだ今の金沢のアートの魅力をお伝えしてまいります。

旅人は、わたくし多嶋沙弥。
実は、石川県出身です!

ふるさとの素晴らしさをYAJIKITAから皆様にお送りすることができ、
とても幸せに思っております…

スタッフの方々をおもてなしするような気持ちで金沢駅に降り立ちましたが、
まだまだYAJIKITAの旅人としては新人。

手には資料を握りしめて、出発!

 

 

 

 

 

 


ちなみに、石川県は日本で一番降水量が多い=晴れの日が少ない
ということなのですが、
この日はよく晴れた気持ちのいい空が広がっていました!

まず訪れたのは「箔一」
副店長の鈴置陽子さんに案内していただきました。

 

 

 

 

 

 


そう、金沢といえば金箔!
全国シェアの99%を誇る伝統工芸の歴史と、
金箔ができあがるまでの工程を見せて頂きましょう!

こちらは地下がミュージアムになっていて、
実際に作業しているところ見学することができます。

金箔の薄さ一万分の一ミリ。
溶かした金をうすーーーーーく伸ばしていくのですが、
10円玉3分の1の金を、畳1畳の大きさまで延ばした薄さに相当するそうです。

 

 

 

 

 

 

 

昔は、専用の金槌で叩いて延ばしていたそうですが、
今は機械で延ばしているとのこと。

 

この箔打ちという作業ですが、

とっても繊細な技で何年も修行が必要なんだそうす。

実際に箔打ちをしている工程も見せて頂いたのですが、
なぜか厚いガラス越し…

 

 

 

 

 

 


生の音が撮りたいYAJIKITA一行としては、その理由をきいてみると…

「すぐそばをジャンボジェットが通過するような音がする」とのこと。
職人さんを見ると、確かに耳栓をしています。
が、果たして耳栓でどのくらい緩和されるんだろう。。
繊細な作業に見えるだけに、驚きです。

こちらは、伸し上がった金箔を商品として使うサイズに裁断しているところ。

 

 

 

 

 


竹の道具を使っているのがわかりますか?
こうしないと、道具に金箔がくっついてしまうそう。

さらに、この金箔、息をするとどこかへ飛んで行ってしまいます。

なんて集中力のいる作業…

真面目で丁寧な金沢の人柄があったからこそ、ここに根付き、

大きく育った伝統工芸なんだなあと、感じました。

ちなみに私は自他共に認める大雑把。
生粋の石川県人なのに。
父も母も石川県人なのに。
繊細な作業が似合わない…

一枚一枚、寸分の狂いなく一定のリズムで進む手元に見惚れつつ、

後ろを振り返ると…


なんだこれは!!!!!!!!!!

というか、どう見ても鎧兜です!!!!!

なんと、実際に前田利家が使っていたものの忠実なレプリカだそう。
戦場で、こんなに目立っていいんだろうか…

 

 

 

金箔の間に黄金の鎧兜

 

 


びっくり…

金箔文化とはよく知られていますが、
私自身、その歴史や製法に触れるのは、実はこれが初めて。
地元と言えど、知らないことはまだまだありそうです。

ちなみに、金箔にまつわるお土産の中で気になったのはこちら。
金箔マスク。
お値段一枚約6000円也。

 

 

 

 

 

 

続いて向かったのは「箔座本店」
店長代理の中谷孝士さんに案内していただきました。

 

 

 

 

 

 

店内に入ってまず驚いたのは「黄金の茶室」!

 

黄金の茶室といったら豊臣秀吉が作らせたという

大阪城の「黄金の茶室」しか知りませんでしたが、

まさか、金沢にもあったとは!

 

その美しさと驚きに、言葉が出てきません…

 

 

 

 

 



しかし眺めていると不思議と気持ちが落ち着く、
そんな魅力が金箔にはあります。

貼り方や金の色の配合にもよるそうなのですが、
眩しいというよりは艶っぽくてしっとりとした質感でした。

箔座は、中尊寺の金色堂の修復プロジェクトで金箔を提供すなど、

多くの修復プロジェクトに参加。

上質な金箔を作り出す確かな技術があってこそなんでしょうね。

 

 

 

 

 

 


こちらでも箔打ちを見ることができるのですが、
帳面のようなものに一枚一枚金箔を挟み、叩いております。

その帳面、つまり金箔を挟んでいる紙もまた貴重なもの。
「ふるや紙」というのですが、

こちらが「あぶらとり紙」にもなっているそうです。

 

とはいっても、「ふるや紙」は職人の貴重な道具。

「あぶらとり紙」になるのはごく一部。

 

なので多くの「あぶらとり紙」は、「ふるや紙」に近い紙を開発して作っていて、

コラーゲンやアロエなどの成分が含まれているものもあるんですよ。

 

 

 

 

 

 


しかも、ちょっと肌にのせただけで、
お肌の表面の皮脂がしっかり取れます!

金箔の工芸品が売られている片隅に必ずあるあぶらとり紙が置いてあるのには、
そんなわけがあったんですねぇ…
ここ、箔座さんでも地元の新しい知識を得ることができました。

 

改めて、素敵な場所をもとめて、少し散策しようと思った矢先に…、
おや?気になる。

金箔文化を取材する私たち、これを食べないという選択肢はありません!
これでもか!というぐらい金箔が短冊のようにたなびき、主張しています!!

 

 

 

 

 

 

なんと、金箔アイスクリームです!

金箔の全国シェアが99%の金沢だからって、

まさか金箔アイスクリームまであるとは……。

 

とはいうものの、興味津津。

迷わず、金箔ソフトクリームの看板を出している、

今井金箔の広坂店へお邪魔するとにしました!


思った以上の金箔の量に驚きましたが、
躊躇せずにパクリ!

 

 

 

 

 

 

…何も感じない…

そう、金箔自体に味はないのです。
とても薄いので、口に広がるのはソフトクリームの滑らかな食感のみ。

しかし、このインパクト。
旅の思い出に、ぜひお召し上がりください。

 

 

 


短冊状の金箔が一枚

 

 

 


さて、金沢の伝統工芸について学んだYAJIKITA一行。

スタッフの方々も行ってみたいと言っていた「金沢21世紀美術館」へ!
私もゲストへ必ずオススメする大好きな場所です。

金沢でモデルとして活動していた頃に、

こちらで開催されたファッションショーにも出演させて頂いていました。
ということで、初めて大きな舞台に出た思い出の場所でもあります。


金沢21世紀美術館の広報室長・落合博晃さんにご案内いただきました。

 

 

 

 

 

 

ガラス張りの丸い建物は、入ると透明な迷路のよう。
歩いていると綺麗に全体が見渡せるような造りになっており、
無料でいくつかの作品を見る、触る、または作品そのものの中に入ることができます。

 

 

 

カラフルな迷路に、遠くの人と会話ができるオブジェ

 

これもアート! プールの中の人も作品の一部に…

 



さて、なぜこの伝統工芸の街に現代アートが?
って、思いませんか、思いますよね!

400年の歴史がある金沢は、

その時代その時代の良いものを取り入れて次の時代にリ繋いできました。

 

今でこそ伝統や古い街並みなどと言われていますが、

それぞれが江戸時代の一番新しいものであり明治時代の一番新しいもの。

 

その400年分の伝統が蓄積された今、

21世紀初頭の最先端のものを付け加えることで、

伝統と現代アートの対比を金沢から発信できればという考えが、

「金沢21世紀美術館」にはあるんだそうです。


白で統一された美術館の中で、

唯一カラフルな空間にてお話をお伺いしたんですが、

椅子にも同じ模様が描かれていて、

この部屋全体が台湾のアーティストの作品なんだそうです。

 

 

 

 

 

 

 

「伝統というのは、新しいものを取り入れてこそできる」
なるほど。奥が深いです。
きっとここから、新しい金沢の伝統が作り上げられていくんですね。

ひさしぶりに訪れた「金沢21世紀美術館」で、

金沢の過去と今、未来について少し触れることができました。


さて、「古都金沢 金箔文化と現代アート」いかがでしたか?

旅動画のエンディングを撮影した東山は、
私にとって「おとなの金沢」であり、とても大切な場所でもあります。

長屋がつらなる情緒ある街並みには、伝統工芸品はもちろん、

甘味処やカフェ、素敵なフレンチレストランなどが軒を連ねているので、
お昼はもちろん、夜に訪れてもとても素敵なところですよ。

ひとつひとつの風景を私自身、写真に収めながら。
良いところで育ったなぁ、と改めて感じる有難い旅になりました。

再認識する、地元石川県人の魅力。
どうか皆様にも伝わりますように。

それでは、またお会いしましょう!
多嶋沙弥でした。