第23回

2016-03-06


ゲストは、
女性レーシングドライバーの
井原慶子さん!
http://www.keikoihara.com


井原さんは、東京都出身。
レーサーになる前は、
レースクイーンとして
活躍されていました。


モデル時代は1年間オーディションに落ち続け、努力の末、
レースクイーンの頂点と言われる、
F1ベネトンレースクイーン・グランプリを獲得されました。
著書「崖っぷちの覚悟―年齢制限!?関係なし!?」では、
そんなレースクイーン時代の苦労からレーサーになるまでのさらなる努力、
そしてレーサーとして活躍、がまとめられています。

レーサーに憧れたのは、レースクイーン時代なのだそう。
「初めてモータースポーツを見て驚いたんですよね。
ものすごい音じゃないですか、スピードも非日常的で。
メカニックもレーサーも緊張感と責任感を持って働いているんですよ。
私もダラダラ生きてきたけど、一度は、生まれたからには、
人間としての本気を出して、生きてみたいなって思ったんです。」

レーサーを目指すことを周りに打ち明けると、女性には無理だと言われたり、
お父様には一切お金も援助しないと言われたそう。
なんとその時、井原さんは自動車の普通免許すら持っていませんでした。
ネガティブな意見ばかり言われ続け、ショックを受け傷ついた井原さん。

それでも、レーサーへの夢を諦めなかったのは 、
”本当の自分の気持ちに気付いたから”。
「今後社会に出て、自分が何をやって生きたいのか、考えたんです。
自分の目標の無さ、何もない実績に、迷ったり傷ついて。でも考えて、、、
やっぱりレースをやりたいっていう、自分の本当の気持ちに気づいたんです」

中学生の時にアナウンサーになりたいと夢を持ったという、森麻季。
その話を聞くと、井原さんは、、、
「中学生の時に、これをやりたいって明確に何か見えてるって羨ましいです。
私は、何をやっていても、将来何したいって見つからないのが悩みでした」


レーサーになりたいという覚悟を持ち、
たくさんの試練を乗り越えられてきた井原さん。
努力家のように感じますが、実は、”怠け者”でもあるとか。
「自分の本性は、怠け者だと思ってます。
怠け者だから、強く意識しないと、頑張れないんですね(笑)
意識しないと、ふわ〜っと流れて、、、ふわ〜っと寝てしまうので」
少し親しみを感じちゃいますね!意識の持ち方こそが、大切なんですね。

そんな井原さんの選曲は、マドンナの「Open Your Heart 」。
これから何かが開ける、というような前向きさが好きなのだとか。

レーサーになろうとした時、前例もなく、風当たりも強かったそう。
ですがその壁さえも、楽しさに変えてしまうのが、井原さん!
「傷つくことも辛いことも多かったですけど、、、
時間や経験を経て、乗り越え方を知ってしまうと、
それが楽しくなってきますね」

女性レーサーは、男性に比べれば肉体的に不利な部分も多いのだとか。
レースでは、オリンピック選手がフルマラソンを
走りきるほどの心肺能力が必要とも言われています。
さらには、カーブでは、4G〜5Gという何百キロもの圧がかかります。
「お相撲さんが横からドスコイって押してくる感じですね。
それに耐えるには、全身の筋肉が必要なんですよね。しかもカーブごとに。」

その不利を補うのは、“感情のコントロール”や”コミュニケーション”
といった、女性レーサーならではの能力!
「1人で戦っているように見えますけど、良い車を作っていくには、
チームの監督やエンジニアとのコミュニケーションで変わってきます。
トレーニングの方法も効率的にしたりもしましたね」

続いて、食生活の話へ。
なんと井原さんは、感情を食べる物でコントロールされているそう!
「人の集中力や感情って、食べるもので変わってくるんですよ。
本当に疲れた時には、太るからってお菓子を食べるのをやめるのではなく、
逆に食べたほうがスッキリして、そのあと集中して仕事ができたり」
周りの様々な情報に惑わされず、自分の身体やメンタルに良いのかどうか、が
判断の基準にしていくことも大切ですね。
実際に、メカニックの前にお菓子並べると頑張ってくれるのだそう!

世界最高峰の耐久レース「WEC 世界耐久選手権」。
井原さんは、このレースで世界最速女性ドライバーに輝いています。
No1になっても、日本ではモータースポーツがメジャーでない事や、
女性である事で、なかなか認められなかったそう。
「世界一になっても、意外と大した事ないんだなって思いましたけれど(笑)
でもちょっと時間が経つと、
たくさんの人が賛同してくれるようになりました!」と井原さん。


来週は、そんな井原さんの様々な分野での活躍について伺います。