偉人伝シリーズ! 漱石が身近になる旅|旅人:吉村民

2016-05-05

KIKITABI 旅人の吉村 民です。

 

今回のキキタビは新シリーズ!!!

 

東京に残る偉人の足跡を巡る旅をお送りしました。

 

1回目は夏目漱石。

今年は漱石没後100年。

来年は漱石誕生150年という節目の年です。

 

歴女として、戦国幕末や明治の軍人さんのゆかりの場所巡りはバッチリしていますが、

文豪の方たちについてはノーチェック。

故にまだ知らない歴史的事実に出会える?!かもしれないとワクワクしてのスタートです。

 

夏目漱石は新宿区喜久井町で生まれました。

新宿区といえば、東京のど真ん中というイメージだったのですが、

地下鉄早稲田駅を降りてすぐ目の前に立っている

生誕の地と書かれた石碑や案内板が建てられている場所は

日常の生活が感じられる場所。

 

 

 


 

 

 


しかし、夏目坂を上っていくと、

沢山のお寺が出てきて、昔ながらの雰囲気に。

友人が近くに住んでいたことがある為に、何度も通ったことがあった場所でしたが、

夏目漱石の生誕地だったとは知りませんでした。

 

 

 


 

 

 


意識して歩いてみると、歴史を感じられるような素敵な町並み。

しかも、夏目漱石の実家は、その土地の有力者だったということで、

夏目坂、というのも夏目家に由来しているのだとか。

明治の文豪というと、貧乏しながら苦労しつつ作品を書いていった、

という勝手なイメージを持っていた私ですが、

見事に持っていたイメージを壊されました。

 

夏目坂を上り、少し入った所にあったのは、漱石公園。

新宿区文化観光課 学芸員の北見恭一さんにお話を伺いながら、公園内を散策。

綺麗に整備され、季節の花が咲いている公園を見ていると、

漱石が100年以上たった今の時代でも人々に大切にされているのが伝わってきます。

 

 

 


 

 

 

 

また、ここは夏目漱石の終焉の地でもあり、

多くの弟子と過ごした漱石山房があった場所でもあります。

この喜久井町で生まれて、晩年を過ごしたというところから、

漱石がこの場所を気に入っていたということがわかりましたし、

立派なネコの墓もあったことから漱石が動物を可愛がっていたのでないか、

という人柄を感じ取ることもできました。

 

 

 


 

 

 

 


来年には漱石山房記念館が竣工予定で、

ますます漱石を感じられる場所になりそうです。

>>(仮称)「漱石山房」記念館

 

 

続いて訪れたのは、

神楽坂にある 創業1659年の相馬屋源四郎商店。

11代店主の長妻直哉さんにお話をお聞きしました。

 

 

 


 

 

 


相馬屋さんは洋紙原稿用紙発祥のお店で、

夏目漱石もここの原稿用紙を使っていました。

 

元々は紙をすいて作っていたところ、

作る過程で失敗してしまった紙を尾崎紅葉が発見。

自分好みの紙を作ることをお願いして、洋紙原稿用紙が出来上がったそうです。

失敗と偶然が重なって私たちが知っている原稿用紙が出来たとはビックリでしたー!

 

 

 


夏目漱石の直筆が記された罫紙のコピー

 

 

 


次は、私が好きな『坊ちゃん』の主人公が通った学校、

東京物理学校、現在の東京理科大学近代科学資料館にお邪魔しました。

 

 

 


 

 

 

 

近代科学資料館は旧東京物理学校の木造校舎を再現した建物で、

白い洋館でレトロな感じが漂う素敵な雰囲気。

中では、として計算機の歴史が展示されています。

 

 

 


 

 

 

 


文系人間で、気象学を8年勉強して挫折した私にとっては、

どーーーーーやっても越えられない壁の向こうにある理系世界。

 

計算機の歴史や原理がわかるだけではなく、

自然界の現象を解明しようという熱意、

進化への努力など人類のパワーとエネルギーを感じることが出来ました。

 

623日から810日までは

企画展『坊ちゃんとその時代』明治期の物理学者と夏目漱石な交友を探る

が開催されます。是非足を運んで見てください!

 

 

 


 


「坊ちゃん」の直筆原稿のコピー

 

 

 


続いて訪れたのは、御茶ノ水にあるニコライ堂。

白い漆喰の壁にドーム型の緑の屋根が特徴的で

国の重要文化財に指定されています。

ニコライ堂の周りは大聖堂の存在感が大きく影響し、

日本にいながらにして、海外に来たかのような雰囲気でもあります。

 

 

 


 

 

 


日本ハリストス正教会 北原史門神父にお話を伺いました。

 

ニコライ堂は正式名称を東京復活大聖堂。

聖ニコライの指導のもと、1884年に建設が開始された、

日本初の最大級のビザンティン様式の教会で、建設史の上でも貴重な存在です。

 

大聖堂の中も案内していただいたのですが、

天井がとても高いのに圧迫感はなく聖堂内は重厚な壁に囲まれています。

淡い光を放っている綺麗なステンドグラスや美しいイコンがあり、

荘厳な雰囲気に包まれていました。

 

 

 


 

 

 


夏目漱石の小説『それから』の中で主人公の代助が

このニコライの復活祭を観に行ったという話が出てくるんですが、

今でも復活祭は毎年沢山の方が訪れているそうです。

 

『それから』には、復活祭の表現が詳しく書かれているので、

もしかしたら夏目漱石は実際に見たのかもしれないと話してくれました。

 

 

 


 

 

 


そして、最後に訪れたのは

漱石がイギリスから帰国後に3年間住んだ場所、夏目漱石旧居跡。

 

東京大学の講師として活躍する一方、処女作の『我輩は猫である』を執筆した場所です。

 

 

 


 

 

 

 

家屋は移築されてしまいましたが、

石碑が建てられてあったり、

壁の上には猫のオブジェが飾られていて、

ここで小説が書かれたと思うと、身近に感じられ、何となく非現実的な空間になっています。

 

今回、夏目漱石のゆかりの場所を巡ってみて、

日本の文豪 夏目漱石は

生まれ育った場所を終生愛し、

動物を可愛がり、

弟子たちに慕われていたと知ることができ、

人間像が浮き上がってくると同時に

親近感が湧いてきました。

 

改めて夏目漱石の作品を色々と読んでみたくなりました!

 

KIKITABI 2Thousand Miles旅人は 吉村民でした!