大分応援企画 温泉だけじゃない由布院めぐり|旅人:井門宗之
2016-06-23
井門P「雨がかなり降ってますね…。」
親分「これは急遽の企画変更になりそうだねぇ。」
前日から九州入りしていたKIKI-TABI一行。
今回の旅は4月に発生した地震により甚大な被害を受けた熊本と大分を応援する企画だ。
出発当日には羽田空港で飛行機トラブルがあり我々の乗る便が欠航。
各取材先に連絡を入れて何とか土日の二日間で取材をする事になったのだが、
日曜日、いよいよ大分湯布院のロケスタートの段になって、大雨であります。
いや実は今回の湯布院の旅、最初のタイトルは『自転車で巡る湯布院の旅』だったんです(笑)
駅前でレンタサイクルを借りて、湯布院の街並みを颯爽と駆け抜けようと。
かつて安曇野を自転車で駆け巡った時の様に、
温泉だけじゃない湯布院の魅力を改めて感じてもらおうと、そういう意図だったのですが…。
大雨であります。(河合さんの事を探したよ、僕らは)
という事で、今回はサイクリング企画を中止!!
雨の湯布院も風情があるさ!という事で、ゆっくりと町の中を散策する企画となったのです。
全国各地を旅していると、引き付けられる場所、自然と惹かれてしまう場所がありまして。
僕にとって大分はそんな場所のひとつで、昨年は家族とも旅行に来ました。
だからこそ地震が発生して由布院も大きな被害を受けたとのニュースを聴いて、
何か出来る事はないかとずっと考えていたんです。
大分県の中でも一大観光地である湯布院。
ところが地震発生後は観光客の数も激減し、GWの客足は普段の10分の1以下だったとか。
現在、少しずつ観光客は戻って来ているようですが、それでも温泉宿泊客の数はまだまだ。
僕らは前日に湯布院の温泉に泊まったのですが、
泉質も素晴らしかったですし、食事も最高でした。
もし今回の放送を聴いて、大分に心を寄せて頂けたら有り難いです。
湯布院と言えばメインストリートの『湯の坪街道』!
YAJIKITA時代に元FM大分アナの後藤圭子さんと共にそぞろ歩きした場所です。
お~い、圭子~!元気でやってるか~!?
あの時と同じ様に、お土産屋さんを覗きながら、
そう!ここに来たら食べなくてはならないアレを頂きに!!
そうです、『金賞コロッケ』です!!
当時の旅日記から、井門Pと後藤アナが金賞コロッケでキャッキャするシーンをもう一度。
――当時の旅日記から抜粋。
そんな中、ひと際目を引くお店が…
後藤「ふふふ~(笑)あそこは全国コロッケコンクールで金賞を受賞したお店です!
お店に“金賞コロッケ”って書いてあるの見えますか?」
井門P「ほ・本当だ!!しかも1個160円!?
金賞のコロッケが…160円なの!?」
後藤「私も前にここのコロッ…」井門P「よしっ、ミラクル、行ってきなさい。」
ミラクル「後藤アナに被せてキターーーーー!!!!!!」
こちらのコロッケ、はっきり言って初めての食感でした!
トロッとした中身をサクサクの衣が包みこみ、歯で噛みしめると中身が溢れてくる…。
しかもその中身の味の濃厚なことと言ったら…。
俵型のコロッケは食べ応えもあるんですが、気付いたらあっと言う間に食べちゃってる。
井門P「ねぇ、圭子~!小腹が空いた時とかぁ~、もう最高だねぇ♪」
後藤「ほんとだね、宗子♪ねぇ、もう一個、今度は肉じゃがコロッケいっちゃう?」
井門P「んもう、圭子の食いしん坊万歳が始まった~!
じゃあ~、宗子はぁ~チーズコロッケ♪」
なんていう女子力ごっこも堪能出来る、金賞コロッケ。
湯の坪街道をぶらりする時は、手ぶらでも良いけど160円はお忘れなく!
(2015年の旅日記より抜粋)
この金賞コロッケ、去年家族旅行で来た時もしっかり160円を握りしめ買い食い!
今回も忘れちゃいけないってんで…あれ?親分、何を怪訝そうな顔を??
親分「金賞、金賞って言うけどさぁ…コロッケだよ?
そんなに美味しいの??」
井門P「はぁ~、やだやだ。これだから江戸っ子は…。
良いから一つ食べてみたら良いじゃないの!はい、買ってきたから、熱々の所をどうぞ!」
親分「うん…モグモグモグモグ。…旨いね!(笑)」
コロッケで小腹を満たした後は、少し独特な雰囲気を放つ場所へ。
YUFUIN FLORAL VILLAGEと名付けられたこちらは、
あのハリーポッターの撮影地としても知られる、
イギリスのコッツウォルズの街並みを再現した場所。
和田光一さんに中を御案内頂きました。
入ってみると中は非常にコンパクトなんですが、イギリスの街並みを再現しているだけあって、
どこもかしも雰囲気が良くてお洒落!
中でも人気のスポットはフクロウの森!!
入口のチケット売り場には既に看板娘ならぬ看板フクロウがお出迎え。
我々も「えっ!?本物!?これ本物ですか!?」と年甲斐も無く大興奮する有様(笑)
園内の至るところに(主に木の枝に)物凄い存在感で羽を休めるフクロウやミミズク。
中には日本でも珍しいレアな個体もいて、普段フクロウやミミズクを見慣れない(当たり前か)、
KIKI-TABIの一行も歓声を上げながら進んでいく。
意外と大人しいんですよね、そこにびっくり。そして生まれて初めてフクロウを撫でてみたり。
撫でるとなんだか気持ち良さそうな顔をするんだなぁ…、可愛いなぁ。
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和田「餌は肉ですけどね。」
井門P「わお、さすが猛禽類…。」
そしてこちらフクロウの森ではなんと、
フクロウの手乗せ体験が出来る!!
和田「コッツウォルズなので、ハリーポッターの魔法の服を着て、
このグローブの上にこのコを乗せるんですけど、こうして、お腹を押してあげると…。
ほら乗りましたね!こうやって乗せてあげてください!」
井門P「えぇっ!!そんな簡単に出来るものなんですか!?」
和田「はい!(ニッコリ)」
井門P「素敵な笑顔で言われちゃなぁ…。
えっとここをお腹に当てて、ぐっと押すと…あっ!乗った!!乗りました!!」
ヴィレッジ内にはフクロウの森に並ぶ人気の猫カフェもございまして。
流石は英国風、不思議の国のアリスをモチーフにした世界観で楽しむ事も出来るのです。
和田「ここは地震発生後に頑張って作った場所なんです!」
観光客の数は確かに減ってしまったかもしれませんが、
こうして湯布院の皆さんは前に進む努力をしていらっしゃいます。
湯の坪街道を少し脇道に入って、
可愛いフクロウやイギリスの街並みを楽しんでください!
イギリスから今度は昭和の日本でございます。
湯の坪街道の表情の豊かさたるや…。
湯布院昭和館は昭和30年代にタイムスリップ出来る施設。
館内には昭和30年代に流行ったおもちゃ、
電気製品、時代そのものを再現したお茶の間やスナック、理髪店に銭湯…。
僕はど真ん中ではないけれど、でも旧き良き昭和を強く感じる事が出来るスポットなのです!
宮良直美さんにお話しを伺いました。
宮良「ここは昭和の“勿体ない精神”を知ってもらおうと建てられました。
中に入れば昭和30年代にタイムスリップ出来ます。それを体感してもらえる場所です!」
中に入ると「昭和30年の主な物価」なんてパネルがありまして。
国家公務員の高卒初任給が5,900円だった時代、
ガソリンは1リットル45円、電気洗濯機が30,000円、
14型の白黒テレビが…129,000円だったんですね!
テレビの値段が今とあまり変わらない…これは凄い事ですよ!
今の価格ですれば400万円位の価値があった訳ですから…。
やはり庶民には手の届かない夢の家電であり、
町角の電気屋さんで集まって観たってのも頷けますなぁ。
なんか良い時代でもありますよね。
全てが実生活で、そこには当然だけどSNSなどなくて。
人の生の声がそこにはあって。素直に生きていけそうな(笑)
中には「ゆの坪横丁」なんて疑似ネオン街もあって、
そうそう、スナックの中にはちゃんと動くジュークボックスもありましてね。
ウチのゴルちゃん、そこで音を拾ってました(笑)
昭和30年代を再現されたお茶の間一つとってみても、
机の引き出しには当時の玩具などが入っているし、
壁に飾られた本もちゃんと当時の物だし、ここは全てが凝りに凝っているのです。
お客さんA「そう言えばさ、
銭湯から出てきてオヤジと一緒だったら珈琲牛乳飲ましてくれたんだよなぁ!」
お客さんB「おぉ~!俺はフルーツ牛乳だった!懐かしいなぁ…。」
恐らく年齢で言えば50代から60代だったでしょうか。
そんな大人達もここに来ればあっと言う間に子供のころに戻れるんです。なんか良い風景。
ウチの親分も「おっ!これは万博記念コインじゃないか!」と興奮しておりました(笑)
大人は子供に戻れる場所、子供はそんな大人を見る事が出来る貴重な場所。
湯布院昭和館はタイムスリップだけじゃない、素敵な時間を送れる場所でした!
湯布院昭和館を出ると、少し足を伸ばせば金鱗湖。
ここもかつてYAJIKITA時代に訪れた場所で、家族旅行でも来た所です。
そう考えると、あの時の取材が僕の家族旅行にかなり影響を与えている(笑)
取材だったけど本当に楽しくて、どこも素敵で。
取材しながら「家族を連れてきたいなぁ…」って思ったんですよね。
だから念願叶って家族で湯布院を歩いた時、凄く嬉しかったですし、
今回こういった形で再び金鱗湖に来る事が出来て、なんと言うか…有り難かったです。
その金鱗湖に浮かぶ鳥居も、地震の影響で上部が崩れてしまっている。
改めて地震の大きさ、強さ、そして湯布院の皆さんが受けたショックに、言葉を失くしてしまいます。
金鱗湖を巡って、最後に訪れたのは由布院ステンドグラス美術館。
湯布院の色濃い緑の中に現れた重厚な建物。
実際にイギリスから取り寄せた物で建てられた中は貴重なステンドグラスを展示した美術館です。
それぞれの展示室はテーマに沿っての展示。
案内して頂いた梅井マキさん、
ここで働いていると穏やかな気持ちになると仰ってました(笑)
面白い部屋だらけだったのですが、中でも『フランスの部屋』。
1900年代前半のステンドグラスに着物姿の日本人がデザインされているではありませんか!
ちょっとデザイン的に怪しげなものもありますが(笑)
でも着物の色合いであったり、凄くよく描かれているのです。
梅井「これはフランスで作られた物なので、
デザインしたフランス人は日本に来た事が無かった人です(笑)
当時フランスでは空前の日本ブームだったので、こういった作品が作られたんですね。」
井門P「ステンドグラスが盛んに作られたのはいつごろだったのですか?」
梅井「1800年代~1900年代にかけてですね。
ステンドグラスの色合いはガラスの粉に金属酸化物を混ぜて焼いて色を出すので、
焼いてみないと実際の色が分からないんです。」
井門P「となると綺麗な色が出た場合は…」
梅井「その工房のオリジナルの色になります。
ですから競ってそれぞれの工房がステンドグラス作りに取り組んだんです。」
そしてステンドグラス美術館の隣には教会が。
梅井「海外のステンドグラスは教会に飾られている事がほとんどです。
ですからその雰囲気に少しでも近づける為に、教会を作って中にステンドグラスを展示しています。」
井門P「そもそも教会のステンドグラスは聖書の物語ですもんね?」
梅井「はい、文字が読めない方の為に、
聖書の物語をステンドグラスで表現したのが始まりです。」
こちら『聖ロバート教会』は実際の教会としての機能は無いのだが、
この素敵な雰囲気の中で結婚式を挙げる事が出来るそうで。
こんな素敵な雰囲気の中で挙げる式、想い出深い物になるだろうなぁ…。
そしてこちらではステンドグラス作りの体験も出来るそうで!
工房の方もお邪魔しました!!
帰り際、雨の中を梅井さんがわざわざお見送りに来てくださって…。
地震発生後は予約のキャンセルが続いたそうですが、
今は営業も勿論再開し、ステンドグラス作り体験も出来ます!
湯布院の中で異国体験、かなりオススメですので是非!!
取材中は生憎の雨という事もあって、
湯布院の駅前は人も少ない印象を受けました。
あるお土産屋さんに話を伺ったところ、観光客の数も10分の1に減ったとの事。
確かに余震の影響もあり、客足が戻らない現状はあるのかもしれません。
しかし観光地は観光に訪れる人がいればこそ!
湯布院の皆さんはあなたが観光に訪れる事を待っています。
そして改めて自分も湯布院の街並みをぶらりしてみて、
やっぱりこの町がますます好きになったんだよなぁ…。
ステンドグラス美術館は妻に見せてあげたいし、子供にフクロウの手乗せ体験をさせたい!
一度訪れると、必ずまた来たくなる場所。
地震発生の後、大変な想いをされている方々はまだまだ沢山いらっしゃいます。
大分の他の温泉地も、地震による風評被害で宿泊客が戻らない場所も多いです。
この状況を前に進める為には、やはり人の力が必要です。
KIKI-TABIでもまた熊本と大分を訪れます。
今回番組を聴いてくださった皆さんが、この地を訪れるきっかけとなりますように。
一日も早く、被害を受けた皆さんの“当たり前の日常”が戻ります様に。
心から、お祈りします。