第73回  歌舞伎俳優:三代目 中村扇雀さん①

2017-02-19

ゲストは、歌舞伎俳優、

三代目、中村扇雀さんです。

1960年東京都生まれ、6歳で初舞台を踏まれます。

その後、慶応義塾大学法学部政治学科を卒業され、

1995年に三代目、中村扇雀を襲名されます。

 

初舞台から、今年で50年目!

「通過点なんですが、、、まぁいつの間にか

そんな年になっちゃったなっていう気がするんですけど(笑)

初舞台は、よく覚えてますね。日本では、

6歳の6月6日に稽古始めろって言われるんですけど、

その年の11月に、兄が8歳で一緒にやりましたね。

セリに二人で乗って、上がると歌舞伎座中が拍手で迎えてくださって。

こんなに気持ちのいい事、やめられないなって(笑)」

子供時代は、終わりのラーメンを楽しみに、

稽古や舞台をこなしてきたそう。

 

10代の頃は、私立大学に進学したこともあり、

歌舞伎から離れ、学業中心の生活を送られていました。

「高校生くらいのころって、子役と大人の間で

歌舞伎って役があんまり無かったんですよ。

父も関西の役者で、歌舞伎以外の舞台でてたり、

東京の劇場に歌舞伎として出ていなかったので。

出る機会もなく。結局、8~22歳の14年間、大学卒業まで、

歌舞伎の舞台に1度も立っていないんですけども」

大学ではゴルフ部に所属し、部費のためにアルバイトをしたり

歌舞伎と離れた4年間を過ごされました。

 

今回は、中学生の時から大好きな、QUEENの、

『We Are The Champions』を選曲してくださいました。

コクーン歌舞伎の打ち上げで大合唱した思い出もあるそう。

 

14年間離れた歌舞伎に戻った際には、

舞台に出演しながらも、日々稽古を行っていかれました。

「400年の歴史の中で先輩たちが築き上げた芸を

引き継いでいくので、ちょっとお稽古したから出来るっていう

類のものじゃないんですね。大学出てから、全部7つ、8つある

お稽古を同時に始めて。なおかつ舞台に出て。」

歌舞伎役者として大切な化粧も、まず習得されていかれたそう。

日々集中し稽古を積みかさね、稽古で世を明かす事もしばしば。。。

 

扇雀さんは、大阪での襲名披露興行中に、

阪神淡路大震災を経験されました。

「その時にちょうど、心斎橋の日航ホテル30階くらいに泊まっていまして。

中座に行ったら、瓦も落ちていて。その日は休演かなと思いましたが、

来てくださった方もいらしたので1時間遅れ幕を開けて。」

 

お母様の故郷は、神戸。今でも、第二の故郷として大切にされています。

「神戸には、関西に行くたびにお邪魔するようにしているんですけど。

僕たちはいいお芝居をして、元気になっていただくことがすべてですね。」

襲名してからの月日と、震災からの月日が同じのため、

忘れる事は出来ない、大きな出来事になっています。

 

そんな、扇雀さんの歩みが詰まった著書、

『三代目扇雀を生きる』が発売! 

 内容については、来週たっぷり伺います。お楽しみに。