第85回 為末大さん①

2017-05-14

ゲストは、元陸上選手でスポーツコメンテーターの為末大さん。
為末さんは、1978年広島県生まれ。
2001年エドモンドン世界陸上選手権、
2005年ヘルシンキ世界選手権の男子400mハードルで銅メダル。
さらに、シドニー、アテネ、北京。
3度のオリンピックに出場されました。

2012年に現役引退をされ、現在はスポーツコメンテーター、
指導者として活動されていらっしゃいます。
情報番組などでもコメンテーターとして活躍中です。
「私は詳しくはないですけど、1つの視点として、
使ってもらえる間は喋ってみようかな、と。
もともと、喋るのが好きでインタビューも
走った後、30分くらい喋っちゃったりしてましたね(笑)」

現在でも為末さんは、400mハードルの日本記録保持者です。
この記録は、2001年8月のものです。
「もともとは短距離をやっていたんですが、陸上って
体の成長に大きく左右されるんです。僕は早熟型で、
15歳くらいで身長も体重も止まってしまって。
高校の時に伸び悩んでいたんですが、陸上は続けたかったので
たまたま見かけた400mハードルなら、
生き残れるかもしれない、とハードル始めました。
誰が置いたんだろうなって思ってハードル飛んでいましたね(笑)」


史上最も身長の低いハードルのメダリスト選手の為末さんは、
身長が低いことを自分の武器として活用されていました。
「背が小さい選手の方が、転倒しにくいんです。
そこは、ちょっとは有利でしたね。
今、日本の陸上も強くなってますよね。
リレーは、金銀銅、どのメダルも取れるとおもいますね。」


2020年には、ウサイン・ボルト選手も引退しており、
ますます陸上でのメダル獲得の可能性も。
「野茂英雄さんがメジャーリーグに行った後、
日本のメジャーリーガーが増えたように、
"あの人がやれたなら、俺も"っていう、
スポーツ界は元気が伝染しやすいんですよ。
だから、陸上でうまくいけば、他の競技も盛り上がります。
今は水泳がそれを起こしていくれてますよね」

為末さんの元気になる1曲は、
Stevie Wonder の 『 Sir Duke』でした。

選手時代は、ほとんど音楽を聞かない生活だったものの、
この時代の音楽だけは今でも好きで聞くとか。
「でも、僕、音痴で(笑)
音楽検索アプリも反応してくれないんです、、、」

2012年に引退を発表された為末さん。
ロンドンオリンピックへの挑戦後でした。
「スタートから1つ目のハードルまでが世界で1番早かった時があったんです。
これが自分の武器だと思って、やってきたんですけど、
引退の数年前から、"このぐらいのタイム出るかな"と思っても、
0.1秒くらい遅いタイムが出るんです。
遅い事も問題ですけど、感覚がズレた、と思ったんです。
ああ、これダメかもしれない。って。」

最近では、浅田真央さんが現役引退を発表し、話題に!
"引退には選手の価値観が出やすい"と為末さんは分析されています。

「中田英寿さんは、"理想のサッカーが出来なくなった"と引退されましたよね。
裏を返せば、”理想のサッカーをすること、だけが大事な事だった”
という事なんです。 浅田真央さんは、
"楽しんで競技が出来なくなった"という事が大きかったんじゃないかな。
彼女にとっては、スケートは "自分を表現する楽しいもの"だったのかなって。
僕は、勝ち負けが大事だったので、武器が無くなったから引退ですね」

為末さんはさまざまな本を出版されていて、
諦める力~勝てないのは努力が足りないからじゃない”、
”逃げる自由”、”負けを生かす技術”など
タイトルがとても印象的です!
「勝ち負けの世界にいた人間で、
陸上ってタイムが出るので限界を感じやすかったから、
こんなタイトルになっているんだと思います。
人間って本当は1つだけ頑張れば幸せなはずなのに、
たくさんの事を諦めないでやって集中できない、って事あると思うんです。
今までやってきた、やるしかない、っていう思い込みを外せば
実は結構楽になって、何をやるべきか、フォーカスできると思っていて

来週もお話し伺います!