江戸の怪談~本所七不思議めぐり~|旅人:吉村民
2018-08-16
こんばんは!
KIKITABI 旅人の吉村民です!
今回の旅はのテーマは「江戸に残る怪談」
江戸時代に「本所」と呼ばれていた墨田区南部。
ここでは本所七不思議と呼ばれる不思議な現象が語り継がれてきました。
今回は、怖い話は大好き!でもすごく怖がりな私、吉村民が妖怪をこよなく愛するフリーライターすがたもえこさんにご案内いただいて旅をします!
待ち合わせ場所はJR両国駅。
ここは両国国技館、江戸東京博物館、刀剣博物館などがあることもあり、江戸の雰囲気が今でも感じられる数少ない東京の街です!
両国駅から最初の七不思議スポットまでに、なぜ妖怪に魅力されるようになったのですか?と聞いてみると、実家の近くに、鬼婆が暮らしていたという岩屋があって、それが魅力的で、妖怪に興味を持つようになりました!との返事が。
「鬼ババア に魅了された?!」最初にゾッとしたのは もえこさんのその発言でした(゚o゚;;
よく聞いてみると、鬼婆が暮らしていたという岩屋が興味深かったとのことで、なんだか一安心。
恐ろしいことを笑顔で話す もえこさん。
旅が面白くなることを予感されるスタートでした。
最初の「七不思議」スポットは
「落ち葉無き椎の木」
今は刀剣博物館になっているこちらは隅田川のほとりにあり、昔であれば川辺だったはず。
ここにあったお屋敷の椎の木は雨の日も風の日も嵐の日も、1年中1枚も葉を落とさず、、、
気持ち悪がられてお屋敷に住む人がいなくなってしまったとのこと。
「怖くないですよね!」と もえこさん。
いや!今の時代のようにテレビもネットもない時代。
1枚も葉を落とさない木が庭にあるのは、なんだか不気味ですよね。
もしかして、エネルギーを吸い取られてるのでは?!などなど
何かあるのではないか、と考えると恐ろしくなって引っ越してしまうのがよくわかります。
今の感覚ではなく、江戸時代にタイムスリップした感じになってみてください!
続いては両国から錦糸町に向かって走っている道路は昔は南割下水という川になっていて、ここには弘前藩津軽越中守の上屋敷がありました。
火事の際、江戸時代の大名家では通常火の見櫓にある板木を叩いていましたが、この屋敷の火の見櫓には何故か太鼓があり、火事の時にはこの太鼓を鳴らしたそうです。
一見、何も怖くないです、、、が!
でも想像してみてください。家事の時、通常は板木の音がするのに、津軽藩から聞こえてくるのは太鼓の音。町人はその理由を簡単に聞くことが出来なかっただろうし、何でだろうと音を聞くたびに思ったとおもいます。そのなぜ?が人の想像を掻き立て、妄想が膨らみ恐怖になっていったに違いありません。
ここのスポットではもう一つの七不思議が。
いつ行っても灯りもなく、誰もいない屋台の蕎麦屋がありました。夜が明けるまで待っても主が現れることはなく、気を利かせて行燈の火をつけようとしてもつきません。あきらめて帰るのですが、後で必ず不幸が訪れるというのです!
フラフラーと歩いてて、灯りがついていない蕎麦屋を見てしまったら不幸が訪れる!って、もし見ちゃったらどうしよう、と思うと、怖くてあるけません(;ω;)全身ゾーっと鳥肌が立ったところで
「ま、狸の仕業って話もあるんですよね」と、もえこさん。
「あなたがそのセリフ言わない!」と私。鳥肌はすーと引いていきましたw
でも、狸の仕業だろうが何だって、不幸が訪れたら嫌ですよね!恐ろしや?です!
このスポットから南部下水だった道路を、更に錦糸町方面に進むと深夜になると「足を洗え!」の声と共に、天井から大きな男の足が突き出てきた旗本屋敷があったと言われているスポットに到着します。
これも狸の仕業だと言われていて、瀕死だった狸を救ってあげると、家に不幸が訪れる前触れに、足が突き出てきた、と言われています。
夜中に知らない声が聞こえるだけでも怖すぎるのに、でっかい足が上から突き出てきたら、もう恐ろしすぎて、失神すること間違いないですが、、、
これは悪いことを教えてくれるといういい話。悪いことが起こるのは教えてもらいたいですが、出来ればもう少し怖くない方法で教えていただきたいですよね。
まだまだ続く、本所七不思議!
南部下水だった道路を左に曲がり15分ほど歩きます。この辺はどこからでも東京スカイツリーが見えるという絶景スポット。そこに江戸にタイムスリップしたような寺町がいきなり現れます。少し涼しく感じる風に乗って、お線香の香りがして、体感温度は1度くらい下がった気がしました。
ここの地に伝わるのは「送り提灯」というお話し。夜更けに提灯を持たずに歩いていると、前方にポツンと提灯の灯りが見えてきます。昔の人は、その辺まで一緒に歩きましょう!みたいな習慣があったようで、その提灯を目指して歩いていくのですが、、、行けども行けども追いつけないそうです。。。
そんなことあったら、もう泣きたくなりますよね。当時は灯といえば月明りのみ。虫や蛙の声が聞こえるだけ。寂しいなぁなんて思っているところに灯りが!!
寂しいのが吹っ飛んだと思ったら、追いつけなくて、寂しさに恐怖が乗って返ってくる感じです。もし私が当時のこの辺の人だったら、暗くなったら夜は外に出ないこと間違いないです。
続いて訪れたのは、錦糸町駅前にお店を構える「人形焼 山田屋」さん。
ここは本所七不思議に因んだ「人形焼」のお店で、なんと、狸や笠、太鼓などの形をしている人形焼なのです。
特にとても可愛い狸は もえこさんの妖怪仲間にも大人気なんだとか!しかも可愛いだけではなく美味しいのです。外のカステラはしっとり薄めで、中の餡子はギッシリ!こんなに餡子の詰まった人形焼は見たことがない!レベル。
しかも、餡子は甘すぎなくて、外のカステラの甘さと上手くマッチしているのです。
山田社長にその美味しさの秘密を聞いてみると、戦前は卵の卸だったこともあり、美味しい卵が手に入り、小豆は北海道産、お砂糖と水にもしっかりこだわっているとのこと。
人形焼って何個も食べてしまうイメージですが、山田屋さんの人形焼は1つ食べただけでも満足できる存在感です。
しかも、包装紙は本所七不思議の物語が絵付きで描いてあります。見ても食べても満足できる山田屋さんの人形焼も是非チェックしてみてくださいね!
「本所七不思議」の舞台巡り、最後のスポットは錦糸町から5分ほど歩いた所の公園にあります。
マンションやお店など賑やかな街の中心にあるこの公園には可愛い河童さんの銅像が。
昔、本所の川や堀では魚が良く釣れたそうで、ある日男が堀で釣りをしていると、その日は非常に良く釣れました。
夢中になって釣っていると、すっかり日も暮れ、魚籠もいっぱいになっていたので帰ろうと思っていると、どこからか「おいてけーおいてけー」と恐ろしい声が!
恐ろしくなった男が慌てて逃げかえると、あれほど釣れたはずの魚は一匹もいなくなっていました。
との、話が残っています。
その声の主が河童だと言われているのです。
公園の河童の銅像はとても可愛いですが、実際に河童がいたとするなら、それはもう恐ろしい姿だったに違いありません。
さらに、恐ろしい声で、おいてけーと言われたら、即、身1つで逃げてかえりますよね。
今は妖怪、というと何となく幽霊とは違って怖くないイメージがありますが、テレビもインターネットもなく、電気も通らない時代。
きっと、蛙がいきなり飛び出て来たってビックリしてしまい、聞いたことがない音が聴こえてくれば怖くなり、月が雲に隠れただけで、真っ暗だったはず。妖怪の存在は幽霊並みに怖かったですよねぇ。
そんな時代を想像しながら、今も語り継がれる本所七不思議を巡れば、暑い夏も、すこーし涼しく感じるのではないでしょうか?
私たちが気付けないだけで、きっと今でも、ビルの陰から私たちの様子を伺っているものたちがいるかもしれません。
もえこさんが最後に言っていました。
日本には、まだまだ沢山、このような不思議なお話が残っているそうです。
今回は東京でしたが、また今度、日本中の不思議なお話をもえこさんに紹介していただきたいです!
その時が来ることを楽しみにしていてください。
KIKITABI 旅人は吉村 民でした!