東京にも1000か所ある?都内古墳にコーフン巡り。|旅人:棚橋麻衣

2018-11-08

「こ、こ、古墳ですか!?」

 


ハロウィンで盛り上がるシャレオツな代官山駅前で、こんなワードを叫んでいたのは、私くらいであろう。

 

買い物でも、カフェでも、蔦屋でもなく!!古墳!?!?!?!?!

代官山で…古墳!?!?!?!?!?

 

もっかい言うね。


 

代官山で古墳!?!?!?!?!?!

 


「大丈夫ですよ!絶対に好きにさせます!!!」と話す、謎のこの方。


歴史研究家の井出窪剛さんとおっしゃるらしい。

 

「ほら!吉村民の、せごどんの回で案内してくれた方!」とミラクル吉武。

 

…あ…あー、あーあーはいはいはいはいはい……やってましたねー…西郷隆盛の…なんだかを…どうしてこうしたとかの…あの旅ね…あーそうでしたか。それはそれは、同じ事務所の吉村がお世話になりました!

あのぉ…そういうことなら…今回は、歴史担当の吉村のが良いんじゃないいでしょうか…ねぇ…

 

「吉村さんは、戦国とか幕末がお好きだということで、今回は、棚橋さんと巡るみたいです!栃木のご出身でしたよね!?じゃ、古墳のメッカですね!そんな人が都内で古墳を見ないなんてもったいない!あのね、古墳はね…(ペラペラペラペラペラペラ~…)」


 

ちょ!ちょ!ちょっと待って!井出窪さん!!スタートからカロリー高い!!!ついていけない!!

あのね、私、歴史、大嫌いなんですよ!!!!!

 


「それは、やり甲斐がありますね!!では、行きましょう!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな感じでスタートした今回の旅は、題して、


 

『東京にも1000か所ある?都内古墳にコーフン巡り。』

 


…コーフンしねー

…興味ねー

…テンションあがらねー

 

私、歴史が苦手が理由がちゃんとありまして、

「嘘か真か…さぁどっちなんでしょうね~」

っていう曖昧な感じ?あれを、どう捉えていいのか分からないのですよ。

昔、ここでこんなことがあったと言われている!!!!…って言われても…それって結果どっちなの?って思っちゃって。

歴史の教科書も、リアリティのある昭和初期のページは好きだったんですけど…それ以前の時代は興味がなく…

 

そんな私が、まさかで古墳時代なんて!!!!!!

教科書の最初の方にペラッと載っているあの時代を、都内で巡るなんて…盛り上がるの?この旅!!

 

 

こんな正直な気持ちを井出窪さんに話した。

 

「自分で考えて、結論を出す!そして、現代を生きる自分にどう活かしていくかを考える!ここが大事で楽しいポイントですよ!」

 

ふーん。

にしてもさ、わざわざ古墳時代まで遡ってまで、現代社会に活かせることなんてありますかね…

 

「しかも、今、古墳女子が増えてるんですよ!土偶とか!はにわとか!歴女のアイドルなんです!!!!!!」

 

えーーーーーーシンジラレナイ!!!!!

 

そんな話をしていたら、あっという間に1か所目の古墳スポットに到着。

代官山駅から歩いてすぐ、賑わう旧山手通り沿いの『猿楽塚古墳』

 

 

 

 

 

 

 

 

猿楽神社と書かれた看板があり、入り口には鳥居。

木が生い茂っていて、こんもりとした山になっている…これが!?!?!?!古墳!?!?!?!

 

井出窪さんの持論としては、

「神社があって、山がこんもりしていたら、古墳を疑え!」

とのこと。

 

おしゃれビルが立ち並ぶこのコンクリートジャングルの中に、異様な空気感漂う、妙な静寂の猿楽塚古墳。かなり、異様な光景!!!!

 

円墳(えんふん)と言われるこの古墳で、中には石で囲った空間があり、そこの石の棺の中に、昔の権力者が眠っているらしい。

なんでこんなところに?と思うが、これこそ、長い年月、大昔から人間がここに住んでいたという証拠。

代官山は、近くに目黒川と渋谷川に流れ、小高い場所にあることから、昔から人が住みやすい場所だったと。だから、古墳もできて、崇拝の対象になるのだとか。

 

古墳とか、久しぶりに見た!いや…久しぶりというか、小学生のときに、地元栃木の前方後円墳に社会科見学で連れて行かれて以来、2度目。

当時は、なんだこれ?くらいの感想で、正直それ以上でもそれ以下でもない…これがお墓だと聞いても、なんの感想も出てこず…だった。

 

だけど…まさか代官山で古墳!!

このスポットに、しかもこんな一等地に堂々と古墳があったなんて!!!!

ちょっと…不思議…

 

 

 

 

 

 

 

 

ここに古墳があるってことは…代官山の、この道路の下には、、、昔の人の生きた証が埋まってるってこと!?

 

「棚橋さん、いいですよ!!!!じゃ、次行きましょう!!!」と井出窪さんと向かった先は、池尻大橋駅。

国道246号線から1本入り、商店街から住宅街へ抜けると、小さな公園に到着。


 

『東山貝塚公園』

 


カイヅカ…教科書で見たことある!昔の人が食べた、貝の殻…みたいな?

 

「昔の人が食べた物が、発掘された場所がここです!」

 

目黒川を挟んで反対側にあるこの地域も、昔から人が住んでいたことが考えられ、時代にすると縄文時代まで遡る。

リアルに再現した作り物の竪穴式住居もがあり、中をのぞくと、そこで暮らす人々の様子が人形で飾られていた。

コレ、住宅街の真ん中の、静かな公園の一角には、とんでもないインパクト!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで、井出窪さん、縄文時代と古墳時代について、分かりやすく解説してくれた。


 

・縄文時代と古墳時代は、4000年くらいの開きがあること。

・土偶が作られたのは縄文時代で、はにわが作られたのは古墳時代だということ。

 


歴史の教科書の最初の数ページの間には、こんなにも長い年月が流れていて、はにわがお墓の装粧品だったなんて知らなかった!!!!!

 

このあたりから、私も、古墳時代…というか、井出窪さんに興味津々で、いろんな質問を投げまくった。

 

 

 

 

 

 

 

 

時間の都合上…オンエアでは泣く泣くカットなのですが、自分でも驚くように、次から次へと疑問が湧いてくる。

そして、どんなヘンテコで的外れな質問でも、井出窪さんは、

「なるほど!そういう切り口ですか!」「お!良い質問ですよ!」

と前置きしてから答えてくれるので…


 

楽しい!!!!!まさかで…楽しい!!!!!笑

 


中でも盛り上がった話題が、縄文時代と古墳時代の開きが4000年以上あったことからの、現代社会の文明の進化の速さ…。

 

だって、その時代だけでも4000年もの時間がかかっているのに、現代社会って、数十年での発展の仕方が凄まじいじゃないですか…?これって…なんかちょっと怖いですよね…??

 

「棚橋さん!そうなんですよ!!現代社会は、歴史的に見ても異様です!だから、私の最初に言った、『歴史を知って自分で考え結論を出して、そこから何を学ぶか』が、今こそ重要なんです!!」

 

 

次に向かいましょう、と乗った電車の中でも、私と井出窪さんとスタッフで大盛り上がり!

東京メトロ半蔵門線に乗ったかと思ったら、駅名クイズ!

「駅名にも、その土地の歴史や偉人を知るヒントがある。」ということから 笑

 

表参道は、明治神宮への表の参道だから…ってことは、比較的新しい地名ってこと?

逆に青山は、やっぱり昔から山があったの?古墳もあるかも!

銀座って、銀を造る工場が実際にあったといわれているんだって!

吉祥寺って、お寺はないんだけど、そのお寺の一族があのエリアに引っ越したからその名前をつけたらしい!

 

私が歴史で、そもそも苦手だった「そうらしい」「だといわれている」というワードを、自分でも自然に受け入れてることに、むしろ、ワクワクするようになっているからビックリ!

こんなんだから、移動時間もあっという間w

 

次に到着したのが、『平塚神社』

東京メトロ南北線西ヶ原駅から歩いて5分ほどで、またまた駅近ですよ!!

なんか、古墳じゃなくて、物件を回っているんじゃないかくらい、アクセスがいい!全部!笑

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、この平塚のの文字!私、恥ずかしくてずっと聞けなかったんだけど…そもそも「塚」ってなあに?

 

「塚というのは、いわゆるお墓のです。土でできた、こんもりしたものを塚と呼びます。」

 

ということは…この神社に古墳が!?

 

「神社あるところに古墳あり!ここは良い例で、神社の名前が古墳になっているんです!」

 

このあたりは、奈良時代に、北の東京側全部の豊島郡(現:豊島区)の中心があったということで、当時は、相当の勢いがあったのだとか。

 

「遊園地のとしまえんも、練馬区なのに豊島園ってことは、この辺りだけではなく、練馬の一部も昔は豊島郡だったんですよ!」

 

ならば、ここにある古墳に眠る方は…相当の権力者ですよね…

 

神社の左側奥…なんだか古墳のにおいがしてくるよ!古墳くさいぞ!!!

ホラ!きた!この気の生い茂り!こんもりとした山!何より、この異様な静寂と不思議なエネルギー!!!!←棚橋、ついにここまで来ました!

 

 

 

 

 

 

 

 

神社の名前がそのままついた平塚古墳は、時の武士・八幡太郎義家が、戦に向かう途中で、鎧と仏様を埋めたことから別名「甲冑塚古墳」とも呼ばれ、山もそんなにこんもりさせる必要がなかったことから…平な塚で…平塚!!!!なんだそう。

 

面白い!!埋めたものが何なのか…ここもポイントになってくるわけだ。

 

そして、ここからが、歴史の深いところ。

地元に伝わっている話と実際の歴史が一致するとは限らないんです、と井出窪さん。

奈良時代にできたという平塚古墳を掘り起こすと、実はもっと前の時代の装飾品などが見つかっているという。

ということは、ここは、奈良時代よりも前から古墳があった場所なんじゃないか…と言われているらしい!!!


 

ゾワゾワゾワゾワゾワ~(鳥肌)おもしろ~い!!

 


神社ができる前からここに古墳があったならば、この場所は、大昔から人々のパワースポット、崇拝の場所であったんじゃないか、というわけよ。

 

このお話を聞いてから、神社に手を合わせることはもちろん、その周りの古墳くさいところを探そうと思った。だって、そここそ、昔から人々が守ってきた大事な場所であるわけだもんね。

 

さて、早くも本日最後の古墳スポットになりました。

JR王子駅すぐの『飛鳥山公園』

 

8代将軍徳川吉宗が桜を植えたことから、現代のお花見スポットになったという飛鳥山公園。

私でも知っている、この有名スポットも、実はいくつかの古墳と古墳跡が発見されている「古墳群スポット」だそう!

 

 

 

 

 

 

 

 

公園の中を歩いて、唯一古墳の形として現存する一号墳の前へ。

古墳時代後期に作られた古墳は、賑わう公園の中にあるので、子供のはしゃぐ声を聞きながらの見学。

今までの静寂はないにしろ、こんもりとした古墳の上を歩けば、足下から妙なエネルギーをもらっているような気分になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

古墳の上に立って公園内を見渡したときの…あのなんとも言えない不思議な感じ。

この気持ちを、ロケ中にうまく言葉に表すことができなかったんだけど…

家に帰って、この日記を書くにあたって気持ちを整理したら、ちょっとイメージが湧いたの!

 

あのさ、ドラえもんの映画で、のび太がタイムマシンとかどこでもドアを使って、昔の時代を旅したりするでしょ。

そこで自分の祖先とか、その時代を生きた人と交流して、一回り大きくなったのび太が、現代社会に戻ってきたときに、学校の裏山から自分の町を見ているシーンがあるじゃん!(いや、どの映画とかどのシーンとかはハッキリ分かんないだけど…あるでしょ、そういうラストシーン!)」

 

あれ!!!!!!!!!!!!あのときののび太の気持ち!!!!!!!!!!!!!!!!!←なんだ、この説明。分かる人だけ分かってくれればいいや。

 

繋がってるんだ…ずーっと歴史って繋がってるんだ!ってこと。

 

そう、当たり前なの!当たり前なんだけど、当たり前と思っていたその当たり前を、古墳の上から強く実感したんです。

今まで歴史が嫌いだったから、こんなことを感じたことなんてなくて…ちょと、いや、だいぶ感動した。。。

 

これで、古墳について詳しくなったなんて思ってないし、むしろ…やっとここからが歴史を学ぶためのスタートラインなのかなと思います。

 

ついついエンディングで口走ったキキタビのクイーンオブ古墳というおこがましいワードにも、気持ちよく笑ってくれる井出窪さん…好きです。

 

絶対に、また井出窪さんと旅をしたい!!コーフンしたい!!

 

ラジオの前のアナタも、古墳についての興味が少しでも湧いてくれたら、うれしいです。

 

ロケの後、我が家でもハロウィンパーティーがあって、そこの参加した友達に、今日のロケの話をしてみた!

いや~ちょっと古墳に感動してさ!なんつって。そしたら、

 

「へぇ~…楽しくなさそ。」

 

と一言。


 

おいーーーーーーーーー古墳ってすげーんだぜ!!すげーーーーーコーフンすんだぜ!!

 


と、オープニングの井出窪さんばりのテンションになってしまった私は、井出窪トリックオアトリートにかかってしまったらしいです。

 

古墳を見てくれなきゃ、はにわにしちゃうぞ☆