世界遺産だけじゃない!歴史ある街、栃木県日光の旅|旅人:村田綾

2019-05-29

 
日光東照宮の謎説きをしながら、日光の歴史にも触れ!
ますます日光の街に興味が出てきた、旅人の村田綾です

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は、日光の素晴らしい景色や美味しい物を堪能できるという事で更にワクワク。
ちなみに、小さい頃は家族旅行でよく日光を訪れていて、日光の名所をバックに撮影した家族写真が沢山残っています。
といっても、最後に訪れたのは・・・やっぱり小学校6年生の修学旅行。

久しぶりの日光巡り。

一緒に旅に出かけるのは・・・
ディレクターの横山パパ。
作家の河合ママ。
カメラマンの橋本くん(弟)。 
久しぶりのバーチャル家族旅行。(笑)

まずは、車に乗る為に横山パパがレンタカー屋さんで手続きをしてくれていたので、その様子を見ながら私と河合ママはお外で待機。

すると・・・

突然鳴り響いた大きな電話の音。
「リリリーン。リリリーン。。。リリリーン。リリリーン。」
その音は道路を渡った反対側にある、ガソリンスタンドの受付の電話から鳴っているようでした。
ガソリンスタンドのスタッフさんが忙しく、なかなか鳴りやまない電話の音。

すると・・・隣にいた河合ママが「綾ちゃんの電話鳴ってる?大丈夫?」って心配して声を掛けてくれたんです。

え???(笑)

確かに、電話の音は鳴っているけれど・・・

私は隣にいるけれど・・・???
河合ママが可愛すぎるけど♪(笑)

そんな訳で!?行き先不安になりながらも、旅がスタート!!!

まずは日光駅から車に乗り込み、あの有名な「いろは坂」を目指しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

車中では「酔い止め飲んできたから大丈夫!」と準備万端の河合ママと、
「運転してても酔うんだよね。」という横山パパ。
そして「いろはにほへと・・・」の次は何かを話し合う、橋本くんと私。
みんなでカーブの数を数えながら走っていると、あっという間に目的地である奥日光の【中禅寺湖】へ

 

 

 

 

 

 

 

 

大きな山々に囲まれて、青空の下にはキラキラ輝く中禅寺湖。
北側には、山自体が信仰の対象になっている日本百名山の男体山が見え、本当に絶景でした。

自分の立っている場所を変えると見えてくる景色も違って、同じ湖なのに不思議。
スワンボートも出ていたので、湖の上から見る景色もきっと綺麗なんだろうなぁ。
そして日光の絶景と言えば!滝も有名ですよね。

と言う事で・・・

もちろん!私達家族(仮)が向かった先は日本三大名瀑の【華厳の滝】

ここでお話をお伺いしたのは、日光自然博物館の自然解説員 森田孝道さん

 

 

 

 

 

 

 

 

日光には、滝が48~72あると言われていて、名前がついていないものまでいれると100以上あるそうなんです。もの凄い数ですよね。
それだけ、昔から滝ができやすい地域と言う事。

 

 

 

 

 

 

 

 

中でも華厳の滝は、水が高さ97メートルの岩壁から滝壺まで一気に落下する豪快な滝。
昭和5年には滝の近くの堅い岩盤を彫って作ったエレベーターが開通し、昭和6年に「国指定名勝」に指定されているんです。
お陰で現在はとても近くで滝を見る事が出来るようになっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回、私達はエレベーターには乗らずに階段を少し降りていった場所で、華厳の滝を上から見下ろす形で拝見したんですが、その大きさと存在感にとても感動しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかも、滝の周りを物凄い数の虫が飛んでいるなぁ・・・なんて眺めていたら、森田さんが「あれは、ツバメなんですよ。」と教えて下さいました。
まさかの鳥だという事に、まずビックリ!!!
だって、どう見ても虫が飛んでいるようにしか見えないサイズ感だったんですよ!(笑)
たぶん、そう見えてしまうぐらい滝が大きいんです。間違いなく。
ツバメの繁殖時期には、滝の近くに巣を作るので数えきれないぐらいのツバメが飛んでいるらしいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

他にも、季節ごとにその時期にしか見られない景色が沢山あって!
春には新緑、
夏は濃い緑が生い茂り、
秋には紅葉、
冬は雪景色と滝の横に20メートルにも及ぶ氷柱が出来るそうです

 

 

 

 

 

 

 

 

どれも見てみたいし、どの景色も写真に収めたら素敵だろうなぁ・・・と思うと何度も行きたくなりますよね。

さらに!滝を囲んでいる山々も近くで見る事が出来るんですが、色鮮やかなピンクが映える「アカヤシオ」という花が咲いていました。

色が濃くて大振りのお花だそうで、日光の方々はアカヤシオが咲くと「あっ春が来た。」と思うみたい。

遠くから見ても、とっても綺麗だったので!
春に奥日光に行かれる方は、山に咲くピンクのお花を見つけてみてくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶景を堪能した後は、日光の伝統食でもある「ゆば」を求めてレッツゴー!

日光の街を歩いていると、あちらこちらに「ゆば」の専門店やお食事処が沢山あるんです。

中でも、今回お伺いしたのは栃木県で唯一!ゆばの製造見学や体験が出来るという【日光ゆば製造の日光工場】

 

 

 

 

 

 

 

 

ここでお話をお伺いしたのは、狐塚督さん

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆばには一千年以上の歴史があり、中国から日本の京都に入り日光に持ち込まれ、元々は僧侶さん達の貴重なタンパク源として食べられていたそうです。
ちなみに、日光のゆばは二枚仕上げで「湯波」と書き、京都は一枚仕上げで「湯葉」と書くという違いがあるんですよ。

私は初めて知ったんですが、ゆばを作る際の引き上げと呼ばれる工程が異なるそうで、味も触感も違った物を味わう事が出来ます。

まずは工場を見学させて頂いたきましが、ガラス張りになっている向こう側の作業場では、長方形のケースの中に前日に大豆を調理してから仕込まれた豆乳が温められていて、表面に膜を張っている状態。

 

 

 

 

 

 

 

 

そこから一定の時間が経つと、スタッフの方が、膜が張っている中央に棒を差し込み!
上に持ち上げる事で真ん中から二つ折りになり「二枚仕上げ」の湯波が出来あがります。
慣れていらっしゃるからだとは思うのですが、ひょいひょい湯波が持ち上げられて行くので、見ていてとても気持ちがいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、その湯波を物干しざおに引っ掛けるかのように並べていき乾燥させます。

この工程が進められて行くまでに、湯波の表面に注目していると!
ピタっと張っているというよりは、全体が波打っているように見えるんです。

これが、漢字の「湯波」の原点とも言われているそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして更に!勉強になった事は、朝一に温め始めた湯波は5分ほどで膜を張って取る事ができ、いわゆる出来立ての湯波が「生ゆば」として販売されます。

その後、膜を引き上げるまでの時間が徐々に伸びて行き、夕方頃になると張り時間は25分!
朝の約5倍の時間まで温めてから引き上げたものは、湯波の加工品として調理されるそうなんです。

やっぱり、同じように温めていても一日中熱を加えていれば味にも変化が出てくると言う事で、様々な工夫がされている事を初めて知りました。

湯波作りについて、ますます興味が出てきたところで!
実際に引き上げ体験をさせて頂く為に、工場のお隣にある直売所へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ここでは、工場の機械よりも小さなケースに温められた豆乳が張られていて、爪楊枝を使って右端から斜めに湯波をすくいあげていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

これが、めちゃくちゃ綺麗に!気持ちよく!すくえるんですよ。

しかも、すくった湯波は・・・そのままお口の中へ。

うまぁ。。。(笑)

口に入れた瞬間、大豆の味が広がって優しい味。
出来立ての湯波を食べられる機会なんて、そうそうないから!
しっかりと風味も感じつつ、温かくて、柔らかくて、とっても美味しかったです。

直売所では、引き上げ体験の他にも試食が出来るんですが!

 

 

 

 

 

 

 

 

これまた、朝一でとれた「生ゆば」と「よせゆば」が最高に美味しかった。
お世辞ではなく、今まで食べた生ゆばの中で一番!!!
いくらでも永遠に食べられる気がしました。また食べに行きたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

いやぁ・・・美味しい物をお腹に入れたら、更にお腹がすいてしまった。(笑)

と言う事で、続いて向かったのは【日光鉢石町】
鉢石宿は日光街道の終点と言われていて、1617年に徳川家康を日光山に祀り日光参詣が盛んになると、日光東照宮の門前町として栄えたそうです。
歩いていると、昔ながらの建物やお店が沢山並んでいて、やっぱり多かったのは「ゆば」の専門店。他には「羊羹」や「お漬物」等のお店や、旅館もいくつかありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

せっかくだから、何か美味しい物を食べようと・・・
お店の前が、若い女の子で賑わっていた【日光ぷりん亭】へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

看板には、眠り猫の絵が描かれていてデザインもお洒落。
店内に入ってみると、ガラスのショーケースに瓶に入った可愛らしいプリンが並べられていて、それだけでもインスタ映え!!!
ナチュラルなプリンから、様々なフレーバーの商品もあり、カラフルなんですよ。

ちなみに、私が気になったお味は・・・
「いちご」「みたらし」「珈琲」季節限定の「レモン」「モンブラン」「かぼちゃ」

もう、どれも本当に美味しそう。

パッケージも、瓶に入っているというのはどれも変わらないんですが、その上の蓋の部分!
プリンの種類によって、色も柄も違う眠り猫の絵が描かれた紙で包装されているんです。
これが可愛すぎて!全部集めたくなっちゃうぐらい。
細部にわたってこだわっていらっしゃるのがわかる、素敵なお店。
もちろん!味も抜群です。

 

 

 

 

 

 

 

 

私が食べたのは「日光プリン」なんですが、日光プリンは卵黄に牛乳やクリームを混ぜてつくっているそうで、口にいれた瞬間の卵の旨味と濃さが凄いんです。
とってもなめらかで舌触りも良く!美味しかったなぁ。
お店では、プリンの上にソフトクリームをのせるメニューも人気だそうです。
これからの季節は、嬉しすぎる食べ歩きメニューですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、比較的新しく出来た「プリン」のお店の後に立ち寄ったのは・・・
1723年に創業された【宮前だんご】

 

 

 

 

 

 

 

 

今から300年程前から、長い間ずっと愛され続けているお団子屋さんです。

2005年の春までは日光東照宮の境内でお店を営んでいたそうで、元々は偉い方々のお供でやってきた家来の方々に対して、お団子をふるまっていたみたいです。

そんな歴史のあるお団子が、今この時代に食べられる事も嬉しいし!
代々受け継がれている味だからこそ、街の方々に愛されているのも納得。

 

 

 

 

 

 

 

 

小ぶりな4つのお団子が串刺しになっていて、注文が入るとその場で焼いてくれます。
電気釜は使わずに大鍋で炊いたうるち米に米粉を混ぜて、手作業で粗くつぶしながら一つ一つ形を作り、秘伝の味噌だれを塗って焼き、黒砂糖の密を仕上げに塗って出来上がり。

 

 

 

 

 

 

 

 

焼きたてなので、焦げ目がついた風味も香ばしく!
お団子には、お米のツブツブした触感も残っていて噛めば噛むほど旨味が増していきます。
お味噌と黒蜜の甘さが、なんだか懐かしくてホッとする味でした。
一緒にお醤油味のお団子も注文が出来るのですが、お醤油に使われているお団子はモチモチでいわゆる現代に近いお団子。
それぞれ触感が全く違うので、両手に一本ずつ持って食いしん坊のように楽しむのがオススメです。(笑)

美味しい食べ物も沢山あるけれど、より一層!日光らしいなぁ。と思った場所があって、それは歩きながら発見した湧水が飲める場所。

 

 

 

 

 

 

 

 

看板には『この水は、厚生省が発表した全国のおいしい水の中で、特においしいと評価された折り紙付きの水です。』と書かれていたんです。

それは、飲むしかないだろう。と、その場でいただいたんですが・・・

日光に住んでいる方々は、日常的にこんなに美味しい水を飲んでいるんだと思ったら、本当に羨ましくなるぐらい。
冷たくて、まろやかで、ビックリするぐらい美味しかった
水が美味しいって事は、それだけ自然が豊かで美しいという事ですもんね。
街歩きをしながら、改めて日光の魅力を沢山発見する事が出来ました。

そして、最後に向かったのは!

日光で初めて羊羹を作ったお店【綿半】

 

 

 

 

 

 

 

 

ここでお話をお伺いしたのは、綿半の8代目 塚原弘展さん

 

 

 

 

 

 

 

 

お店は1787年に創業されたそうなんですが、当時は江戸の町で魚屋さんを営んでいた男の人が、お魚を届けに行っていた旗本の娘さんと恋に落ち、駆け落ちをして娘さんの祖父がいた日光に訪れ・・・

2人は祖父の力を借りてお休み処を営みながら、そこでお土産として作っていた羊羹の評判が良かった事から、独立して「綿半」の初代となったそう。

羊羹だけに、そんな「あまーーーーい」お話あります?(笑)
江戸時代に、そんな大胆な事をやってのけた愛の力。恐るべし。
私の主観ですけど、8代目の塚原さんご夫婦と、塚原さんのお母様にもお会いしたんですが・・・皆さん、美男美女でした。

恐らく、その美貌も羊羹の美味しさも、色んな意味で先祖代々受け継がれている老舗の羊羹屋さんなんだと思います。

練羊羹の作り方に関しても、竹の皮に包まれて作っている物は昔から変わらずに続けていらっしゃるという事なんですが、昔に比べると今現在は少しお砂糖の量を減らしたりという工夫はあるみたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

昔は、お土産として持ち帰ってもらう事が多かった為、長持ちさせるという意味でもお砂糖を多く入れていたという事。
食べ物に関しても、昔の人の知恵って本当に凄いですよね。

素材にもこだわって作られている羊羹ですが、中でも「水」の美味しさは大きく影響しているみたいです。
別の地域で同じように羊羹を作ってみても、水が違うだけで味が違う物が出来ると塚原さんは仰っていました。

その言葉を1番感じる事が出来たのが、お店で作っている「水羊羹」をいただいた時。
小豆そのものの甘さや味わいはもちろん!
とってもみずみずしくて、口の中に残る爽やかな羊羹の香りが絶妙でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

この水羊羹だったら1人で5本食べられる!と本気で思ったぐらい美味しかったんです。


他にも、綿半で人気の「日の輪」という小麦粉の皮でこし餡を包んだ上品なお饅頭も販売されていました。
2代目が作り出したこのお菓子は、輪王寺に献上した際に気に入られ、日光の「日」と輪王寺の「輪」から名前が付けられたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

皮がモチっと柔らかく、餡子も甘くて自然と笑みがこぼれる美味さでした。


河合ママと私は、お土産にする気満々で!
練羊羹と水羊羹を、大量買い。
旅から戻って、私のリアル家族にも食べてもらったら、あっという間に完食でした。
日光に行った際は、是非とも!綿半さんの羊羹をお土産に。

 

 

 

 

 

 

 

 

間違い無く、オススメですよ。


旅の醍醐味でもある、お土産もゲット出来た所で、そろそろ帰る時間。
この季節ならではの、日光の絶景も見る事が出来て!
更には、伝統的な食文化にも沢山触れて!とても充実した旅になりました。


世界遺産も素晴らしいけれど、その世界遺産を守り抜く街の人達との出会いも、負けないぐらい素晴らしいものでした。


四季折々の表情が楽しめる奥日光。
1度とは言わず、2度3度訪れてみたら、また新しい出会いが沢山あるはず。
子供の頃に行った事がある。という方は特に!改めて訪れてみるといいかもしれませんよ。


日光の魅力に、どっぷりハマった!
旅人の村田綾でした。

 

 

 

 


JR日光駅前