東京・山手線一周!宝探しぶらり旅 鶯谷~西日暮里編|旅人:井門宗之

2019-11-14

『河合さんが作家さんなのに、ピーカンですね!』
今回のロケのオープニングの写真をSNSで見たリスナーさんからの投稿であります。
えぇ、えぇ、随分と浸透したなぁ…(遠い目)

 

 

河合「新参者の私でさえ、もう番組に携わって5年ですからね!」

 

佐々木「僕はもう9年ですよ、長いなぁ。」

 

井門「僕達も随分と遠くまで来たんだね(笑)」

 

橋本「本当に貴重な経験をさせて頂いてます。」

 

 

前身の番組から数えると今年の10月で丸17年、18年目の旅がスタートしました。
旅の途中で出会った様々なものたち、それは人や風景や食べ物や歴史、様々ですけど、
そんな様々なsomethingに支えられてKIKI-TABIはあります。
そしてそんな僕らは今日も変わらず山手線をぶらぶらしているわけで…。
父さん、僕は先が全く見えない訳で…。
高輪ゲートウェイ駅がウェイウェイするのが来年の4月。
それまでに僕らは山手線一周…出来てねぇな、こりゃ(笑)
行けて高田馬場か、はたまた渋谷か…。渋谷でウェイウェイしちゃうのか。
とにもかくにも今回のスタートは鶯谷駅であります!
ここから日暮里⇒西日暮里までをてくてくするのが今回の目的。
地元がすぐ近くにあるDのゴルちゃんの鼻息も荒い!(荒くない)

 

 

 

 

 

 

 

 

井門「いやぁ、なかなかこっち(東京の東側)には来ないからワクワクするね!」

 

ゴル「はいはい、どうせ世田谷区民はこちら(東側)には来ないでしょうね!けっ!」

 

井門「やめろよ、なんでそんな卑屈になるんだよ!」

 

河合「私も品川区民なので、あまりこちら側は…。」

 

ゴル「けっ!

 

橋本「確かにあまり来ないですね!」

 

ゴル「黙れ板橋区民!けっ!」

 

井門「やめなさい!(笑)」

 

 

という訳で東京23区戦争が始まりそうな今回のロケ。
僕らのワイワイしたやり取りは本編でもお楽しみください(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、鶯谷駅を出発して最初にお邪魔したのは豆腐料理の専門店。

 

 

井門「なんとも老舗の佇まいですね…。」

 

河合「入口に句碑がありますよ!」

 

井門「なになに…
水無月や 根岸涼しき 篠の雪
蕣に 朝商ひす 篠の雪
どちらも正岡子規の直筆とな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらが創業328年という『根ぎし 笹乃雪』さんです。
入口の引き戸を開けると、表の喧騒とは別世界の広い空間が現れます。
気品と歴史を感じさせる赤絨毯、でもなんとも言えない落ち着く雰囲気。
僕らはこちらの11代目店主、奥村喜一郎さんにお話しを伺いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

井門「笹乃雪の創業は何年になるんですか?」

 

奥村「1691年の元禄時代ですから、今年で328年になります。」

 

井門「げ・げ・げ・元禄時代ですか!」

 

奥村「はい、都内にある飲食店では最も古いと言われております。」

 

井門「東京で最も老舗の飲食店!」

 

奥村「勿論、他の業種ではもっと古くからやられている所もありますが、
飲食店という業種で言えばウチが一番古いと言われております。」

 

 

 

 

 

 

 

 

何とも上品な佇まいの奥村さんの口からは、
笹乃雪に関する驚きの歴史が次々と飛び出します。

 

 

○京都から上野の宮様と共にやって来て、開業。
○絹ごし豆腐を発明したのは笹乃雪さん。
○様々な豆腐料理の礎を築く。
○赤穂浪士にもゆかり有り。

 

 

一行「す・凄いですね…。」

 

奥村「正岡子規の家も同じ町内にありましたが、
子規も新聞日本の社長の陸羯南に連れられて来ていたようです。」

 

 

その縁もあっての入口の句碑なのであります。

 

 

井門「現在も創業当時から変わらないメニューってあるんですか?」

 

奥村「コース料理の中の、例えば“あんかけ豆富”は創業当時から変わりません。
京都から江戸に来た初代が、江戸で親しまれていた生醤油を使ったメニューを考え、
そこから作り出されたものになります。」

 

 

という訳で今回特別にその“あんかけ豆富”をいただくことに!
目の前に出された碗形茶碗は二客。そのどちらにも薄く醤油色の餡をたたえたお豆富が。
その餡の中心部には芥子が少し落とされ、
それを少し溶いて餡とお豆富を同時に口に持っていくと…。

 

 

井門「あぁ…これは美味しいですね。じんわりと優しい味わいで。
この溶き芥子がまた良いアクセントになっていますね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

河合「(囁きボイスで)どうして二つあるのか聴いて!」

 

井門「へっ?これ二つあるのは何か意味があるんですか?」

 

奥村「はい(笑)創業当時にこれをお出しすると、殆どの方がお代わりされました。
ある時、宮様にもこれを味わって頂いたところ、
これは美味しいので最初から二つお出ししなさいと言われたそうです。
それ以来、餡かけ豆富は二つお出ししているんですよ。」

 

井門「そうなんですね!僕はてっきり“ブツ撮り用”に二つあるのかと…。」

 

河合「(囁きボイスで)違う!違う!!(このバカプロデューサー!)」

 

 

因みに店名の『笹乃雪』も宮様が名付けられたとか。
豆富を表すのに何か良いネーミングを…とのことだそうで、
何とも風雅なネーミングは、奥村さん曰くまさに「名コピーライター」ですよね。
そうそう、「豆腐」を「豆富」と書くのも常連の文化人たちのアイデアだったとか。
戦後、笹乃雪さんは様々な文化人の溜まり場になっていたそう。
そんな中から『料理屋さんで腐るはいかんだろう。』と『富』の字が付けられたとか。
今では全国各地で「豆腐」を「豆富」と書くお店がありますが、
恐らくその発祥も笹乃雪さんでは…との事でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

奥村「私どもは昼から通し営業でやっております。
やはり全国からお客様がいらっしゃいますので、
せっかくお越し頂いて休憩時間では申し訳ありません。
ですので、いつお越し頂いても大丈夫なように通しで営業をさせて頂いております。」

 

 

老舗の暖簾を守る事の難しさ、厳しさは勿論あると思いますが、
根岸の地に凛と構える笹乃雪さんは遠方からも訪れる価値のあるまさに名店。
今度はゆっくりコースを頂きに伺います。
奥村さん、美味しいお料理とお話しを有り難うございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

笹乃雪さんの目の前には地元の小学校があって、
ちょうど下校時刻の子供達が元気に歩いていきます。
とても長閑な風景の中を僕らもてくてくとぶらり。

 

 

河合「この先が日暮里の繊維街なんですよ。
この前もわたしここに買い物に来ました!」

 

井門「おっ、河合さんの女子力高め発言!
でも本当に道路の両側にびっしりと生地の専門店が軒を連ねているんですね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

河合「ほら、そこは革製品の専門店だったりして。
生地の他にも沢山の専門店が並んでいて、外国人の方も多いですね。」

 

ゴル「あっ…あそこの洋食屋さん、物凄く良い雰囲気ですねぇ…。」

 

河合「あのお店、確か孤独のグルメでも取り上げられていたお店じゃないかしら…?」

 

ゴル「(井之頭五郎風)腹が減って…死にそうなんだ…キャッキャッキャッ」

 

井門「(井之頭五郎風)腹…減った…キャッキャッキャッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして繊維街で井之頭五郎ごっこを堪能した後は、日暮里駅なのであります。

 

 

 

 

 

 

 

 

日暮里駅はJR東日本、京成本線、日暮里・舎人ライナーが乗り入れるターミナル駅。
駅前は綺麗な建物が並び、駅の後ろにはタワーマンションも。

 

 

河合「この辺りも随分と景色が変わったみたいですよ。」

 

井門「昔は何があったんですか?」

 

河合「お菓子問屋さんが並んでいたそうで、
実はそこの駅ビルの中に1軒だけお菓子問屋さんが残っているんですよ。」

 

 

という訳で向かった先は老舗のお菓子問屋、大屋商店さんです。
所狭しと並んだ懐かしい駄菓子の数々。

 

 

 

 

 

 

 

 

井門「あ~!子供の頃はお小遣いと相談しながら買ってたお菓子が、
箱で売ってるし、今なら何も考えずに買えるもんなぁ。」

 

大屋「ぜひ買ってってください(笑)」

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言って笑顔で我々を迎えてくださったのは大屋由紀子さんです。
大屋商店は昭和22年創業の老舗。
かつては駅前にお菓子問屋さんが沢山建ち並び、子供の数も多かったとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

大屋「私は嫁いできたんですけど、昔は本当に子供が多かったって。
今はお客さんも変わってきて一般の方が9割ですけどねぇ。」

 

井門「因みに人気の商品って何になりますか?」

 

大屋「そうですねぇ。昔から人気ですけど“うまい棒”は人気ですね。」

 

井門「“タラタラしてんじゃねーよ”も置いてますね!」

 

大屋「これはやっと入荷したんですよ。
渋野選手の影響で入荷するとすぐに売り切れちゃって。」

 

河合「私、買っていきまーす!」

 

 

駄菓子は良いですね。子供の頃からあるお菓子は皆の共通言語だもんなぁ。
僕らが取材している間もお客さんが何人もいらっしゃって。
皆さん大人のお客さんなんですけど、どの顔も童心に帰ったかのようで。
街の風景もお客さんも変わってきたと思いますが、
楽しみにしているお客さんの為に、大切な風景として在り続けてください!

 

 

 

 

 

 

 

 

河合「はい、タラタラしてんじゃねーよ、どうぞ!」

 

井門「おぉ、激辛って書いてある。頂きますー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴル「これは作家である河合さんから僕らへのメッセージ…。
いいかお前ら、タラタラしてんじゃねーよ、さっさと次へ進めよ!と…。」

 

河合「んもうっ、そんな訳ないじゃないですかー!
ほら、先へ進みますよ!(ニヤリ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

日暮里駅には『トレインミュージアム』という電車撮影スポットもあり、
ひとしきりそこでキャッキャツした後は…

 

住宅街の中に現れた和菓子屋さんであります。

 

 

 

 

 

 

 

 

江戸うさぎは東京メトロのCMで石原さとみさんも訪れた場所。
名物は『妖怪★いちご大福』でありまして、
っていうか日暮里の路地裏に妖怪いちご大福!?
お店の君島奏子さんにお話しを伺いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

井門「お店自体はいつごろからやられているんですか?」

 

君島「お店自体は14年前にオープンしました。」

 

井門「やはり名物は??」

 

君島「妖怪★いちご大福です(笑)」

 

井門「妖怪★いちご大福の特徴は?」

 

君島「目の位置で表情も変わるので、そこもポイントですけど、
季節によって限定商品も出ますので楽しみにされている方も多いですよ!」

 

 

という訳で42歳のおっさんが頂いたのは「妖怪★いちご大福」のこしあん、
そして「妖怪★くり大福」の2種類。
くり大福の方は栗の帽子も被っていてまた何ともいえず可愛い。
生地の中にはコラーゲンが練り込まれているので、女性にも嬉しい。
頂くのは42歳のおっさんであります。(可愛くない)
食べている所の画像は厳しいと思いますので、ぶつ撮りの画像だけどうぞ(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと歩き疲れた身体に爽やかな甘さが沁みていきます。
ここで甘さを補給して、西日暮里駅までラストスパート!
なんと日暮里から西日暮里の駅までは400mしかない!

 

 

 

 

 

 

 

 

井門「ぶらり旅の良さは普段なかなか歩かない場所を歩けるって事だよね!」

 

ゴル「俺、めっちゃここ歩くよ!
そりゃ世田谷区民様はこの辺りは歩かないでしょうけど!けっ!」

 

井門「なんでそんな卑屈になるんだよっ!(笑)」

 

 

 

 

 

 

 

 

久々にぶらりしたこのエリア(って言うとゴルちゃんにまた叱られる)
でも良い意味で変わらず、町の良さを損なわずにあり続けていました。
鶯谷からしばらくは山手線沿線も下町の匂いがするエリアが続きます。
次回は西日暮里から田端、そしてその先には…行けるのか!?
不定期シリーズなので次は2020年になりますかね。
東京の良さを再発見するこのシリーズ。またここから先の町の匂いもお楽しみに!
今年も有り難う、東京!!