Mr.BIG!LEAN INTO IT!

2010-08-07

LEAN INTO IT


今週の名盤は、ポール・ギルバート教諭:登壇記念!

 
Mr.BIG LEAN INTO IT” 特集』。

1990
年のはじめに中学生、もしくは高校生だった人にとっては
このアルバムは決して忘れることのできないものなんじゃないでしょうか?
多くのキッズにとって、初めての洋楽ロック体験。
そして、楽器をはじめるキッカケにもなった、偉大なアルバムです。

M
  ALIVE AND KICKIN’   /    Mr.BIG    

 

 
M  DADDY, BROTHER, LOVER, LITTLE BOY
      (The Electric Drill Song   /    Mr.BIG   

2曲目にお送りしたのは、
1991年リリースのMr.BIGのその名盤から
日本のギターキッズを狂喜させたドリルソング!!です。


日本の工具メーカー:マキタの電動ドリルを使って、
先っぽにギターピックを3枚つけて、弦を超高速でピッキングする、
という、まさに飛び道具!!

しかも、ベースも同じことをやってユニゾンする、という実にバカげた曲ですが、
当時は、それがとにかくカッコよかった!

でも、マキタのワイアレス電動ドリルは20万円を超える、超高額!
貧乏な学生たちは、プラモデルの舟に使うようなモーターをつかって、
まねをしていました。

しかも、この技をあの!ギターの神様!VAN HALENもパクってました!
でも、海外では、知名度的にVAN HALENが元祖!と思われてました!
ダセえな。パクんなよ!


さてさて、Mr.BIG
1989年にデビューしたアメリカのバンドです。
ただ、そのデビュー時の注目度はただならぬものがありました。

そもそも、それぞれのメンバーがかなりキャリアがある
スター!!
つまりスーパーバンドだったからですね!

当時最も有名だったのは、ベーシストのビリーシーン。
VAN HALENを脱退した後のデイヴ・リー・ロスが、
スティーヴ・ヴァイと共にバンドメンバーに迎え入れた超絶技巧の
ベーシストですね。

そして、レーサーXでデビューして、世界最速!とも呼ばれた
高速ギタリストの
ポール・ギルバート。

サンフランシスコの実力派シンガー:エリック・マーティン。

インペリテリバンドのドラマー:パット・トーピー。

この4人が集まって、1989年『Mr.BIG』というアルバムでデビューしました。

超絶な技巧派があつまったバンド、ということで凄まじいエゴが爆発した
サウンドに
なるか?と思いきや、バンドのサウンドはあくまでも
オーソドックスなHR

それぞれが持ち場をわきまえたプレイに徹して、出るところは出る!
引くところは引く!とにかく楽曲重視!という大人なサウンドでした。

これが意外に地味に写ったのでしょうか・・・

大きな期待の中でデビューしたスーパーバンドは、
本国アメリカで結果を残すことが
できませんでした。

M. 
GREEN-TINTED SIXTIES MIND   /    Mr.BIG 

コチラも日本のギターキッズには馴染み深い名曲
60s マインド”。

このイントロのギターのタッピング・フレーズ。
これをギターキッズたちがこぞってコピーしていましたーー。
ほとんど皆、出来たつもり・・・で終わってましたが(笑)

さて、1989
年にデビューして、本国では大きな結果を得られなかった
バンドですが、
ここ日本だけでは、ブレイクの兆しが見えていました。

ボーカル・エリックマーティンの少年のような甘いルックスと
セクシーなVOCAL
分かりやすいキャッチーなメロディー。

そして、ギターキッズがコピーしたくなるような、簡単すぎず、
難しすぎない
楽器隊のプレイ。

この辺りが、日本のメディア、そしてキッズに受けて、
ファンも徐々に増加していきます。

そして、1991年。
セカンドアルバム『LEAN INTO IT』のリリースです。

アルバムのオープニングを飾る
電動ドリルの衝撃のトリック・プレイに
一気にノックアウトされた日本のファンは、
雪だるまのように増加の一途を辿ります。

それまで、日本のロック、歌謡曲しか聴かなかった人達も取り込んで、
Mr.BIGは、日本で一番有名なアメリカン・ハードロックバンドへと
成り上がっていきます。
アメリカでは、全然売れていないにも関わらず・・・。

雑誌の表紙を飾って、LIVEツアーはどこもSOLD OUT

かつてのCHEAP TRICKのように“BIG IN JAPAN”。
日本だけでキャーキャー言われているバンド:
と皮肉られながらも、バンドはどんどん大きくなっていきます。

そんな中、この曲がアルバムからシングルカットされました。


MTO BE WITH YOU   /    Mr.BIG  
 
彼らの名前を知らなくても、この曲くらいは聴いたことあるんじゃ
ないでしょうか・・・

この曲。なんと全米ナンバー1!
となる大ヒットとなりました。

日本だけで有名だった、まさにBIG IN JAPANだったバンドですが、
徐々にに日本での噂が伝わって、ついにアメリカでの大ブレイク、
となったんですね。

ただ、これがバンドにとっての苦難のスタートでもありました。

レコードメイカーは、第2の“TO BE WITH YOU”を作れ!!
とバンドに強いプレッシャーをかけ続けます。
ブリティッシュ・ハードロックに根ざした、ブルージーなロックを
作りたかった
バンドのメンバーは、周囲の期待にこたえようと、
甘い楽曲をレコーディングしてしまい、しかし、結果はなかなかでない・・・

本国アメリカでまた売れない・・・
という悪循環に陥ってしまいました。


ただ、どんな時でも支えたのは日本のファン。
日本では、アルバムは常に大ヒット。
ベストアルバムに至っては、当時70万枚を超えるセールス・・・
と、彼らを真摯に支え続けました。

それに答えるように、彼らも日本全国津々浦々!
わが故郷の鹿児島にまでツアーで訪れて、最高のサウンドを聞かせてくれました。

メンバー間の確執、メンバーチェンジ、活動休止、解散・・・
というネガティブな歴史もありましたが、
昨年、オリジナルメンバーで再結成。

日本で、最高の再結成LIVEを見せてくれました。

結局、いまだにBIG IN JAPAN、なMr.BIG

でも、それでいいじゃん!
これだけバンドとファンの信頼関係が築けるなんて、素晴らしいなぁ・・・
とつくづく感じますね。

 

M   ROAD TO RUIN   /    Mr.BIG     

M   JUST TAKE MY HEART   /    Mr.BIG