ERIC CLAPTON!スローハンド!
2010-06-12
『ERIC CLAPTON。名盤“スローハンド”特集』。
ギターの神様。エリック・クラプトンの数ある作品の中で、
傑作、と言われているのは、レゲエに傾倒した1974年の
【461オーシャン・ブルーヴァード】、
そして、ブリティシュ・ブルースロックに回帰した、
このアルバムでしょうね。
M. COCAINE / ERIC CLAPTON
1曲目にお送りしたのは、1977年のそのアルバム
“スローハンド”から、JJケイルのカバー:コカインです。
長い間、この白い粉に苦しめられて、ドン底にいた彼が、
まるでそのバカな時代を笑うかのように、
気持ちよくギターを弾いているのが印象的ですね!
80年代とか、90年代の多少オーバー・プロデュース気味の作品から
比べると、かなりシンプルで、ほぼノーエフェクト!
といったサウンドですが、だからこそ、飽きることの無い作品で、
ストレートなECの魅力が伝わってきますね。
M. NEXT TIME YOU SEE HER
/ ERIC CLAPTON
新宿のトンカツ屋で見た!とか、原宿で服屋にいた!
とか、日本での目撃談が絶えないERIC CLAPTON。
ERIC CLAPTONに抱かれた!と自称する女性も数知れず。
あいつは日本に住んでるんじゃないか?なんて言われているほど、
日本人には馴染み深いERIC CLAPTON。
ということで、日本人にとっては、ちょっとカリスマ性は薄いですが(笑)、
どちらにしても、世界3大ギタリストの1人ですし、
そのキャリアは、本当に凄いです。
ECは、1945年イングランド生まれ。
若くからギターの才能を発揮した彼は、18歳のときには、
後にジェフ・ベック。ジミー・ペイジも加入することになるロンドンの
人気バンド:ヤードバーズに参加。一躍人気ギタリストになります。
その後、よりブルース志向のバンドを望んだ彼は、
ジョン・メイオール・ブルースブレイカーズに参加。
白人である彼が演奏する、すさまじいブルースプレイに世界中が熱狂。
ロンドンの街中に、”CLAPTON IS GOD”という落書きが現れて、
彼はまだ20歳かそこらで”ギターの神”といわれるようになりました。
M. LAY DOWN SALLY / ERIC CLAPTON
1977年のECの傑作アルバム“スローハンド”から、
全米3位を記録したヒットナンバー”LAY DOWN SALLY”。
女性シンガー:マーシー・レヴィとの共作、そして共演作ですね。
女性コーラスが入るだけで、こういったブルーズ・ナンバーが一気にポップに
聞こえるから不思議ですねーーー。
さて、ブルースブレイカーズ参加後、”ギターの神”と呼ばれるようになった
彼は、その後、ジンジャー・ベイカーとジャックブルースとの
サイケデリック・ロック・バンド【クリーム】で伝説を作ったり、
ビートルズのアルバムに、史上初めてゲストミュージシャンという形で
参加してジョージ・ハリソンの名曲”While my guitar gently weeps”
を演奏したり、スティーブ・ウィンウッドと結成したスーパーバンド
【ブラインド・フェイス】を結成したり・・・と大活躍しますが、
バンドはどれも短命に終わってしまいます。
その後は、アメリカ南部出身の夫婦デュオ:デラニー&ボニーの
バックバンドとして地味に活動していた彼ですが、
その中で改めて作曲のイロハを学び、シンガーとしてのイロハも学んで、
1970年、ついに、自らが歌い、自らがギターを弾くという
ソロ活動をスタートします。
そして、同じ年には、デレク&ザ・ドミノスというバンド名義で名盤
【いとしのレイラ】をリリースします!
が、当時はぜんぜん売れませんでした。(今では大名盤!って定義なのにね!)
当然、バンドも崩壊。
ギターの神、といわれた60年代から、70年代に入って、
明らかに勢いが無くなってきたエリッククラプトン。
まぁ、数多のバンドを渡り歩いて、そしてぶっ潰したわけですから、
ファンは困惑して、怒って当然ですよね。
結局”神”は、その後3年間、音楽業界から姿を消すことになります。
M. WONDERFUL TONIGHT / ERIC CLAPTON
名曲中の名曲ですね。数多のアーティストのカバーでも有名なナンバー:”Wonderful Tonight”です。
当時のパートナー:パティ・ボイドに捧げた曲として有名ですよね。
もちろん、このパティ・ボイドは、ECの大親友ジョージ・ハリソンの元奥様。
まぁ、それはそれは美しい人だったんですが、
その親友の妻に恋してしまったECは、名曲”いとしのレイラ”を捧げ、
そして、その禁断の愛に苦しんで、コカイン、ヘロイン、酒におぼれて、
さっきも言ったとおり、3年間もの間、音楽業界から姿を消すことになりました。
ドン底の彼を支えたのは、THE WHOのピート・タウンゼントなどの
ミュージシャン友達。セッションに誘ったり、映画出演を誘ったり、
と親身になってサポートします。
そして、パティも、エリック・クラプトンの、猛烈なアタックに心を動かされて、ジョージの妻でありながら、クラプトンの家に住むようになります。
そんな彼は、ついに1974年。
名盤【461オーシャン・ブルーヴァード】で完全復帰。
シングル【I SHOT THE SHERIFF】は全米ナンバー1を記録するほど、
アルバムは売れに売れます。
そして復帰3作目が、今日特集している【スローハンド】。
”余りにプレイが早すぎて逆にスローに見えるから”付いた
彼のニックネームがタイトルにつけられたこのアルバム。
ブラッキーと呼ばれたストラトキャスターを抱えたジャケットも
とっても有名ですよね。
アメリカ文化に傾倒して、様々な音楽ジャンルを貪欲に取り入れていた
ECが、久々にロンドンに戻って、ストーンズやTHE WHOを手がけた
プロデューサー:グリンジョンズと作ったこの作品は、
改めてブリティシュ・ブルーズに回帰しつつ、
ポップな要素もキチンと受け入れて、
そして、シンプルでエヴァーグリーンなサウンドで、
本当に飽きの来ない名盤になっています。
アルバムのリリースの年、1977年には、ついにパティがジョージと離婚。
禁断の愛が、本当の愛になった記念すべき年でもありました。
その心の充実も音楽に表れているようですね。
(でもさーー、その後にパティとも離婚して、色んな女を渡り歩くんですね。
被害者みたいに言われるジョージ・ハリソンも女関係は酷かったらしいし。
結局、パティが一番の被害者じゃんねぇ。
やっぱり大物は色を好むんですなぁ。。。このドスケベ!)
M.THE CORE / ERIC CLAPTON