Dire Straits“BROTHERS IN ARMS”

2010-09-23

direstraits

『直訳すると“すごーい貧乏?”

Dire Straits
BROTHERS IN ARMS” 特集』。

スーパーギタリスト:マーク・ノップラー率いるイギリスの
ロックバンド:Dire Straits
デビュー当時、ほとんど誰からも注目されなかった
“すごーい貧乏”な4人組は、
その7年後には、
ロック史に残るメガヒット作品を生み出していました。

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        ONE WORLD    /    DIRE STRAITS 

Mr.遅咲き男」マークノップラー率いるダイアー・ストレイツ。
彼らが本格的にデモ・テープを作り始めたのは、
30歳に手のとどきそうなときでした。
ミュージシャンとしてチャレンジするには、
ほとんどラストチャンスの年齢ですよね。

でもその年齢が功を奏した、と言うか。
マークが書き上げる歌詞、そして歌、ギターには
どこか枯れた男の悲哀が漂っていますよね。
ボブ・ディランに最も愛されたヴォーカリスト:マーク・ノップラー。
そう思うと、ディランの声を少しライトにした様な声質ですね。

M
       SO FAR WAY    /    DIRE STRAITS   

アルバムは・・・今聞くとなんだか、不思議なサウンドですよね。
かなりブルージーでいぶし銀!なバンドの音なのに、
1980年代中盤という時代の流れもあって、
フルデジタル録音で、無駄にクリアで中域のエッジが立っている。
これもまた、時代の音ですね。
2010年のイマでは、こんな音では絶対に録らないでしょう。
<実は、本人たちはイヤだったみたいですが・・・>

さて
さて、スーパーギタリスト:マーク・ノップラー率いる
DIRE STRAITS
結成は1976年。場所はロンドンです。

まぁ、この番組でも何度もやってますが、
1970年代中盤~後半のロンドン、といえば、
ロンドンパンク!ですよね。

 
音楽業界はパンクロック一色。
クラッシュ、SEXピストルズ、ダムドの3大パンクバンドが
台頭して、
街に溢れたパンクス達は破れた服を
安全ピンで繋いで、
髪をツンツンに立てて、
世の不満を音楽に叩きつけていました。

そんな中、学校講師、民生委員、銀行マン、
セッション・ミュージシャンの4人が集まり、
好きな音楽で世の中に出よう!と結成されたのが
このバンド:DIRE STRAITS
もちろん、その音楽はパンクではありませんでした。

ブルース、カントリー、ジャズなんかの
ルーツ・ミュージックを独自に解釈した
“いわゆる質の高い”ロック。

ただ、それがパンクロック全盛のイギリスで
人気が出るはずありませんでした。
メンバーは、万年金欠状態。
そこで付けられた名前が、“恐るべき困難、
すごーーい貧乏”を表す
DIRE STRAITS、だったんですね。

1978
年にはめでたくデビューにこぎ着けますが、
案の定、本国イギリスでは全く話題になりませんでした。

ラジオ局に回されたサンプル盤は聴かれる事もなく捨てられる・・・
まさに“恐るべき困難”な船出だった彼ら。

しかし確かな才能が刻まれたデビュー作は、
イギリス以外でじわじわと人気を獲得していく事になるんです。

M
  WALK OF LIFE  /    DIRE STRAITS 

 
実は・・・本国イギリスで鳴かず飛ばずだった彼らの音楽に
注目が集まったのは、
イギリス以外の国々でした。
デビュー曲“悲しきサルタン”が、オーストラリアのラジオの
パワープレイから火がついて、
ニュージランドにも飛び火。
チャートでは1位を記録します。

その後、ドイツ、オランダ、カナダでも熱狂的に支持されて
遂にはアメリカでも大ヒット!全土に渡るツアーを敢行して、
なんと、デビュー作『DIRE STRAITS:悲しいサルタン』は、
全米チャート2位にまで上りつめます。

結果的には、全世界で1500万枚という天文学的な
セールスを記録するんですね。

“恐るべき困難”“すごーーい貧乏”時代を乗り越えて、
遅咲きのバンドは、あっという夢を叶えたんです。

 

M  BROTHERS IN ARMS  /    DIRE STRAITS  


さて、デビュー作『悲しきサルタン』で奇跡の大ブレイクを果たした
DIRE STRAITS

リーダーで、ソングライター、ギタリスト、ボーカリストの
マークノップラーには
同業者から仕事がどんどん舞い込むようになります。
ボブ・ディラン、STEELY DANELTON JOHN
STINGCLAPTONなど
様々なスーパースターと仕事をして、
そして結果を出す中で、
多くのミュージシャン、
そして音楽ファンから圧倒的に信頼されるようになりました。

そんな中、DIRE STRAITS1985年にリリースしたのが、
今日特集している『Brothers in arms』。

今日、聴いてもらった通り、かなり渋―――い作品です。
押し付けがましくなく、エキサイティングでもなく、
あくまで大人の作品です。

ですが、

これが、全世界で2500万枚も売れたんですよね。
もちろん、素晴らしい楽曲と演奏が詰め込まれてますが、
2500万枚・・・凄いですよね。

CDが世の中に出たばかり、という時代もあって、
売り上げが倍増した、とも言われています。
CDとレコード、両方買った人が本当に多いんでしょうね。

そして、このアルバムが売れた、そしてグラミーまでとった最大の理由は、
このシングルヒットがあったからでしょう。

STING
が参加してポリスの「高校教師」のフレーズをコラージュしながら、
MTV全盛の音楽シーンを痛烈に皮肉ったこのナンバー。

印象的なCGを使ったビデオクリップが、MTVで流れ続けて、
全米ナンバー1になった!という“ミイラ取りがミイラになった”
ような曲ですが、
印象的なギターリフと共に、
1980年代のモンスターバンドは、
更なる高みへと上っていったわけです。

 

MMONEY FOR NOTHING   /    DIRE STRAITS