THIN LIZZY特集!

2010-11-01


thinlizzy

『アイルランドの英雄! THIN LIZZY 特集』。

エメラルド色の国:アイルランドの誇るロックバンド:THIN LIZZY
本国、そしてイギリスでは、いまだに絶大なる人気を得ています。

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   Jailbreak   /    THIN LIZZY   

1曲目にお送りしたのは、1976年にリリースされたアルバム
Jailbreak:脱獄』からタイトルトラックです。

褐色の肌でベースを弾きながら歌うフィル・ライノット。
決して声域が広いわけでもないですし、歌う、というよりちょっと
ラップのように
しゃべってるような感じですが、
とにかくかっこいいですよね。

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   The Rocker   /    THIN LIZZY      

さて、次にお送りしたのは、THIN LIZZY1973年のアルバム
Vagabonds of the western world』からThe Rocker”です。

彼らがアコースティックでフォークよりのバンドから、
ロックなバンドに
生まれ変わった時の記念すべき1曲ですね。

さてさて、アイルランドのロックバンド:THIN LIZZY

中心メンバーは、ボーカル&ベースのフィル・ライノットです。
褐色の肌に、髭をたくわえて、そしてアフロヘアー、
というロッカーらしからぬ
ルックスで有名ですよね。

1960
年代後半に、ダブリンにてドラム:ブライアン・ダウニーと
ギター:エリック・ベルと
フィル・ライノットの3ピースで
結成されました。

結成当初は、アイリッシュフォークにサイケロックを融合した
サウンドで勝負。
1970年には地元アイルランドで念願の
レコードデビューを果たして、
すぐにイギリスのデッカレコードと契約。
翌年にはファースト・アルバム『THIN LIZZY』を、
そして1972年にはセカンドアルバム『ブルー・オーファン』を
リリースします。

そのセカンドアルバムにリリースされた次のナンバーが大ヒット。
THIN LIZZYの名前は、イギリス、アイルランドに轟くことになります。

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Whisky in the jar   /    THIN LIZZY 

次にお送りしたのは、1972年の彼らのファーストヒット!
“ウィスキー・イン・ザ・ジャー”です。

アイルランドのトラディショナル・ソングをロック風にアレンジした
“比較的地味な曲”ですが、この曲がまさかの大ヒット!
アイルランドで1位!
イギリスでも6位!という新人としては最高の成績を残します。

でも、まだまだアコースティックなフォークよりの音ですよね。
往年のツインリードギターのハードロック・サウンドからは
想像もつきません。

さてさて、このシングルヒットで一躍注目の存在となった
THIN LIZZYですが、
あくまでトラッドソングのカバーでのヒット。
オリジナリティが認められたわけではありませんでした。

何とか、自分たちのオリジナルサウンドを作りたい!と思った
バンド:フィル・ライノットは、
一気にバンドをハードロック寄りに方向転換します。
盟友でもあるアイルランドの名ギタリスト:ゲイリー・ムーアを
呼び寄せて
レコーディングを敢行。

その後、パーマネントなメンバーとして、
アメリカ人のギタリスト:スコット・ゴーハムと
スコットランド人のブライアン・ロバートソンという2人の
リードギタリストを
迎え入れて、
圧倒的なハードサウンドを手に入れます。

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人のギタリストのGIBSONレスポールから奏でられる分厚い
ギターの音。
コレに世界中のロックキッズが叩きのめされるんですね。


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The Boys Are Back In Town   /    THIN LIZZY 


彼らの代表曲。曲中の名曲ですね。
1976年の名作『Jailbreak:脱獄』から、
“ヤツらは町へ:The Boys Are Back In Town”です。

様々なアーティストにもカバーされていますよね。
代表的なのは、BON JOVIのバージョンでしょうか。

JON BON JOVI
THIN LIZZYの大ファンというのはよく知られてますよね。
フィル・ライノットの描くヒロイズムや、カウボーイなどのモチーフが、
モロにBON JOVIの音楽に影響を与えているのは有名な話です。

さて、この1976年のアルバム『脱獄』で世界的にブレイクしたTHIN LIZZY
イギリス、アイルランドのみならず、アメリカでも大ヒット!
もちろん、ここ日本でも一躍人気バンドになりました。

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Still in love with you (LIVE)   /    THIN LIZZY M Waiting for an alibi   /    THIN LIZZY  

さて、次にお送りしたのは、1979年のTHIN LIZZYのアルバム
『ブラック・ローズ』から
アリバイです。

 
ここで、スコット・ゴーハムと共に、素晴らしいツインリード・ギターを

聴かせてくれているのは、あの!名ギタリストのゲイリー・ムーアです。


ゲイリー・ムーアがフル参加した唯一のTHIN LIZZYのアルバムからの
1曲ですが、
この緊張感溢れるギタープレイ。
当時の主流だったアメリカンロックとは、明らかに異質でありながら、
ちゃんとポップソングにもなっている、という本当に素晴らしい
ロックナンバーですよね。

同時期には、フィル・ライノットとゲイリームーア2人は、
こんな素晴らしい楽曲も残しています!

フリートウッド・マックのピーター・グリーンから譲り受けた、
という
1950年代後半の”バースト”といわれるギブソン・レスポールから
奏でられるゲイリー・ムーアの凄まじい泣きのギター!

永遠に続くようなサステイン。
溢れる感情が指が流れ出ているような、強烈なビブラート。

1970
年代後半。THIN LIZZYは、まさに絶頂期を謳歌していました。


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パリの散歩道   /    THIN LIZZY 

 

フィル・ライノットとゲイリームーアの素晴らしい共演:

“パリの散歩道”でした。

 
さて、1970年代後半。この世の春:を謳歌していたTHIN LIZZYでしたが、
ゲイリー・ムーアが脱退して、1980年代に入ると、完全に勢いを失います。
同時期、アメリカの人気バンド:KISSが落ちていくのと全く同時期ですね。

パンクロックが隆盛を極めた後、スタジアム・ロックが冬の時代に突入。
派手な車に乗って、SEXDRUGR&Rというセレブ生活を送っていた
スーパーバンドたちは
一気にロックファンから見放されるようになります。

アルバムは売れない、ドラッグはやめられない、ツアーはきつい、
喧嘩は絶えない・・・。1982年ごろになると、THIN LIZZY
明日にでも解散するような状況になっていました。

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COLD SWEAT   /    THIN LIZZY   


お送りしたのは、1983年のオリジナルTHIN LIZZYラストアルバム
THUNDER AND LIGHTNING』から”Cold Sweat”です。

ここで、凄まじいギタープレイを聞かせてくれているのは
あの!JOHN SYKESです。
ホワイトスネイク、ブルーマーダーで一世を風靡した名ギタリストですね。
真っ黒のギブソン・レスポール・カスタムからの歯切れのいい
ギターサウンドが
たまりませんね。

というか、このバンド:本当にレスポーラーだけをワザと選んでるような・・・。
それくらい、レスポールサウンドに特化したバンドですよね。

さてさて、1983年。解散寸前となったTHIN LIZZY
しかし、フィル・ライノットはこのまま消えていくことを拒みました。
最後に大きな花火をあげて、THIN LIZZYの花道を飾るべく、
ラストアルバムの制作に取り掛かったんですね。

そこで白羽の矢が立ったのが、当時オジー・オズボーン・バンドにも
誘われていたギタリスト:JOHN SYKES
若くからTHIN LIZZYファンだった彼は、バンド参加を快諾。

バンドは、その歴史の最後に凄まじいハードアルバム
THUNDER AND LIGHTNING』を
リリースします。

イギリスでの最後のLIVEはロンドン・ハマースミス・アポロ4日間公演。
多くのファン、そして歴代メンバーに囲まれて、
THIN LIZZYはその歴史を閉じました。

バンドの象徴:フィル・ライノットが死んだのはその3年後です。

長い放蕩生活の末路。

ドラッグの過剰摂取による死亡という哀れな最後でした。

 

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