ジョージ・ハリソン『バングラデシュ・コンサート』特集!
2011-03-06
『ジョージ・ハリソン
“バングラデシュ・コンサート” 特集』。
1971年8月1日に行われたロック界初の大規模
チャリティ・コンサートをパッケージしたこの作品。
愛のあふれた演奏が詰まっています。
M.HERE COMES THE SUN / ジョージ・ハリソン
1曲目にお送りしたのは、1971年のそのアルバム
『バングラデシュ・コンサート』から、
ジョージのビートルズ時代の名曲“HERE COMES THE SUN”です。
ジョージと一緒にギターを弾いているのは、
あのBADFINGERのピート・ハムです。
<この番組でも以前特集しましたね!>
とてつもない才能がありながら、大人たちのビジネスに翻弄され、
だまされて、若くして妻と子を残して自殺してしまった悲劇の
ロックスターです。
こんなシンプルな弾き語りヴァージョンだからこそ、
楽曲の良さがより深く伝わりますね。
M. MY SWEET LORD / ジョージ・ハリソン
さて、次にお送りしたのは、説明不要の名曲ですね。
まぁ、盗作騒ぎでさらに有名になった、という方が正しいかも
しれませんが・・・。
ジョージ・ハリソンのソロでの大ヒットナンバー
“MY SWEET LORD”です。
よく知られている話ですが、ビートルズ解散後、
もっとも早く活躍してヒットチャートを席巻していたのは、
ジョンでもポールでもなく、ジョージでした。
まだ若く、ビートルズ時代に吐き出しきれなかった才能が
マグマのようにたまっていたんでしょうね。
さてさて、1971年のLIVEアルバム
【バングラデシュ・コンサート】。
(日本でのリリースは1972年です。)
原題【コンサート・フォー・バングラデシュ】は、
同じ年の8月1日にMSGで行われたチャリティーLIVEを
パッケージした作品です。
まぁ、今でこそロックのチャリティーコンサート、
というのは定番ですが、当時はまさに前代未聞!
ジョージ・ハリソンの熱意が生んだ、奇跡のLIVEとなりました。
もし、これがなければ、LIVE AIDとかUSA for AFRICAなんかは
生まれなかったかもしれませんね。
<実際、LIVE AIDの主催者:ボブ・ゲルドフは、
このイベントを強く意識してイベント制作に挑んだそうです。>
シタールの師匠:ラヴィ・シャンカールから、
圧政に苦しむ東パキスタン(後のバングラデシュ)の現状を
聞いたジョージ・ハリソンが、飢えと病気に苦しむ数多くの難民救済の
ために、LIVEを行って、公演、レコード、すべての収益を
寄付しよう!と思い立ってスタートしたこの企画。
ただ・・・参加したミュージシャンは、実は有名な人は多くありません。
ポール・マッカートニーには断られ、ジョン・レノンはヨーコをステージには上げない!といったジョージにぶち切れて出演拒否!
ミック・ジャガーはビザが下りず断念・・・
そして、今でこそ定番の“ノー・ギャラ”でのLIVEに難色を見せる人
多数・・・と、ブッキングは順調とは言えませんでした。
まぁ、ジョージが電話で直接ブッキングしていたようなLIVE
でしたから、本当に手作りのチャリティー・コンサートだったんですね。
そんな中、この人がバイク事故からの長い沈黙から再びCOME BACK。
久々のコンサートでの歌声に、観客もメディアも大騒ぎとなりました。
M. BLOWIN’ IN THE WIND /
BOB DYLAN &ジョージ・ハリソン
さて、お送りしているのは、当時グラミー賞の最優秀レコード賞を獲得した
1971年の大名盤:『バングラデシュ・コンサート』から、
ボブ・ディランがボーカル&ギター、
レオン・ラッセルがベース、エレキがジョージ・ハリソン、
タンバリンがリンゴ・スターというものすごい面々での“風に吹かれて”です。
この歓声で、観客の興奮がわかりますよね。
さてさて、そして、もちろんこのコンサートにはもう一人。
素晴らしいゲストが参加しています。
もうご存知ですよね。
ジョージ・ハリソンの親友で、奥さんを寝取ったエリック・クラプトンです。
当時、クラプトンはスランプの真っ只中、
恋の悩み、仕事の悩み、そして深刻なドラッグ中毒・・・
と、満身創痍の中、音楽活動からは遠ざかっていましたが、
“親友:ジョージのためなら”
と、久々にファンの前に姿を現しました。
ジョージも、“クラプトンのリハビリになれば”と
誘ったそうです。
演奏したのは、もちろんビートルズ:ホワイト・アルバムの名曲。
ビートルズ史上、はじめてメンバー以外が演奏に加わったという
記念すべき曲:“WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS”です。
M WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS
/ ERIC CLAPTON &ジョージ・ハリソン
1971年の大名盤:『バングラデシュ・コンサート』から、
ERIC CLAPTONがギターで参加した
“WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS”
まだまだ、万全とは言えないギターソロですよね。
ただ、クラプトンが人前に出てきた!
という事実だけで、観客は大興奮だったようです。
さてさて、【バングラデシュ・コンサート】。
これを実現させた時、ジョージはまだ28歳です。
ビートルズでの栄光があったにせよ、名前も知らない誰かのために、
これだけの努力ができる男、というのはそうザラにはいないでしょう。
チャリティー・コンサートのスタンダードを作り上げた、という点でも
ものすごい行動力です。
まさに、グラミーにふさわしい名盤ですね。
M. SOMETHING / ジョージ・ハリソン