東京探訪 山手線一周ぶらり旅 池袋~大塚編2|旅人:井門宗之

2011-07-09

 

 

井門「ここはどんな硬貨を作っているのですか?」
猪鼻「はい、プルーフ硬貨を作っております。」

 

 

“プルーフ硬貨”とは耳慣れない単語だが、英国などでは昔からあったもの。
日本で本格的に製造が開始されたのは1987年からという事だが、要は収集・贈答用の貨幣の事だ。
そして収集・贈答用の貨幣にはそれ相応の特殊な加工が施される。
その一連の作業を行う工場があるのが、ここ造幣局東京支局なのだ。

 

 

猪鼻「他にも造幣東京博物館がございまして、様々な貨幣の展示がございます。」

 

 

まず我々はその博物館へと向かう事にした。
ここには今まで発行された様々な記念硬貨や勲章、お金の歴史にまつわる展示物が並ぶ。
入ってすぐの所で井門Pが早速釘付けになったのが、東京オリンピック記念硬貨。
昭和39年に発行されたこの硬貨、亡くなった祖母の家にあって、
昔は物凄く特別な貨幣に見えたのである。こんな所で再会出来るとは…。

 

 

 

 

 


東京オリンピックの100円&1000円記念硬貨





 

猪鼻「他にも勲章などもここで作っておりますので、展示がございますが…。」
井門「あー!!!!

 

 

井門の目の前に現れた勲章展示の場所に、実は見知った勲章がありました。
完全に私事なのですが井門の祖父が黄綬褒章を授章しておりまして、
僕は今まで祖父が黄綬褒章を貰った事しか知らなかったのですが、その意味を初めて知りました。
黄綬褒章を授章するのは、『第一線で業務に精励している者で、他の模範となるような技術や事績を有する者』だそうです。…なんか泣けてしまいました。じいちゃん、俺、もっと頑張るわ。

 

普段は何気なく使っている貨幣ですが、今まで様々な変遷を辿ってきたのがここに来ると分かります。
例えばギザギザの10円玉が無くなったのは何故か?という疑問。
皆さんは御存知でしょうか?猪鼻さんに聴いてみましょう。

 

 

猪鼻「10円硬貨が出来たのは昭和26年。
その後、昭和32年に百円硬貨が出来るのですが、どちらもギザギザがあり似ていたのです。
なので昭和34年から10円硬貨のギザギザを取った。
ちなみに今の貨幣は目を閉じても、どれがどれだか分かる様に作っているんですよ。」

 

 

 

 

 


地方自治法施行60周年記念貨幣は
数年かけて各都道府県のデザインが順番に発行される予定







青森県のデザインは「ねぶた」




高知県のデザインは「坂本竜馬」






千両箱、結構重いぞ~っ!
おっさんだけに腰が…




時代劇でしか見たことなかった大判が!
しかも本物!







国民栄誉賞の楯も! いずれは僕も、ねぇ…




金塊を触ると
どうしてもイヤシイ顔になるのは僕だけ?






 

 

博物館の中では昔の千両箱の重さを体感できる場所があったり、
無料で自分のお財布に入っている硬貨の“疲れ”を測る機械があったり、
なんと言っても今の目玉は地方自治法施行60年記念貨幣でしょう!
これは47都道府県の“ならでは”の図柄が刻印された500円と1000円の記念硬貨。
一度に47都道府県全部の記念硬貨が発行されるわけではないので、
詳しくは造幣局のHPをご覧戴きたいのですが、なにが良いって、
引き換え日になると500円の記念硬貨が銀行で両替出来るってんです!
これは知らなかったけど、知っていると銀行で記念500円が手に入るかもしれない。
枚数の制限なども出てくるそうなので、やはり造幣局か財務省のHPでご確認下さい。

 

 

猪鼻「では折角ですから、硬貨を作る工場へと行きましょう!」

 

 

我々が通されたのは一般見学も出来る工場。
見学スペースから強化ガラスで仕切られた向こう側では、様々な作業を職員の方がされている。

 

 

 

 

 







 

猪鼻「いや~、今日は凄いですよ!ほとんどの作業に出くわせてる!
カメラ持っていたら仕事を忘れて写したいところだなぁ~!!」

 

 

 

ここにきて我々よりも猪鼻さんのテンションが上がりまくっているのが面白かったです(笑)
作業は実に様々で、やはり収集・贈答用なので貨幣の表面をピカピカに磨く必要がある。
傷一つつけないで磨く作業を鏡面加工というのだが、
まさに鏡の様に反射し光り輝く貨幣を作り上げるのだから凄い。
しかもその最後の作業は人の手によるものが大きいというのだから、繊細なものなのだ。
普段使う硬貨、その重みと大切さ、歴史を知るにはこんな良い場所はないだろう。

 

 

 

 

 


プルーフ貨幣は、お金にする前に洗って…





拭いて…





一枚一枚手作業で作ってます






伺った時は
「地方自治法施行60周年記念貨幣」の
鳥取県の500円硬貨を作成中でした






 

 

猪鼻「夏休みの自由研究に来る方、本当に多いんですよ。
ぜひ皆さんもいらっしゃってくださいね!」

 

 

猪鼻さんの仏様のような笑顔に会いに、いざ造幣局東京支局へ!

 

 

 

 

 

 

 

 


大塚に向かう途中で東京唯一の路面電車「都電荒川線」の線路に遭遇





 

今回のぶらりは池袋で遊び過ぎたなぁ。
おかげで造幣局を出たあとは、大塚までほとんど何も見なかった(笑)
でも間違い無く、この池袋と大塚の間に『都会と下町の境界線』がありました。
それは直接的に“コレ!!”って言うんじゃないんだけど、
その町に流れる風や匂い、人の歩く速度や表情、そんなものに表れていたのかもしれません。 


何よりも大塚までの移動で、街から町に変わった気がするんですよね。
東京の表情が変わる瞬間、そしてここから先はこの表情のまま、
山手線ぶらりは進んでいくのでしょう。
だって次回は【おばあちゃんの原宿】こと巣鴨ですもの!!
ヤジキタ一行、おばあちゃん&おじいちゃんに負けないように、
次回も目いっぱいぶらりしますよ~!お楽しみに!!

 

 

 

 

 


大塚駅前ロータリーは
都電・タクシー・人が行き交う




大塚駅に無事到着!





 

 

 

≪オフショット≫

「サンシャイン60展望台」のカップル用ソファでくつろぐ、
34歳のおっさんと、来年業界歴30周年のおっさん。ハートのクッションがまぶしいぜぃ!!
大塚の次の駅は、巣鴨。2人にピッタリだぜぃ!!

 

 

 

 

 







 

 

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