THE PRETENDERS “GET CLOSE”特集!

2011-07-31


getclose

『最強の女性ロッカー!
 “THE PRETENDERSGET CLOSE 特集』。

ブルーのテレキャスターを持つクリッシー・ハインドが
かっこよすぎる
1986年のアルバム『GET CLOSE』。
バンドメンバーを一新して完成したポップな名作です。

M.     MY BABY   /  THE PRETENDERS  
 

M
   HOW MUCH DID YOU GET YOUR SOUL? 
  /  THE PRETENDERS 

さて、お送りしたのは、1986年のそのアルバムから、
超ファンキーな“魂の値”です。
それ以前のプリテンダーズではあり得ないようなファンクサウンド。
この作品のみの参加となったT.M.スティーブンスのベースが
光ってますね。

プリテンダーズにT.M.スティーブンス??
とってもミスマッチな気もしますが、改めて聞くと、
これはこれでカッコいい。
ルーズなR&Rバンドだった初期のプリテンダーズの
印象を変えるには、これくらいのラディカルな変化が必要だったんでしょうね。

<てか、クリッシーの歌があれば、その瞬間:
 プリテンダーズになっちゃいますしね。>

さてさて、プリテンダーズ。
ロック界の大姐御:クリッシー・ハインド率いる
“イギリスの”バンドです。

アメリカでの活躍が印象深いし、そもそもクリッシーハインド自身が
アメリカ人なんで、
アメリカのバンドだと勘違いしている人も
多いんじゃないでしょうか?

そのクリッシー。
アメリカのオハイオ州の超田舎町出身ですが、余りにもキンクスを
始めとする
ブリティッシュ・ロックが大好き過ぎて、
23歳の時にイギリスに移り住んでしまいます。

そこで、あの!!!超有名音楽雑誌:NME
ニューミュージカルエクスプレスの記者に
なるんですね。
そんな中、音楽好きが高じて自らも音楽活動を開始。
クリス・トーマス、という有名プロデューサーの助言もあって、
様々なアーティストのレコーディングに参加。

<新人がなぜ?って思いますが、NMEの記者ですから、
 アーティストも、むげに出来なかったのでは((笑))??>

そして、遂にデモテープが認められてレコード契約を手に入れます。
でも、個人でデビューしたくなかった彼女は、
他に3人のメンバーと共に
プリテンダーズを結成。
1979年。彼女が28歳の時に、
シングル“ストップ・ユア・ソビン”でデビューします。

M
LIGHT OF THE MOON 
  / THE PRETENDERS 

さて、さっきの話の続きです。

1979
年.クリッシー・ハインドが28歳の時に
“ストップ・ユア・ソビン”で
デビューしたプリテンダーズ。
雑誌記者からの転身ですから、遅咲きですよね。
ちなみに、このデビュー曲は彼女の憧れのキンクスのカヴァー。

その後、サードシングル“恋のブラスイン・ポケット”では、
何と全英1位を記録。
アルバムもイギリス、アメリカで大ヒット。

はっきり言って、あっという間に大人気バンドとなります。
当時のニューウェイブブームともピッタリはまって、
そして何より、クリッシー・ハインドの男にこびない、
本当にカッコいいスタイルが
みんなの憧れになったんでしょうね。

デビューから2年足らずで大スターになったクリッシー・ハインドは、
憧れて憧れてしょうがなかったキンクスのレイ・ディビスとも
仕事の現場で出会い、
あっという間に恋に落ちて、結婚して、
1児の母となります。

もーーー、信じられないほどのトントン拍子です。

ただ、ここからがキツかった。

急激な生活の変化のせいなのか、スターになって調子に乗り過ぎたのか、
バンドメンバーが重いドラッグ中毒になってしまいます。

しょうがなくベーシストをクビにした翌日には、
ギタリストがドラッグで死亡してしまう、という全員ジャンキー状態。
大きな悲劇に見舞われて、結果的にはベーシストもなくなって・・・。

そして、追い打ちをかけるように、
クリッシーはレイ・ディビスと離婚・・・。
と、本当に苦しい時期を過ごします。

ただ、こんなことではクリッシーは諦めませんでした。

M
DON’T GET ME WRONG  
  /  THE PRETENDERS
 

次にお送りしたのは、1986年のそのアルバムから、問答無用の
名曲。
DONT GET ME WRONG”です。

もーー最高!!!

80
年代を代表する名曲だし、とくダネ!でも流れていたので、
日本人、ほぼみーーーんな知ってるんじゃないでしょうか?

ちなみに、この“DON
T GET ME WRONG
直訳するともちろん“誤解しないで”ってことですが、
この曲は、クリッシーの友達だったあの!超有名テニスプレイヤーの
マッケンローのコトを
歌った曲なんだそうです。
審判に滅茶苦茶な暴言を吐いたりして、メディアから
叩かれまくったマッケンローのコトを、“誤解しないであげて”
って擁護してあげたんですね!さすが姉御!

さて、バンドメンバーの死去、
そして、自身の離婚・・・と悲しみの中でも前に進み続けた
クリッシーは、
1984年に傑作アルバム
“ラーニング・トゥ・クロール”を発表。
大ヒットさせます。

そして、自身もあっという間に再婚。1児をもうけて、
結局2児の母となります。

ただ、デビューからの盟友を失ったバンド:プリテンダーズは
バンドメンバーが
ちょくちょく変わる、はっきり言ってクリッシーの
ソロプロジェクトと化していきます。

今日特集しているアルバム『GET CLOSE』は、
そんな流動的な中の1986年に
リリース。

サイモン・フィリップス、スティーブ・ジョーダン、
TMスティーブンス、
バーニー・ウォーレルなど、
そうそうたるミュージシャンが参加しています。

オーバーダビングを抑えて、LIVEっぽくシンプルに荒削りに
作られていたサウンドは
影をひそめて、
本当にワールドワイドクオリティの、
今聞いても古さを感じない、
素晴らしいサウンドのプリテンダーズに
変化しています。

そんなプリテンダーズは、2005年にはロックの殿堂入り。

現在でも力強く活動しています。 

M
  DANCE  /  THE PRETENDERS