BOB DYLAN “追憶のハイウェイ61”特集!!

2011-09-20


dylan
『祝70歳!!
  BOB DYLAN“追憶のハイウェイ61” 特集』。

M.    FROM A BUICK 6   /  BOB DYLAN  

1曲目にお送りしたのは、1965年のそのアルバムから
“ビュイック6型の想い出”。

本当に荒い演奏!ミストーン、リズムのモタりも関係なく
突き進んでいきますね。
そして、相変わらずの吐き捨てるようなディランの歌声。素敵です。

M. 
追憶のハイウェイ61  /  BOB DYLAN   

さて、次にお送りしたのは、1965年のそのアルバムから、
アルバムのタイトルトラック“追憶のハイウェイ61”です。

様々な人名が出てきて、宗教的な言葉も数多く使われているので、
日本人にとっては本当に難解な歌詞ですが、
だからこそ解読する楽しさがあるんでしょうね。
まぁ、この幻想的な世界観の歌詞。
私は何度読んでも意味がわかりませんが・・・。

でも、聴き手に考える余地を多く残してくれる歌詞、
ってのは素敵ですよね。

さて、ボブ・ディラン。
現在70歳。
フォークの歴史、ロックの歴史そのもの、ですよね。
ビートルズにも、ジミヘンにも、吉田拓郎にも、
もー世界中の音楽家に影響を
与えたパイオニアです。

そして、その深い詩の世界も絶賛されて、グラミー賞、アカデミー賞、
そして、ピューリッツァー賞の受賞やノーベル賞にまで
ノミネートされるなど、
まぁ、本当にレジェンドの1人ですよね。

1941
年アメリカ・ミネソタ州生まれ。

小さい頃からラジオにかじりついて音楽を聴いていた少年は、
ピアノを独学で覚えて、レコードショップに入り浸ってギターを覚えて、
典型的な“R&R熱に侵された”キッズになっていきました。
当時のアイドルは、ハンク・ウィリアムスにエルヴィス。

そんな彼をフォークの世界に引き込んだのが、伝説のフォーク歌手
ウディ・ガスリーでした。
反体制のフォークシンガーである彼の著書『ギターを取って弦を張れ』
を読んだ彼は、
エレキギターをアコースティックギターに変え、
名前をボブ・ディランに変え、
フォークシンガーを志すようになりました。

M.  TOMBSTONE BLUES  /  BOB DYLAN  

次にお送りしたのは、1965年のそのアルバムに収録された
“トゥームストーン・ブルース”です。

Mike Bloomfield
のリードギター!素晴らしい!!
彼は、このアルバムに参加する前には、
“ディランはギターが下手すぎる!俺が教えてやる!!”なんて
意気込んで参加したらしいですが、まさにその自信を証明するような
素晴らしいギターソロです。


さて、さっきの話を続きです。
1960年。フォーク歌手を目指したディラン青年は、
ヒッチハイクでNYに向かいます。
様々なクラブで歌い、多くのビッグアーティストの前座を務めるうちに、
その才能に業界人が騒ぎ始めます。

NYタイムズ紙も絶賛。

ヒッチハイクでNYに行ってから1年も経たないうちに、
メジャーレーベルとの
契約も獲得して、
本当にとんとん拍子に物事は進んでいきました。

1962
年には、デビューアルバム『ボブ・ディラン』をリリース。
そして、翌年には、歴史的名盤『フリーホイーリン』をリリース。
“風に吹かれて”など、時代を変えるメッセージソングを収録した
そのアルバムは、
公民権運動、ベトナム戦争に揺れるアメリカの
若者の圧倒的な支持を得ることになります。

と同時に、単なる刹那的な娯楽に過ぎなかったロック、ポップソングが、
若者を動かす大きな力になっていくキッカケとなっていきました。

1964
年には、体制に反抗するプロテストフォークが詰まった名盤
『時代は変わる』をリリース。

ディランは、フォークの貴公子、時代の代弁者と崇拝されて、
過激な運動の扇動者のような扱いを受けるようになっていきました。
多くのアーティストも彼の曲をカバー。
ジョン・レノンを始め、ビートルズの面々もディランに強く傾倒。
モロに影響を受けた楽曲をリリースするようになっていきました。

ただ、こんな状況にディランは物凄い違和感と居心地の悪さを
感じるようになります。

フォークの貴公子から逃げ出すかのように、ディランは
フォークギターを
エレキギターに変え、ロックバンドを編成して、
ロック色の強い曲を歌うように
なっていきました。

そして直接的なプロテストソングをやめ、
内省的で幻想的な歌詞を歌います。

そんな中1965年にアルバム『追憶のハイウェイ61』はリリース
されます。
ディランの6作目です。

アルバムからは、ナンバー1ヒットシングルも生まれました。

6
分にもおよぶ大作でありながらの1位。
歴史に残る名曲でした。

M.  LIKE A ROLLING STONE  /  BOB DYLAN   

次にお送りしたのは、1965年のそのアルバムに収録された
歴史的名曲
LIKE A ROLLING STONE”でした。

栄光の中にいる人間が金も信頼も友人も失って転がり落ちた時、
一人ぼっちになったときどんな気持ちか??をうたったナンバー。
人間の本当の価値は、裸の自分だ、と歌うこのナンバーは、
体制に対する痛烈な批判を捉えられて、若者の圧倒的な支持をえました。

ただ、演奏は酷いですよね。
このアルバムでは、ディランはほぼスタジオLIVE形式でREC
したそうですが、
バンドのリハ不足がはっきり出ています。
中盤からは、集中力が切れたのか、かなり混沌。
リズムも悪く、ミスも多いですが・・・。
まぁ、そんなことは関係ないんですね。
上手いからいいってもんじゃない。

ただ、ちょっとひどすぎる気もします(笑)。

ちなみに、オルガン&ピアノのアル・クーパーはギターで
参加するつもりが、
 マイク・ブルームフィールドが余りに凄いから
恐れおののいて、
 隅で見ていたそうですが、
ちょうどオルガンが空いていたので、
生まれて初めてオルガンを弾いて、アルバムに参加したそう。

もーーーめちゃくちゃ。いい時代です。

ただ、この曲でディランは、ビートルズと並ぶポップアイコンに
なりました。

以降、売上やヒットソングという点では、彼らに大きくみずを
開けられますが、
その詩の深さ、芸術性は60年代から現在まで、
世界中で高く評価され続けています。

M
DESOLATION ROW  /  BOB DYLAN