ボズ・スキャッグス!ミドル・マン!!

2011-10-03


boz

『都会的で洗練されたサウンド!
     Boz Scaggs “Middle Man”特集』

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  Breakdown Dead Ahead   / Boz Scaggs    

1曲目にお送りしたのは、1980年にリリースされたアルバム
Middle Man』から、「Breakdown Dead Ahead」。
シャッフルの軽快なロックナンバー。
なんとこの曲でギターを弾いているのは、
TOTOのスティーヴ・ルカサー。
このほかにも、このアルバムには、TOTOのメンバーに、
デヴィッド・フォスター、
サンタナも参加という、
なんとも豪華なアルバムになっています。

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Middle Man     / Boz Scaggs      

さて、次にお送りしたのは、1980年のそのアルバムから
Middle Man”です。

いやあ、今にしてみるとかなり大げさなイントロではじまりますが、
ぐいぐいと引き込まれていくロックテイストな曲ですね。
まさにTOTOサウンド!ハイドラ!な感じです。

ちなみにTOTO結成には、このBOZとの関係が大きく影響して
いるんですが、
それはまた後ほど。

そして、このタイトル”Middle man”はなんだ?
中年男ということか!と思いそうですが、
どうやら違うみたいですね。
「仲介者、仲人、媒介者」という意味なんだそうです。

さて、ボズ・スキャッグス。
本名ウィリアム・ロイス・スキャッグスは、
1944年、アメリカ・オハイオ州に生まれました。

父はセールスマンで、オクラホマや、さらにテキサス州ダラス
北部の町で暮らしていました。
そこで通った高校で、”ボズレー”というニックネームで
ばれるようになって、
その後”ボズ”という彼の永遠の愛称が生まれたわけです。

さて、12歳でギターをはじめたボズ少年。
青春期のボズは、ラジオから流れるR&Bやブルースに心をときめかせるようになります。中でもレイ・チャールズとジミー・リードの大ファン
だったとか。

その後、高校で知り合ったスティーヴ・ミラーにギターを学び、
一緒にバンド活動をスタートさせます。
高校でも、大学でも勉強をほったらかしで音楽活動にのめり込む
ボズですが、
プロになる術も分かりません。

“じゃぁ、ロックバンドがたくさんいるイギリスに行くか!”
ということで、1964年。
ブリティッシュ・インヴェイジョン真っ只中のイギリスに渡りますが、
あっという間に金がなくなって、ビザの問題などもあってバンドは崩壊。
どーしょーもなくなったボズは、流浪の旅人になって、
デンマークやフランス、
スペイン、インドなどを転々。
スウェーデンのストックホルムでは2,3年滞在して、
いわば大道芸人みたいなこともやっていたそうです。

そんな“寅さん”みたいなボズを見かねたんでしょうか?
旧友のスティーヴ・ミラーは、再度自身のバンドに誘います。
それがスティーブ・ミラー・バンド。
1968年.遂に、ボズはプロミュージシャンとしてのスタートラインに
立つことになります。

M  Simone   /  Boz Scaggs    

次にお送りしたのは、1980年のそのアルバムから
「シモン~僕の心をもてあそぶ」でした。

さて、1968年にスティーヴ・ミラー・バンドの一員としてデビュー
したボズ。
そこで一気に高い評価を得た彼は、1969年。
満を持してソロデビュー。
あの!デュアン・オールマンが参加したアルバム『ボズ・スキャッグス』をリリースします。しかし、売れません。

その後、コロムビアに移籍し、セカンドアルバム『モーメンツ』。
続いて『ボズ・スキャッグス&バンド』、『マイ・タイム』、
『スロー・ダンサー』
R&B色の強いアルバムを次々に
リリースしますが、なかなかブレイクできずにいました。

そんな中、一気に音楽性を都会的で洗練されたクロスオーバーサウンド
に変化させた
1976年の名作『シルク・ディグリーズ』が誕生します。

このアルバムからは、「ロウダウン」「リド・シャッフル」
「ウィア・オール・アローン」
という名曲が生まれ、
アルバムセールスは400万枚を記録!全米チャート2位。
あっという間に、ボズ・スキャッグスは
世界的なアーティストとしての君臨するようになります。

そして、彼のこの独特なサウンドを表現する上手い言葉がなかった
からでしょう。
日本では、AOR(アダルト・オリエンティッド・ロック)。アメリカではAC(アダルト・コンテンポラリー)
なんていう言葉が生まれて、
まさにボズは、時代の寵児としてもてはやされることになりました。

ちなみに、この時のバックを勤めていたのが、デヴィッド・ペイチ、
ジェフ・ポーカロ、
スティーブ・ルカサーといった名うての
スタジオミュージシャンたち。
そして、彼らはこのセッションをキッカケに、後にTOTOを結成。
バンド活動をスタートさせることになるんです。

そして、この「シルクディグリーズ」の後、
アルバム「ダウン・トゥ・ゼン・レフト」をはさんで、1980年、
今日特集している名盤「Middle Man」を
リリースします。

アルバムには、こんなAORサウンドの金字塔ともいうべき名曲が
収めされていました。

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  Jojo   /  Boz Scaggs                      

次にお送りしたのは、1980年のそのアルバムから、
BOZの代表曲。のみならずAORサウンドを代表する名曲「JOJO」です。

サックスやホーンをさりげなく使いながら、
ファンキーでもあり、都会的なクールなサウンド。
ところどころにでてくるかっこいいキメ。
カッコEですね~~~! 

さて、この1980年の『ミドル・マン』ではボズにとって
3回目のプラチナ・ディスクを獲得しています。

しかし、こうした成功とともに得た華やかな生活にボズは疲れてしまい、
ツアーも含めて活動を停止。しばらく表舞台から姿を消してしまいます。

その間、未発表新曲「ミス・サン」を含むベスト・アルバムとなる『HITS!』などを
リリースしますが、次のオリジナルとしては88年の
「アザーロード」まで、
ファンはずーーーっと待たされることになりました。

M
You Can Have Me Anytime   /  Boz Scaggs