AIRPLAY “ロマンティック”特集!

2011-10-16


airplay

『最高のウェストコーストAOR
 エアプレイ“ロマンティック”特集』

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  Stranded  / AIRPLAY   

1曲目にお送りしたのは、デヴィッド・フォスターと
ジェイ・グレイドンが組んだユニット:
エアプレイ、
1980年のアルバム『
AIRPLAY 邦題は、ロマンティック』から、Stranded」です。かなりロック色が強い!!
デヴィッド・フォスターのイメージとはかなりかけ離れてますよね。
いやー、かっこいい。

このアルバム。当時、すでにプレイヤー、アレンジャー、
ソングライター、そしてプロデューサーとして
活躍していた二人が
フロントに立って作り上げたアルバム。悪いわけありません()

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  Nothin’ You Can Do Around It  / AIRPLAY   

さてさて、エアプレイ。
1980年に1枚だけ、名盤をリリースした伝説のユニットです。
中心メンバーは、デヴィッド・フォスターとジェイ・グレイドン。

ちなみに、デヴィッド・フォスターといえば、
もーー世界的な大プロデューサーです。
手がけたアーティストでは、セリーヌ・ディオン、EW&F、シカゴ、
ジョシュ・グローバン、ザ・コアーズ、マイケル・ジャクソン、
松田聖子!最近ではシャリースなどが有名ですね。

とにかく語りつくせないほど多くの作品を手がけています。
さらに、今までに15のグラミー賞を獲得、また「カナダのグラミー」
と呼ばれる
ジュノー賞も7度、映像関連のエミー賞を1
受賞しています。すげぇ。

さて、そんなデヴィッド・フォスターは、
1949111日 カナダの出身です。
1960年代からいろいろなアーティストのバックでキーボードをプレイ。
1971年にスカイラークというバンドを結成します。
その後、プロデューサーに転向。さまざまなアーティストを手がけます。

そんなデヴィッドが、このアルバムの立役者、そしてエアプレイという
名付け親である
ジェイ・グレイドンと知り合うことになったのは
1970年代前半。
ジェイが出演していたLAのクラブでのことでした。

ふたりは偶然にも同じ年の生まれ。誕生日も3週間しか離れていません。
お互いの才能に驚嘆した2人はすぐに友人になります。

その後、二人はともにスタジオミュージシャンとして活躍して
いくのですが、
アーティスト志向の強かったジェイの影響もあって、
二人は、
裏方ではなくアーティストとしてやっていこう!
と思うようになっていきました。

そして1980年。

デヴィッド・フォスターがちょうど30歳のとき、
このアルバムが完成したんですね。

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Cryin’ All Night   / AIRPLAY                             

次にお送りしたのは、エアプレイの1980年のアルバム
「ロマンティック」から
Cryin All Night」です。

広がりのあるサウンドですね。キメの入れ方がまさに80年代。
実によく計算されたアレンジですね。

さて、このエアプレイというネーミング。
ジェイ・グレイドンが名付け親なんですが、
ラジオで曲がかかること。まさにエアプレイされること!
から名づけたということなんですね。
エアプレイをエアプレイする。というギャグ、なんですね。

さてさて、

このアルバムのレコーディングは、ジェイの家で、ジェイの機材で、
ジェイのミックスで
ほぼ作られたということなんですが。
そのジェイ・グレイドンはどんな人物なのかといいますと、
先ほど触れたように、
彼もまたギタリストであり、アレンジャーであり、プロデューサー。
さらにエンジニアもできるというマルチアーティストなんですね。

お父さんが歌手だった影響で、幼い頃からトランペット、フルート、
サックス、ベース、
オルガンと様々な楽器を学び。
20歳の頃からギタリストとしてスタジオ・ミュージシャンの活動を
始めたそうです。ちなみにボウリングの腕前もプロ級とか。どんだけ?

1977
年に、スティーリー・ダンのヒット曲「ペグ」のギター・ソロを
プレイしているのも
ジェイ・グレイドン。この演奏が採用され、
その名を知られるようになったんです。

アレンジャーやプロデューサーとしても活躍し、アル・ジャロウや
マンハッタン・トランスファーといったアーティストの作品を
手がけています。

ちなみにギタリストとしては、あのTOTOのスティーヴ・ルカサーの
師匠とも言われていて、
ギタープレイがうまいのはもちろんなのですが、
特にオーバーダビングによるギターオーケストレーションに特徴が
あって、
このアルバムでもその魅力を十分に発揮しています。

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Should We Carry On  / AIRPLAY    

お送りしたのは、1980年のアルバム「ロマンティック」から、
Should We Carry On」です。

まさにデビッド節のピアノが堪能できる美しいバラードです。
途中のジェイのオーバーダビングされたギターソロも見事ですね。

実はこの曲からエアプレイが始まったんです。
まだ二人が裏方としてセッションなどの仕事をこなしていた頃のこと。
ある仕事終わりに二人はこの曲のアイデアが浮かび、
すぐにジェイの家にいき、
デモを完成させたといいます。
そして当時のRCAレコードに売り込みにいったそうです。

1980
年当時、このエアプレイサウンドは日本の音楽界でも
大注目されて、
様々なアレンジャーに影響以上のものを与えて、
多くの作品であれ?どこかで聞いたことあるような・・・。
これってパクリじゃ・・・的なことがよくありました。

さて、先日お届けしたボズ・スキャッグスのアルバムもそうでしたが、
この時代のアルバムの聞き方のひとつにどんなプレイヤーが参加
しているのか?
ということがありました。
「ジャケ買い」ならぬ、「参加プレイヤー買い」がよくあったんですね。

このアルバムもやはり参加ミュージシャンは豪華です。
ドラム ジェフ・ポーカロ
ベース デビッド・ハンゲイト
ギター スティーヴ・ルカサー
シンセ スティーヴ・ポーカロ
(なんだ、みんなTOTOだ!)
トランペット ジェリー・ヘイ
リズムギター レイ・パーカーJr.
バックグラウンドボーカルに、ビル・チャンプリン
(その後シカゴのボーカルに!)など。

この時代のアルバムを参加プレイヤーに注目して聞いてみるのも
面白いですよ。
いろんなプレイヤーごとの癖や個性が見えてきてサウンドの
オリジナリティが
際立ってきます。

まだまだ音楽業界に力とお金があった1980年。
スタジオでじっくり時間をかけて音楽が作られていた時代
だったんですよね。
                         

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  She Waits For Me  / AIRPLAY   

お送りしたのは、1980年のアルバム「ロマンティック」から、
She Waits For Me」です。 軽快でさわやかなロックサウンドですね。日本での1stシングルでした。
ジェイ・グレイドンのギターオーケストレイションが美しい曲です。

このエアプレイ。デビッド・フォスターとジェイ・グレイドン、
さらにボーカリストとしてトミー・ファンダーバークの3人を中心に
結成されました。

しかし、実質的にはAORブームのなかでのユニットでもあり、
このメンバーでは、このアルバム1枚のみでエアプレイとしての
活動は停止したままです。

その後は、デイヴィッド・フォスターが1985年の映画
『セント・エルモス・ファイアー』の音楽をプロデュースした際、
サウンドトラックにエアプレイ名義で
「ストレスト・アウト(クロース・トゥ・ジ・エッジ)」という曲が
収録されています。

また、1993年にジェイ・グレイドンが
『エアプレイ・フォー・ザ・プラネット』という
タイトルのアルバムを発表しています。

さあ、次にお送りするのは、「After The Love IS Gone」。
これは、1979年にはジェイ・グレイドン、ビル・チャンプリンと
共作した
アース・ウィンド・アンド・ファイアーのために書いた
"After The Love Has Gone"
自らカバーしたものです。

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After The Love Is Gone   /  AIRPLAY